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第28話 雪溶け月の災厄
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チャマンカ帝国の首都ズワンカ市は準光速ミサイルの攻撃を受け壊滅したものの住民や兵士達や作業用ロボットの活躍もあり、ようやく復興しつつあった。
地下の緊急用シェルターに逃げていた住民も、復活した地上の都市に戻りつつある。
チャマンカ帝国の暦では、新年の最初の月になる「雪どけ月」が始まった。
まだチャマンカ人が文明を持たぬ原始時代に冬眠の習慣があった頃は、地球のクマ同様雪どけと共に長い眠りから目覚めたのだ。
2つの太陽に照らしだされたズワンカの国会議事堂でちょうど今、議会が始まろうとしていた。
通常は欠席者も散見する一院制の議会だが、年始最初の議会は永遠帝が来るのもあり、例年全ての星会議員が出席する。
全議員が席を立って星歌斉唱した後で永遠帝が着席し、その後全議員が着席した。その時である。
議場内で立哨していた兵士達が、突然身をもがきながら苦しみだした。
議員達は想像を絶する事態に驚き、悲鳴を上げる者もいた。
しばらくすると議場の外から、別の兵士達がなだれこんでくる。
かれらは全員自動小銃を持っており、銃口を議員達に向けていた。
「静粛に」
リーダーらしい兵士が怒鳴った。毛並みは茶色で、額に古傷が走っている。
「自分はチャマンカ陸軍のピロンカ大佐だ。この星会議事堂は、我々愛国者の集まりが占拠した。諸君には所属政党別に、これから移動してもらう」
「神聖な議会に侵入し、こんな狼藉を働くとは、どういう了見だ。即刻君らは退場したまえ」
議員の1人が、兵士達に向かって叫んだ。怒りのあまり、議員の声は震えている。
ピロンカ大佐はその議員の胸に銃口を向け、トリガーを引く。
筒先から放たれた銃弾の群れが、議員の胸に叩きこまれた。議員は白いトーガを真っ赤に染めて、うつぶせに倒れこむ。
ピロンカはさらに倒れた議員の後頭部に向けて銃を撃ち、とどめをさす。議会に再び悲鳴の声が響きわたる。
「おとなしく従えば、命までは取りはしない」
怒りと憎悪、それに恐怖が映るたくさんの目が、ピロンカの方を観ている。
チャマンカ帝国の政治を司る議員達が、これから自分に跪くのだと考えると、小気味良いと彼は感じた。
1人殺されたのが相当ショックだったらしく、議員達は、素直に兵士達に従った。
皆まるで分銅をつけたかのように足取りが重く、赤子のようにさめざめと泣いている者もいた。
床に座りこんだ議員がいたが、兵士の1人が蹴り飛ばし、その後無理やり立たせて歩かせた。
ピロンカはバサニッカの方を見る。
バサニッカはこの件の主犯だが、まるで無関係であるかのように、うつむきながら、他の議員達と歩かされている。
バサニッカ首相からは、ピロンカ大佐の判断で、抵抗する者を殺してよいと伝えられていた。
「話が違うぞ」
そこへつかつかと歩みよってきたのはソワール大佐である。
「誰も殺さないはずだったろう」
ソワールは、ピロンカ大佐の胸ぐらをつかんだ。
「この件について、自分は全権を委任されている」
ピロンカは返答する。
「状況に応じ、適切な対応をさせてもらう」
ピロンカは、腰のホルスターから拳銃を出すと、ソワールの腹に一発ぶちこんだ。
白い毛並みに包まれたソワールの顔が、恐怖と苦痛に歪みはじめる。
ピロンカの胸ぐらをつかんだ腕から力が抜けて、そのままズルズルと床に膝をついた。
やがてうつぶせに倒れたソワールの後頭部に、拳銃の弾を追加でぶちこんだ。
ピロンカは、部下の1人を呼ぶ。
「ソワールの部下が、別の場所に待機している。今から脳波通信で連絡して、ソワールが議員の1人を撃とうとしたので、やむなく俺の部下の1人がソワールを撃ったと伝えろ」
地下の緊急用シェルターに逃げていた住民も、復活した地上の都市に戻りつつある。
チャマンカ帝国の暦では、新年の最初の月になる「雪どけ月」が始まった。
まだチャマンカ人が文明を持たぬ原始時代に冬眠の習慣があった頃は、地球のクマ同様雪どけと共に長い眠りから目覚めたのだ。
2つの太陽に照らしだされたズワンカの国会議事堂でちょうど今、議会が始まろうとしていた。
通常は欠席者も散見する一院制の議会だが、年始最初の議会は永遠帝が来るのもあり、例年全ての星会議員が出席する。
全議員が席を立って星歌斉唱した後で永遠帝が着席し、その後全議員が着席した。その時である。
議場内で立哨していた兵士達が、突然身をもがきながら苦しみだした。
議員達は想像を絶する事態に驚き、悲鳴を上げる者もいた。
しばらくすると議場の外から、別の兵士達がなだれこんでくる。
かれらは全員自動小銃を持っており、銃口を議員達に向けていた。
「静粛に」
リーダーらしい兵士が怒鳴った。毛並みは茶色で、額に古傷が走っている。
「自分はチャマンカ陸軍のピロンカ大佐だ。この星会議事堂は、我々愛国者の集まりが占拠した。諸君には所属政党別に、これから移動してもらう」
「神聖な議会に侵入し、こんな狼藉を働くとは、どういう了見だ。即刻君らは退場したまえ」
議員の1人が、兵士達に向かって叫んだ。怒りのあまり、議員の声は震えている。
ピロンカ大佐はその議員の胸に銃口を向け、トリガーを引く。
筒先から放たれた銃弾の群れが、議員の胸に叩きこまれた。議員は白いトーガを真っ赤に染めて、うつぶせに倒れこむ。
ピロンカはさらに倒れた議員の後頭部に向けて銃を撃ち、とどめをさす。議会に再び悲鳴の声が響きわたる。
「おとなしく従えば、命までは取りはしない」
怒りと憎悪、それに恐怖が映るたくさんの目が、ピロンカの方を観ている。
チャマンカ帝国の政治を司る議員達が、これから自分に跪くのだと考えると、小気味良いと彼は感じた。
1人殺されたのが相当ショックだったらしく、議員達は、素直に兵士達に従った。
皆まるで分銅をつけたかのように足取りが重く、赤子のようにさめざめと泣いている者もいた。
床に座りこんだ議員がいたが、兵士の1人が蹴り飛ばし、その後無理やり立たせて歩かせた。
ピロンカはバサニッカの方を見る。
バサニッカはこの件の主犯だが、まるで無関係であるかのように、うつむきながら、他の議員達と歩かされている。
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「話が違うぞ」
そこへつかつかと歩みよってきたのはソワール大佐である。
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