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「クレイス様、このクソ忙しい時に、わざわざ私本人が王城に来なければならない用事とは何でしょうか?」
ジュードが操る馬を飛ばして王城にやってきたエミリアは、謁見の間にたどり着くなり礼も何もなく切り出した。
「王に対してその態度とは、流石は悪役令嬢じゃな」
「なっ……!? なぜその言葉を、クレイス様が……?」
「悪役令嬢? 殿下、エミリア様、悪役令嬢とはなんです?」
悪役令嬢というのは聞いたことがないのだろう。クレイスが発した耳慣れない言葉に、護衛として付き添っていたジュードは思わず口を挟んでいた。
「知らぬのも無理はない。エミリア、いや、絵美里、教えてやるべきではないかの?」
「………………」
「はははっ、だんまりか。無理もないのぉ。なにせ、お主の婚約者が好いているのは、お主ではなくエミリアなのじゃから」
「殿下? おっしゃっている意味がわかりませんが…………少し失礼しますっ」
ジュードの手に魔法の光が宿り、その手から放たれた光がクレイスに殺到する。
「ふむ、精神干渉を解く魔法じゃな。じゃが、無意味じゃ。わしにそんな魔法は効かん」
「…………あなたは何者です?」
今まで訝しげにクレイスを見ていたジュードの視線が、一転鋭いものに変わる。少しでもおかしな動きを見せれば、攻撃を仕掛けられる体勢だ。
「お主は気がついておるのじゃろう? のぉ、エミリア?」
「………………医の神」
「医の神? あれが神だというのですか?」
「そうですわ。今クレイス様を、いえ、今までクレイス様を操っていたのは、医の神を自称する存在ですわ」
「自称とは失礼じゃのぉ。わしは正真正銘、医の神じゃぞ?」
「…………エミリア様、どうしてあなたが神と知り合いなのですか……?」
ジュードの声はかすかに震えている。おそらく、頭の良い彼は気がついているのだ。先ほどの会話から、エミリアが何者なのかに。
「…………教えないとだめかしら?」
「それは…………」
「はははははっ、安心しろジュードとやら、わしが教えてやろう。そこにいるエミリアは、お主が幼い頃から好いておったエミリアとは別人じゃ」
「えっ……それはいったい……」
「そのままの意味じゃ。1年ほど前、図書館にエミリアが来た事があったじゃろう?」
(やめてっ……やめてやめてやめてっ、それ以上は……っ!)
「ええ。それまでエミリア様が図書館に来ることはなかったので、よく覚えています」
「その時から、エミリアの人格は入れ替わっておる。今もエミリアの中におる、絵美里という赤の他人の意識にな」
「そんな…………」
(はあ。これで終わりかしらね……まあ、黙ってた私が悪いんだけど……)
「……………………」
ジュードの視線に、エミリアは思わず目をそらす。それは、言外に医の神の言葉を肯定したようなものだ。
「どうじゃ、婚約者が別人だった気分は?」
「………………」
「ジュード様…………」
「言葉も出ぬか。じゃが、安心せえ、ジュードとやら。お主がわしに協力すると言うなら、そこの偽物の人格を消して、お主が愛した元のエミリアを生き返らせてやろう」
「…………そんなことが可能なのですか?」
クレイスは邪悪な笑みを浮かべる。
「もちろんじゃ。なにせ、元のエミリアを創ったのはわしじゃからな」
「なるほど……」
ジュードはそれきり黙り込む。グレイスは勝ち誇ったように笑った。
「ははっ、どうやらジュードが好きなのはお主ではなく、エミリアだったようじゃな」
「…………そのようですわね。私は所詮偽者。相応の報いですわ」
「やけに潔いではないか」
「この状況で、私にできることなんてありませんわ」
「そうか。確かにそうじゃな。ならば、せめて最期は楽にいかせてやろう」
クレイスの手に、魔力の光が宿る。エミリアにはそれがなにかわからなかったが、絵美里の意識を消し去るためのものであろうことはわかった。
