格闘戦争記

日本のスターリン

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13章 魔少女ファイブ

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 一督戦隊たちは各々修行を続けていた。鍛錬に鍛錬を重ねて強くなっていった。彼らの力は使えば使うほど強くなる。そして十分に鍛錬を重ねた一督戦隊は新たな任務に就くのであった。



 一方その頃、バトル四天王と三帝を倒された事を受け、新ソ連は打倒一督戦隊のため、新たな人員を投入しようとしていた。新ソ連の民兵・魔少女ファイブである。
 魔少女ファイブのリーダー、躑躅森デミはゲームセンターでダンスゲームをしていた。デミは金髪でドリルヘアの美女である。そこに魔少女ファイブの隊員、熊野御堂暁美が招集を伝えに来ていた。暁美は黒髪ロングヘアの美女である。デミはダンスをしながら話を聞いた。

「私たちに政府から新たな任務を依頼されたわ。」
「ふぅん。どんな任務なの?」
「一督戦隊の打倒よ。」
「それは私たちが出向くに値するほどの任務なのかしら。」
「一督戦隊はバトル四天王や三帝も倒すほどのツワモノよ。それだけじゃなく魔人兄妹を倒したのもあの督戦隊よ。」
「へえ。確かに中々の強敵っぽいけれどどうもやる気がしないわねえ。」
「他の隊員にはもう賛同を得ているわ。後はあなただけよ。」
「じゃあ私抜きでやってくれないかしら?」

 デミはダンスを踊り終えて、暁美にパフェを差し出した。

「食べる?」

 暁美は無言でパフェを受け取った。

「今日の所はこれで引き下がって貰えないかしら?」
「魔少女ファイブの真価は5人そろって発揮されるわ。どうしても貴女の力が必要だわ。」
「私が出るまでもないわ。」
「………じゃあこうしましょう。私がジャンケンで勝ったら貴女も参加して貰えるかしら?」
「いいわよ。ただし、負けやあいこだった場合、魔少女ファイブの全員に政府の依頼破棄を命じるわ。それでもよろしくって。」
「いいわ。その条件飲むわ。その代わり勝ったら魔少女ファイブの指揮を責任もって務めなさいよ。」
「いうまでもないけど魔力を使うのは無しよ!」
「ジャンケンポン!」

 デミはグーを出し、暁美はパーを出した。

「ちょっと待ってよ!最初はグーかと思った!」
「『最初は~』なんて一言も言ってないでしょう?」

 魔少女ファイブはいつも「最初はグー」の掛け声でジャンケンしていた。それでデミは反射的にグーを出してしまったのである。暁美もそれを狙っていきなりジャンケンポンで勝負に挑んだのであった。

「勝ちは勝ちよ。遅出ししたわけでもないし、勝手に勘違いした貴女のミスよ。」
「…なんか騙された気がするけど仕方がないわね……良いわ。やるわ。」

 デミは魔少女ファイブの招集をかけた。そして打倒一督戦隊のために作戦を画策し、数週間後、一督戦隊の討伐に向かうのであった。



 一督戦隊は地球連邦のジンバブエ共和州で修行と防衛に努めていた。そんな中、魔少女ファイブがジンバブエ共和州に攻めてきた。

「作戦は飽くまでも保険よ。良いわね?」
「いくわよ!」
「覚悟しなさい!一督戦隊!」
「観念しなさい!一督戦隊!」
 
 一督戦隊は直ぐに防衛に向かった。

「誰だお前達は!」
「私たちは、魔少女ファイブよ!あなた達の討伐に駆り出されたのよ!」
「魔少女ファイブだと!?魔少女ファイブと言えば、あの魔人兄妹の師匠であると言われている!?」
「その通りよ。魔人兄妹は私たちが育てた。」
「魔少女ファイブ隊長!躑躅森デミ!!!」
「魔少女ファイブ副隊長!紅蓮の戦士・雲類鷲あんこ!!」
「魔少女ファイブ隊員、青碧の戦士・瀧野瀬ミキ!!!」
「同じく魔少女ファイブ隊員、ロゼの戦士・鍛冶屋敷かなめ!!!」
「同じく魔少女ファイブ隊員、漆黒の戦士・熊野御堂暁美!!!」

 あんこは鮮血のような真っ赤なロングヘアの美女である。その髪の長さは身長よりも長い。ミキは青髪ロングヘアの美女である。その髪の長さは膝まである。かなめはピンク髪ツインテールの美女である。その髪の毛の長さは腰まである。

「さあ来なさい!一督戦隊!!!」
「いくぞおおおおおおおおお!!!」

 一は暁美に向かってエネルギ光線を放った。

「いやあああああああああ!!!!」

 暁美は奇声を上げるといつの間にかさっきいた場所から1kmも離れた場所に居た!

