ツンデレJKみやびちゃん

硯羽未

文字の大きさ
4 / 10

4 おそろい 🧸

しおりを挟む
 朝の通勤で使っている電車で、みやびと同じ車両になった。立っている乗客がかなり多いが、満員電車というわけでもない。みやびは乗車口の傍に立って、窓の外をぼんやりと眺めていた。
 高校の制服が眩しい。
 高校生である時間なんてほんの三年、大人になってしまった僕にとってはあっという間だ。

 みやびはその儚い時間を生きている、綺麗な生き物だ。JKなんて単語でくくってしまうのは、もしかしたらもったいないくらいの──なんて、朝からよくわからないことを考えているのは、僕も疲れているのかもしれない。
 最近残業続きだった。けれど昨夜帰宅したら嬉しいことがあったので生き返った。

 みやびがポストにクッキーの差し入れをしてくれていた。そのことに対して一言礼を言うべきだろう。
「おはよう、みやび」
 揺れる電車の乗客の隙間を縫うようにして、みやびの立っているところまで行く。
「同じ電車に乗るなら、そう言ってよね」
 突然声を掛けられて、みやびは少し目を大きくした。

「え、いつ言えば」
 というか、言う必要があったのだろうか。
「クッキー、食べた?」
「ああ、旨かったよ。わざわざありがとう」
「べ、別にわざわざとかじゃないんだからねっ。ついでよ、ついで」
 何のついでなのだろう?
「ついでに、手紙も書いてくれた?」
「そう、ついでなの。勘違いしないで」

「なんの、勘違い?」
「なんでもいいけど」
 みやびはツンと僕から顔をそらし、また窓の外の景色を見た。特に面白くもない景色が流れてゆくだけなのに、なんでそんなに外を見るのだろう。僕と一緒にいるのがつまらないのかもしれない、と思いそこから離れようとした。
「どこ行くのよ。ここにいて」

「えっ」
 どきりとした。甘えるような口調ではないが、僕がいなくなることに対して不満を抱いているのはわかった。
「痴漢対策。オジサンでも、傍にいたら少しは役に立つでしょ」
 オジサン、なんて僕のことを呼んで、みやびはくすりと笑った。その笑顔が小悪魔的で、僕はまたどきりとした。

 そりゃみやびからしたらオジサンかもしれない。わかってるけど名前は呼んでもらえないらしい。そもそもみやびは僕の名前を知っているのだろうか。
「宮田さんでしょ」
「あ、知ってたんだ」
「みやびと似てるから、忘れない。お揃いね」
 みやびはまたツンと顔をそらしたが、何故か耳が少し赤かった。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ト・カ・リ・ナ〜時を止めるアイテムを手にしたら気になる彼女と距離が近くなった件〜

遊馬友仁
青春
高校二年生の坂井夏生(さかいなつき)は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった! 木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。 「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海(こじまなつみ)の素顔を見てやろう」 そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

処理中です...