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第四章「カルネアデス編」
第181話「カルネアデスの世界 ①」
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「つまり……オレたちは今ばい菌になったってことか」
「望……その言い方なんかイヤです」
アンナが嫌そうに言った。
「じゃあ、バイキンマン」
ならば、あのパンの形を模した正義の味方が現れてオレたちを退治するのか?
あのパンチを食らって世界の果てまで飛んでしまうのか……
「冗談言っている場合じゃないよ。お兄ちゃん」
マヤが周囲を警戒し始めた。
空気が張り詰めている。ピリピリとした感じだ。
なんの気配もしていないのに――囲まれているということが本能的にわかってしまった。
「状況ははっきり言ってヤバヤバだね」
タニアが胸元から剣を取り出す。
いやいや、物理的にそれはないだろ。
ならば、四次元のポケット的な何か秘密の道具を胸の奥にしまっているに違いない。見たい。是非ともその秘密の道具をこの目で今すぐ拝みたい。
「ダメダメ。乙女の胸には秘密がいっぱいなんだよ!」
タニアがわざとらしく胸を手で隠した。
へへへ、そんなこと言いなさんな。
お嬢ちゃん。変なことしないから服を脱いでごらん。
「ノゾミン、目が怖い」
そうですか? オレはいたって普通ですが。
「ソンナコトナイヨ」
「本当かなぁ……」
ハイ常に賢者モード。平常運転ザマス。
「すごい……魔法ってそんなことができるんだ!」
ミーシャが驚きに目を輝かせた。
なんかその解釈間違っているからね。
魔法もそこまで万能じゃないんだからね。
「タニアの秘密はオレが暴いてみせる! だからタニア、ちょっと服を脱いでくれ」
オレの真摯な態度にもタニアは屈しなかった。
「あはははは。さすがノゾミンこんな状況なのに余裕だね」
くそう。相手は鉄壁の防御の構え。仕方ない。今は諦めるとするか――今はな!
「とにかくここから脱出しよう」
タニアは入り口まで進む。オレ達も自然と彼女の後をついていった。
「お兄さん。周囲にたくさんの気配があります」
アープルが心配そうにオレに体を寄せてきた。
ちっちゃいが柔らかい胸の感覚が伝わってくる。
「ノゾミン、ノゾミン! ボクに身も心も預けてくれよ。そうしたらここから出してあげるよ」
タニアが腕にしがみつく。こちらの胸の感触もなかなか味わい深い。
「お兄ちゃん。デレデレしてる」
マヤに睨まれてしまった。
そ、そうですか?
などと浮かれた気分は一歩外に踏み出した途端に一気に吹き飛ぶ。
――暗闇。
外は夜になっていた。
「そんな……まだお昼にもなっていないのに……」
オレたちは言葉を失ったままその場に立ち尽くす。
「……怖い」
ミーシャが自らの身体を抱きすくめる。
「なんなの……この世界は?」
アンナも不安そうだ。
「これが本来の姿――カルネアデスの世界だよ」
タニアの声が静かに響いた。
「望……その言い方なんかイヤです」
アンナが嫌そうに言った。
「じゃあ、バイキンマン」
ならば、あのパンの形を模した正義の味方が現れてオレたちを退治するのか?
あのパンチを食らって世界の果てまで飛んでしまうのか……
「冗談言っている場合じゃないよ。お兄ちゃん」
マヤが周囲を警戒し始めた。
空気が張り詰めている。ピリピリとした感じだ。
なんの気配もしていないのに――囲まれているということが本能的にわかってしまった。
「状況ははっきり言ってヤバヤバだね」
タニアが胸元から剣を取り出す。
いやいや、物理的にそれはないだろ。
ならば、四次元のポケット的な何か秘密の道具を胸の奥にしまっているに違いない。見たい。是非ともその秘密の道具をこの目で今すぐ拝みたい。
「ダメダメ。乙女の胸には秘密がいっぱいなんだよ!」
タニアがわざとらしく胸を手で隠した。
へへへ、そんなこと言いなさんな。
お嬢ちゃん。変なことしないから服を脱いでごらん。
「ノゾミン、目が怖い」
そうですか? オレはいたって普通ですが。
「ソンナコトナイヨ」
「本当かなぁ……」
ハイ常に賢者モード。平常運転ザマス。
「すごい……魔法ってそんなことができるんだ!」
ミーシャが驚きに目を輝かせた。
なんかその解釈間違っているからね。
魔法もそこまで万能じゃないんだからね。
「タニアの秘密はオレが暴いてみせる! だからタニア、ちょっと服を脱いでくれ」
オレの真摯な態度にもタニアは屈しなかった。
「あはははは。さすがノゾミンこんな状況なのに余裕だね」
くそう。相手は鉄壁の防御の構え。仕方ない。今は諦めるとするか――今はな!
「とにかくここから脱出しよう」
タニアは入り口まで進む。オレ達も自然と彼女の後をついていった。
「お兄さん。周囲にたくさんの気配があります」
アープルが心配そうにオレに体を寄せてきた。
ちっちゃいが柔らかい胸の感覚が伝わってくる。
「ノゾミン、ノゾミン! ボクに身も心も預けてくれよ。そうしたらここから出してあげるよ」
タニアが腕にしがみつく。こちらの胸の感触もなかなか味わい深い。
「お兄ちゃん。デレデレしてる」
マヤに睨まれてしまった。
そ、そうですか?
などと浮かれた気分は一歩外に踏み出した途端に一気に吹き飛ぶ。
――暗闇。
外は夜になっていた。
「そんな……まだお昼にもなっていないのに……」
オレたちは言葉を失ったままその場に立ち尽くす。
「……怖い」
ミーシャが自らの身体を抱きすくめる。
「なんなの……この世界は?」
アンナも不安そうだ。
「これが本来の姿――カルネアデスの世界だよ」
タニアの声が静かに響いた。
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