菅原一月短編集R-18

菅原一月

文字の大きさ
上 下
6 / 8
「黙秘します」

俺の長い片思いと、その内容(篤兄視点)

しおりを挟む

彼女の玄関先。
水槽の中で、紅い金魚が仲良く遊んでいる。
その2匹は朱色の帯を雅になびかせる。


小学1年生の頃、俺はこの地域に引っ越してきた。
大きい子どもは小さい子どもの面倒をみることが必然という地域性で。
自然に、友香という3歳年下の女の子の世話役になっていた。
今、思うと、よく小学生3年生で幼稚園年長の友香を保育園から一人でつれて帰ったなと思う。

俺もずいぶん小さい手をしていたけど、友香の手はもっと、もっと小さかった。
そんな彼女の手をぎゅっと握って、彼女の家まで送る。

そしたら、彼女のお母さんが「ありがとう。篤くんはえらいね。ちょっと待っててね。」といって、フードミキサーに、四角い氷と牛乳とイチゴと上白糖をいれミキシングする。

「わ~い。いちごジュースだぁ!」
隣のダイニングチェアに座った友香の目がキラキラと輝く。

この友香のお母さんお手製のイチゴジュースは、彼女の家にいく楽しみの一つであった。
イチゴが豊富におり、とてもフレッシュで美味しかった。
子どもの火照った体を急速に冷やしてく。


45cm水槽に入った2匹の金魚と、甘味と酸味のバランスが絶妙なイチゴジュース。
髪が汗ではりついた彼女のおでこ。もう一杯と力強く叫ぶ元気な女の子。

それが彼女の家での思い出。


妹みたいで。
仲間みたいで。
すっごく大切だった。


夏には、よく一緒にほたる祭りにいった。
真っ暗な中で、歩くのはいつもとなんだか違う。
怖いような、だけどドキドキして楽しいような気がして。

彼女は、猫っ毛を二つに結って、半そで、半ズボン、その時はシンデレラのシューズってのが流行っていて、クリアでキラキラなサンダルを履いていた。

真夏の闇に浮かぶ穏やかな蛍の灯り。

何故か手をつないでいるのに、田んぼのあぜ道と、山の間にある堀に落ちる彼女。
彼女のふっくらとした頬に泥がついている。俺はそんな彼女の手首を掴み引き上げる。
ねだって買ってもらったサンダルに泥がついて、悲しそうな顔をするが、その後、指先を照らす光に彼女はニンマリ笑う。

水に映ったほたるの灯りもきれいだったけど、彼女の指先にとまった蛍の灯りも素敵だった。

「あつ兄。かゆい。」
泥だらけの靴とふくらはぎを洗うと、見事に蚊に刺されていて。
二人で痒かった。

蛍を持ち帰っては、親に返してきなさいと怒られたね。



夏といえば、ご近所で集まって空き地で花火をした。
友香はそれこそ、低学年の時は、怖がって小さな線香花火しか手をださなかった。
俺が一つ年上の和兄と一緒に飛翔する花火をみては羨ましそうな顔して。
火花をだす花火だけではなく、色々な花火に手を出すようになった。

「花火掛け合わせてみよ。」
そういったら、待っていましたとばかりに目を輝かせたね。
残りの花火の本数が足りなるのが、寂しくて二人で大人に強請った。

最後は線香花火で。
二人で顔を見合わせて線香花火を見つめる。その淡い光りが彼女の細い日焼けしたうなじを照らす。
そう、どんどん彼女も大きくなってきて。
ふっくらとした幼い顔は、徐々に大人っぽくなってきて。

少しだけドキドキした。



そういっているけど、小さい二人がやることなんて遊びしかなくて。
彼女が同じ小学校に入ってからは、下校しながら遊んでいた。

色々なことをした。
「あ、やった。パーだ!」
パイナップルと6歩進んだ。グリコ遊びっていうのか?それをしながら帰るから、いつも帰るのに2倍は時間がかかっていた。

あとは、帰り道に大きなシベリアンハスキーがいてすごく怖かったのも覚えている。
青灰色の瞳と目があうと、背中に冷や汗をかいた。

俺たちの家はそれなりに遠くて、おしっこも漏れそうになったりした。
彼女が「おしっこ…。」と呟くのをきいて俺はいつもオロオロしてた。
そういえば、友香が山道で木の根に躓いたときも、周りには大人がいなくて動揺した。
骨折してて、しばらく一緒に帰れなかったね。