「さらばだ、絵美里。お前がやりすぎなければ、このままこの世界で生きていけただろうにな」
クレイスの手から放たれた魔力は、一直線にエミリアへと向かう。エミリアは、諦めて目を瞑った。
(せっかく初めて恋人もできたのに、まさかその恋人にも見捨てられて、おしまいなんて……こんなことなら……)
この世にうまい話はないというが、まさか死後の世界にもうまい話はなかったとは、などと考えながら、エミリアは最期の時を待つ。
しかし、それはいっこうに訪れず、不審に思ったエミリアが目を開けると、そこには誰かの背中があった。
「エミリア様! 逃げてください!」
「ジュード様!? ど、どうして!? ジュード様は前のエミリアが好きなんじゃ……」
そう、そこにあったのはジュードの背中だった。クレイスが放った魔法を、ジュードが身代わりとなって受けているのだ。
「はははっ、それは医の神の勘違いです。以前のエミリア様は、見た目は今と変わらず美しかったですが、内面がどうにも好きになれませんでした。自分の婚約者と仲良くしている女性をいじめながら、自分は他の男と楽しく話している女性など、誰が好きになれましょう。はなから、私が好きなのはエミリア様、いいえ、絵美里様、あなたです」
「馬鹿な男だ。このままではお前の人格は消えるぞ?」
「くっ、そのようですね。ですが、構いませんよ。それに、おかげであなたの正体も掴めました。エミリア様――――」
医の神の魔力を感じたことで、その正体を悟ったジュードは、薄れゆく意識の中で、エミリアに医の神の正体を伝える。
「――――例え私が私でなくなっても、私はまたあなたを好きになるでしょう」
「ジュード様っ!」
ジュードは最期に柔らかく微笑み、エミリアの頬に口づけをして、そのまま意識を失った。
「ジュード様っ、ジュード様っ! そんなっ、そんな…………っ! どうして、私なんかのために……」
「全くだ。たった一回お主を守ったところで、何の意味もないというのに。すぐに同じところに送ってやろう」
つまらなそうにジュードを見たクレイスは、再びその手に魔力を宿らせる。
「無駄じゃありませんわ!」
「なに?」
「無駄じゃないと言ったのですわ!」
「はっ、強がりじゃな。無駄でないと言うなら、防いでみよ!」
再びエミリアに向かってきた魔力は、エミリアの眼の前で霧散する。
「なっ……。お主、一体何を……」
「アルコールですわ。あなた、今はコ◯ナウイルスそのものになっているらしいですわね」
「なぜそれをっ…………いや、そいつが教えたのか……」
「ええ。ジュード様が命がけで残してくれた情報ですわ。だから無駄じゃありませんわ!」
エミリアがクレイスの魔力を消せたのは、コ◯ナウイルスとなってこの世界に干渉している医の神のものだからだ。コ◯ナはアルコールで死滅する。ならば、その魔力も、アルコールで死滅するのではないか、というのがジュードの推論だった。結果、それは正しく、エミリアが消毒用に開発した、持っている液体のアルコールを噴霧する魔法で、クレイスの魔力を防げた、というわけだ。
「小癪な!」
次々と放たれる魔法に、エミリアはアルコールの霧で応戦しながら、距離を詰めていく。エミリアが手の届くところまで近づくと、クレイスは思わず後ずさった。
「おしまいですわ。クレイス様の身体を返しなさい」
エミリアはクレイスに向かってアルコールの霧を吹きかける。
「ちっ」
舌打ちとともに、クレイスから魔力が流れ出す。それと同時にクレイスの身体から力が抜け、その場に座り込む。クレイスから抜けた魔力は、医の神を形を取り、宙に浮かんでいた。
『お主を始末できなかった計算外だが、どちらにせよ、もう私の計画は完遂されている。せいぜい、モルモット達と一緒に、滅びるがいい』
医の神はそれだけ言うと、空気中に溶けるように消えてしまった。
