「あまがみのみこと」

あまがみのみこと

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「あまがみのみこと」第十三章:暴かれた盟約と天空の介入

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剣と矢と砲撃そして叫びが渦を巻き闇と祈りが交錯し戦場を覆う

その只中に一つの声が響いた「あまがみ」の歌が

「【聖歌セイクリッド・カンティクル】」

それは風を裂き鎧を貫き兵士たちの沈んだ魂に再び火を灯す

声は光であり光は誓いであり希望そのものだった

だが光の奥底には影が潜んでいた「リーネ」の叫びが空を切り裂く

その日、総力戦の激闘の中で戦地は炎に包まれ大地は呻き悲鳴を孕み空は血の色に染まるが「あまがみ」は歌い続ける

「【ルーメン・セレスティア ~光の鎮魂歌~】」

「あまがみ」の覚醒した歌声が奈落の底に沈む血戦の場の空気を一変させ兵士たちを立ち上がらせ士気は蘇り再び燃え上がり味方部隊は押し寄せる敵軍を押し返す光の波が前線を覆い彼らの胸に再び生の火を灯していた

だがしかし戦況の好転とは裏腹に願望が芽吹く

その瞬間にこそ古き暗黒の真実の影が姿を現す

「あまがみ」の心には「リーネ」の言葉が深く突き刺さり偽りの理想と王族の支配と信じてきた正義が揺らぐ中で彼女の歌声は新たな問いを抱えながら響き続け

「アッシュ」は「あまがみ」を護衛しつつ「リーネ」が王国の将軍たちと激しく衝突している修羅の庭の奥深くへと目を向けていた彼の脳裏には故郷が襲撃されたあの日の光景が鮮明に蘇る

あの時なぜ王国の援軍は来なかったのか、なぜ彼の家族は犠牲になったのか
「リーネ」の言葉が

その古傷を抉り隠された真実の存在を強く示唆し「リーネ」は

まるで自らの命も顧みず鮮血を浴びながら進み出て激しい剣戟の最中「リーネ」は王国側将軍の一人を追い詰め彼の胸元から古びた巻物を奪い取り掲げる

その時「リーネ」はそれを広げ戦いの舞台の兵士たちにも聞こえるように絶叫した彼女の声は雷鳴のごとく轟き人々の耳を打つ

「貴様らが隠してきた真実を今こそ暴く!見よ!これこそが王族が太古の魔族と交わした忌まわしき盟約の書だ!我らの故郷が滅んだのは我ら一族を代償に貴様ら王族が古の魔族と結託し力を得るため生贄に差し出したゆえだ!この国は平和を築いたなどと偽りの歴史を紡ぎ続けてきたのだ!」

巻物が裂けるように開かれた、その瞬間に盟約の書から漆黒の煙が天へと立ち昇り戦の庭の空に不気味な呪詛の文様が浮かび踊った

それは、かつて太古の魔族が使役した死の古代文字にも似ており血に染まる大地の兵士たちは剣を握る手を凍り付かせ

その異様な光景に動きを止め「あまがみ」は息を呑み太古の魔族との盟約?結託?生贄?信じがたい言葉が「あまがみ」の耳に響く

それが、この国の、そしてこの戦の真の姿だというのか「アッシュ」もまた信じがたい現実に言葉を失い

その場であまりの出来事の衝撃に頭を雷に打たれたように硬直し立ち尽くした

「リーネ」の腕に巻かれた革の腕輪が血に濡れながらも鮮やかに光って見え「リーネ」の手元そして空に浮かぶ文様を凝視した「リーネ」は、さらに続け

「兄上!まだ目を覚まさぬか!この腕輪が……その証だ我々一族は王族が太古の魔族と交わした契約の生贄にされたのだ!貴様も……その真実から目を背けて……この歌姫を守る気か……この歌姫の歌声も王族が国民を欺くための道具に過ぎない!王国が掲げる理想は……ただの幻だ……その平和は我らの血と犠牲の上に築かれた虚妄にすぎぬ!……」

「リーネ」の声は炎のごとく燃え「アッシュ」の心を容赦なく抉り彼を戦慄させていく

「……嘘だ……そんなはずは!……」

だが彼の心臓は痛み、あの日、援軍が来なかった理由を無意識に思い出してしまう揺らぐ信仰と崩れる正義で剣を握る手が震え胸を波立たせた

「兄上!目を逸らすな!貴様もまた我らと同じ血に縛られし者その女の歌声すら王族の欺瞞を覆い隠すための道具にすぎないのだ!」

いくさ場に緊張が走る中「リーネ」の声は憤怒と慟哭の交わる咆哮であり彼女が追撃を加え鋭い剣を振り下ろす

「【レイジンブ霊刃舞】」

その剣が鋭く振るわれ「アッシュ」の周囲に殺気を噴き上がらせる

「リーネ」は「アッシュ」に迫りながら、さらに追い打ちをかける「アッシュ」は剣を掲げ血を吐くように絶叫した

「違う!……「あまがみ様」は!……希望そのものだ!……」

「アッシュ」は剣を掲げ心の叫びを込めて反撃する

「【カンラセン神裂閃】」

剣光が錯綜し「リーネ」の冷たい刃を受け止めつつ火花を散らす

彼の反論は「リーネ」の氷の刃のごとき冷たい剣によって阻まれた兄妹の剣が激しくぶつかり合い運命の歯車が噛み合わない剣戟は怒りと慈愛と熱望そして絶望が狂気の渦で血より深い悲しみを裂き陰と陽の両翼が激しく衝突し血を滲ませながらも決して止まる事はない

