62 / 66
第62話 バサニッカ宰相
しおりを挟む
永遠の星空に放たれた無色透明のレーザーは、モガラモガラのすぐ横をかすめただけで、艦に被害は及ばなかった。
「今のは、脅しだ」
勝ち誇った笑みを浮かべてのたまったのは、ザザッカである。
「多勢に無勢だ。貴様らに勝ち目はない。すぐに降伏せい」
「いかがしましょう?」
ポドンカ少佐が指向性のスピーカーを使いバサニッカのみに聞こえるように聞く。
「やむを得ない。降伏しろ。わたしは、自分の部屋に戻る」
その後彼女は夫と子供のいる部屋に向かった。
降伏後ザザッカ中将の配下の者がモガラモガラに転送され、モガラモガラの乗員の案内でバサニッカを迎えに行く。
インターホンを鳴らしたが何のリアクションもないので、ポドンカ少佐の指示で強制的に入り口のドアを開錠する。
扉が横にスライドすると、中にはバサニッカと夫、それに子供の遺体があった。
そばには飲み物を飲んだ後の空のコップが3人分落ちている。
ロボットによる検視の結果コップの中から毒物が発見され、同じ毒が3名の体内から検出された。
ロボットは死因を、服毒自殺と断定する。この件は、すぐさま全銀河系に発表された。
ズワンカ市はチャマンカ正規軍によって解放され、反乱兵の残党も次々に降伏する。
これによって、混乱極まったチャマンカ星の状況は収束に向かうかに思えた。
相田一佐は都内にある笠岡の邸宅にいる。相田の眼前にチャマンカ人が侵略するまで総理大臣だった笠岡がいた。
「笠岡総理。ついに悲願の作戦を発動できる運びとなりました」
相田の言葉に反応して、笠岡の顔に笑みが広がってゆく。そのミッションとは、無論地球艦隊の解放計画だ。
現在艦隊は旗艦以外、一瞬にしてその艦を撃沈させる爆破装置が搭載されている。
旗艦にいるザザッカの指示で、いつでも起動できるのだ。
その起動装置をショードファ人の力を借りて無力化し、地球人だけで艦隊を運用する策略が進んでいた。
すでに地球人同士での根回しが進み、艦隊を乗っ取った後はショードファ軍と連携して、地球を解放するのである。
現在ズワンカ市はチャマンカ正規軍が解放したが、クーデター派の残党がチャマンカ星の各所で抵抗を続けており、内戦が続いている。
この混乱に乗じてチャマンカを叩くという寸法だ。
「今のは、脅しだ」
勝ち誇った笑みを浮かべてのたまったのは、ザザッカである。
「多勢に無勢だ。貴様らに勝ち目はない。すぐに降伏せい」
「いかがしましょう?」
ポドンカ少佐が指向性のスピーカーを使いバサニッカのみに聞こえるように聞く。
「やむを得ない。降伏しろ。わたしは、自分の部屋に戻る」
その後彼女は夫と子供のいる部屋に向かった。
降伏後ザザッカ中将の配下の者がモガラモガラに転送され、モガラモガラの乗員の案内でバサニッカを迎えに行く。
インターホンを鳴らしたが何のリアクションもないので、ポドンカ少佐の指示で強制的に入り口のドアを開錠する。
扉が横にスライドすると、中にはバサニッカと夫、それに子供の遺体があった。
そばには飲み物を飲んだ後の空のコップが3人分落ちている。
ロボットによる検視の結果コップの中から毒物が発見され、同じ毒が3名の体内から検出された。
ロボットは死因を、服毒自殺と断定する。この件は、すぐさま全銀河系に発表された。
ズワンカ市はチャマンカ正規軍によって解放され、反乱兵の残党も次々に降伏する。
これによって、混乱極まったチャマンカ星の状況は収束に向かうかに思えた。
相田一佐は都内にある笠岡の邸宅にいる。相田の眼前にチャマンカ人が侵略するまで総理大臣だった笠岡がいた。
「笠岡総理。ついに悲願の作戦を発動できる運びとなりました」
相田の言葉に反応して、笠岡の顔に笑みが広がってゆく。そのミッションとは、無論地球艦隊の解放計画だ。
現在艦隊は旗艦以外、一瞬にしてその艦を撃沈させる爆破装置が搭載されている。
旗艦にいるザザッカの指示で、いつでも起動できるのだ。
その起動装置をショードファ人の力を借りて無力化し、地球人だけで艦隊を運用する策略が進んでいた。
すでに地球人同士での根回しが進み、艦隊を乗っ取った後はショードファ軍と連携して、地球を解放するのである。
現在ズワンカ市はチャマンカ正規軍が解放したが、クーデター派の残党がチャマンカ星の各所で抵抗を続けており、内戦が続いている。
この混乱に乗じてチャマンカを叩くという寸法だ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
本能寺からの決死の脱出 ~尾張の大うつけ 織田信長 天下を統一す~
bekichi
歴史・時代
戦国時代の日本を背景に、織田信長の若き日の物語を語る。荒れ狂う風が尾張の大地を駆け巡る中、夜空の星々はこれから繰り広げられる壮絶な戦いの予兆のように輝いている。この混沌とした時代において、信長はまだ無名であったが、彼の野望はやがて天下を揺るがすことになる。信長は、父・信秀の治世に疑問を持ちながらも、独自の力を蓄え、異なる理想を追求し、反逆者とみなされることもあれば期待の星と讃えられることもあった。彼の目標は、乱世を統一し平和な時代を創ることにあった。物語は信長の足跡を追い、若き日の友情、父との確執、大名との駆け引きを描く。信長の人生は、斎藤道三、明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、伊達政宗といった時代の英傑たちとの交流とともに、一つの大きな物語を形成する。この物語は、信長の未知なる野望の軌跡を描くものである。
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる