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トイレの窓からこんにちは
しおりを挟むいつもと変わらない朝だった。
顔を洗って嗽をし、トイレに行くまでは。
トイレのドアに鍵が付いていないのは何故だろう。それから……窓の外が異様に赤い事も気になる。壁に貼られたカレンダーは、文字化けを起こし気味が悪い。
それと……さっきからスマホの着信が止まらない。恐る恐る見てみると、スマホも文字化けを起こしている。
いつもとは違う非日常に興奮してしまった俺は、ついその電話に出てしまった。
「……もしもし?」
【あー、聞こえますか? 言葉、分かりますか?】
聞いたことのない老人の声。言葉?俺を外人だと思っているのだろうか……
「あの、何のようですか?」
【フーッ!! 成功だ!! ここまで長かった……が、しかしこれからが── 】
電話越しでも伝わる興奮。如何せん情報が多すぎて訳が分からない。
【ならば訳を説明しよう!】
「そうして貰えると助かるんですが……あれ? 今俺喋ってない……よね?」
【まずはその奇っ怪な文字だが、それはこちらの世界の文字。その真っ赤な空もそうだ。それから── 】
「いやいや……えっ!? マジで言ってるの……?」
【全て存在する事実だ。気になるでしょ? そのトイレの窓を開けてご覧?】
なんの疑いもなく窓に手をかける。
そういえばこの窓、格子が付いてた筈だよな……
「わぁ…………す、すげぇ!!」
どこまでも広がる巨大な摩天楼。
見たことの無い乗り物が空を駆け回っている。
どこかで見たSF映画のような未来都市が目の前に……
「これは未来の世界か!? あれはどうやったら── 」
【気になる? 気になるでしょ!? じゃあ来なよ、その窓の外へ!】
いや、すんごい気になるけど仕事行かなきゃだしなぁ……帰ってきてからでも……
【この赤い空はあと数分で終わる。そうしたら、もうこちらの世界へは来れないだろう】
「なんだよ……行くしかないじゃん」
【ただ一つ。こちらに来たら二度と戻れないよ。さ、おいで!!】
「行けるか!!」
でも……こんなにワクワクしたのはいつぶりだろうか。忘れていた子供心、男はいつだって冒険がしたいもの。
【キミね、そうやって言葉だけ先走って冒険しないからいつまで経っても彼女出来ないんだよ】
「うっさいな!! 何なのさっきから!? 人の心を読まないでくれる!?」
行ってやろうじゃないの。
勢いよく窓に手をかけ、摩天楼目掛け飛び出した……その瞬間、自分の姿を空から見るという不思議な現象が起きた。
まるで幽体離脱のような感覚。そのまま俺の肉体は消滅し、同時に目の前が真っ暗になった。
◇ ◇ ◇ ◇
ぼんやりとした光が見える。
ここは……どこだ?
見知らぬ部屋。可愛らしいベッドの上にいるみたいだけど、やけに身体が軽いな…………!!?
か細い腕、綺麗な指先。
誰だこれ……俺じゃない……
よく見ると、周囲に薄い色のついたスクリーンのようなものが浮かんでいた。触れると、鏡のように反射した景色を映し出す。
肩にかかる美しい桜色の髪。
色白の肌、碧色のパッチリお目々。
「ッッッ!!!?」
「おや、目が覚めたかね。具合はどうだい?」
「いやいや、どうもこうも…………ってその声は電話してきた……」
「ふっふっふ。どうだい、その身体は。可愛いだろう?」
駄目だ、頭が上手く回らない。
一つ一つ整理していこう。
えーっとまずは……
「ちなみにキミ女の子になったから。宜しく」
マジかよ……
「マジだよ」
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