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「あまがみのみこと」第九章:極限の誓い
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作品名
「あまがみのみこと」
第九章:極限の誓い
戦乱は日を追うごとにその苛烈さを増し牙を鋭くし大地そのものを裂き割るかのごとき災厄となっていた
王都を離れた「あまがみ」と「アッシュ」は最前線へと続く軍の隊列に身を投じていた道中
焦土と化した村々の家は黒煙に呑まれ泣き叫ぶ子どもたちの声が風に混じる
そこには、かつての豊穣も温もりもなく、ただ喪失という言葉だけが残されていた「アッシュ」は無言でその光景を歩き抜け疲弊し途方に暮れる民の姿そのひとつひとつが「あまがみ」の心に重石のように
のしかかり重く締め付ける「アッシュ」は、そんな彼女の隣で多くを語らずとも、その揺るぎない存在で彼女を支え続けていた彼の背中には
まるで彼女を守るための翼が生えているかのようであり翼を広げ彼女の盾となる守護の神である「あまがみ」はその後ろ姿その影に寄り添うことで支えられながら震える足を一歩ずつ前へと、かろうじて進めていた
やがて戦場が近づくにつれて二人の前に広がったのは地獄の門が開かれ空気は一変し戦場そのもので現実は想像をはるかに超えるものだった天を裂き震わせ耳をつんざく砲撃の轟音
赤黒い大地を覆う血と泥と飛び散る血飛沫や鉄と硝煙の混じった血生臭い匂い死臭の空気そして折れた槍と散乱する甲冑の下で地面を覆う兵士たちの無数の呻き声そこは人間が作り出した地獄「あまがみ」は目の前に広がる光景に息を呑んだ四肢を失った兵士
意識を失い泥にまみれた若者そして、すでに息絶えた者たちの顔は苦痛に歪んだまま空を睨みつけ
まだ生きる者は涙と絶望に縋っていた、これまでの依頼で見てきた死とは比べ物にならない人が人に与えることの
できる最も残酷な終焉だった「あまがみ」はその光景に顔を青ざめる
「これが……戦……」
その声は掠れ、か細い、だが彼女の中で何かが確かに覚醒している
「「あまがみ」様!こちらへ!」
野戦病院の幕舎に案内され、そこは圧倒的な絶望の海であり「あまがみ」は血に塗れた担架が次々と運び込まれる波の呻きが空気を切り裂き兵士たちの無残な姿を目の当たりに
するたび立ち竦み吐き気を催しそうになったが歌わねばならぬ
ここで声を上げねば人の魂は闇に呑まれてしまう「あまがみ」は震える唇を噛み、そしてすぐに歌い始めた
「ば~いばい、ば~いばい……おやすみなさい~【ルーメン・セレスティア ~光の鎮魂歌~】……」
声にならぬ囁きと共に「あまがみ」の歌は魔法の詠唱へと昇華し彼女のその歌声は戦場で荒れ狂い砕け散る銃声や絶叫との狭間の只中にあって
まるで森林に生い茂る植物の葉にある朝露が弾け落ちる一滴の清泉の
ごとく不思議なほど確かに澄んで響き渡り混乱と血の臭気に満ち疲弊しきった兵士たちの硬い表情から歌声と共に
ゆっくりと険しさが和らぎ綻んで消えていく呻き声が静まり絶望に覆われた瞳に一時の安らぎが戻る瀕死の兵士の唇には最後の安らかな微笑みが浮かんだ激しい痛みに苦しみ喘いでいた者の胸は静かに安堵の眠りに導き落ちていく
だが、どれだけ歌っても次から次へと運び込まれる負傷兵の数は減らない全ての命を救うことはできない
という残酷な現実は、この地でも「あまがみ」を苛んだ
その癒しの代償は計り知れなく、あまりにも大きかった歌い終えるたび彼女の体からは熱が失われ凍えるように冷たくなり意識が霞み遠のく体は大地に縫いつけられ鉛のように重くなり足元がぐらつく、それでも彼女は歌い続ける
