5 / 25
004. サマー・ホリデーズ(1)
1年7月
***
一学期の期末試験明けの金曜日。
僕は靖友くんと一緒に校門から出た。
あれ?
金のたてがみがじりじりと焼けつく陽射しを受けて輝いていた。
僕は思わず駆け寄った。
「レネ?!」
そこにはレネが立っていた。
僕の姿を確認すると大きく腕を広げ、僕がそこにすっぽりと入るとぎゅっとハグをしていつものようにこめかみにちゅっとキスをした。
僕もレネの背中に腕を回し、落ちてくるたてがみがくすぐったいのを我慢して彼のキスを目の横に受ける。
「どうしたの?」
「少しでも早く会いたくて迎えに来た」
先週末は僕も試験があったし、レネも用事があったので会わなかった。
それで寂しくなって僕を迎えに来たらしい。
僕は嬉しくなって、もう一度レネにぎゅっと抱きついて、離れた。
あんまりやっていると暑いんだ、レネのたてがみ。
「藤堂…?」
声がしたほうを見ると、靖友くんが驚いた顔をしている。
「あ、ごめん。
靖友くん、こちらはレークスのパティシエのレネだよ」
「知ってるよ、あのイケメンパティシエ!
前に一緒に店に行っただろ」
「うん。
レネ、こちらはクラスメイトの靖友《やすとも》元親《もとちか》くん」
「やあ、こんにちは」
レネは挨拶をして右手を出した。
靖友くんはおずおずと自分も手を出し握手をした。
それからレネと僕は、なぜか「一人で帰る!」と叫ぶ靖友くんを連れてレークスに行き、僕は恒例のケーキを買った。
靖友くんにはレネが家族分のエクレアを保冷剤をたっぷり入れて持たせた。
前にここに来た時、靖友くんがレークスのケーキを見て感動していたの覚えていたからだって。
靖友くんと僕はそれぞれ、レネから恭しく白い箱を受け取ると急いで家に帰った。
二日後の日曜日、僕はレネと一緒にティグの部屋にいた。
「ランチを一緒にどう?」と誘われたからだ。
レークスの建物の3、4階がティグのプライベートな場所だ。
2階は事務所で1階が店舗になっている。
ティグはレネより料理上手で今日はパエリアを作っていた。
仕込んだパエリアが出来上がるまで、タパスやピンチョスをつまみながら酸味の強いグレープジュースを赤ワインの代わりに使ったサングリアを飲んだ。
お酒が飲めない僕と車を運転するレネのために作ってくれた。
ティグはそれに赤ワインを適当に混ぜて、昼間からいい気分になっている。
シーフードのいい香りがしてパエリアが完成した。
大きなエビやムール貝、アサリものっている。
色とりどりのパプリカも浮かれた夏にぴったりだった。
サフランで色づいた黄金色のごはんにはおこげができていた。
レモンを絞り、混ぜるとティグが皿に取り分けてくれた。
僕たち三人はわいわいと食べ始めた。
「ティー、あの店どうなった?」
しばらくするとレネが思い出したようにティグに話しかけた。
レネとティグは幼馴染で、レネは時々小さい頃を思い出すように「ティー」と少し甘えたようにティグを呼ぶ。
「同じ日にあそことチョコレートの店の両方に行くのは、時間的にちょっと難しいよ、やっぱり」
ティグが口を曲げて答えた。
「ねぇ、二人でどこかに行くの?」
僕の問いにティグが驚いたようにこっちを見た。
「知らないのかい?!」
大きな声で聞かれたので、僕はティグにうなずいて見せた。
ティグは目を吊り上げて、レネを見た。
「ああ、真人、ティグと私はサマーホリデーズで冒険に出かけるんだよ!」
レネはうっとりとして言った。
説明によると、日本では夏、ケーキの売り上げがひどく落ち込む。
いくら口当たりやのど越しのいいジュレやムースを出しても、湿度の高い暑さの中では売り上げを伸ばすのはなかなか難しい。
それならいっそ、一か月余り店を休んでしまおう!というのが始まりだったらしい。
毎年、二人は夏の休みに世界中の甘いものを楽しみに長い旅行に出かけるそうだ。
今年はヨーロッパをレンタカーで回る計画を立てていて、さっきの話はフランスとの国境近くのドイツの小さな街のお店のことらしい。
地図で見ると近いけれど、実際は道がなくて意外に時間がかかるんだって。
この二人で甘いものの冒険旅行だなんて、絶対に楽しいに決まっている。
今日、二人は白いTシャツにブルージーンズをはいている。
ただそれだけのシンプルな服装なのに、内側から野性のフェロモンが出ているのか、すっごくワイルドセクシーだ。
ティグはダメージの入ったジーンズで、ますます荒っぽいのに、料理をしたりパエリアを取り分けてくれる手つきは繊細で色っぽい。
こんな二人がドレスコードでスーツなんか着て登場したら、注目の的だろう。
レネのスーツ姿を思い出し、そして黒い縞模様がぐっと映えそうだろうなとティグのスーツ姿も想像する。
紳士、いや王様《レークス》だもん。
堂々として威厳があって。
それなのに甘いものを一口食べたらとろとろの笑顔になって、感想を話し合うよね、多分。
レネはたてがみもひげもつんつんと上向きにして、ほっぺたを赤くして、素晴らしい旅行の予定について興奮してしゃべっている。
「わあ、楽しそうだね」
「もちろんだとも!
素晴らしいケーキやチョコレートを食べるんだよ。
インスピレーションが枯れないためにも大切な一か月なんだ」
「ちょっと、それでいいのかい、真人?」
ティグがレネを止めに入る。
「え、どうして?
ティグも楽しみにしている旅行でしょう?
いいも悪いもないじゃない」
「ああ」とティグは大げさに目を手で覆い、上を向いた。
ひげも下を向いている。
そんなにショックを受けることだったのかな。
「君たち、恋人同士なんだよね?」
「うん、レネはそう言ってるよ」
「なのに、恋人が友達と一か月も旅行に行くのを直前まで知らされていなかった」
「もうすっかり真人に話した気になっていたんだよ。
ごめんね、真人」
「真人はじき夏休みに入る。
なのに恋人と一か月も会えないんだ」
「僕、夏期講習に行ったり田舎に帰ったりするし、希望者対象の学校の補講も受けるし、いろいろ予定があるんだ」
「二週間会えなかっただけで寂しくて学校に迎えにいくくらいなのに、一か月だぞ」
「自分を豊かにする時間が持てなかったら、パティシエとしての自分も枯れてしまいそうだよ。
枯れれば、真人も愛せなくなるかもしれない」
レネと僕の答えを聞いたティグはまた額に手を当てて、上を向いた。
「ああ、これで君たちがうまくいかなくなっても俺は知らないからな」
「真人、私たちはうまくいかなくなるのか?」
「うーん、僕にはよくわからないけど…
レネとティグに大好きな甘いものを思う存分、楽しんできてほしいと思うよ」
「ああ、本当になんて素晴らしいんだ、君は!
お土産をいっぱい買って帰るからね」
レネは僕を抱き寄せると、こめかみにキスをした。
僕はくすぐったくて少し身をよじったが、避けはしなかった。
ティグは「はぁ」と大きな溜息をついていた。
「ティグ、パエリア、すっごくおいしいよ!」
僕が慰めるように言うと、「そりゃどうも」とぶっきらぼうにティグが答えた。
「冷めないうちに食べよう、ティー」
レネももりもりとパエリアを食べ始めた。
僕も負けないようにスプーンを口に運んだ。
魚介のお出汁が効いて、本当においしい。
サフラン独特の香りとレモンの酸味で、暑いこの時期でもたっぷり食べられる。
ティグは「やれやれ」というふうに首を振り、それ以上何か言うのを諦めたようにパエリアを食べ始めた。
***
一学期の期末試験明けの金曜日。
僕は靖友くんと一緒に校門から出た。
あれ?
金のたてがみがじりじりと焼けつく陽射しを受けて輝いていた。
僕は思わず駆け寄った。
「レネ?!」
そこにはレネが立っていた。
僕の姿を確認すると大きく腕を広げ、僕がそこにすっぽりと入るとぎゅっとハグをしていつものようにこめかみにちゅっとキスをした。
僕もレネの背中に腕を回し、落ちてくるたてがみがくすぐったいのを我慢して彼のキスを目の横に受ける。
「どうしたの?」
「少しでも早く会いたくて迎えに来た」
先週末は僕も試験があったし、レネも用事があったので会わなかった。
それで寂しくなって僕を迎えに来たらしい。
僕は嬉しくなって、もう一度レネにぎゅっと抱きついて、離れた。
あんまりやっていると暑いんだ、レネのたてがみ。
「藤堂…?」
声がしたほうを見ると、靖友くんが驚いた顔をしている。
「あ、ごめん。
靖友くん、こちらはレークスのパティシエのレネだよ」
「知ってるよ、あのイケメンパティシエ!
前に一緒に店に行っただろ」
「うん。
レネ、こちらはクラスメイトの靖友《やすとも》元親《もとちか》くん」
「やあ、こんにちは」
レネは挨拶をして右手を出した。
靖友くんはおずおずと自分も手を出し握手をした。
それからレネと僕は、なぜか「一人で帰る!」と叫ぶ靖友くんを連れてレークスに行き、僕は恒例のケーキを買った。
靖友くんにはレネが家族分のエクレアを保冷剤をたっぷり入れて持たせた。
前にここに来た時、靖友くんがレークスのケーキを見て感動していたの覚えていたからだって。
靖友くんと僕はそれぞれ、レネから恭しく白い箱を受け取ると急いで家に帰った。
二日後の日曜日、僕はレネと一緒にティグの部屋にいた。
「ランチを一緒にどう?」と誘われたからだ。
レークスの建物の3、4階がティグのプライベートな場所だ。
2階は事務所で1階が店舗になっている。
ティグはレネより料理上手で今日はパエリアを作っていた。
仕込んだパエリアが出来上がるまで、タパスやピンチョスをつまみながら酸味の強いグレープジュースを赤ワインの代わりに使ったサングリアを飲んだ。
お酒が飲めない僕と車を運転するレネのために作ってくれた。
ティグはそれに赤ワインを適当に混ぜて、昼間からいい気分になっている。
シーフードのいい香りがしてパエリアが完成した。
大きなエビやムール貝、アサリものっている。
色とりどりのパプリカも浮かれた夏にぴったりだった。
サフランで色づいた黄金色のごはんにはおこげができていた。
レモンを絞り、混ぜるとティグが皿に取り分けてくれた。
僕たち三人はわいわいと食べ始めた。
「ティー、あの店どうなった?」
しばらくするとレネが思い出したようにティグに話しかけた。
レネとティグは幼馴染で、レネは時々小さい頃を思い出すように「ティー」と少し甘えたようにティグを呼ぶ。
「同じ日にあそことチョコレートの店の両方に行くのは、時間的にちょっと難しいよ、やっぱり」
ティグが口を曲げて答えた。
「ねぇ、二人でどこかに行くの?」
僕の問いにティグが驚いたようにこっちを見た。
「知らないのかい?!」
大きな声で聞かれたので、僕はティグにうなずいて見せた。
ティグは目を吊り上げて、レネを見た。
「ああ、真人、ティグと私はサマーホリデーズで冒険に出かけるんだよ!」
レネはうっとりとして言った。
説明によると、日本では夏、ケーキの売り上げがひどく落ち込む。
いくら口当たりやのど越しのいいジュレやムースを出しても、湿度の高い暑さの中では売り上げを伸ばすのはなかなか難しい。
それならいっそ、一か月余り店を休んでしまおう!というのが始まりだったらしい。
毎年、二人は夏の休みに世界中の甘いものを楽しみに長い旅行に出かけるそうだ。
今年はヨーロッパをレンタカーで回る計画を立てていて、さっきの話はフランスとの国境近くのドイツの小さな街のお店のことらしい。
地図で見ると近いけれど、実際は道がなくて意外に時間がかかるんだって。
この二人で甘いものの冒険旅行だなんて、絶対に楽しいに決まっている。
今日、二人は白いTシャツにブルージーンズをはいている。
ただそれだけのシンプルな服装なのに、内側から野性のフェロモンが出ているのか、すっごくワイルドセクシーだ。
ティグはダメージの入ったジーンズで、ますます荒っぽいのに、料理をしたりパエリアを取り分けてくれる手つきは繊細で色っぽい。
こんな二人がドレスコードでスーツなんか着て登場したら、注目の的だろう。
レネのスーツ姿を思い出し、そして黒い縞模様がぐっと映えそうだろうなとティグのスーツ姿も想像する。
紳士、いや王様《レークス》だもん。
堂々として威厳があって。
それなのに甘いものを一口食べたらとろとろの笑顔になって、感想を話し合うよね、多分。
レネはたてがみもひげもつんつんと上向きにして、ほっぺたを赤くして、素晴らしい旅行の予定について興奮してしゃべっている。
「わあ、楽しそうだね」
「もちろんだとも!
素晴らしいケーキやチョコレートを食べるんだよ。
インスピレーションが枯れないためにも大切な一か月なんだ」
「ちょっと、それでいいのかい、真人?」
ティグがレネを止めに入る。
「え、どうして?
ティグも楽しみにしている旅行でしょう?
いいも悪いもないじゃない」
「ああ」とティグは大げさに目を手で覆い、上を向いた。
ひげも下を向いている。
そんなにショックを受けることだったのかな。
「君たち、恋人同士なんだよね?」
「うん、レネはそう言ってるよ」
「なのに、恋人が友達と一か月も旅行に行くのを直前まで知らされていなかった」
「もうすっかり真人に話した気になっていたんだよ。
ごめんね、真人」
「真人はじき夏休みに入る。
なのに恋人と一か月も会えないんだ」
「僕、夏期講習に行ったり田舎に帰ったりするし、希望者対象の学校の補講も受けるし、いろいろ予定があるんだ」
「二週間会えなかっただけで寂しくて学校に迎えにいくくらいなのに、一か月だぞ」
「自分を豊かにする時間が持てなかったら、パティシエとしての自分も枯れてしまいそうだよ。
枯れれば、真人も愛せなくなるかもしれない」
レネと僕の答えを聞いたティグはまた額に手を当てて、上を向いた。
「ああ、これで君たちがうまくいかなくなっても俺は知らないからな」
「真人、私たちはうまくいかなくなるのか?」
「うーん、僕にはよくわからないけど…
レネとティグに大好きな甘いものを思う存分、楽しんできてほしいと思うよ」
「ああ、本当になんて素晴らしいんだ、君は!
お土産をいっぱい買って帰るからね」
レネは僕を抱き寄せると、こめかみにキスをした。
僕はくすぐったくて少し身をよじったが、避けはしなかった。
ティグは「はぁ」と大きな溜息をついていた。
「ティグ、パエリア、すっごくおいしいよ!」
僕が慰めるように言うと、「そりゃどうも」とぶっきらぼうにティグが答えた。
「冷めないうちに食べよう、ティー」
レネももりもりとパエリアを食べ始めた。
僕も負けないようにスプーンを口に運んだ。
魚介のお出汁が効いて、本当においしい。
サフラン独特の香りとレモンの酸味で、暑いこの時期でもたっぷり食べられる。
ティグは「やれやれ」というふうに首を振り、それ以上何か言うのを諦めたようにパエリアを食べ始めた。
あなたにおすすめの小説
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
【完】君に届かない声
未希かずは(Miki)
BL
内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。
ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。
すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。
執着囲い込み☓健気。ハピエンです。
その首輪は、弟の牙でしか外せない。
ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。
第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。
初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。
「今すぐ部屋から出ろ!」
独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。
翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。
「俺以外に触らせるな」
そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。
弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。
本当にこのままでもいいのか。
ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。
その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。
どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。
リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24)
※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。
三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。