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第四章「カルネアデス編」
第172話「望月望 ①」
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この世界を造るきっかけとなった張本人。
とんでもない天才かどうしようもない馬鹿かのマッド。
ああそうですか。オレなんですか。
「マヤちゃん。それって本当のことなの?」
「記録が正しければそうです」
それはマザーに記録されているということだ。
このふざけた世界も現実ではないということなのか。
ただ魂を補完するために創り上げられた世界。
「この世界は現実の世界とどこまで類似しているんだ?」
「すべてです」
マヤは即答した。
「魂を定着させ。世界の住人に対しても違和感のない生活を営むためにこの世界はあります。いずれ新規開拓の惑星に到着した際にすぐに対応できるようにということも考慮されているのです」
オレがまさにそのいい例だった。
多少の悶着はあったもののオレは違和感なく惑星になじむことができた。
バージル卿で井戸を掘ることができたのも以前の知識とマザーさんの助力によるものが大きい。
「でも、どうしてこの時代なんだ?」
もっと発展した時代でもいいはずだ。もしくはもっと昔の時代でも。
「それは、この時代が人類の歴史の中で比較的安定した時代だったからです」
史実ではこのおよそ五〇戦後に世界大戦が勃発し、人類の平穏な歴史は崩壊する。
それは初め小さな戦争からスタートしたということだった。
それが世界大戦へと発展し、人類滅亡へと向かう――まったく馬鹿げている。
何故あえて滅亡という選択をしてしまうのか。
引き返せる場面はあったはずだ。そこで選択を誤ったというのか。
人類が……星の海に飛び出すほどの技術を確立させた知的生命体が……これほどに愚かな選択をしたというのか。
「お兄ちゃん」
マヤが心配そうにのぞきこんでくる。アープルも心配そうだ。
オレは頭を軽く振る。
そうだ。
今は過ぎた過去のことではなくこれからの未来の事を考えなければ。
◆ ◆ ◆ ◆
「マヤ。あの後……オレ達はどうなったんだ?」
素朴だが、大切なことだ。
「正直なところは分かりません」
マヤの返事はひどく曖昧なものだった。
「魔法学園がどうなったのか、私たちの身体がどうなったのかも不明なままです」
「マザーさんとの連絡は?」
大切なことだ。この世界がどうであれ、今のオレ達のこの世界を抜け出す術はない。
「今の私はマザーにアクセスすることはできません」
つまりは一般人。普通の人間と変わらない。
「お兄ちゃんがレベルアップしている状態はマザーにとって計算外の出来事だったみたいです」
能力の暴走。あの時脳裏に聞こえた「神化」という言葉。
あれはマザーさんの言葉ではなかったように思う。
オレの異様なレベルアップ。新たなる能力の開化。
「なあ……」
オレは今までずっと心にしまい込んでいた疑問を口にすることにした。
今まで自分自身に対しても禁忌をしていた質問。
オレ自身の存在意義にも関わること。
「なんで……こんなまどろっこしい調査が必要だったんだ?」
とんでもない天才かどうしようもない馬鹿かのマッド。
ああそうですか。オレなんですか。
「マヤちゃん。それって本当のことなの?」
「記録が正しければそうです」
それはマザーに記録されているということだ。
このふざけた世界も現実ではないということなのか。
ただ魂を補完するために創り上げられた世界。
「この世界は現実の世界とどこまで類似しているんだ?」
「すべてです」
マヤは即答した。
「魂を定着させ。世界の住人に対しても違和感のない生活を営むためにこの世界はあります。いずれ新規開拓の惑星に到着した際にすぐに対応できるようにということも考慮されているのです」
オレがまさにそのいい例だった。
多少の悶着はあったもののオレは違和感なく惑星になじむことができた。
バージル卿で井戸を掘ることができたのも以前の知識とマザーさんの助力によるものが大きい。
「でも、どうしてこの時代なんだ?」
もっと発展した時代でもいいはずだ。もしくはもっと昔の時代でも。
「それは、この時代が人類の歴史の中で比較的安定した時代だったからです」
史実ではこのおよそ五〇戦後に世界大戦が勃発し、人類の平穏な歴史は崩壊する。
それは初め小さな戦争からスタートしたということだった。
それが世界大戦へと発展し、人類滅亡へと向かう――まったく馬鹿げている。
何故あえて滅亡という選択をしてしまうのか。
引き返せる場面はあったはずだ。そこで選択を誤ったというのか。
人類が……星の海に飛び出すほどの技術を確立させた知的生命体が……これほどに愚かな選択をしたというのか。
「お兄ちゃん」
マヤが心配そうにのぞきこんでくる。アープルも心配そうだ。
オレは頭を軽く振る。
そうだ。
今は過ぎた過去のことではなくこれからの未来の事を考えなければ。
◆ ◆ ◆ ◆
「マヤ。あの後……オレ達はどうなったんだ?」
素朴だが、大切なことだ。
「正直なところは分かりません」
マヤの返事はひどく曖昧なものだった。
「魔法学園がどうなったのか、私たちの身体がどうなったのかも不明なままです」
「マザーさんとの連絡は?」
大切なことだ。この世界がどうであれ、今のオレ達のこの世界を抜け出す術はない。
「今の私はマザーにアクセスすることはできません」
つまりは一般人。普通の人間と変わらない。
「お兄ちゃんがレベルアップしている状態はマザーにとって計算外の出来事だったみたいです」
能力の暴走。あの時脳裏に聞こえた「神化」という言葉。
あれはマザーさんの言葉ではなかったように思う。
オレの異様なレベルアップ。新たなる能力の開化。
「なあ……」
オレは今までずっと心にしまい込んでいた疑問を口にすることにした。
今まで自分自身に対しても禁忌をしていた質問。
オレ自身の存在意義にも関わること。
「なんで……こんなまどろっこしい調査が必要だったんだ?」
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