僕のレークス

Kyrie

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018. サクラ・レッスン(4)

1年3月

***

夕食は軽めに食べた。

シャワーじゃなく、湯船につかった。

白いTシャツとバスローブじゃなくて、紺のネルのパジャマを着て下着もはいている。
あの白い格好は「レッスン用」なんだって。
(あとで「いくら汚してもいいから」と言われて、すっごく恥ずかしかった)

僕と交代でレネもバスルームに向かった。
なにかをする気にもなれなかった。
僕はレネのベッドの上でごろごろしていた。

落ち着かない。
どうやっても落ち着かない。


しばらくしてレネがたてがみがまだしっとりしたまま、戻ってきた。
僕はどうしたらいいかわからなくなって、思わず枕を投げつけた。

「緊張してるね」

レネは上手に枕を受け止めるとベッドに近づいた。
思わず唾液を飲み込む。

レネもお揃いの紺のネルのパジャマを着ていた。
僕の視線でそれに気がつき、「似合うかい?」と聞いてきたので、大きくうなずいた。
金色のたてがみが紺色に映えていた。
がっしりとした身体に紺色を着ると余計に引き締まって見えたし、小麦色の肌がますます素敵に見えた。

レネがベッドに上がってきた。

い、いよいよだ…

僕は本当に緊張してきた。


レネが僕にふれるかふれないかの、その時だった。

「あ!」

僕は大きく声を上げた。

「明かり!
レネ、明かり消してよ!」

「だめだ」

「え、やだ。
恥ずかし……んんっ」

明るいまま、僕はレネに捕らえられ、唇を塞がれた。

「全部見たい。
全部欲しいんだ、真人…」

熱い息。
こんなレネ、僕は知らない。

レネは大きな舌を僕の口をこじ開け、入れ込んできた。
それは少し強引で、僕は身体を固くする。
そんなことはお構いなしで、レネは僕の口の中を激しく犯す。
くちゃくちゃと唾液の音が響く。

「んぅっ?!」

レネの手が僕の身体の上をはい回る。
もどかしそうに一通りさわると、器用に片手でパジャマのボタンを外していく。
前を左右に開くと、明かりの下、レネの目の前に僕の上半身がさらされた。

レネはキスを止め、見下ろし、僕の身体を見る。

「素敵だ。
なんて綺麗なんだ、真人」

「や、恥ずかしいから」

「見せて、全部」

レネがねっとりと僕の耳元でセクシーに囁く。

あっという間に僕の腕からパジャマの上を引き抜き、背中にベッドのシーツの感触を直に感じた。
「え?」と思うこともなく、レネはそのままパジャマのズボンにも手をかけ、僕が止める隙もなく、下着ごと剥ぎ取った。

僕は全身裸でレネの前に放り出された。

「あ、や」

僕は掛け布団をかぶろうと手を伸ばすが、レネにその手を取られ止められた。

「きちんと見せて」

べろんとレネが僕の頬を舐めた。

「レ、レネ…?」

それからレネは僕の全身を舐めて回った。

「あ…んぅ…」

顔から始まり首筋、肩、胸、もちろん乳首も。
背中、尻、腹、臍、腰、太腿、脛、くるぶし。
足や手の指の間までべろりと舐められたのには驚いた。

くすぐったいようなぞくぞくするような、そんな感じ。
不思議と不快感はなく、まるでTVの動物の生態番組の中の「ライオンの毛づくろい」のようだった。
唯一、レネは僕の性器は舐めなかった。

僕は羞恥心でいっぱいだった。
見られていないところはないくらい、全身舐められていた。
恥ずかしくて、いやで、レネから逃れようとしたけど、レネの怖ろしい力からは逃げられなかった。

「はぁぁぁぁ、真人…」

レネはひどく低い声で唸るように僕の名前を呼んだ。
僕は全身がぴりぴりして、どんな小さな刺激でも身体がぴくんと反応してしまう。

「もっと私の名前を呼んで、真人」

「レネ……?」

「そうだ、もっと」

「もっと?」

声が裏返ってしまう。

「レネ?」

「もっとだ」

「はうっ」

レネがもどかしそうに僕の首筋を、口を舐めて促す。

「ちょ、レネ、その前にズルいから!
僕だけ脱いでるなんてやだ。
レネも脱いで」

僕がレネの頭を押しのけて言うと、レネは起き上がり僕を見下ろした。
そして無言でネルのパジャマを脱ぎ捨てる。
現れたのは凛々しい横顔のライオン頭に、めちゃくちゃ鍛えられた人間の身体だった。
僕は目を見張る。
レネはぶるると首を振ってたてがみを揺らし、恥ずかしげもなく、むしろ自由になったことを喜ぶようににやりとした。
長いたてがみが肩からこぼれ落ちるのがセクシーだった。

鋭い金の瞳。
少しでも動けば襲いかかられそうな気迫。
上位に立つ優雅な余裕。
賢者の横顔。

圧倒的な存在感。

その瞬間、僕は被食者だとありありと思い知らされた。
こんなライオンから逃げられるはずはない。

「綺麗だ」

僕のつぶやきに、レネは金色の目を細めて僕を見る。

なんて美しい野性。

「レネ、とても綺麗だ…」

あっという間に僕は再びレネに抱きしめられ、全身を舐められなでられた。
熱い素肌が擦れるたびに僕は声を上げそうになる。

「声を出して。
名前を呼んで」

「だっ、恥ずか…し…」

「ほら」

「あぁんっ」

たまらず、僕が声を上げるとレネは足の内側をなでながら舐め始めた。

「や、レネ…」

「本当に綺麗だよ、真人。
君が私の腕の中にいるだなんて、夢みたいだ」

「くぅん」

レネの太い指がアナルをかすめた。

「あぁぁっんっ」

僕は恥ずかしくなり、とっさに逃げようともがくが、それは許されない。
レッスンのとき、何度もそこにふれられたけれど、ずっとバスローブの内側のことだった。
なのに、今は煌々と明かりがついた部屋でレネの目の前にさらしている。

「やだ」

「嫌ならもっと前に逃げなさいと言ったはずだよ、真人」

レネは器用にローションのふたを開け、指につけるといつものように小指から挿入する。

「あぅっ」

「どうするんだった、真人?
レッスンを思い出して?
こっちもさわってあげるから」

「ひゃっ?!」

僕は力を抜き、呼吸を続ける練習をしてきたけど、今回はそれ、ちょっと難し…
だって、いつもならレネの手が前をさわるのに、今は、な、舐めて…
幅の広いざらついたレネの舌がぴちゃりと僕のペニスを愛撫している。
生温かくて、ぬるぬるしている。

「あっ、レネっ」

「そう、そのまま」

レネは少しだけ口からペニスを外したが、すぐに舐め始めた。
小指がレネの舌の動きに合わせて出し入れされる。
初めてのときはとても痛かったけど、今は随分慣れた。
スムーズに小指が動くのを確認すると、小指を引き抜きローションを足して薬指を添えて二本、じゅるりと入れられる。

「はうぅぅっ、レネ…」

圧迫感がひどくなる。
それを感じさせないように、レネの舌は僕のペニスを攻め続ける。
僕が一番感じるところ、ヨワイトコロを的確に。
それによって、僕はあまり痛みを感じずにすんでいる。

「気持ちいい?
カウパーがどんどんでてきたよ」

もう!そんなこと言わなくていいからっ!
恥ずかしいから、やめて!

僕はなにかにすがりたくなって、レネの太い腕にしがみつく。
すべすべの肌。
初めてレネの肌にこんなにふれたかもしれない。

そしてレネも。
こんなに欲情したレネを見たことがない。
こんなにいやらしくふれられたことがない。
いろいろ我慢してたんだ。
レネ、本当にこれまで紳士だったんだね。

でも、今は野生のライオン?

「あっあっあっ」

レネがペニスへの愛撫を止めて、太腿の内側を舐めだした。
ひげと顔の短い毛とたてがみが柔らかいところをかすめるようにこする。
なんとも言えないぞわぞわした感じが腰のあたりからこみ上げてくる。

「や、ぁんっ」

ぐっとペニスが立ち上がるのがわかる。
それも間近でレネに見られている。
僕はと言えば必死にぎゅっと目を閉じている。
だって、いろいろ、いっぱいいっぱいで、それで。

レネの二本の指の動きが激しくなった。
うっ、それ、お腹、いっぱい……っ

「すまない、私も余裕がない…」

レネが絞り出すように言う。

「レネっ、レネっ」

「真人」

「ぎゅっとしてっ!」

嵐に翻弄されて、泣きそうになって、僕は両腕を伸ばしてレネを求めた。
レネは舐めるのをやめ、アナルから指を抜くと僕をぎゅっと抱きしめてくれた。

「レネぇぇっ」

僕は必死になったレネに抱きついた。

「真人」

レネがなにかをこらえながらも僕を抱きしめてくれる。
初めて裸でレネと抱きしめ合ったかも。
レネの身体は大きくて熱くて、飲み込まれそうだった。

「レネ、レネ」

僕は腕に力を込める。

「好きって言って」

僕はなにが不安なんだろう?
あんなに望んでいた、レネとのセックスなのに。

「好きだよ、真人。
愛してるよ。
この世にいてくれて、私と出会ってくれてありがとう」

レネがぐっと僕を抱く力を強める。
ああ、いつものレネだ。
と同時に、僕はレネがどうしようもない状態なのがはっきりとわかった。
そして、とても大きなことも。
それはべとべとに濡れて、レネが僕を抱きしめるたびに僕の腹や足を濡らしていった。

「レネ、好き…
続き、してい…よ…」

僕は目を開けてレネを見上げる。
ちゃんと笑えているかな。

レネは再び、慎重に手を僕の身体の上から下へ滑らせ、そしてぐっとローションをたっぷり塗った三本の指をアナルに入れた。

「くっ」

あ、違う。
思わず身体中を固くしたのに気がついた。
力抜いて…

僕はなんとか力を抜こうとする。

「ふ…?」

それを助けるようにレネの手がこれまでのレッスンのときのように柔らかく僕のペニスを包んだ。
慣れた感じに僕は少し安心する。
そのタイミングで、ぐぐっと指が奥へ進む。
レネはローションを足しながら、しばらく続けるとぐちゃっぐちゃっと一定のリズムで指が動くようになっていった。

ここまではレッスン通りだ。








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