終業式にはおもーい道具箱を持って帰るのは本当辛くて、いつも二人の指の関節は真っ赤だった。

そう俺らは――ー春も夏も秋も冬も、一緒にいた。


小学五年生になって、急に身長がのびだした。
俺が大きくなっただけなんだけど、友香が小さく見えて。
なんだか、手荒に扱ってはいけないもののように感じた。






そんな彼女を連れて、住宅街の真ん中を通る坂をのぼる。
子どもにとっては急な坂を上り、下るとそこには草が生い茂る空き地に雑誌がある。
いつも、落ちている漫画かと思ってパラパラみると――

裸の女性が裸の男性に組み敷かれ――

俺は、驚いて雑誌を閉じる。後ろを振り向くと、顔を真っ赤にした友香が目をパチパチさせていた。

なんでもない風に平然を装って帰ったけど、
内心ドキドキで、先程みた刺激的な内容が頭から離れない。

俺のあれが、もしかしたら友香の股に。何故か刺激的な男女の描写から、そこまで思い巡らせてしまって。
息を整えながら、再び、二人で帰路を辿る。

なんだか、友香はやけに静かで、俺は気を紛らわせるように最近買ったゲームの話をした。


―ーーあつ兄ぃ。キスってどういう感じなの。
そういわれて、どう答えていいのか分からなくて彼女のやわらかな唇をふさぐ。
たっだ数秒間だったけど、俺にはもっと長く感じられた。


下半身が急に熱くなってきて、俺は慌てて前を向いて歩きだす。
彼女もそれに少し遅れて歩きだす。





その日の夜、俺は初めて自慰をした。

朝勃ちしかしなかったそれは、白くて薄い精液をどぼっと出す。

俺は――

幼馴染の彼女。
3歳年下の彼女。
そんな彼女の平たい胸のぽつんとした赤い点。キスをした時のやわらかな唇の感触。
それと、あのポルノ雑誌を重ね合わせて、一物をこする。

一度じゃなくて、何度も。何度も。


そんな俺をあなたは軽蔑しますか?








俺が成長して、中学生になると彼女との距離はどんどん離れてくる。
一緒に帰る相手は彼女じゃなくて、同級生になった。


成長の早い俺と、まだ成長期にはいっていない彼女の体格の差は開いていって。
俺は成長すればするほど、想像力も逞しくなり。

妄想の中で彼女に対して、以前したキスとは比べ物にならない荒々キスをし、その幼い体を弄る。
そんな自分が嫌で。


そろそろ高学年になり、少し女らしく成長した友香をみては鼓動を高鳴らせる。
彼女と目があって、急に妄想の中とはいえ、彼女を汚した自分が恥ずかしくって――顔を背けて挨拶もせず歩き出す。



アメフトのキャプテン。
顔もまぁ整っている方、頭も悪くない。陸上部より足が速い。ということで、俺は女子から急にモテはじめた。
バレンタインの日も、俺の机にはたくさんのチョコレートがはいっていて、俺はそれを無造作にバッグにしまう。
俺は、甘いものが得意ではないので、母にあげよう、と思う。


そうして、家に帰ってくると、
母はでかしたといって、チョコを開封しながら

「そういえば、これ友香ちゃんから。」
といって、ピンクのハートの包みにはいったチョコレートを渡される。

胸がドクドクと熱く鼓動を刻みだす。

ああ。俺は、
どうしようもなく、
あの小さな幼馴染を意識しているらしい。


傍にいたら、今にも襲ってしまいそうで、
俺は彼女から離れる方法を考える。




そんな俺の様子を知ってか、知らないでか。
母はホワイトデーにこれやりなさいとぽんっと、水色の包み紙にはいったクッキーを渡す。

俺は早足で彼女の家にいく。
白い手提げ袋にはいったソレを持って。

久しぶりにあった彼女は相変わらず子どもで。
小さくて、俺を男なんて思っていないようにニンマリ笑って。
安心したけど、俺はそんな小さくて華奢な彼女にいつも、心をふりまわされている。


