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プロローグ
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プロローグ
最後に見えたのは、白虎。
その後からの記憶が無いのは
おそらく絶命したからだと思う。
ずっとずっと、命を狙われて来た。
生まれた時からの宿命なのだと
村でいちばんの占い師が言ったらしい。
前世での宿命から逃れられたかと
思っていたのに、今世でもまた
白虎に狙われる羽目に。
物心ついた頃には、前世の記憶が
ハッキリと残っている事に
自分でも驚いたものだ。
今から何世紀も昔、異国の地。
小さな貧しい村に生まれ落ちた命の
ひとつ。
寒村に育った記憶と共にあるのは
村を襲った白く美しい虎。
なす術もなく、身を投じる様に
死んだフリをしたのに
虎は自分をどこか冷たく見つめて
そしらぬフリで返した事が
始まりだった。
人生の要所要所に、虎は現れては
フッと姿を消す。
占い師が言う通り、俺はその
白虎に憑かれているのだろう。
齢三十を過ぎた頃、病に倒れ
生家に世話になりっぱなしで
嫁も貰えずにいる俺は、肩身がせまく
日がな一日寝ている生活だった。
やせ衰えて、筋肉も少しずつ落ちていく。
歩く事も大変で起き上がるのも
一苦労なのだ。
これ以上生きていて、何になるのだろうと
思う日もあった。
薬師にかかるにも、金がかかる。
とてもじゃないけれど、
高齢の両親にはこれ以上の面倒を
かけたくは無かった。
春先にやっと妹の嫁ぎ先が決まって
心底嬉しかった。
来春には俺に、姪か甥ができる。
生きる希望は少なからずある。
なのにいつでも、心には簡単に
影が落ちる。
今夜は生ぬるい風が吹く。
嫌な風と空気が、外から家の中へと
流れ込んでくる。
まるで、奴の溜め息みたいだ。
闇夜に光る、金の瞳。
胸騒ぎが止まらない。
風がうるさくて、まるで呼ばれてる
気がしてこわばった体を
無理矢理起こして、真夜中俺は
家の外へと出て行く。
不思議と怖れはしなかった。
むしろ、心がすっきりとしていて
予想通りの金の双眸を見つけると
安堵した。
最後に見えたのは、白虎。
その後からの記憶が無いのは
おそらく絶命したからだと思う。
ずっとずっと、命を狙われて来た。
生まれた時からの宿命なのだと
村でいちばんの占い師が言ったらしい。
前世での宿命から逃れられたかと
思っていたのに、今世でもまた
白虎に狙われる羽目に。
物心ついた頃には、前世の記憶が
ハッキリと残っている事に
自分でも驚いたものだ。
今から何世紀も昔、異国の地。
小さな貧しい村に生まれ落ちた命の
ひとつ。
寒村に育った記憶と共にあるのは
村を襲った白く美しい虎。
なす術もなく、身を投じる様に
死んだフリをしたのに
虎は自分をどこか冷たく見つめて
そしらぬフリで返した事が
始まりだった。
人生の要所要所に、虎は現れては
フッと姿を消す。
占い師が言う通り、俺はその
白虎に憑かれているのだろう。
齢三十を過ぎた頃、病に倒れ
生家に世話になりっぱなしで
嫁も貰えずにいる俺は、肩身がせまく
日がな一日寝ている生活だった。
やせ衰えて、筋肉も少しずつ落ちていく。
歩く事も大変で起き上がるのも
一苦労なのだ。
これ以上生きていて、何になるのだろうと
思う日もあった。
薬師にかかるにも、金がかかる。
とてもじゃないけれど、
高齢の両親にはこれ以上の面倒を
かけたくは無かった。
春先にやっと妹の嫁ぎ先が決まって
心底嬉しかった。
来春には俺に、姪か甥ができる。
生きる希望は少なからずある。
なのにいつでも、心には簡単に
影が落ちる。
今夜は生ぬるい風が吹く。
嫌な風と空気が、外から家の中へと
流れ込んでくる。
まるで、奴の溜め息みたいだ。
闇夜に光る、金の瞳。
胸騒ぎが止まらない。
風がうるさくて、まるで呼ばれてる
気がしてこわばった体を
無理矢理起こして、真夜中俺は
家の外へと出て行く。
不思議と怖れはしなかった。
むしろ、心がすっきりとしていて
予想通りの金の双眸を見つけると
安堵した。
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