156 / 406
第三章「魔法学園の劣等生 魔法技術大会編」
第117話「魔法学園祭 ⑦ 属性魔法と精霊魔法」 ※イラストあり〼
しおりを挟む精霊魔法。それは、精霊を召喚し力として行使するものだ。その為には精霊の召喚とまた、精霊を使役するための意思の疎通が必要不可欠となる。
精霊の召喚。それを行えるというだけで国の中央機関での配属も夢ではない。魔法学園といえどもその数は限られ、使用者は秘匿とされる。
その精霊が目の前に現れた。
「風の精霊だ……!」
風の精霊がアメリアの声に応えたのだ。
「風の精霊シルフよ!」
風がアメリアを包み込み衣が変わる。
今度は風と氷をイメージした衣装だ。
今度は、歓声は起こらなかった。
目の前の光景に誰もが言葉を失っていた。
「癒やしの風!」
温かな風が講堂内に流れる。
徐々にざわめきが起こる。
「シ、シルフ……風の精霊……」
「四大精霊の内の一体だと……!?」
聴衆の間に驚愕がゆるゆるとやってくる。
パチパチと小さな拍手が起こった。それははじめ一人の起こした小さな拍手――それらはやがて大きな波紋となって講堂内に広がっていく。
「凄い!」
「奇跡だ!」
「我々は……奇跡を目の前にしている!」
「アメリア先生!!」
「素晴らしいです!」
口々の賛美と拍手喝采。講堂内は収拾がつかないほどに広がっていた。
「あ、あの……」
困惑しているのはアメリア本人だ。あまりの出来事に理解が追いついていない。彼女の思っていた以上に周囲の反応は大きかったのだ。
これはアメリア本人にも責任があった。彼女は自身が精霊を召喚できると誰にも知らしめていなかったのだ。彼女がそれを公にしようと思ったきっかけは、なんとオレなのだそうだ。
「実は、風の精霊を召喚できることは当面の間、秘密にしていようと思っていたんです」
以前、オレに対してアメリアはそう言った。
精霊の召喚という事実は自身の諸刃の剣だ。自国にとっては強力な駒であり、他国にとっては強大な驚異となる。害してまでどうにかしようという輩が現れても不思議ではないのだ。
それだけ精霊召喚とは巨大な「力」であった。
「もし、私がピンチになったら……」
「ああ、もちろんオレが助ける。どんな時でも必ず守ってやる」
「嬉しい」とアメリアはオレの腕の中で微笑んだ。あの時の約束は嘘ではない。
彼女はオレを信じて、今まで秘密にしていた事を公にした。このことが意味することは「絶対の信頼」だ。オレは彼女の信頼に全力で応えなければならない。
「責任重大だな」
今後どのような事が起こるのか分からない。
彼女の行動がどのような波紋を生み出すのか。
それでも、どんなことになろうと彼女を守ってみせるとオレは心に誓うのだった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
