衝動

美夜

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第2章

衝動のその先へ

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 少年の貪るような性欲の発露を前にして、それを困惑しながらでも受け入れている、この美しい女性は、いよいよその母性を現わしていた。両手をたっぷりとした尻にまわし、その感触を確かめるようにまさぐりながら、少年の発達途上な股間のものは繰り返しジーンズに摩擦されていた。もはやこの動きには理性は度外視されており、本能に従順な単純さがあった。その率直すぎる情熱に、美女は時折よろめいて何度か後ろへ後ずさることがあった。
 少年は突然、何かに気づいたかのように動きを止めた。
「ズボン脱いで」
 そう言いながら先ほどまで尻を覆っていた両手をおもむろにズボンのホックへと持っていく。
「えー……っ。ちょっと優くんっ」
「あ、先におっぱい見せて」
 その許可を請う言葉が必要なのか疑問に思われるほど即座に両手を彼女のTシャツの内部へ下から滑らせた。彼女は素肌を伝って自分の胸にどんどんと迫ってくるものを両手で制しようとするが、その手に力はこもっていなかった。
 両手はすぐにブラジャーへとたどり着き、彼はまずブラジャー越しに胸を触り、そして揉んだ。すぐにそれでは味気ないと感じ、なぜか手慣れたような手つきでブラジャーの下から手を差し入れた。その瞬間、美女から甘い吐息がかすかな声とともに漏れ出た。
 その時の少年の感動というのは、どういった類のものであったろう。他にこの世の中に例えられるものがあっただろうか。
 これほどの柔らかさを持ったものがこの世に存在していようとは。
いや、というよりかは、これほどの柔らかさのものが人体の部位の中であろうとは。
まず彼の頭を打ったのは、そういった強烈な感触の印象だった。
 ひたすらに揉んだ。
 彼はこれまで女体から誘惑させられたせいで苦悩させられてきた、その時間のすべてを動力源として動いているかのようだった。
ただ“無心に”、その滑りそうなほどの滑らかさのある肌に暑さのせいで汗が滑り止めのように覆うている、その豊満な乳房を揉んだ。
両手を最大限に開いて揉みしだいてもその指の間から漏れ出るほどの大きさ。彼女の母性の所在の証を、最も率直に表している大きさ。
つい一か月前に一五歳になったばかりの少年は、その幾度となく繰り返された妄想の中で“見て”、“感じた”とおりの大きさだと思った。それが彼を感動させた。
この純朴な少年は決して頭脳に長けた子供だとは言えないが、スキを狙うようなその抜け目ない動きには怜悧(れいり)なものさえ感じさせた。
乳房から手を放して、微塵も違和感を持たせない、流れるような動きで、彼女のズボンのホックを外した。そして、チャックを下へ下げた。
「ちょっと! 優くんっ」
 しかし、彼女はただ今にも溶けそうな目で、彼の一連の行動を追うばかりである。
 ズボンをずり下げると、すぐさま白地に黒い刺繍のある下着が現れた。それを見て彼のペニスはさらに怒張した。そうならざるを得なかった。何故なら、彼はこれまで一度か二度、女子の幼いパンツをちらと見たことが小学生の時にあるだけだったからである。
 しかし、今となってはそれだけでは彼は満足しない。彼の内部にマグマのようにうごめいているものは下着を見ただけでは冷却することのできないほどの高温だった。
 下着に親指をかけ、下げた。
 またもや美女は彼の手を押さえようとする。掴もうとする。が、それだけだった。まるでその脱力には悩ましげでありながらも、行為だけでなくこの自分が置かれた状況にも酔うているようだった。
 さらに恥部がさらされた。先ほどよりも数倍、このような解放的な自然に満ちた場所では、さらされることを想定していない部分である。下着によって覆われていた秘密の肌は、一本一本の陰毛は、木々の間を駆け抜け無数の葉を揺らす夏の微風によって舐め尽くされた。
その風は、露わになっているということをあたりに知らせているかのように吹き過ぎた。
 もはや今となっては、美女は彼女の乳房ほどの高さにある目の前の肩に両手を置いて少年のますがままに任せきっている。それは恥辱による硬直からなのか、ある種の諦めからなのかは分からない。
 少年はポケットからコンドームを取り出した。
 それを縦に切って破り、ピンク色のゴム製のものを取り出した。
 これから行うことの合図を含めて少年はちらと美女の顔を見た。その瞬間、初めてまともに目が合った。
 彼女のその瞳からは抵抗する意思は読み取れない。
 むしろ、深く受容する優しさすら奥に感じられた。
 その時、二人は既に繋がり合っていた。
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