なぜなら、この歌こそが、この地獄に落ちた者たちに差し伸べられる唯一の救済と希望となり得る歌声を止めるわけにはいかなかったからだ何度か意識を失いかけ倒れそうになる度そんな時は必ず
そばにいる「アッシュ」は温かく逞しく力強い腕が彼女を迷わず抱き止め支え彼は血に汚れた戦場で唯一の光で「あまがみ」を守り続けていた彼の眼差しは負傷兵を手当てする「あまがみ」の傍で目を離すことなく繋ぎとめ警戒し敵の奇襲から身を挺して彼女を守り続けいる彼の剣が「あまがみ」に向かう脅威の影を
ことごとく払い退けるたび「あまがみ」は己の使命を繰り返し思い知らされ彼女の胸には彼への深い感謝と同時に
そしてそれ以上の止めようのない感情の想いが募っていった
彼は倒れそうになる「あまがみ」を支え汚れた顔を拭い水を飲ませてくれる彼が隣にいる時だけが「あまがみ」が自分を取り戻せる瞬間だった
ある日の夜、歌いすぎて声も枯れ果て魂すら削られ意識が朦朧としていた「あまがみ」を「アッシュ」はそっと抱き上げ
彼のその腕の中は血と硝煙の匂いに満ちているにもかかわらず
なぜか不思議なほど世界で最も一番安全で一番温かい場所だと感じられ唯一の、ひとときの安息だった
「……もう無茶はするな君は……もう十分過ぎるほど頑張っている……」
「アッシュ」のその言葉は戦場の喧騒にかき消されそうだったが「あまがみ」の心の奥深くに響き渡り灯をともす彼の瞳には「あまがみ」への深い慈しみと
これ以上苦しませたくない、という切なる願いが宿っている
この地獄のような場所で彼だけが「あまがみ」の全てを受け入れ守り抜こうとする揺るぎない光が宿り
その確信が「あまがみ」の心を深く揺さぶった彼女は疲れた体を「アッシュ」の胸に預け彼という存在が
もはや自分にとって生きる理由そのものであることを改めて強く感じていた
奇跡的に、とても短い束の間の休戦の夜が訪れた戦場の片隅で二人きりになった「アッシュ」と「あまがみ」は疲れた体で互いに寄り添い空には満月が神秘的に輝き見守り遠くから聞こえる
まだ終わらぬ呻き声と戦闘後の冷めない熱を風が二人のもとへと運ぶ中で「あまがみ」は「アッシュ」の肩にそっと頭を乗せ彼の匂い体温その全て互いの鼓動を確かめ合い「あまがみ」を包み込む
「「アッシュ」……わたし怖いの……」
震える声で呟いた「あまがみ」の言葉に「アッシュ」は何も言わず
ただ力強く抱きしめ返した彼の腕の中で「あまがみ」は涙が溢れるのを止められず彼の胸を濡らす救えなかった命の重さ無力感
終わりの見えない戦いへの絶望そして闇いつか
この光と安らぎも失われる、かもしれないという恐怖そのすべてを「アッシュ」の腕だけが受け止めていた
「大丈夫だ俺が君を守る……どんな時も……どんな場所でも君の傍にいる……」
まるで「アッシュ」の声は吹き荒ぶる戦場を鎮める祈り「あまがみ」の心に響いていた
やがて彼は「あまがみ」の顔を両手で包み、そっと持ち上げ、その涙に濡れた頬を親指で拭う
彼の黒い瞳は月明かりの下で闇を切り裂く炎のごとく揺らぐことなく「あまがみ」を見つめ
かつてないほどの低く熱を帯びた声で言葉を紡いだ
「君を……愛している……「あまがみ」」
「アッシュ」のその言葉は、あまりにも唐突で剣よりも鋭く炎よりも熱く「あまがみ」の心臓を撃ち抜き
そして、あまりにも真剣だった「あまがみ」の心臓は激しい音を立てて脈打ち
この地獄のような場所で、まさか彼からこんな言葉を聞くとは
しかし、その言葉は「あまがみ」の心に凍えていた魂に確かな希望の光を灯す戦場に響く
どの咆哮よりも力強く彼女の胸に深く刻まれる
「あまがみ」は「アッシュ」の首に震える腕を回し抱き寄せ彼の唇に
そっと自身の唇を重ね、それは刹那にして絶望の荒野に咲いた一輪の不滅の花
人の世の地獄にあり死と隣り合わせの戦場で芽生え交わされ
