衝動

美夜

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第1章

最初の衝動

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 少年の体は、燃えるように熱くなっている。
 内側の尽きることのない燃料が、彼を奮い立たせている。
 もう少し。あともう少し先へ。
 彼は緑のトンネルをどんどん先へ進む。
 いたるところから甲高いセミの鳴き声が聞こえ、これもまたトンネルのように、音が彼全体を包んでいる。
 まだ「何も知らない」ということによって表される澄み切った瞳は、ただ前へと向けられている。
 そばの川辺を流れる清澄な水のように、彼の目はこれから自然と起こりうるであろう一連の流れを見据えていた。
「まだ歩くの?」
 彼の後を付いて歩いてくる女性がそう聞く。その何気ない声は彼にとってはもはや歌声であった。
「もう少し」
 彼は、体の奥深いところからの、とある確信によって生まれた止めどもない興奮が言葉とともに流れ出てしまうような気がした。しかし、彼はそう一言いい終わった途端、本当に長らく待ち望んだことが「もう少し」で成就する予感が身内をよぎり、興奮はさらに加熱した。
「あと少し。あと少しで誰にも見つからない場所に着く。僕はこの日のために、念入りに『場所探し』をしていたんだ。そこで必ず美夏さんの体に触るんだ」
 さらに彼は頭の中でこう言葉を継いだ。
「もう我慢できない。美夏さんのおっぱい、おしり、そして、まんこを思いっきり触るんだ」
 そこで彼はふと、この汗だくの背中に冷や水を掛けられたように冷静に考えた。
「いや待てよ……さすがにいきなりは触らせてくれないだろうから、せめて心の準備はさせてあげないと」
 そこから行動に移す速さはまさに電光石火であった。
「ねえ、美夏さんは毎日セックスしてるの?」
「えぇ!?」
「だってこの前結婚したでしょ。それなら旦那さんと毎日のようにセックスしてるんじゃないの?」
「いきなり何変なこと言いだすの、優くん」
「セックスってどんな感じ? やっぱ気持ちいい? 僕もセックスしてみたいなー」
「優くんにはまだ早いっ。まだ15でしょ?」
 目的地に到着した。
 いよいよ彼の底知れない「力」は彼の体の中を対流し、熱の塊が出口を探して荒々しくめぐっている。
性の世界を窺い知って3,4年しか経たない少年は、今まさに艱難辛苦の旅を終えようとしているかのような感慨深さと、さらに深い興奮を覚えた。所詮、彼の経験してきた性への渇望と、そのように望むことへの労苦はほんの数年のうちの葛藤の日々であったが、彼にとっては長い旅であったかのように感じた。
「じゃあ、ハグだけでいいから」
「えーっ」
 親戚という仲とはいえ、凛々しい少年からの求愛ともとれる言葉に、彼女の声は熱を帯びた。
 その声質はいよいよ美しいものとなって行った。
 それはまるで周囲のセミの声や、川の流れの音、それから青い空と、熱気を帯びた空気に、同調して融けて行くかのようだった。
「じゃあ、もう、ハグだけだよ」
 思いの他すんなりと許可が降りたため少年は少し驚いたが、その言葉を聞いた瞬間、彼の右足は彼女へと向かって進んでいた。
 一歩。
 そしてもう一歩。
 その時だけ、ケガをして歩行が困難な人のような速度で足は進んだ。
 少年のすぐ三十センチ目の前に、汗で薄くきらめいた白い首筋がある。
 彼女は両手を広げて少年を受け入れるようなポーズをとる。
 すんなりとそれに従い、彼女の胸へと体を預けた。
 信じられないほどの柔らかさ。
 この世でもっとも柔らかく、もっとも優しいものが彼を守っている。
 適度に成熟した大人の女性の乳房を感じた少年は、幸福を感じずにはいられなかった。
 そして、その幸福をさらに推し進めたいとも思わずにはいられなかった。
 貪るように彼女を抱きつつ、股間のものを彼女に押し付けた。
 ちょうど彼のもっとも敏感な先端が、彼女のもっとも敏感なある一点に当たる形になった。
「あっ。優くん。ね。当たってるよ」
 さらに少年は強く抱きしめた。その拍子に、二人の、快楽の一点同士がほどよく擦れ合う。
「っん。あん。優くん……おちんちん当たってるよ」
 気づけば少年は背伸びをしては擦り、背伸びをしては擦りと、足りない背丈を合わせるように必死にお互いの股間を擦りつける動きを繰り返していた。少年のまだ敏感な幼いペニスは、この行為で得られる、お互いが着ているズボンで擦って得られる刺激で、すでに溢れ返りそうになっていた。
 少年は彼女の深い内部の味を知る前に、外側でのこんな些細な快楽に絶頂を迎える寸前であった。
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