雪解けとともに

さえき あかり

文字の大きさ
1 / 3

田舎の若殿さまとお転婆姫

しおりを挟む
 開国が成されれなかった日本某所。一応、車で橋を渡れば都会へと出られるものの、所詮は田舎で、高層の建物は何もなく、ただ広々と田畑や戸建ての民家が立ち並ぶ場所。その中心地に一人の若殿がいた。
 元服を当に終え、十年以上の歳月が経つも、未だ縁談の話はなく、両親はこのままでは一家が途絶えてしまうと危惧し、どうにか理由を付けて若殿を連れて大阪の地へと足を運び、花嫁候補となる者を探しに出かけても目ぼしい収穫はなく。
 ただ、彼自身の意思が無くては何もならないと悟った親二人は、募る焦りを捨て去る事に決めた。すると、その日の宿で彼は言った。
 「大阪の地は沢山の物に溢れ、良い刺激を与えて下さることが分かりました。」
 どうか、この地にて住まいを用意し、僕が自分の目で相手を見定め、戻ることをお許し頂けませんでしょうか。
 
 両親がすぐに大阪城へと文を出すと、同じ城住まいとは言え、格は相応に違う為、下働きであればとの返答があり。しかし、その旨の文とは別に一通の角二サイズの封書が添えられていた。
 そこには釣書と文が添えられており、成人を迎えたと思しき年ごろの姫の写真も封入されており。
 文には、『お転婆が過ぎ、行き遅れた娘ではありますが、良い刺激を与えあい、互いの成長を促し合う関係となることを望みます。どうかご検討のほど宜しくお願い致します。』そう締めくくられていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
恋愛
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

盗み聞き

凛子
恋愛
あ、そういうこと。

妻が通う邸の中に

月山 歩
恋愛
最近妻の様子がおかしい。昼間一人で出掛けているようだ。二人に子供はできなかったけれども、妻と愛し合っていると思っている。僕は妻を誰にも奪われたくない。だから僕は、妻の向かう先を調べることににした。

【完結】大好きなあなたのために…?

月樹《つき》
恋愛
私には子供の頃から仲の良い大好きな幼馴染がいた。 2人でよく読んだ冒険のお話の中では、最後に魔物を倒し立派な騎士となった男の子と、それを支えてきた聖女の女の子が結ばれる。 『俺もこの物語の主人公みたいに立派な騎士になるから』と言って、真っ赤な顔で花畑で摘んだ花束をくれた彼。あの時から彼を信じて支えてきたのに… いつの間にか彼の隣には、お姫様のように可憐な女の子がいた…。

うわさの行方

下沢翠花(しもざわすいか)
恋愛
まだ十歳で結婚したセシリア。 すぐに戦場へ行ってしまった夫のニールスは優しい人だった。 戦場から帰るまでは。 三年ぶりにあったニールスは、なぜかセシリアを遠ざける。 ニールスの素っ気ない態度に傷つき疲弊していくセシリアは謂れのない酷い噂に追い詰められて行く。

愛する人は、貴方だけ

月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
下町で暮らすケイトは母と二人暮らし。ところが母は病に倒れ、ついに亡くなってしまう。亡くなる直前に母はケイトの父親がアークライト公爵だと告白した。 天涯孤独になったケイトの元にアークライト公爵家から使者がやって来て、ケイトは公爵家に引き取られた。 公爵家には三歳年上のブライアンがいた。跡継ぎがいないため遠縁から引き取られたというブライアン。彼はケイトに冷たい態度を取る。 平民上がりゆえに令嬢たちからは無視されているがケイトは気にしない。最初は冷たかったブライアン、第二王子アーサー、公爵令嬢ミレーヌ、幼馴染カイルとの交友を深めていく。 やがて戦争の足音が聞こえ、若者の青春を奪っていく。ケイトも無関係ではいられなかった……。

あなたの片想いを聞いてしまった夜

柴田はつみ
恋愛
「『好きな人がいる』——その一言で、私の世界は音を失った。」 公爵令嬢リリアーヌの初恋は、隣家の若き公爵アレクシスだった。 政務や領地行事で顔を合わせるたび、言葉少なな彼の沈黙さえ、彼女には優しさに聞こえた。——毎日会える。それだけで十分幸せだと信じていた。 しかしある日、回廊の陰で聞いてしまう。 「好きな人がいる。……片想いなんだ」 名前は出ない。だから、リリアーヌの胸は残酷に結論を作る。自分ではないのだ、と。

処理中です...