それから、何度も通った道を二人で歩いて公園にいく。


――まだ、本決定ではないけど。俺、寮にはいることになる。
そう呟くと、彼女は少しだけ悲しそうな顔をした。


辺りが暗くなってきたところで、彼女を家まで見送る。
最後にあったのは、父親の車に寮にはいるため必要な荷物を積んでいるとき。

「あつ兄!」と呼び止める声は彼女の声で、俺は真剣に耳を傾ける。

俺は遠方の寮に入る。
理由は、アメフトが有名な高校であること。尚且つ、授業も充実していること。あともう一つ、自分という変質者を彼女から遠ざけるために。


数秒間置いて、「いってらっしゃい」と見送られて、俺は遠くへ旅立つ。

妹でもない。
幼馴染でもない。

俺は、彼女を―――。






それから、俺は学業に部活に寮生活に充実した日々を送っていた。
何人かの女の子と付き合ったりもした。
年をとるほど、周りにはグラマラスな女の子が増えてくるし、俺は意外とモテるのか寄ってくる。

だけど、そんなグラマラスな女の子との性交より、目をキラキラとしてこちらを見上げてにんまり笑う猫っ毛の友香を想像して一人でするほうが何倍も、何倍も興奮するなんて。

そっと、里帰りして彼女の周りに男がいないが母親に探ると、
「親は、あんたも色々大変ね。」と肩を叩いてきた。
彼女の家に訪問する勇気がでないなんて誰にもいえない。


そうして、俺が社会人になって。
自分の感情のコントロールもできて、相手に対して紳士な対応もできるようになってきて、これなら友香と会っても大丈夫そうだと、里帰りした際、彼女の家による。




彼女のお母さんに促され、玄関口に入ると、
2匹いた金魚は1匹になり寂しげに水槽を泳いでいる。

「友香。今、遠くの大学に通っていて一人暮らししているのよ。」



俺はおそらく久々に彼女に会えることを期待していたのだろう。
まるで、未成年みたいにドキドキして、お気に入りの一張羅をきて。
大人の男の魅力で、絡めとってやろうと思ってた。


