「あまがみのみこと」

あまがみのみこと

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「あまがみのみこと」第十七章:明かされる真意と交錯する道

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廃墟に響き渡った偽りの盟約の真それは「アッシュ」の心を深く抉り彼を深い絶望の淵に突き落とし故郷の悲劇と家族の死が王族の繁栄と権力維持のための贄の儀式であったという事実は彼が信じてきた全てを根底から揺るがす

その衝撃は「アッシュ」の心を深く凍らせていった膝を抱え込み苦痛に顔を歪める「アッシュ」の傍らで「あまがみ」は静かに寄り添う彼の苦悩を感じ取った彼女の歌声が微かに響き

それは絶望だけでなく真実を慰め抗うための微かな光を彼の凍てついた心に温かさとして灯そうとしていた

「真相とは往々にして残酷なものだ……兄上……今……清らかな一点の曇りもない本質の重さに耐えているだけだとしても……この世界は偽りの上に築かれたままでは……いけない……」

「リーネ」の声には哀れみは微塵も感じられない

しかし、その言葉の裏には同じ苦しみを乗り越えてきた者の確固たる意志が宿っていた

「我々裁定者すなわち歴史の修正者は偽りの歴史を……ただ暴くだけではない……この盟約を完全に破棄し……その歪みを正し世界を真のあるべき姿に戻すための術を持っている」

異形兵士の一体が将軍の額から光る結晶をゆっくりと引き離した将軍は意識を取り戻したが

その顔は恐怖に引きつり痙攣しながら怯えた目を「リーネ」に向けた

「王都には盟約を維持するための最後の結界がある……それを破り偽りの王族の支配を終わらせ真の魔族を解放することが我々の次の目的だ……」

異形兵士は言葉を選びながら「あまがみ」に視線を向けた

「歌姫よ……お前の力が不可欠だ……お前の歌声は……その結界に干渉し真の魔族の魂を開放する鍵となる……だが……その力は……お前の魂にも大きな代償を求めるだろう……」

異形兵士の言葉に「あまがみ」は顔色を変え息を呑んだ歌声が持つ未知の危険性そして隠されていた物事の本当の状態を露わにし彼女自身の命を削る可能性を示唆されたのだ真の魔族の魂を解放する

それが彼女の歌声に課せられた使命だと改めて告げられたが

その顔には迷いがあった解放された真の魔族が世界に何をもたらすのか

まだ確信が持てないのだ「アッシュ」はゆっくりと顔を上げ「リーネ」の言葉と「あまがみ」の表情の変化に気づき凍り付いた心がわずかに震え始める「リーネ」の歩み全てが自分の一族の悲劇と世界の核心を抉り出し剥き出す事に基づいている行動と彼は理解し始めていた

その瞳には、かつての迷いは消え失せ新たな決意の炎が宿っている

「「リーネ」……お前は……この全てを一人で背負うつもりなのか?……お前が何をしようとも俺は目を背けない……この道理を俺自身の目で確かめる……そして……もしそれが本当に世界を救う道ならば俺も力を貸す……」

「リーネ」は兄の言葉に一瞬だけ目を見開いたが

すぐに冷徹な表情に戻った「アッシュ」の声は震えていた復讐心だけではない妹の深い孤独と使命感が伝わってくる「リーネ」は兄の問いには答えず異形兵士たちを促すように歩き出した去り際に呟く

「裁定は待ってくれない……兄上が……どこまでついてこられるか……兄上は……己の決める道を行けばいい……」

彼女はそれ以上は語らず異形兵士たちと共に廃墟を後にした

その足取りには迷いは一切感じられない
「あまがみ」は、「アッシュ」の隣に立ち彼の決意を静かに見守っていた「アッシュ」は廃墟の地面に拳を叩きつけた妹の冷たい言葉に

しかし彼の心は新たな炎を灯した絶望の底から何かを掴み取ろうとしていた

「アッシュ…」

「「あまがみ様」……俺はもう逃げない「リーネ」を一人にはしない君の歌声が示す道の先に本当の平和があると信じたい……そのためには……まず真の魔族と裁定者の目的の全てを知る必要がある……たとえ……その先にどれほどの困難が待ち受けようと……俺が君と「リーネ」を守る」

「アッシュ」は自らの手で真実を掴み取り妹を救うことを決意した彼は立ち上がり「あまがみ」の手を取った彼の剣は

もう復讐のためだけではない真実と世界の平和のために振るわれることになるだろう彼らの旅は世界の根源を揺るがす新たな戦いの序章となる廃墟に残された護衛兵たちも真実を知って動揺は隠せないが「アッシュ」と「あまがみ」の決意の前に新たな覚悟を決めていた夜闇の中で王都の方向から不気味な光が立ち上るのが見えた彼らは

その光を目指し一歩を踏み出す、その先に何が待つのか誰も知る由もなかった
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