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銀狐の章
第017話「質問攻め」
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「ふふふ……」
シェンはおもむろに立ち上がる。
「やあやあ、我様こそは仙境にて千年の……むぐっ!」
おおっと、こいつは戦国時代の武将か何かか!いきなり名乗りを上げるんじゃねぇ!
オレはシェンの口を押さえつける。むぐむぐと抵抗する彼女。
口元を押さえつけている手の指をシェンがチロチロと小さな舌で舐め始める。ザラりとした感覚を指に感じてオレは思わず手を放してしまった。
「ええい、くすぐったいわ!」
「ふふん。我様を黙らせようとは千年早いわ」
この銀狐め!
「ずいぶんと仲がいいのね」
あれ、あーちゃん先輩の声のトーンが一段低くなった気がする。
「そうなのじゃ。我様とお主様は愛し合っておる仲なのじゃ」
シェンの言葉にあーちゃん先輩が「えっ!?」となる。
オレも初耳だ。
「そ、そうなの?」
あーちゃん先輩がおろおろとした目でオレを見る。オレもおろおろとしたまま先輩を見返してしまった。
いや、それオレ困るぅ。
「いや、公式見解としてそれは【なし】でお願いします」
「ガーン!」
シェンはがっくりと肩を落とした。
「……ま、まあ、その件については置いておくとして」
適度にスルーされた。
「オレから説明するよ。こいつの名前はシェン。コスプレ好きのオレの従妹だ」
「何を!我様は――」
「シェン!ステイ!」
言いかけたシェンの目の前にオレはお菓子の袋を見せる。
「おお、なんじゃそれは!」
「これはお前のために買ってきたポテトチップスだ」
「ぽてとちっぷす!」
シェンの目はポテトチップスの袋に釘付けだ。
「これをお前にやるからおとなしくできるよな?」
シェンがコクコクと頷くのを確認してポテトチップスを皿に盛る。
シェンはぴょんとオレの膝の上にのった。
「では、いただきま――」
「待て!」
手を伸ばしかけたシェンを止める。
「よし!」
オレの合図と共にシェンはポテトチップスを食べ始める。
しつけは大事だ。
「あーちゃん先輩、続きを話しても?」
「え、ええ……」
あーちゃん先輩は少し怯えたようにオレとシェンを見ている。「ホ、ホントに従妹?従妹にこんなことするの?」という彼女の言葉は聞こえないことにした。
「知っての通り、この家はオレが叔父さんから借りているものです。その叔父さんの子をオレに預けていると……そういったわけで……」
「でも、叔父さんはまだ独身よね?」
「それは……彼女は隠し子なのです!」
「隠し子――まさか、現地妻!?」
いや、日本では結婚してないから現地妻とは言わないんじゃないかな。まあいい。とにかくここは話を続けよう。
「じゃあ、彼女の髪の毛がこんな銀色なのは?」
「これは地毛です」
「Oh!ふぁんてすてっく!」
うん。嘘はついていない。
「じゃあ、巫女服なのは?」
「こ、これは……彼女――シェンの趣味です!」
「コスプレイヤー!」
あーちゃん先輩は感動したようにシェンを見つめる。
すまん叔父さん!すまんシェン!
「そうなのね。従妹ちゃんだからそんなに懐いているのね」
どうやらあーちゃん先輩は納得してくれたようだ。
「じゃあ、シェンちゃんがモー君を好きっていうのも納得できるわ」
小さい子がお兄ちゃんを「好き」という感覚と似たものを感じたのだろう。オレとしては不本意なのだが……
「それにしても……仲良すぎない?」
それは――不本意だ。
風評被害もいいところだ。
「そうじゃぞ。我様はいつもお主様を見ておるからのう」
ええ確かに、ずっとストーキングされていました。
「お主様のことは何でも知っておるぞ」
ない胸を張るシェンにあーちゃん先輩は「ほほう」と挑戦的な目を向ける。
「じゃあ、モー君の【大事な】本の隠し場所知ってる?」
「お主様の部屋の机の右の引出し上から二番目」
うをい!
「モー君はどんな女の子が好きかな?」
「……お、お胸の大きなお姉さんが好きなのじゃ」
自分の胸元を両手で包みつつ、やや屈辱的な表情で語るシェン。
や、やめてぇ!
これ以上オレの個人情報で遊ばないで!