結局、彼女に会えずに、
「あら、まぁ。素敵になって。」と微笑む彼女のお母さんと世間話をして帰った。


毎年いってたほたる祭りはなくなって。
一緒に花火をした子ども達は、ほとんど遠くへいっていて。
彼女とエロい雑誌を読んだ広い空き地には、家がたっている。


時は過ぎる。
なんだか、それを悲しく感じた。





その夜、すごく胸が苦しくなる夢をみた。
どんな夢かというと、彼女から知らない男性と結婚しましたと報告をされる夢だ。
俺は、汗だくのTシャツの胸を掴む。

ありえなくもないことだ。


俺も、大人になり変わった。
それと同時に彼女も大人に変わるのだ。





あくる日のこと、
どうしても人がいないということで合コンに誘われた。
仕事をして以来、違う環境にいる色々な人と話すのは面白いと思っているし、俺は快く引き受ける。

ただその日は、クライエントがわがままをいってしまって、その対応に追われる。
俺は言葉巧みではないけど、丁寧に仕事をしているからか、俺指定の仕事が多い。

急いで待ち合わせの店にはいる。


「悪い。遅れた。」

そういうと、見慣れた友人が手招きをし、俺の紹介をする。
クライエントとぎりぎりまで話していたからか、喉がひどく渇いて俺は即座にビールを注文する。




そして、周りを見渡す。

今日の女の子はまだ学生さんだろうか、フレッシュ…さ…、って。


「お、おま。」


そこには、昨日夢にでた。
大人っぽい顔立ちで――尚且つきれいに成長した幼馴染の彼女がいた。




周りをみて、知り合いだと気づかれないようにする。
気づかれたら、どう冷やかされるか分かったもんじゃない。


周りの話に適当に相槌をしながら、彼女をみる。
だいぶお酒がはいっているんだろうか。目元が紅い。
尚且つ、ワンピースの袖から伸びる白く長い腕と首と足。

体のラインがとてもきれいなのが分かる。
顔もすっごく好みになってる。


――こういう場に慣れているのだろうか。
そう考えたら、段々に腹がたってきた。

その化粧も、その髪も、その服装も。

でも、一方こんな場にきているということは、特定の相手がいないということだろう。
そう彼女をみていると、目があう。

彼女の顔が目元だけではなく、その白い首筋まで紅く染まる。


なんて、表情してるんだ。
俺は、彼女を腰から掴んでここから二人去りたい気持ちでいっぱいになった。


彼女が酔ってきたというと、俺の隣に座る女癖の悪い友人が、「俺送ろうか?車できたし。」と手をあげる。

悪いやつではないが、女癖が悪い上、空気も読めない。

「俺が送る。」と荒々しく言い放つこととする。
反対は――たとえ彼女でも、許さない。



勢いで、彼女を自分のマンションに連れていき、座らせる。
彼女は俺の部屋を見回している。


「東京に来てたんだ。」
東京にきてたのは知ってる。この間、友香のお母さんに聞いたから。

「うん。○○大学に通ってる。」
それも聞いた。

「そうか。」
そういって沈黙が訪れて。
そういえば、俺は口下手だったなと思い出して。


「で、なんであんな所にきてたんだ。」
次にかけた言葉は、彼女を咎めるような内容になってしまって。

「あんな所って、篤兄もきていたじゃない。」
そう、勝気な彼女は言い返す。
成長したけど、そのくるくるの大きなこげ茶の瞳も。やわらかそうな頬も変わっていなくて。

「俺は男だからいいんだ。」
なんだか、急に大人の女性になった彼女にドキドキして、説得力のない言葉を吐き出してしまう。

昔とは違う、滑らかな体の曲線にどうしても劣情を刺激されてしまう。

「しかも、そんな丈の短いワンピースきて。危ないだろ。」
そういって彼女の顔から全身をもう一度みると、無防備に広がった小さいひざから、彼女の白色のパンツがみえた。

血が頭までのぼる。

なんで、そう。昔から無邪気なんだよ!
俺は洗い立てのスウェットを投げて彼女に渡す。



「いえいえ、昔だってパンツがみえるぐらいの丈のスカートはいていたじゃない。」
と強気に返され、

「それは子どもだったからだろう。」
俺は冷静に返す。

――変わんないもん。
と拗ねる彼女は、本当に変わらなくて少し笑ってしまった。


「篤兄だって。夜な夜な怪気炎をあげているんでしょ?」
そんなにあげてない。

「ふん。お前だって、これから怪気炎をあげようとしていただろう。」

「違うよ。私は行きたくなかったけど、社会勉強のために…。」

「ああやって男を侍らすのが社会の勉強になると?」
男っていうのは、俺が男だから分かるが、獣そのものである。
それを分かっていない女性が多い。


まずい。言い過ぎた。

「…びどい…よぉ、久々にあえでうれしかっだのに……。」
そう彼女が大粒の涙をこぼしはじめる。そんな彼女にどう接したらよいか分からなくなってきてしまって、そうこうしているうちに彼女がバッグをもち急に立ち上がり、玄関先に向かう。