それは剣が入り混じると同時に単なる戦いではなく、その刃は過去の痛みと

そして互いに信じる未来への渇望と偽りと夜明けの暁光また怒りと慈愛の魂の衝突それゆえ守りたい

もののぶつかり合いだった「アッシュ」は「リーネ」の憤激の根源を知り彼女の苦しみに共感しながらも王国側の兵士達

そして何より「あまがみ」を守るために戦い続けるしかなかった

だが、その時である突如として天空を切り裂くような轟音が響き渡った

修羅場の誰もが空を見上げた、そこには雲を破りこれまで見たこともない

それは巨大な翼なき巨獣、否、空を翔ける鋼の艦隊

飛行船の群れが雷鳴のようなエンジン音を響かせながら幾重にも広がり現れ

それは敵軍のものでも味方軍のものでもない船体に刻まれた紋章は

いかなる国のものとも一致しない不可解な印が刻まれていた未知なるものを目にした兵士たちを恐怖によって震撼させた

「な……何だあれは……敵か?……味方か?……」

飛行船の腹から吐き出される光その光弾は救いではなく破壊だった

飛行船の甲板からは異形の冥府の暗さのような鎧をまとった兵士たちが次々と降下していき剣の丘に無秩序に攻撃を開始した彼らは敵味方の区別なく無差別に無慈悲なる砲撃を浴びせ大地を灼いた混乱は一層深まり地獄を超えた混沌に呑まれ

その姿は人の形をして、なお人ならざる者、天空から遣わされた裁きの軍勢のように見えた

「ああ……天が怒っている!……」

誰かが呟き炎の饗宴の空気が一気に暗澹たる状況に沈みかける

しかし「あまがみ」は瞳を閉じた「リーネ」の告発に心を乱され新たな脅威の登場に怯え打ちのめされながらも「アッシュ」の苦痛に満ちた表情を見て彼女の胸には一つの想いが芽生え己の使命を再確認する

この混迷を収め偽りのない光を明らかにし、そして何よりも目の前の命を救わなければならない

彼女の心の中には悲しみ怒り恐怖そして迷いが渦を巻き涙を流し

そして、それでも「あまがみ」は立ち上がり、なお歌う

その声は愁いの泉より生まれ失われない聖句となり鏡の像への探求心と未来への希望を乗せて彼女は再び息を吸い込み歌を放ち死の舞台に響き渡った

彼女の歌は、もはや鎮魂ではなく護りそのものへと昇華していた

「真実が何であろうと……いま目の前の命を救う……希望の光よ~闇を照らせ~失われた夢を~取り戻せ~【ルーメン・セレスティア ~光の護り~】……」
  
光が刃の舞踏会を包み兵士たちを守りつつ敵の攻撃を攪乱する

「あまがみ」のその旋律は地獄の釜を包む風を変え烈火のごとく広がり

ただ兵士を励まし鼓舞する、だけでなく剣戟も砲声も

その音色の前には霞んでゆく兵士たちの瞳には

やがてまた光が宿り新たに現れた飛行船の攻撃にも影響を与え始めた異形の軍勢すら躊躇し動きを止め一瞬の戸惑いに囚われ隙が生まれ彼らの放つ砲弾が僅かに逸れ降り注ぐ死の雨が聊か外れ落ちる

それは彼女の歌が表面的な士気だけでなく理不尽な暴虐そのものに抗い拒み破壊の意思そのものを幻惑し翻弄する力へと変貌し開花の歌声が約束の地へ向かう航海の羅針盤となり戦場に君臨する証拠だった

その天籟の持つ新たな力と予期せぬ介入に驚愕しながらも「リーネ」の刃を受け止める

「【コウハンセンリツ〉光絆旋律】」

「アッシュ」は歌に導かれ剣に力を宿す

「【シンケンテンショウ〉真剣天翔】」

猛火のごとく振るわれる剣が敵軍を切り裂き味方を守りながら前進する

そして、この混乱を収束させるため心の奥で誓い

さらなる力を振り絞った「アッシュ」は震えながらも立ち上がり「リーネ」に向かって叫んだ

「「リーネ」!……たとえ真実が暴かれ血に塗れようとも……絶望が天より降ろうとも……「あまがみ様」の声がある限り……世界はまだ滅びない!……俺は……俺は彼女と共に未来を選ぶ!……」

「リーネ」の瞳に憎悪と共に微かな揺らぎが走る

こうして暴かれた盟約の闇と天空の介入そして血と涙が重なり合う中「あまがみ」の歌は戦場の秩序を覆し曙光を再び生み出し新たな舞台へと変えていった真相が暴かれる時

大地は震え新たな希望が生まれる事を信じ剣と歌の共鳴が戦況を変え

それはやがて歴史をも揺るがす真実の審判の序章である事を祈り物語は新たなる断章へと踏み出した
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