「じゃあ、最後の質問!」
あーちゃん先輩はちょっと意地悪そうな顔で指をシェンへと向けた。
「シェンちゃんは……本当はモー君のことを本当は嫌いなんじゃないのかな?」
シェンはおもむろに立ち上がる。
「やあやあ、我様こそは仙境にて千年の……むぐっ!」
おおっと、こいつは戦国時代の武将か何かか!いきなり名乗りを上げるんじゃねぇ!
オレはシェンの口を押さえつける。むぐむぐと抵抗する彼女。
口元を押さえつけている手の指をシェンがチロチロと小さな舌で舐め始める。ザラりとした感覚を指に感じてオレは思わず手を放してしまった。
「ええい、くすぐったいわ!」
「ふふん。我様を黙らせようとは千年早いわ」
この銀狐め!
「ずいぶんと仲がいいのね」
あれ、あーちゃん先輩の声のトーンが一段低くなった気がする。
「そうなのじゃ。我様とお主様は愛し合っておる仲なのじゃ」
シェンの言葉にあーちゃん先輩が「えっ!?」となる。
オレも初耳だ。
「そ、そうなの?」
あーちゃん先輩がおろおろとした目でオレを見る。オレもおろおろとしたまま先輩を見返してしまった。
いや、それオレ困るぅ。
「いや、公式見解としてそれは【なし】でお願いします」
「ガーン!」
シェンはがっくりと肩を落とした。
「……ま、まあ、その件については置いておくとして」
適度にスルーされた。
「オレから説明するよ。こいつの名前はシェン。コスプレ好きのオレの従妹だ」
「何を!我様は――」
「シェン!ステイ!」
言いかけたシェンの目の前にオレはお菓子の袋を見せる。
「おお、なんじゃそれは!」
「これはお前のために買ってきたポテトチップスだ」
「ぽてとちっぷす!」
シェンの目はポテトチップスの袋に釘付けだ。
「これをお前にやるからおとなしくできるよな?」
シェンがコクコクと頷くのを確認してポテトチップスを皿に盛る。
シェンはぴょんとオレの膝の上にのった。
「では、いただきま――」
「待て!」
手を伸ばしかけたシェンを止める。
「よし!」
オレの合図と共にシェンはポテトチップスを食べ始める。
しつけは大事だ。
「あーちゃん先輩、続きを話しても?」
「え、ええ……」
あーちゃん先輩は少し怯えたようにオレとシェンを見ている。「ホ、ホントに従妹?従妹にこんなことするの?」という彼女の言葉は聞こえないことにした。
「知っての通り、この家はオレが叔父さんから借りているものです。その叔父さんの子をオレに預けていると……そういったわけで……」
「でも、叔父さんはまだ独身よね?」
「それは……彼女は隠し子なのです!」
「隠し子――まさか、現地妻!?」
いや、日本では結婚してないから現地妻とは言わないんじゃないかな。まあいい。とにかくここは話を続けよう。
「じゃあ、彼女の髪の毛がこんな銀色なのは?」
「これは地毛です」
「Oh!ふぁんてすてっく!」
うん。嘘はついていない。
「じゃあ、巫女服なのは?」
「こ、これは……彼女――シェンの趣味です!」
「コスプレイヤー!」
あーちゃん先輩は感動したようにシェンを見つめる。
すまん叔父さん!すまんシェン!
「そうなのね。従妹ちゃんだからそんなに懐いているのね」
どうやらあーちゃん先輩は納得してくれたようだ。
「じゃあ、シェンちゃんがモー君を好きっていうのも納得できるわ」
小さい子がお兄ちゃんを「好き」という感覚と似たものを感じたのだろう。オレとしては不本意なのだが……
「それにしても……仲良すぎない?」
それは――不本意だ。
風評被害もいいところだ。
「そうじゃぞ。我様はいつもお主様を見ておるからのう」
ええ確かに、ずっとストーキングされていました。
「お主様のことは何でも知っておるぞ」
ない胸を張るシェンにあーちゃん先輩は「ほほう」と挑戦的な目を向ける。
「じゃあ、モー君の【大事な】本の隠し場所知ってる?」
「お主様の部屋の机の右の引出し上から二番目」
うをい!
「モー君はどんな女の子が好きかな?」
「……お、お胸の大きなお姉さんが好きなのじゃ」
自分の胸元を両手で包みつつ、やや屈辱的な表情で語るシェン。
や、やめてぇ!
これ以上オレの個人情報で遊ばないで!
「じゃあ、最後の質問!」
あーちゃん先輩はちょっと意地悪そうな顔で指をシェンへと向けた。
「シェンちゃんは……本当はモー君のことを本当は嫌いなんじゃないのかな?」
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