離れていかないで欲しくて。
このまま、離れ離れになるのはいやで。
彼女を、この腕で抱きしめる。

「違う。大事だから…心配だった。」
そう伝えると、彼女の肩から力が抜けた。

少し冷静になった彼女を座らせて、再び俺は何を間違ってか、
いかに男が危険か伝えていた。

不思議なもんだ。
俺は男だ。男は危険だ。今すぐ、逃げろという気持ちと。
彼女をここに、危険そのものである俺の傍に縛り付けておきたい気持ちが両立している。



「そんな、男にホイホイ着いていかないよ…。」
「でも、こうして俺の部屋にきてるじゃないか。」

「そんなの!篤兄が連れてきたからじゃない。」

「俺だって、男だぞ。牙を向くかもしれないし。」

嘘。牙なんて向かないよ。というその唇を塞ぎたくてたまらなかった。




――なぁ。俺、今どれだけ我慢していると思う?
そう俺が、真剣に伝えると、彼女は目を見開いて喉をごくんとさせた。


「とても、そのワンピース似合ってる。久々にあって、綺麗になってびっくりした。」
自分でも驚くぐらい、素直な言葉がでてくる。

俺を見つめる小動物みたいな眼差しが可愛くて、
彼女を優しく押し倒す。


他の誰かに。
他の男に彼女を奪われるならば、俺が絡めとってしまいたい。
誰のものでもなく。俺のものに。

「俺のこと軽蔑するか?」


その白い以前より、すっきりとした頬を指でなぞり、耳元で囁く。
「なぁ、ずっと昔から俺はこういう目でしか…お前をみれていない。」




彼女のワンピースを脱がせ、白くて柔らかな胸に顔を埋める。
何度、こんなことを妄想していただろうか。
あんなに、夢見た彼女の裸が目の前にある。


どこも、かしこも柔らかくて、可愛い。

ひくんっ。
桃色の胸先を舐めると、彼女はのけぞる。


「なぁ。俺のこと好き?」
そういうと、目をうるうるさせて、すきっと小さく呟いた。



やっば……。

俺の壊れた理性が。
もうさらに壊れ、散り散りになる。


成長につれ、妄想はさらに欲求を含む。

彼女にしたいこと。
まず、俺の事好きになってもらいたい。俺を受け入れてもらいたい。
傍にいたい、手をつなぎたい、キスしたい、体をつなぎたい。

――彼女を、俺のものにしたい。

「なぁ、友香って今何年生?」

「も、もうすぐ四年生だけど。」
あと、もう1年で卒業か。
ならいいな。俺は強制的に、彼女の人生に参加する。




「俺が友香にしたいこと全部していい?」
間接的な表現で彼女に伝える。

彼女がコクンと頷いたのをみた時、俺は彼女を保護する年上の幼馴染でもなく、ただ彼女に恋する獣になった。

「今からここに、俺のをいれるよ?」
そう耳元でささやくと、彼女の肩はびくんっと震えた。
その白い肩にしゃぶりつきたい衝動に襲われる。

もう完全に、生挿入であることを彼女に伝えると、彼女はうんっ!と小さい頃のようになんだか嬉しそうに返事をする。
そういう能天気なところも、可愛い。



彼女の両親と俺の両親のことが思い浮かんでいて、迷いが少しあったんだけど。

うわぁ。すみません。こりゃあ止まらないわ。
そう思いながら、彼女のソコにぎんぎんになった一物を宛がう。

少し先っぽをいれるが、なかなか奥にすすまない。

濡れてはいると思うんだけど。

きつっ……。
処女とはきいていたけど。
(ちなみに処女ときいて、安心したのは秘密。)


「なぁ、友香。自分でここ慰めてた?ちょっと俺、こんなに狭いとすぐいっちゃいそう」
そう荒く息を吐きながら伝えると、


「え、慰めたことない。」
と当たり前のように彼女はいう。

「え、慰めたことないの?一回も?」
女の人も、自分を慰めるってきくけど……。
もしかして、友香ってあんまエッチに興味がないのだろうか。

彼女が会話していて緊張が抜けたからか、ずるりと俺のものが彼女の内部にはいる。


「っはぁ…んっ。」
彼女から甘い吐息がでる。
目は少し、焦点があってなさそうだ。


どうやら、感じてくれているみたい。
俺は安心して、会話を続ける。

「じゃぁ、友香のここは、俺が本当に本当初めてなんだね。」
はしゃぎそうになる心を抑える。
抑えた心とは裏腹に、一物はさらに熱く、膨れ上がり。その一物を、ぎちぎちと彼女の膣壁がしめてくるから、恥ずかしくもいってしまいそうになった。