その瞬間だけは天地が静まり返ったかのように
かけがえのない、そして二つの魂の誓約、戦火を超えて輝く唯一の永遠であり極限の愛の誓いだった
「あまがみのみこと」
第九章:極限の誓い
戦乱は日を追うごとにその苛烈さを増し牙を鋭くし大地そのものを裂き割るかのごとき災厄となっていた
王都を離れた「あまがみ」と「アッシュ」は最前線へと続く軍の隊列に身を投じていた道中
焦土と化した村々の家は黒煙に呑まれ泣き叫ぶ子どもたちの声が風に混じる
そこには、かつての豊穣も温もりもなく、ただ喪失という言葉だけが残されていた「アッシュ」は無言でその光景を歩き抜け疲弊し途方に暮れる民の姿そのひとつひとつが「あまがみ」の心に重石のように
のしかかり重く締め付ける「アッシュ」は、そんな彼女の隣で多くを語らずとも、その揺るぎない存在で彼女を支え続けていた彼の背中には
まるで彼女を守るための翼が生えているかのようであり翼を広げ彼女の盾となる守護の神である「あまがみ」はその後ろ姿その影に寄り添うことで支えられながら震える足を一歩ずつ前へと、かろうじて進めていた
やがて戦場が近づくにつれて二人の前に広がったのは地獄の門が開かれ空気は一変し戦場そのもので現実は想像をはるかに超えるものだった天を裂き震わせ耳をつんざく砲撃の轟音
赤黒い大地を覆う血と泥と飛び散る血飛沫や鉄と硝煙の混じった血生臭い匂い死臭の空気そして折れた槍と散乱する甲冑の下で地面を覆う兵士たちの無数の呻き声そこは人間が作り出した地獄「あまがみ」は目の前に広がる光景に息を呑んだ四肢を失った兵士
意識を失い泥にまみれた若者そして、すでに息絶えた者たちの顔は苦痛に歪んだまま空を睨みつけ
まだ生きる者は涙と絶望に縋っていた、これまでの依頼で見てきた死とは比べ物にならない人が人に与えることの
できる最も残酷な終焉だった「あまがみ」はその光景に顔を青ざめる
「これが……戦……」
その声は掠れ、か細い、だが彼女の中で何かが確かに覚醒している
「「あまがみ」様!こちらへ!」
野戦病院の幕舎に案内され、そこは圧倒的な絶望の海であり「あまがみ」は血に塗れた担架が次々と運び込まれる波の呻きが空気を切り裂き兵士たちの無残な姿を目の当たりに
するたび立ち竦み吐き気を催しそうになったが歌わねばならぬ
ここで声を上げねば人の魂は闇に呑まれてしまう「あまがみ」は震える唇を噛み、そしてすぐに歌い始めた
「ば~いばい、ば~いばい……おやすみなさい~【ルーメン・セレスティア ~光の鎮魂歌~】……」
声にならぬ囁きと共に「あまがみ」の歌は魔法の詠唱へと昇華し彼女のその歌声は戦場で荒れ狂い砕け散る銃声や絶叫との狭間の只中にあって
まるで森林に生い茂る植物の葉にある朝露が弾け落ちる一滴の清泉の
ごとく不思議なほど確かに澄んで響き渡り混乱と血の臭気に満ち疲弊しきった兵士たちの硬い表情から歌声と共に
ゆっくりと険しさが和らぎ綻んで消えていく呻き声が静まり絶望に覆われた瞳に一時の安らぎが戻る瀕死の兵士の唇には最後の安らかな微笑みが浮かんだ激しい痛みに苦しみ喘いでいた者の胸は静かに安堵の眠りに導き落ちていく
だが、どれだけ歌っても次から次へと運び込まれる負傷兵の数は減らない全ての命を救うことはできない
という残酷な現実は、この地でも「あまがみ」を苛んだ
その癒しの代償は計り知れなく、あまりにも大きかった歌い終えるたび彼女の体からは熱が失われ凍えるように冷たくなり意識が霞み遠のく体は大地に縫いつけられ鉛のように重くなり足元がぐらつく、それでも彼女は歌い続ける
なぜなら、この歌こそが、この地獄に落ちた者たちに差し伸べられる唯一の救済と希望となり得る歌声を止めるわけにはいかなかったからだ何度か意識を失いかけ倒れそうになる度そんな時は必ず