「もうあんなところに!?」
「いつのまに!?」

 そういう間もなく今度は暁美は背後に居た。そして一督戦隊の頭上に大きな岩が降ってきた。

「きゃあああ!!!」
「くそおおお!!!」

 一は岩を粉々に砕いた。暁美はまた離れた所に移動していた。

「この女、瞬間移動できるのか!?」
「瞬間移動?ふふふ。」

 今度はあんことミキが一の前後に突然現れて、あんこは赤い魔槍を具体化させ、ミキは青い魔剣を具体化させて挟み撃ちにした。

「なにぃ!?」
 
 一は第四形態に変身して二人をはじきとばした。

「仲間も瞬間移動させられるだと!?いや違う…これは…。」
「気が付いたようね…。そうよ、私は時間停止ができるのよ。」
「やはりそうか!そうだったのか。」
「時間停止中に相手に触れるとその人の時間も動き出してしまうから時間停止中は敵に触れられないし、時間停止中は他の魔法は使えないけれど、時間停止中に仲間に触れれば味方も時間停止中に動かす事ができるのよ!」
「魔法で時間を止めていたのね!」
「時間停止魔法とは厄介な……!」
「一気に決めるわ!いやああああああああああ!!!」

 暁美は時間を停止させた。すぐに仲間の所へいき、あんこ、ミキ、デミ、かなめに触れた。あんこの魔槍とミキの魔剣は消滅した。

「全く。時間停止中に他の全ての魔法が無力化されるのは不便ねえ。」
「でも時間停止解除と同時に攻撃できるのは強力だわ。」
「一隊長を5人で一斉攻撃しましょう。時間停止解除と同時に狙い撃ちするのよ!」

 魔少女ファイブは一の周りを囲い込んだ。その瞬間一が動き出した。

「爆風陣!!!」

 一は体の周りを爆風で多い魔少女ファイブを吹き飛ばした。

「なんで?!なんで時間停止してるのに動けるの!?」
「時間停止は私が解除したわ!」

 そこに居たのはハルヒである。

「春日ハルヒですって!?たしか貴女は回復特化だったはず?!いつの間にそんなパワーを!?」
「パワーじゃないわ!ここよ!」

 ハルヒは自分の頭を指さした。

「私の能力は回復能力。つまり人体の回復する時間を進める能力。それを応用して時間を進める能力で時間停止を解除して時を進めたのよ!」
「回復能力がそんな事にも使えるなんて!!!」
「しねええええ!!!!」

 一は暁美の背後に回り、刀を具体化させて切りかかった。暁美は反射的に時間停止魔法を使ってしまう。しかし、時間はハルヒの能力によって止まる事はなく、暁美は長い髪の毛ごと切り裂かれてしまった。

「まさか一督戦隊最弱の女のせいでやられるなんて…。」

 暁美はそう言いながら絶命した。

「暁美さん!!」
「暁美ぃいい!!!」
「暁美ちゃん!!!」
「もう!絶対に許さないんだから!暁美の仇は私が打つわ!」

 ミキは一に向かって行って魔剣で切りかかかった。

「はやい!?」
「時間停止なんてなくたって私には関係ないんだから!!!」
「はあああ!!!」
 
 一は剣で切りかかられるが、一の身体は切れなった。

「何ですって!?」
「確かにスピードだけなら僕を上回ってるぞ。だがパワーが足りないようだな。」

 一に切りかかった魔剣は折れてしまった。ミキはあまりに衝撃が大きすぎて腰が抜けてしまう。

「そんな!」
「炎雷弾!!!」

 戦意喪失したミキは剛の炎雷弾の餌食となり、焼死してしまった。

「ミキィイイイ!くっ!あんたたちもう絶対に許さないわよ!いくわよ!隊長!かなめ!」
「ええ!」
「もちろんよ!」

 一督戦隊と魔少女ファイブの死闘はさらに激しくなっていくのであった。
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