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6 ウロコダキ
しおりを挟むAriは突然現れたオオサンショウウオを警戒しながら、息を整えていた。心臓の鼓動がまだ速く、モモンガが肩で震えるのを感じながらも、Ariは目を細めて相手を観察した。オオサンショウウオは水面から顔を上げ、低い声で口を開いた。「おや、この洞窟に人とは何年ぶりだろうね。さっきの地震でまさか岩壁が落ちるとは。」その声は滝の水音に混じり、どこか懐かしげに響いた。Ariは驚きに目を丸くしたが、モモンガを優しく撫でて落ち着かせ、じっと見つめた。
オオサンショウウオは長い尾を水中で揺らし、Ariを観察しながら続けた。「昔、ここにいた魔法使いを覚えているよ。奇妙な奴だった。いつも変な帽子をかぶり、薬を調合しては失敗し、こうやって滝の内側を爆破してはいくつもの洞窟を作っていたよ。まあ、俺は奴の楽しそうなその笑顔が嫌いじゃなかったが。」水面に小さな波紋が広がり、オオサンショウウオは遠い記憶を振り返るように目を細めた。
その視線がAriに鋭く注がれると、言葉が続いた。「おまえ、何故別の姿なのかね?その体、闇魔法の跡が残っている。無理やり姿をかえたな?変えられた魂の匂いがするよ。」Ariはペンダントを握り締めたまま、警戒心を隠しきれずにいた。
Ariはペンダントを握り締めながら、オオサンショウウオの穏やかな声に耳を傾けた。その声には、まるで何百年もの時を背負った重みと知恵が宿っているようだった。オオサンショウウオは水面で尾を軽く叩き、深みのある口調で続けた。「心配するな、俺はここの主だ。久しぶりに話そうではないか。お前は悪いやつには見えん。仲良くやろう。なんせ、ここは、そう簡単に生きて打ち上がる場所ではない。これも何かの縁だろう。俺の名は『ウロコダキ』。前の魔法使いがそう呼んでいた。…何百年か前からこの滝を守ってきたが、こうして話す相手は本当に久しぶりだよ。」
ウロコダキがAriをじっと見つめ、水面に広がる波紋がまるで古い記憶を映し出すようだった。Ariはモモンガが肩で小さく鳴くのを感じ、緊張が少し和らぐ。ウロコダキの言葉には、長い年月に培われた余裕と、どこか寂しげな響きが混じっていた。それに引き寄せられるように、Ariの中で好奇心が芽生え始めた。
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