そばにいる「アッシュ」は温かく逞しく力強い腕が彼女を迷わず抱き止め支え彼は血に汚れた戦場で唯一の光で「あまがみ」を守り続けていた彼の眼差しは負傷兵を手当てする「あまがみ」の傍で目を離すことなく繋ぎとめ警戒し敵の奇襲から身を挺して彼女を守り続けいる彼の剣が「あまがみ」に向かう脅威の影を
ことごとく払い退けるたび「あまがみ」は己の使命を繰り返し思い知らされ彼女の胸には彼への深い感謝と同時に
そしてそれ以上の止めようのない感情の想いが募っていった
彼は倒れそうになる「あまがみ」を支え汚れた顔を拭い水を飲ませてくれる彼が隣にいる時だけが「あまがみ」が自分を取り戻せる瞬間だった
ある日の夜、歌いすぎて声も枯れ果て魂すら削られ意識が朦朧としていた「あまがみ」を「アッシュ」はそっと抱き上げ
彼のその腕の中は血と硝煙の匂いに満ちているにもかかわらず
なぜか不思議なほど世界で最も一番安全で一番温かい場所だと感じられ唯一の、ひとときの安息だった
「……もう無茶はするな君は……もう十分過ぎるほど頑張っている……」
「アッシュ」のその言葉は戦場の喧騒にかき消されそうだったが「あまがみ」の心の奥深くに響き渡り灯をともす彼の瞳には「あまがみ」への深い慈しみと
これ以上苦しませたくない、という切なる願いが宿っている
この地獄のような場所で彼だけが「あまがみ」の全てを受け入れ守り抜こうとする揺るぎない光が宿り
その確信が「あまがみ」の心を深く揺さぶった彼女は疲れた体を「アッシュ」の胸に預け彼という存在が
もはや自分にとって生きる理由そのものであることを改めて強く感じていた
奇跡的に、とても短い束の間の休戦の夜が訪れた戦場の片隅で二人きりになった「アッシュ」と「あまがみ」は疲れた体で互いに寄り添い空には満月が神秘的に輝き見守り遠くから聞こえる
まだ終わらぬ呻き声と戦闘後の冷めない熱を風が二人のもとへと運ぶ中で「あまがみ」は「アッシュ」の肩にそっと頭を乗せ彼の匂い体温その全て互いの鼓動を確かめ合い「あまがみ」を包み込む
「「アッシュ」……わたし怖いの……」
震える声で呟いた「あまがみ」の言葉に「アッシュ」は何も言わず
ただ力強く抱きしめ返した彼の腕の中で「あまがみ」は涙が溢れるのを止められず彼の胸を濡らす救えなかった命の重さ無力感
終わりの見えない戦いへの絶望そして闇いつか
この光と安らぎも失われる、かもしれないという恐怖そのすべてを「アッシュ」の腕だけが受け止めていた
「大丈夫だ俺が君を守る……どんな時も……どんな場所でも君の傍にいる……」
まるで「アッシュ」の声は吹き荒ぶる戦場を鎮める祈り「あまがみ」の心に響いていた
やがて彼は「あまがみ」の顔を両手で包み、そっと持ち上げ、その涙に濡れた頬を親指で拭う
彼の黒い瞳は月明かりの下で闇を切り裂く炎のごとく揺らぐことなく「あまがみ」を見つめ
かつてないほどの低く熱を帯びた声で言葉を紡いだ
「君を……愛している……「あまがみ」」
「アッシュ」のその言葉は、あまりにも唐突で剣よりも鋭く炎よりも熱く「あまがみ」の心臓を撃ち抜き
そして、あまりにも真剣だった「あまがみ」の心臓は激しい音を立てて脈打ち
この地獄のような場所で、まさか彼からこんな言葉を聞くとは
しかし、その言葉は「あまがみ」の心に凍えていた魂に確かな希望の光を灯す戦場に響く
どの咆哮よりも力強く彼女の胸に深く刻まれる
「あまがみ」は「アッシュ」の首に震える腕を回し抱き寄せ彼の唇に
そっと自身の唇を重ね、それは刹那にして絶望の荒野に咲いた一輪の不滅の花
人の世の地獄にあり死と隣り合わせの戦場で芽生え交わされ
その瞬間だけは天地が静まり返ったかのように
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