「あまがみのみこと」

あまがみのみこと

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「あまがみのみこと」第十四章:真実の幻影と崩れゆく秩序

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戦場の空は裂け地は震え世界の均衡が今まさに崩れ落ちようとしていた剣戟の嵐と叫びが渦を巻く混乱の中心「アッシュ」は「リーネ」と王国の将軍が争う混迷の渦中で新たな敵の動きに視線を巡らせ警戒し「あまがみ」を背に彼は

ただ一つの使命であり彼女を守る事に全てを賭けていた「あまがみ」の歌声は破壊の意思と砲撃の軌道をわずかに逸らしていたが

その猛攻の勢いを完全に止めるまでには至らない異形の兵士たちは単なる狂戦士ではなく力任せではない凍てつく計算された動きで味方兵卒を追い詰め戦地を制圧していく彼らの手に握られた奇妙な結晶で刃の武器は見たことのない空想的な未知の形状をしており

それが振るわれるたびに空間に現世と異界の境を乱す小さな歪みが生じ虚空を裂いていた煌めくはずの結晶は禍々しい不気味な輝きを放っている

その光景を見た「リーネ」の瞳が鋭く光り「リーネ」は「アッシュ」との交戦を一時中断し

その飛行船の軍隊を睨みつけ明らかに警戒の色を向けていた

「まさか……本当にあいつらまで……ここへ来るとは!……」

彼女の口から漏れた言葉その声音には怒りとも恐怖とも

つかぬ響きが混じっており、まるで彼女が、その謎の勢力の存在を既に知っている、かのように聞こえ

そう確信させるだけの重みがあった、その時「あまがみ」の脳裏には回想録の様に過去のフィルムが僅かな光景として閃き微かな映像が走っていた

それは幼き日の「リーネ」血に濡れた瓦礫の中から彼女を必死に抱きとめる若き日の「アッシュ」そして闇の奥から誰かが囁く声

『……盟約の……代償……』

断片的だが、それは「リーネ」が暴いた盟約の書と

その中に記された不気味な古代文字そして「アッシュ」の故郷を襲った悲劇と繋がっているように思え一つの真実を形作ろうとしていた王族と魔族との契約そして「アッシュ」の一族がその生贄にされたこと「あまがみ」は震える唇を押さえ、それでも旋律を通して

その真実の一切れを軍兵たちの心にも響かせようと試みるように歌い出す

「みんな……本当の敵は……別にいる……」

彼女の音色は空を震わせ悲しみと決意を帯びて修羅場の兵隊たちの胸奥に響き渡っていく

「希望の光よ~闇を照らせ~失われた夢を~取り戻せ~花ひらけ真実の幻影よ眠りし記憶を光に変えて我らに示せ~【聖歌セイクリッド・カンティクル ~花ひらく・真実の幻影~】」

花は天に昇り記憶は未来を示す光へと変わり過去の破片による幻影が「あまがみ」の歌声に呼応し悲嘆と祈りが花の様に咲き広がっていく

だが彼女は知っていた過去を映すだけでは魂は前に進めない「あまがみ」は歌い続ける

「天翔けよ幻影の光~闇に迷う者へ道を示せ~【ルーメン・セレスティア ~天翔ける・幻影の導き~】」

そして彼女の調べは地上で渾沌としていた軍人たちの心に「リーネ」の告白した盟約の事実を

より鮮明で鮮烈なイメージとして流れ込ませ始めた

その音の波は、ただ勇気を与えるものではない兵士たちの脳裏に走馬灯の様に光景が流れ込む戦士たちの瞼に浮かぶ銀幕は過去の具体的な情報であった

それは真実の記録だがルーメンの光が射し込むと同時に

その歴史の筆致は選ぶべき未来を形作る夢幻へと姿を変えていった

途切れ途切れでありながら豪華な王宮の一室で絢爛たるローブを纏う国王が不気味な頭まで覆い顔は口から上が見えない黒装束を纏った存在と向き合い

その背後には縛られた「アッシュ」の一族の姿が盟約の書と古代の呪文そして国王が契約の印を結ぶと太古の魔族らしき存在が薄気味悪く闇が蠢くように嗤う

その瞬間アッシュの故郷と縛られた彼の一族に魔物の群れが解き放たれ

それは歴史の裏に封じられた惨劇と重なっていく

「な……なんだこれは!……国王が!……魔族と!?……」

その夢想は区別なく味方の豪傑たちだけでなく敵軍の猛者たちにも広がり

王国の強者たちは信じがたい現実を目の当たりにし武器を落とし動揺のあまり立ち尽くす人や膝を折る者がいた一方で敵軍の兵士たちの中には狼狽し声を上げ王国への怒りを露わにする人そして逆に狂気の笑みを浮かべる者その映像に何か別の意味を見出し

さらに統制をなくす干城も、そしてさらには飛行船の異形兵士たちにも共有され異形兵士たちすらも一瞬その残像に行動を止め不可解な動きを見せ

それは「あまがみ」の音の綾が単なる感情の鼓舞だけではなく偽りのない一筋の光を認識させる力を持つようになった証だった

「この歌声は……真実を視せるのか!?……」

「リーネ」は眸子を見開き「あまがみ」に向かって叫ぶ

その声には驚愕と、わずかながら畏怖の念が混じっていた

だが王国の将軍たちは自らの秘密の罪が暴かれ白日の下に晒されたことに激しく動揺し憤怒に震え「あまがみ」を捕らえようと動き出し地の底からわき上がる絶叫だった

「だまされるな!あの歌姫を止めろ!これは敵に寝返った歌姫の幻惑の罠だ!歌姫を捕らえよ!」

彼らの焦りの叫び、その言葉は、もはや誰の耳にも届かない「アッシュ」は過去の惨劇に胸を抉られ打ち震えながらも

「あまがみ」の横に立ち彼の剣は一点の曇りもない光がもたらした沸々と込み上げてくる怒りを胸に燃やし「あまがみ」を守り抜く

とゆう強い意志によって、かつてないほどの輝きを放って「アッシュ」は種子が眠りから覚めるがごとし剣を握り決意を新たにする

「【カンラセン神裂閃】」

「あまがみ」の歌の筋が織りなし作り出したわずかな隙を突き「リーネ」へと再び肉迫する

「「リーネ」!……お前は一体どこでその真実を知った!?……そして……あの飛行船は何者なんだ!?……」

刃と刃が交わる寸前に「リーネ」は兄の切羽詰まった問いに一瞬だけ目を鋭くし低い声で答えた

「……全てを知れば……兄上も後悔する……」

彼女の言葉は、まるで未来に訪れる、さらなる破局と悲劇の陰りを孕んでいる予兆であり

ただならぬ事態が迫っている予感を覚え戦況の秩序は崩れ真実の暴露と新たな脅威の介入そして裏切られた兵士たちの疑念と恐怖に呑まれ動揺と「あまがみ」の歌声が生み出した幻影による影響が複雑に絡み合い交錯する中で誰もが道しるべを見失い

ただ運命の巨大な竜巻へと引きずり込まれ予測できない方向へと向かっていった

この混乱こそが、やがて到来するであろう全てを変える

きっかけとなる大いなる終焉の調べの始まりであり

そして王国の命運だけでなく、この世界その物の歴史を揺るがす渦は未来と運命をも左右する大渦となり新たな戦いの序曲であった
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