とある定期テスト間近の青年

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11日前

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さて、大橋宅に着いた奏多だが、熱烈な歓迎と強烈な酒で目的を忘れてしまったようだ。とんでもない失態である。ちなみに、今回のテストで赤点を取れば退学も有り得るのだ。なのに勉強を忘れるとは…
「ウン、飲んだ、飲まれた。」「気をつけて帰れよー」大橋側も大概であった。酔いが覚めると、勉強を思い出しとてつもない程に焦った。何しろ、退学なのだ。「しかし、もう11日前かァ…11…11…そうだ!気分転換にサッカーでもしようか。(名案)こうなりゃもうヤケだ!退学なんて怖くなーいさァー」  スットンキョウである。何はともあれ(?)サッカーをすることになったが、なんせ足がおぼつかない。「落ち着くまで勉強しようか。その前に皆にメールを送るか。」 意外に人脈はあるようだ。何より驚いたのが勉強するという言葉が奏多の口から出たことである。 
「今回は開いて閉じるみたいな幼稚園児のような真似はしないようにしよう。今日は英語だ。音読するか。  アイ、ウォォント、デェィス、ボーク。」(I want this book.)と読み上げたらしい。
「ユウウ、ァァァ、ブエリイ、インタルエステイング。」
(You are very interesting)と言いたかったそうだ。
こりゃまずいんじゃないか。
プルルルル
「もうみんな集まったのか。行くかー。」 それにしても、11日前だからサッカーというのはあまりに幼稚というか、阿呆っていうか。もはやオヤジギャグである。

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