九情承太郎の「この映画を勧めるぜ」

九情承太郎

文字の大きさ
7 / 64
はらいそクラブ

はらいそクラブ 前編 いい映画の匂い

しおりを挟む
 ドヤ顔です。
 今回のエッセイは、ドヤ顔で書いております。

 「はらいそクラブ」を知った発端は、ツイッターですね。
 宍戸留美さんのリツイートで、「はらいそクラブ」という映画の監督が、クラウドファンディングで製作資金を募集していると知りまして。
 試しに予告映像を見てから「ふっふっふ、いい映画の匂いがする。これは投資してエンディング・クレジットに名前を載せてみよう」と判断して三千円という巨額を投資。
 程なく目的の金額を集めたとのメールが届き、「よかったのう、これにて一件落着。かっかっか」と水戸黄門スマイルをした後に、試写会に招待するメールも届いた。

 場所は大阪大東市キラリエホール。
 筆者の住む茨城県から、徒歩で118時間約五日の距離です。

 悩みます。
 そんなに仕事を休めないし。
 自宅から車で三十分圏内にシネプレックス複合映画観が四つも在る環境なので、無理して試写会に行かなくても、一般公開来年の秋になれば遠出せずに観賞可能な確率は高い。
 だがしかし。
 我慢出来ませんでした。
 いい映画の匂いを感じると、距離とか関係なく、観に行ってしまう性質でして。
 この匂いを初めて感じたのは、「2001年宇宙の旅」
 何度目かの再ロードショーかは知らないが、小学三年生の時1983年に夕刊の広告を見てを感じてしまい、父に頼み込んで都内まで遠征しました。観賞後に食べた焼肉屋の値段が二人で一万円だったので、多分銀座付近の映画館かと(笑)
 最近では、「若おかみは小学生」「武蔵―むさしー」
 この匂いを感じた時は、外れないんですわ。
 自宅からの距離など苦もせずに、遠征します。
 流石に大阪までの遠征は初めてですが。

 で、行って来ました、「はらいそクラブ」の試写会に。
 徒歩で。
 嘘です。
 東海道新幹線のぞみ で。
 投資した金額の約十四倍の交通費をかけて、日帰り旅行を致しました!
 コスパ悪い?
 考えるな!
 感じろ!
 
 「はらいそクラブ」の鑑賞後、俺はドヤ顔でした。
 俺の「いい映画の匂い」を感じる感性がと証明されたので。
 さて、前振り終わり。
 ネタバレにならない範囲で「はらいそクラブ」の紹介を。


 「はらいそクラブ」

 
 美しくも不穏に揺らぐ水面の光彩をタイトルに孕みながら始まる「はらいそクラブ」は、明敏そうな主人公ホンと快活な少女タッチンの、夏休み前の日常から描写していく。

 朗らかなデートの情景に滲む、恋心。
 タッチンの明るい言葉に忍ぶ、不穏。
 霊感少年ニクの才能が物語る、奇妙。

 タッチンの急死と共に、友達とも疎遠なまま夏休みに突入するホン。
 霊感少年ニクは、先祖代々の秘術「はらいそ参り」で「あの世」と行き来すれば、タッチンと再び会えるとホンに教えて実行。
 他の仲間も加えて「はらいそ参り」を何度も行うホン達だが、その代償は「この世」で恐ろしい災いを引き寄せていく。

 露わになる代償は、蓜島はいしま邦明の音楽で更に転調していきます。
 「世にも奇妙な物語」「Night head」「仮面ライダーアマゾンズ」を担当した蓜島邦明の音楽ですから、不穏な場面になると不安のビートが桁外れに昂まり響いて逃しゃしない、不可避の映画です。

 はい、紹介はここまで。
 一般公開は2020年秋だから、ネタバレ注意の後編を書くのも、その時期に合わせます。
 その公開版が、試写会版と全く同じという保証もありませんし。監督が「あ、やっぱ、あそこは公開前に修正しとこか」とか判断したら、変わるし。
 ただ…
 あのラストシーンだけは、変えないで欲しい。
 あれは物凄く大正解な名シーンだから。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

島猫たちのエピソード2025

BIRD
エッセイ・ノンフィクション
「Cat nursery Larimar 」は、ひとりでは生きられない仔猫を預かり、保護者&お世話ボランティア達が協力して育てて里親の元へ送り出す「仔猫の保育所」です。 石垣島は野良猫がとても多い島。 2021年2月22日に設立した保護団体【Cat nursery Larimar(通称ラリマー)】は、自宅では出来ない保護活動を、施設にスペースを借りて頑張るボランティアの集まりです。 「保護して下さい」と言うだけなら、誰にでも出来ます。 でもそれは丸投げで、猫のために何かした内には入りません。 もっと踏み込んで、その猫の医療費やゴハン代などを負担出来る人、譲渡会を手伝える人からの依頼のみ受け付けています。 本作は、ラリマーの保護活動や、石垣島の猫ボランティアについて書いた作品です。 スコア収益は、保護猫たちのゴハンやオヤツの購入に使っています。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

熟女教師に何度も迫られて…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
二度と味わえない体験をした実話中心のショート・ショート集です

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

処理中です...