28 / 28
〇二一話~〇三〇話
〇ニ七話「夢の枕」
しおりを挟む
「ついに完成したぞ!」
白衣を着た初老の男が、喜びの声を上げた。
ついに完成したのだ。
「永かった…」
男の目にはうっすらと涙が浮かんでいる。
二十歳の時に、唐突に「夢を見る枕」を作りたいという欲求に駆られたのだった。
そして、四十年という歳月をかけ、ついに男は「夢を見る枕」を完成させた。
「博士、この枕はどんな夢でも見ることができるんですね」
助手の言葉に男は大きく頷く。
「そうだ。この枕はどんな夢でも見ることができるんだ」
そう、金銭的な理由で旅行のできない者はこの枕を使えば世界一周も宇宙旅行も体験することができる。
わざわざお金を使って旅行の体験などしなくても、その思い出があるだけで人は幸せになれるのだ。
「博士はどんな夢を見たいと思いっているんですか?」
女性の助手が尋ねた。
「そうだな。私はまず、若い頃の夢を見てみたい。私は四十年間、ずっとこの枕を完成させるためだけに人生をかけてきた。せめて夢の中だけでも若いあの頃に戻ってみたいのさ」
男はそう言ってベットに横になった。もちろん頭の下には「夢を見る枕」を敷いている。
「スイッチを入れてくれ」
男が言うと同時に意識が遠のいていく。
そして…
男は唐突に目を覚ました。
長い夢を見ていたような気がする。
ベットから起きだし、鏡を見る。
若い、白衣を着た二十代の青年の顔がそこにあった。
もやもやとした気持ちがしたが、理由は分からなかった。
(変な夢でも見ていたのだろうか…)
夢のことは覚えていない。
(夢とは変なものだ。決して自分の思い通りの夢を見ることなどできない…!)
男ははっと顔を上げた。
「そうだ!『夢を見る枕』を作ればいいんだ」
男の瞳はキラキラとしていた。
何十年かけてでも必ず完成させて見せるという意気込みが感じられた。
「必ず完成させてやる!」
男は叫び声を上げる。
それから四十年の歳月をかけて、男は「夢を見る枕」を完成させる事になる。
「ついに完成したぞ!」
白衣を着た初老の男が、喜びの声を上げた………。
「ロンよりショウコ」
ショウコ「通販でいいもの買ってしまいました」
ロン「それはなんだい?」
ショウコ「『夢を見る枕』です」
ロン「それって、違法ものじゃないか」
ショウコ「そうなんですか?」
ロン「昔、販売されていたみたいだけど。一つだけ欠点があって」
ショウコ「ふむふむ」
ロン「長い間使用していると夢と現実の区別がつかなくなって、気がついたら夢の中で何十年も暮らしていた…なんてこともあったらしい」
ショウコ「それって、夢の中で暮らし続けるってことですか」
ロン「夢を見ていて目が覚めたけど、実はそれも夢の中でした。なんてことがあったらどうだい?」
ショウコ「今こうして話をしているのも、もしかしたら夢の中の出来事かもしれないってことですか?」
ロン「そういうこと。睡眠は1時間なのに人生経験が60年とか…ひどい時は何百年も経験したという人もいたらしいよ」
ショウコ「それって、何だか嫌ですね」
ロン「見た目は『子供』、頭脳は『ご老人』なんてことになるかもしれない」
ショウコ「やっぱり、この枕使いません…」
白衣を着た初老の男が、喜びの声を上げた。
ついに完成したのだ。
「永かった…」
男の目にはうっすらと涙が浮かんでいる。
二十歳の時に、唐突に「夢を見る枕」を作りたいという欲求に駆られたのだった。
そして、四十年という歳月をかけ、ついに男は「夢を見る枕」を完成させた。
「博士、この枕はどんな夢でも見ることができるんですね」
助手の言葉に男は大きく頷く。
「そうだ。この枕はどんな夢でも見ることができるんだ」
そう、金銭的な理由で旅行のできない者はこの枕を使えば世界一周も宇宙旅行も体験することができる。
わざわざお金を使って旅行の体験などしなくても、その思い出があるだけで人は幸せになれるのだ。
「博士はどんな夢を見たいと思いっているんですか?」
女性の助手が尋ねた。
「そうだな。私はまず、若い頃の夢を見てみたい。私は四十年間、ずっとこの枕を完成させるためだけに人生をかけてきた。せめて夢の中だけでも若いあの頃に戻ってみたいのさ」
男はそう言ってベットに横になった。もちろん頭の下には「夢を見る枕」を敷いている。
「スイッチを入れてくれ」
男が言うと同時に意識が遠のいていく。
そして…
男は唐突に目を覚ました。
長い夢を見ていたような気がする。
ベットから起きだし、鏡を見る。
若い、白衣を着た二十代の青年の顔がそこにあった。
もやもやとした気持ちがしたが、理由は分からなかった。
(変な夢でも見ていたのだろうか…)
夢のことは覚えていない。
(夢とは変なものだ。決して自分の思い通りの夢を見ることなどできない…!)
