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第1章 騎士団

会議

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雅人たちは団員とともに火を囲い夕飯をとった。今日1日で色々なことが起こり体力が底をついていた雅人は先に休ませてもらうことにした。デイヴィスとフィルと同じテントだ。予備の簡易ベッドを受け取り早々にテントに入っていった。

「なぁ、デイヴィス。マサトのことなんだが……」

「あぁ、俺も1度話そうと思っていた。」

「俺たちはあいつを信じてる。だから今更疑わないが、変だと思わないか?」

「あぁ。普通、ドールは戦闘なんてしない。剣の扱い方も、握り方すら知らないだろう。それに比べて雅人の強さは異常だ。」

「それに、ドールにしては性行為についてえらく初心うぶだったじゃねえか。そういうのが趣味で初心な反応を教え込むやつもいるが、あの時のは演技ではなかっただろうな。」

「……マサトとは一体何者なんだ。」

「こんな話は聞いたことないか?隣国には戦闘用ドールがいるらしい。戦闘用ドールはその名の通り戦うためのドールだ。幼い頃から戦うことだけを教えられる。常識すら危ういドールも多いらしい。まぁ、数が少なすぎて逆に囲い込むやつも結構いるらしいがな。なんでも訓練が厳しすぎて途中で死んじまうんだそうだ。」

「つまり……マサトはその戦闘用ドールだと?」

「あぁ。そう考えると全て辻褄が合う。あの強さにあの容姿だ。囲われて襲われそうになったところを逃げてきたんじゃねえか?」

「だが……ドールが自分の意思で逃げるなんてことできるのか?」

「マサトは記憶を失ってる。無理矢理抗ってそうなったとしても不思議ではない。それに出会った時も裸だったんだろ?」

「あぁ。……そうか、戦闘用ドールか。マサトほどなら元所有者は探しているかもしれない。俺はもう二度とマサトを危険な目に合わせたくない。」

「それはもちろん俺もだ。」

「フィル、俺たちでマサトを守ろう。」

「あぁ!俺たちは王国の騎士団団長と副団長だぜ?それに唯一無二の親友で相棒だ。」

「あぁ。俺たちならきっと守りきれるな。」

……あわよくばマサトのそばに居れたら。

口には出さずに密かに思う。きっと相棒も同じことを考えているだろうと思いながら。

話が一段落し、2人はテントへ戻った。デイヴィスとフィルがそれぞれテントの端っこにベッドを並べていたので、雅人は中央にベッドを並べたようだ。2人は何も話さず静かに自分のベッドへ行き、雅人のベッドにひっそりとくっつけた。そのまま雅人を抱き抱えるようにして眠る。

朝が来て雅人の絶叫が野営地に鳴り響いた。
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