(モルモット……なるほど、そういうことか……)
エミリアはその言葉の意味を理解し、思わず奥歯を噛み締めた。
ジュードが操る馬を飛ばして王城にやってきたエミリアは、謁見の間にたどり着くなり礼も何もなく切り出した。
「王に対してその態度とは、流石は悪役令嬢じゃな」
「なっ……!? なぜその言葉を、クレイス様が……?」
「悪役令嬢? 殿下、エミリア様、悪役令嬢とはなんです?」
悪役令嬢というのは聞いたことがないのだろう。クレイスが発した耳慣れない言葉に、護衛として付き添っていたジュードは思わず口を挟んでいた。
「知らぬのも無理はない。エミリア、いや、絵美里、教えてやるべきではないかの?」
「………………」
「はははっ、だんまりか。無理もないのぉ。なにせ、お主の婚約者が好いているのは、お主ではなくエミリアなのじゃから」
「殿下? おっしゃっている意味がわかりませんが…………少し失礼しますっ」
ジュードの手に魔法の光が宿り、その手から放たれた光がクレイスに殺到する。
「ふむ、精神干渉を解く魔法じゃな。じゃが、無意味じゃ。わしにそんな魔法は効かん」
「…………あなたは何者です?」
今まで訝しげにクレイスを見ていたジュードの視線が、一転鋭いものに変わる。少しでもおかしな動きを見せれば、攻撃を仕掛けられる体勢だ。
「お主は気がついておるのじゃろう? のぉ、エミリア?」
「………………医の神」
「医の神? あれが神だというのですか?」
「そうですわ。今クレイス様を、いえ、今までクレイス様を操っていたのは、医の神を自称する存在ですわ」
「自称とは失礼じゃのぉ。わしは正真正銘、医の神じゃぞ?」
「…………エミリア様、どうしてあなたが神と知り合いなのですか……?」
ジュードの声はかすかに震えている。おそらく、頭の良い彼は気がついているのだ。先ほどの会話から、エミリアが何者なのかに。
「…………教えないとだめかしら?」
「それは…………」
「はははははっ、安心しろジュードとやら、わしが教えてやろう。そこにいるエミリアは、お主が幼い頃から好いておったエミリアとは別人じゃ」
「えっ……それはいったい……」
「そのままの意味じゃ。1年ほど前、図書館にエミリアが来た事があったじゃろう?」
(やめてっ……やめてやめてやめてっ、それ以上は……っ!)
「ええ。それまでエミリア様が図書館に来ることはなかったので、よく覚えています」
「その時から、エミリアの人格は入れ替わっておる。今もエミリアの中におる、絵美里という赤の他人の意識にな」
「そんな…………」
(はあ。これで終わりかしらね……まあ、黙ってた私が悪いんだけど……)
「……………………」
ジュードの視線に、エミリアは思わず目をそらす。それは、言外に医の神の言葉を肯定したようなものだ。
「どうじゃ、婚約者が別人だった気分は?」
「………………」
「ジュード様…………」
「言葉も出ぬか。じゃが、安心せえ、ジュードとやら。お主がわしに協力すると言うなら、そこの偽物の人格を消して、お主が愛した元のエミリアを生き返らせてやろう」
「…………そんなことが可能なのですか?」
クレイスは邪悪な笑みを浮かべる。
「もちろんじゃ。なにせ、元のエミリアを創ったのはわしじゃからな」
「なるほど……」
ジュードはそれきり黙り込む。グレイスは勝ち誇ったように笑った。
「ははっ、どうやらジュードが好きなのはお主ではなく、エミリアだったようじゃな」
「…………そのようですわね。私は所詮偽者。相応の報いですわ」
「やけに潔いではないか」
「この状況で、私にできることなんてありませんわ」
「そうか。確かにそうじゃな。ならば、せめて最期は楽にいかせてやろう」
クレイスの手に、魔力の光が宿る。エミリアにはそれがなにかわからなかったが、絵美里の意識を消し去るためのものであろうことはわかった。
「さらばだ、絵美里。お前がやりすぎなければ、このままこの世界で生きていけただろうにな」