男ははっと顔を上げた。
「そうだ!『夢を見る枕』を作ればいいんだ」
男の瞳はキラキラとしていた。
何十年かけてでも必ず完成させて見せるという意気込みが感じられた。
「必ず完成させてやる!」
男は叫び声を上げる。
それから四十年の歳月をかけて、男は「夢を見る枕」を完成させる事になる。
「ついに完成したぞ!」
白衣を着た初老の男が、喜びの声を上げた………。
「ロンよりショウコ」
ショウコ「通販でいいもの買ってしまいました」
ロン「それはなんだい?」
ショウコ「『夢を見る枕』です」
ロン「それって、違法ものじゃないか」
ショウコ「そうなんですか?」
ロン「昔、販売されていたみたいだけど。一つだけ欠点があって」
ショウコ「ふむふむ」
ロン「長い間使用していると夢と現実の区別がつかなくなって、気がついたら夢の中で何十年も暮らしていた…なんてこともあったらしい」
ショウコ「それって、夢の中で暮らし続けるってことですか」
ロン「夢を見ていて目が覚めたけど、実はそれも夢の中でした。なんてことがあったらどうだい?」
ショウコ「今こうして話をしているのも、もしかしたら夢の中の出来事かもしれないってことですか?」
ロン「そういうこと。睡眠は1時間なのに人生経験が60年とか…ひどい時は何百年も経験したという人もいたらしいよ」
ショウコ「それって、何だか嫌ですね」
ロン「見た目は『子供』、頭脳は『ご老人』なんてことになるかもしれない」
ショウコ「やっぱり、この枕使いません…」
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
王女様は美しくわらいました
トネリコ
児童書・童話
無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。
それはそれは美しい笑みでした。
「お前程の悪女はおるまいよ」
王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。
きたいの悪女は処刑されました 解説版
ローズお姉さまのドレス
有沢真尋
児童書・童話
*「第3回きずな児童書大賞」エントリー中です*
最近のルイーゼは少しおかしい。
いつも丈の合わない、ローズお姉さまのドレスを着ている。
話し方もお姉さまそっくり。
わたしと同じ年なのに、ずいぶん年上のように振舞う。
表紙はかんたん表紙メーカーさまで作成
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
児童書・童話
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
星降る夜に落ちた子
千東風子
児童書・童話
あたしは、いらなかった?
ねえ、お父さん、お母さん。
ずっと心で泣いている女の子がいました。
名前は世羅。
いつもいつも弟ばかり。
何か買うのも出かけるのも、弟の言うことを聞いて。
ハイキングなんて、来たくなかった!
世羅が怒りながら歩いていると、急に体が浮きました。足を滑らせたのです。その先は、とても急な坂。
世羅は滑るように落ち、気を失いました。
そして、目が覚めたらそこは。
住んでいた所とはまるで違う、見知らぬ世界だったのです。
気が強いけれど寂しがり屋の女の子と、ワケ有りでいつも諦めることに慣れてしまった綺麗な男の子。
二人がお互いの心に寄り添い、成長するお話です。
全年齢ですが、けがをしたり、命を狙われたりする描写と「死」の表現があります。
苦手な方は回れ右をお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
私が子どもの頃から温めてきたお話のひとつで、小説家になろうの冬の童話際2022に参加した作品です。
石河 翠さまが開催されている個人アワード『石河翠プレゼンツ勝手に冬童話大賞2022』で大賞をいただきまして、イラストはその副賞に相内 充希さまよりいただいたファンアートです。ありがとうございます(^-^)!
こちらは他サイトにも掲載しています。
生まれたばかりですが、早速赤ちゃんセラピー?始めます!
mabu
児童書・童話
超ラッキーな環境での転生と思っていたのにママさんの体調が危ないんじゃぁないの?
ママさんが大好きそうなパパさんを闇落ちさせない様に赤ちゃんセラピーで頑張ります。
力を使って魔力を増やして大きくなったらチートになる!
ちょっと赤ちゃん系に挑戦してみたくてチャレンジしてみました。
読みにくいかもしれませんが宜しくお願いします。
誤字や意味がわからない時は皆様の感性で受け捉えてもらえると助かります。
流れでどうなるかは未定なので一応R15にしております。
現在投稿中の作品と共に地道にマイペースで進めていきますので宜しくお願いします🙇
此方でも感想やご指摘等への返答は致しませんので宜しくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる