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010. キッチンでプレゼント(2)
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1年10月
***
レネの部屋に入るとまたカードが床に落ちていた。
薔薇の花のデザインかな、と想像していたけれど違った。
常緑樹の濃い緑のカード。
僕は床にそっと薔薇の花束を置き、カードを拾い上げると中を見た。
「変わらないものを君に
Love,
Leone」
シンプルだった。
「ありがとう」
僕はレネに笑いかけ、カードを折り曲げないように気をつけながらキッチンに向かった。
この素敵な薔薇の花を水に活けたかった。
レネは僕の荷物とティグのディナーの入った袋を持って僕の後に続く。
僕が薔薇のことを言うとレネも大きな花瓶を出してくれたので、それに薔薇を活けた。
えっと…
不意に僕は次になにをしたらいいのかわからなくなって、立ちすくんでしまった。
そんな僕に気がついたのかレネが僕の脇に手を入れひょいっと持ち上げると、キッチンの作業台に僕を座らせた。
「もしかして緊張してるの?」
あ…
そう、僕は緊張してる。
見抜かれて声も出ない僕をちらりと見て、レネはリビングのソファに脱いだジャケットを置き、ローテーブルの上にあった細長い黒い箱を持って僕の前に戻ってきた。
「どうぞ」
無造作に渡された箱を僕は受け取る。
「ありがとう」
なんだろう。
でも、僕がレネにねだったプレゼントはこんな箱に入らないものなのに…
「中、見てもいい?」
「もちろん!」
レネはわくわくした目で僕を見ている。
僕は箱をそっと開けた。
そこには黒い革のベルトの腕時計が入っていた。
綺麗な時計だった。
革は柔らかく滑らかで傷一つない。
金具と時計は白っぽい金色でぐっと上品だ。
文字盤は大きく素敵な字体のローマ数字が書かれている。
長針と短針は黒く、くっきりと時間を示し、革の黒とマッチしていた。
秒針も白っぽい金でふと気を抜くと文字盤になじんで見えなくなって、うるさくない。
「これって」
この時計に見覚えがあった。
レネは大きくうなずいて、僕に左腕を突き出し、右腕で左のシャツの袖を上にずらすと同じ時計が出てきた。
そうだ、レネの時計と同じ。
「夏のヨーロッパ旅行のお土産だよ。
今朝届いたんだ。
間に合ってよかった」
僕は箱から腕時計を取り出す。
手にずっしりと重い。
コドモっぽい、オモチャの時計じゃなくて大人の時計。
僕は左手首にはめてみる。
綺麗だ。
「私の時計と同じデザインだよ。
これも以前スイスで買ったんだ。
まったく同じにしてもよかったんだけど、真人は大人になっても私ほど腕が太くなりそうにないから、『大人になった真人』をイメージしてちょうどいい大きさをオーダーしたら時間がかかってしまって」
僕は時計に見とれながらレネの話を聞いていた。
確かに僕が大人になったとしても、レネほど背も高くならないだろうし、腕も太くならないだろう。
だからレネの腕で似合っているあれと同じ時計を僕がはめると、いつまで経っても「大人の時計を拝借したコドモ」みたいになってしまう。
『大人になった真人』、だって。
ふふ。
そんな先のことまで考えてくれたんだ、レネ。
大人になった…
今日から僕は16歳だよ。
「夏に一か月離れてしまったときに真人にも寂しい思いをさせた、と反省したんだ。
少しでも私のことを思い出してもらえるように、いつも身につけてもらえるものを
探したんだが、どうだい、つけてくれるかい?」
僕は嬉しくて顔を上げ、レネを見ようとしたとき、ふっとなにかがかすめた。
「……春風みたい」
思わず僕は声を漏らした。
それはレネの口が僕の唇にふれた感触だった。
「え、終わり…?」
僕がレネにねだった誕生日プレゼント。
それは「唇にするキス」だった。
キスといえばいつもこめかみで、あれはあれで好きなんだけど、いつまでも「目の前にいるとなでたくなる子猫」のままみたいだ、と思っていた。
夏にレネのベッドでマスターベーションをしたとき、レネとのキスを想像した。
さっきのキスは、キスと言っていいのかどうかわからないくらいで、突然の一瞬すぎてよく覚えていない。
想像のキスのほうがよく覚えている。
レネは僕の顎を手で取り、キッチンの作業台に座っている僕の膝を割り自分の身体を入れ、もう片方の腕で僕の腰をぐっと引き寄せた。
「誕生日おめでとう、真人」
気持ちのいいバリトンが響き、さっきよりしっかりしたけれど短いキスを何度かされた。
それからレネの広くて大きな舌で、僕の唇がべろんと舐められた。
数度舐められ、そして舌先でとんとんと僕の唇をノックしてきた。
最初は口を閉じていたけれど、それがくすぐったくて思わず開けた口の間からするりとレネの舌が差し入れられた。
ざらつく舌が僕の口の中を探索していく。
「んふ」
鼻から息が抜ける。
レネの舌がもっと奥まで入ってくる。
僕はどうしたらいいかわからなくなり、とりあえずレネの舌を追いかけることにした。
レネは舌でも僕を抱きしめた。
「んんっ」
これまでレネにさわられたこともあるし、ハグもスキンシップも気軽にしているけれど、こんなにセクシャルな雰囲気のものはなかった。
しかし、このキスは違った。
僕がケーキを食べたときと同じ。
様々な女性に愛撫するようにレネは僕の舌を愛撫する。
今度こそ、僕が想像したレネとの想像のファーストキスのように、僕が熱くなりそうだ。
これ以上したら、僕はヘンになってしまう。
僕は顔をずらし、レネのキスから逃れた。
でも僕はすぐに後悔した。
「まだしたい」
息が乱れていた。
酸素を補給する。
「いいよ、おいで」
レネは腰に回した腕にまた力を込め、僕を密着させると口からちろりと舌を見せた。
初めてのデートのとき、「ケーキを食べさせてほしい」と開けた口の中の牙に怯えていたのに、今は積極的にレネの舌を追いかけて自分の舌をレネの口にねじ込んだ。
レネの口の中は温かかった。
安心できる温かさ。
猫の舌に似てレネの舌はざらりとしている。
レネの口は大きいし、僕の舌も長くないので、そんなに奥まで届かない。
「っ」
痛っ。
誤って舌がレネの牙にふれたみたい。
牙の先が下にちょっと刺さった。
レネの舌が庇うように僕の舌を包み、牙に当たらないように導いてくれながら絡めとる。
「んふん」
レネの舌に抱かれている。
気持ちいい。
さっきまで緊張したいた僕の身体から力が抜けた。
レネが僕の舌を押し戻し、僕の口に舌を忍ばせた。
レネってやっぱり愛撫が上手いんだ。
だってこんなに気持ちいいんだもの。
ケーキの女性たちが気持ちよく身を委ねるのがわかる気がする。
再び僕の口の中に入ってきたレネの舌を僕はそっと吸ってみた。
レネはびっくりしたみたいでぴくぴくしたけれど、それはすぐに収まった。
僕はまたちゅっと舌を吸った。
レネの舌の動きが激しくなり、僕はだんだん息苦しくなっていった。
「ううっんっ」
それに、この舌の動きは腰にくる。
優しく愛撫して抱くじゃなくて、もうこれは激しく求めてまさぐられ翻弄されるてる。
だめ、そんなにしたら勃起しそう。
レネが口を離し、キスが終わった。
僕はこてっと上半身をレネの身体に預けた。
なんだか力が抜ける。
「緊張は解けたかい?」
「うん」
レネは優しく僕の背中をなでてくれた。
それも気持ちいい。
「僕のファーストキスだった」
「それは貴重なものをありがとうございます」
「レネ、プレゼント、両方ありがとう」
「気に入ってくれたかい?」
「うん。
すごく嬉しい」
僕はだらんと垂らしていた腕を持ち上げ、レネに抱きつく。
レネはいつものようにこめかみにキスをしてくれた。
ふふふ、こめかみのキスは安心できるね。
ぎゅっとレネを抱きしめると、レネも抱きしめ返してくれてそしてそのまま作業台から僕を下ろした。
僕がレネを見上げると、
「さ、制服がしわになる前に着替えておいで。
食事の用意をしよう。
ステーキは私が焼くからね」
と自信満々に言って、ウィンクをした。
「レネ」
腕まくりをして時計を外しているレネに僕は声をかけた。
レネは動きを止め、僕を金色の目で見つめた。
「また、キスできる?」
「もちろん、いつでも」
「今も?」
返事の代わりに僕の唇に軽くキスを落とした。
「食事の用意をしながらも?」
「素敵だね」
「食事しながらも?」
「いいね、今日は横に並んで食べよう」
「僕、レネともっといっぱいキスがしたい」
「したいだけしよう。
私も真人とキスができて幸せだよ」
レネは作業台の隅に腕時計を恭しく置くと、僕の正面に向かって近づき、そして改めてぎゅっと抱きしめ、舌を絡ませるキスをした。
「愛してるよ、真人。
君の誕生日を一緒に祝えるのが嬉しい」
僕は腕の中でぐにゃぐにゃになっていた。
「愛してる」って言われた。
生まれて初めて恋人から「愛してる」って言われた!
僕も「愛してる」と言わなきゃと思ったけれど、本当にぐにゃぐにゃになってしまって言えなかった。
レネは僕をお姫様抱っこしてソファに座らせると、
「落ち着いたら着替えておいで」
と、またこめかみにキスをして、いそいそとキッチンに戻った。
キッチンからはレネの鼻歌が聞こえてきた。
僕はしばらくソファに沈んだまま動けなかった。
***
レネの部屋に入るとまたカードが床に落ちていた。
薔薇の花のデザインかな、と想像していたけれど違った。
常緑樹の濃い緑のカード。
僕は床にそっと薔薇の花束を置き、カードを拾い上げると中を見た。
「変わらないものを君に
Love,
Leone」
シンプルだった。
「ありがとう」
僕はレネに笑いかけ、カードを折り曲げないように気をつけながらキッチンに向かった。
この素敵な薔薇の花を水に活けたかった。
レネは僕の荷物とティグのディナーの入った袋を持って僕の後に続く。
僕が薔薇のことを言うとレネも大きな花瓶を出してくれたので、それに薔薇を活けた。
えっと…
不意に僕は次になにをしたらいいのかわからなくなって、立ちすくんでしまった。
そんな僕に気がついたのかレネが僕の脇に手を入れひょいっと持ち上げると、キッチンの作業台に僕を座らせた。
「もしかして緊張してるの?」
あ…
そう、僕は緊張してる。
見抜かれて声も出ない僕をちらりと見て、レネはリビングのソファに脱いだジャケットを置き、ローテーブルの上にあった細長い黒い箱を持って僕の前に戻ってきた。
「どうぞ」
無造作に渡された箱を僕は受け取る。
「ありがとう」
なんだろう。
でも、僕がレネにねだったプレゼントはこんな箱に入らないものなのに…
「中、見てもいい?」
「もちろん!」
レネはわくわくした目で僕を見ている。
僕は箱をそっと開けた。
そこには黒い革のベルトの腕時計が入っていた。
綺麗な時計だった。
革は柔らかく滑らかで傷一つない。
金具と時計は白っぽい金色でぐっと上品だ。
文字盤は大きく素敵な字体のローマ数字が書かれている。
長針と短針は黒く、くっきりと時間を示し、革の黒とマッチしていた。
秒針も白っぽい金でふと気を抜くと文字盤になじんで見えなくなって、うるさくない。
「これって」
この時計に見覚えがあった。
レネは大きくうなずいて、僕に左腕を突き出し、右腕で左のシャツの袖を上にずらすと同じ時計が出てきた。
そうだ、レネの時計と同じ。
「夏のヨーロッパ旅行のお土産だよ。
今朝届いたんだ。
間に合ってよかった」
僕は箱から腕時計を取り出す。
手にずっしりと重い。
コドモっぽい、オモチャの時計じゃなくて大人の時計。
僕は左手首にはめてみる。
綺麗だ。
「私の時計と同じデザインだよ。
これも以前スイスで買ったんだ。
まったく同じにしてもよかったんだけど、真人は大人になっても私ほど腕が太くなりそうにないから、『大人になった真人』をイメージしてちょうどいい大きさをオーダーしたら時間がかかってしまって」
僕は時計に見とれながらレネの話を聞いていた。
確かに僕が大人になったとしても、レネほど背も高くならないだろうし、腕も太くならないだろう。
だからレネの腕で似合っているあれと同じ時計を僕がはめると、いつまで経っても「大人の時計を拝借したコドモ」みたいになってしまう。
『大人になった真人』、だって。
ふふ。
そんな先のことまで考えてくれたんだ、レネ。
大人になった…
今日から僕は16歳だよ。
「夏に一か月離れてしまったときに真人にも寂しい思いをさせた、と反省したんだ。
少しでも私のことを思い出してもらえるように、いつも身につけてもらえるものを
探したんだが、どうだい、つけてくれるかい?」
僕は嬉しくて顔を上げ、レネを見ようとしたとき、ふっとなにかがかすめた。
「……春風みたい」
思わず僕は声を漏らした。
それはレネの口が僕の唇にふれた感触だった。
「え、終わり…?」
僕がレネにねだった誕生日プレゼント。
それは「唇にするキス」だった。
キスといえばいつもこめかみで、あれはあれで好きなんだけど、いつまでも「目の前にいるとなでたくなる子猫」のままみたいだ、と思っていた。
夏にレネのベッドでマスターベーションをしたとき、レネとのキスを想像した。
さっきのキスは、キスと言っていいのかどうかわからないくらいで、突然の一瞬すぎてよく覚えていない。
想像のキスのほうがよく覚えている。
レネは僕の顎を手で取り、キッチンの作業台に座っている僕の膝を割り自分の身体を入れ、もう片方の腕で僕の腰をぐっと引き寄せた。
「誕生日おめでとう、真人」
気持ちのいいバリトンが響き、さっきよりしっかりしたけれど短いキスを何度かされた。
それからレネの広くて大きな舌で、僕の唇がべろんと舐められた。
数度舐められ、そして舌先でとんとんと僕の唇をノックしてきた。
最初は口を閉じていたけれど、それがくすぐったくて思わず開けた口の間からするりとレネの舌が差し入れられた。
ざらつく舌が僕の口の中を探索していく。
「んふ」
鼻から息が抜ける。
レネの舌がもっと奥まで入ってくる。
僕はどうしたらいいかわからなくなり、とりあえずレネの舌を追いかけることにした。
レネは舌でも僕を抱きしめた。
「んんっ」
これまでレネにさわられたこともあるし、ハグもスキンシップも気軽にしているけれど、こんなにセクシャルな雰囲気のものはなかった。
しかし、このキスは違った。
僕がケーキを食べたときと同じ。
様々な女性に愛撫するようにレネは僕の舌を愛撫する。
今度こそ、僕が想像したレネとの想像のファーストキスのように、僕が熱くなりそうだ。
これ以上したら、僕はヘンになってしまう。
僕は顔をずらし、レネのキスから逃れた。
でも僕はすぐに後悔した。
「まだしたい」
息が乱れていた。
酸素を補給する。
「いいよ、おいで」
レネは腰に回した腕にまた力を込め、僕を密着させると口からちろりと舌を見せた。
初めてのデートのとき、「ケーキを食べさせてほしい」と開けた口の中の牙に怯えていたのに、今は積極的にレネの舌を追いかけて自分の舌をレネの口にねじ込んだ。
レネの口の中は温かかった。
安心できる温かさ。
猫の舌に似てレネの舌はざらりとしている。
レネの口は大きいし、僕の舌も長くないので、そんなに奥まで届かない。
「っ」
痛っ。
誤って舌がレネの牙にふれたみたい。
牙の先が下にちょっと刺さった。
レネの舌が庇うように僕の舌を包み、牙に当たらないように導いてくれながら絡めとる。
「んふん」
レネの舌に抱かれている。
気持ちいい。
さっきまで緊張したいた僕の身体から力が抜けた。
レネが僕の舌を押し戻し、僕の口に舌を忍ばせた。
レネってやっぱり愛撫が上手いんだ。
だってこんなに気持ちいいんだもの。
ケーキの女性たちが気持ちよく身を委ねるのがわかる気がする。
再び僕の口の中に入ってきたレネの舌を僕はそっと吸ってみた。
レネはびっくりしたみたいでぴくぴくしたけれど、それはすぐに収まった。
僕はまたちゅっと舌を吸った。
レネの舌の動きが激しくなり、僕はだんだん息苦しくなっていった。
「ううっんっ」
それに、この舌の動きは腰にくる。
優しく愛撫して抱くじゃなくて、もうこれは激しく求めてまさぐられ翻弄されるてる。
だめ、そんなにしたら勃起しそう。
レネが口を離し、キスが終わった。
僕はこてっと上半身をレネの身体に預けた。
なんだか力が抜ける。
「緊張は解けたかい?」
「うん」
レネは優しく僕の背中をなでてくれた。
それも気持ちいい。
「僕のファーストキスだった」
「それは貴重なものをありがとうございます」
「レネ、プレゼント、両方ありがとう」
「気に入ってくれたかい?」
「うん。
すごく嬉しい」
僕はだらんと垂らしていた腕を持ち上げ、レネに抱きつく。
レネはいつものようにこめかみにキスをしてくれた。
ふふふ、こめかみのキスは安心できるね。
ぎゅっとレネを抱きしめると、レネも抱きしめ返してくれてそしてそのまま作業台から僕を下ろした。
僕がレネを見上げると、
「さ、制服がしわになる前に着替えておいで。
食事の用意をしよう。
ステーキは私が焼くからね」
と自信満々に言って、ウィンクをした。
「レネ」
腕まくりをして時計を外しているレネに僕は声をかけた。
レネは動きを止め、僕を金色の目で見つめた。
「また、キスできる?」
「もちろん、いつでも」
「今も?」
返事の代わりに僕の唇に軽くキスを落とした。
「食事の用意をしながらも?」
「素敵だね」
「食事しながらも?」
「いいね、今日は横に並んで食べよう」
「僕、レネともっといっぱいキスがしたい」
「したいだけしよう。
私も真人とキスができて幸せだよ」
レネは作業台の隅に腕時計を恭しく置くと、僕の正面に向かって近づき、そして改めてぎゅっと抱きしめ、舌を絡ませるキスをした。
「愛してるよ、真人。
君の誕生日を一緒に祝えるのが嬉しい」
僕は腕の中でぐにゃぐにゃになっていた。
「愛してる」って言われた。
生まれて初めて恋人から「愛してる」って言われた!
僕も「愛してる」と言わなきゃと思ったけれど、本当にぐにゃぐにゃになってしまって言えなかった。
レネは僕をお姫様抱っこしてソファに座らせると、
「落ち着いたら着替えておいで」
と、またこめかみにキスをして、いそいそとキッチンに戻った。
キッチンからはレネの鼻歌が聞こえてきた。
僕はしばらくソファに沈んだまま動けなかった。
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