奥まで無事はいると、少し痛いのか、それとも大きくて苦しいのか、苦悶の表情を浮かばせる彼女のために、動かないでいる。

しばらくすると、彼女の奥から、愛液がこぼれ落ちてくる。
これは、感じてくれていると思っていいのだろうか。

逝きそうになるのを必死に抑える。
最初は、最初は彼女と一緒に逝きたい。


俺は、彼女の胎内の感覚を味わいながら、腰をゆっくり動かす。
ふつうなら逝けもしない挿入スピードだが、

嬉しくて。
彼女とつながっている幸福感、安心感からかすぐに逝きそうになる。


「…はぁ…ンクッ…。」
彼女が感じている表情が、可愛くてたまらなくて。
感じる所ばかり、攻めてしまう。
入り口より奥が感じるみたいで、俺は自分が彼女と深くつながりたいこともあってか、
膣奥ばかりを執拗に攻める。


―逝きそう。
そう俺が言うと、彼女の白い腕が俺の背中にまわる。

彼女も俺と同じで離れたくないんだってことが嬉しかった。

――愛してるっ!!
そういって、降りてきた彼女の子宮口に密着して果てた。
どくんどくんっと自分でも、わけが分からないぐらい精液がでているのが分かる。
彼女も逝ったようで、腰をさらに押し付けると膣内がきゅっと絞るとるような動作をする。


たくさんだしたのに、一回だけじゃ足りなくて、何度も彼女と上り詰める。
彼女の股から、俺の精液がこぽっと出てくるのが嬉しくて、掬い取って彼女に見せる。
われながら、なんて変態なことをしているんだろう。


だけど、仕方ないだろう。
ずっと、ずっと我慢してたんだから。

「実家に帰ったら、友香はこっちの大学にきているというし。会えなくて寂しかった。」
と少ししおらしく言葉をつむいで弁解する。


「今度あって――お互い変わってなかったら告白したいって。」
全然変わってないし、私もずっと好きだったよ、と笑う彼女をみると、大好きでたまらなくなる。

彼女が抵抗しないことをいいことに、また息を吹き返した己の一物を再び彼女の蜜口に押し付ける。
彼女のそこは、すでにもう飲み込みきれなかった俺の精液で白く濡れている。
何度も開いた花弁を再びこじあけて、長年の恋心を一心にぶつけたのであった。



なんだかお腹が重いという彼女に、
ピンっときて。

そりゃあ、そうだよ。
だって、俺が孕ませたかったんだもん。


案の定、彼女は俺の赤ちゃんを妊娠していて、嬉しくてたまらなかった。

俺は急いで、彼女にプロポーズを行う。
永遠を意味する、ダイヤモンドが散りばめられたエタニティの婚約指輪を片手に。


「篤くんは、いつから私のこと好きだったの?」
里帰りして、友香の両親にお話をしにいって、今は彼女の部屋で彼女の膨らんできた下腹部を優しく撫でる。そんな時に彼女にきかれる。

「黙秘します。」

エエー。
なんで。こんな。子どもまでお腹にいるのに。
結婚して夫婦になるのに。

そう彼女は喚く。

「いいじゃん。教えてよー。」


「いや、バラしちゃうと犯罪者だと思われるので、黙秘します。」


何もかも全て知っていないのが悪いとは限らない。
彼女は、俺の長い片思いと、その内容をきいたらどう反応するだろう。
人によっては、俺をロリコンと非難するかもしれない。



彼女の家の玄関には、
2匹の金魚が仲良く泳いでいる。


「あ、それね。水槽が小さくなって窮屈そうだから、二つに分けていたの。ちょうど、60cmの水槽が手に入ったから、2匹一緒にしたんだ。」


俺は後ろから、彼女を優しく抱きしめる。
そして、嬉しそうな彼女に愛を囁く。
 
しおりを挟む

処理中です...