クレイスの手から放たれた魔力は、一直線にエミリアへと向かう。エミリアは、諦めて目を瞑った。
(せっかく初めて恋人もできたのに、まさかその恋人にも見捨てられて、おしまいなんて……こんなことなら……)
この世にうまい話はないというが、まさか死後の世界にもうまい話はなかったとは、などと考えながら、エミリアは最期の時を待つ。
しかし、それはいっこうに訪れず、不審に思ったエミリアが目を開けると、そこには誰かの背中があった。
「エミリア様! 逃げてください!」
「ジュード様!? ど、どうして!? ジュード様は前のエミリアが好きなんじゃ……」
そう、そこにあったのはジュードの背中だった。クレイスが放った魔法を、ジュードが身代わりとなって受けているのだ。
「はははっ、それは医の神の勘違いです。以前のエミリア様は、見た目は今と変わらず美しかったですが、内面がどうにも好きになれませんでした。自分の婚約者と仲良くしている女性をいじめながら、自分は他の男と楽しく話している女性など、誰が好きになれましょう。はなから、私が好きなのはエミリア様、いいえ、絵美里様、あなたです」
「馬鹿な男だ。このままではお前の人格は消えるぞ?」
「くっ、そのようですね。ですが、構いませんよ。それに、おかげであなたの正体も掴めました。エミリア様――――」
医の神の魔力を感じたことで、その正体を悟ったジュードは、薄れゆく意識の中で、エミリアに医の神の正体を伝える。
「――――例え私が私でなくなっても、私はまたあなたを好きになるでしょう」
「ジュード様っ!」
ジュードは最期に柔らかく微笑み、エミリアの頬に口づけをして、そのまま意識を失った。
「ジュード様っ、ジュード様っ! そんなっ、そんな…………っ! どうして、私なんかのために……」
「全くだ。たった一回お主を守ったところで、何の意味もないというのに。すぐに同じところに送ってやろう」
つまらなそうにジュードを見たクレイスは、再びその手に魔力を宿らせる。
「無駄じゃありませんわ!」
「なに?」
「無駄じゃないと言ったのですわ!」
「はっ、強がりじゃな。無駄でないと言うなら、防いでみよ!」
再びエミリアに向かってきた魔力は、エミリアの眼の前で霧散する。
「なっ……。お主、一体何を……」
「アルコールですわ。あなた、今はコ◯ナウイルスそのものになっているらしいですわね」
「なぜそれをっ…………いや、そいつが教えたのか……」
「ええ。ジュード様が命がけで残してくれた情報ですわ。だから無駄じゃありませんわ!」
エミリアがクレイスの魔力を消せたのは、コ◯ナウイルスとなってこの世界に干渉している医の神のものだからだ。コ◯ナはアルコールで死滅する。ならば、その魔力も、アルコールで死滅するのではないか、というのがジュードの推論だった。結果、それは正しく、エミリアが消毒用に開発した、持っている液体のアルコールを噴霧する魔法で、クレイスの魔力を防げた、というわけだ。
「小癪な!」
次々と放たれる魔法に、エミリアはアルコールの霧で応戦しながら、距離を詰めていく。エミリアが手の届くところまで近づくと、クレイスは思わず後ずさった。
「おしまいですわ。クレイス様の身体を返しなさい」
エミリアはクレイスに向かってアルコールの霧を吹きかける。
「ちっ」
舌打ちとともに、クレイスから魔力が流れ出す。それと同時にクレイスの身体から力が抜け、その場に座り込む。クレイスから抜けた魔力は、医の神を形を取り、宙に浮かんでいた。
『お主を始末できなかった計算外だが、どちらにせよ、もう私の計画は完遂されている。せいぜい、モルモット達と一緒に、滅びるがいい』
医の神はそれだけ言うと、空気中に溶けるように消えてしまった。
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