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25章 秋の遠足
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「明日は秋の遠足で~す!何か質問は有りませんか~?」
朝のホームルーム。先生が教室でクラスの皆に遠足についての質問をした。皆一斉に手を挙げた。学生たちはまるで謝罪会見でインタビューする記者の様である。
「はい!どうぞ」
「バナナはおやつに入りますか~?」
「お弁当の中にいれればおやつに入りません。はい次」
「お菓子の300円以内は消費税も含みますか~?」
「そこはご両親とお話になって決めて下さって結構です。おやつに付いては後で説明が書かれたプリントを配りますので、おやつ以外の質問で」
シーン
そう言われるとさっきまでこぞって挙手していた学生たちは一斉に静まり返ってしまった。さっきとは打って変わって、図書室のような静寂さである。皆おやつ以外には特に興味が無い様だった。
先生は呆れた様子で含み笑いしながら話を締めた。
「では、みなさん。明日に備えて今日は早く寝るように。以上!」
そして翌日。一行は紅葉狩りの遠足に出発した。遠足と言っても目的の山まではバスで行き、山頂まで300mほどの山登りをするだけである。
一行はすぐに山頂に到着した。山頂は紅葉が一面に広がっていた。一同はお弁当タイムになった。
慈美子は関都と城之内・三バカトリオと一緒にシートを広げていた。関都は紅葉を見上げ、感嘆の声を発した。
「紅葉って本当に綺麗だよなぁ。真っ赤で。僕は赤い色大好きだ」
関都は紅葉に見とれていた。まるでスケベおやじが水着の美女に釘付けになるかのように、熱い視線を送っていた。そよ風が紅葉を揺らしている。そんな風に揺れ行く紅葉をただじっと見つめているのだ。
慈美子も関都に同感だった。じっくりと紅葉を鑑賞していた。
「関都さん!早くお弁当にしましょうよ!時間が勿体ないですわ!」
城之内は紅葉には全く興味がない様子だった。城之内は早くお弁当を見せたくてうずうずしていたのだ。
関都もそろそろお腹が空いていたのでお昼にする事にした。
「いただきまーす!」
6人はシートにお弁当を広げ、声をそろえて挨拶した。関都が真っ先にお弁当の蓋を開けると、ぺたん座りで座っている女子たちも手作りお弁当の蓋を開けた。城之内はこの時を待っていたと言わんばかりに重箱のお弁当の中身を自慢した。
「わたくしの手作り弁当をご覧になって!」
城之内のお弁当の中身は全て料亭で出てくるような和食であった。箸で具をつまみ上げ城之内は関都の口に差し出した。
「はい!あ~ん!」
「あ~ん」
関都は城之内に言われるがままに反射的に口を開けた。そしてそのままおかずを頬張った。凄く美味しそうな表情である。
「ん~!美味ぃ!」
それを見た慈美子も負けじと、フォークでおかずを突き刺し関都の口に向けた。
「はい!あ~んして!」
関都はまた口をパカーと開け、おかずを噛みしめた。やはり美味しそうな表情で食べている。
「んんっ!これも美味しい!」
「関都くんにも食べて貰おうと思っていっぱい作ってきたの!好きなおかずを選んで!」
「わたくしもですの!関都さんの為にいっぱい作ってきましたの!」
それを聞いた関都は品定めするようにおかずを見回した。そして、あるおかずに関都の目が止まった。関都は珍しい昆虫を発見した虫取り少年のように嬉しそうに指差した。
「さつまいもの天ぷら!僕、さつまいもが大好物なんだ!」
関都が指差したのは、城之内のお弁当であった。慈美子はしまったと思った。慈美子のお弁当にはさつまいもが入っていなかった。
城之内は官軍にでもなったかのように関都に猛アタックした。
「それなら全部差し上げますわ!はい!あ~ん!」
「いやいや全部食べるのは悪いよ~」
「いえいえ!ぜひ全部食べてちょうだい!」
「そういう訳には!」
「ご遠慮なさらず!」
2人は譲り合ってどっちも全く折れる気配がない。そんな譲り合いの押し問答を暫く続けた。まるでいつかのコミケの関都と慈美子の様である。
そんな2人を慈美子は羨ましそうに見ていた。割って入る隙がなかった。
「ではこうしましょう!半分ずつ食べましょう!」
「そうしよう!そうしよう!」
城之内が半分食べたカケラを関都が食べ、関都が半分食べたカケラを城之内が食べた。相互の間接キスである。慈美子は城之内がうらめしくてうらめしくて仕方がなかった。
大好物を食べて上機嫌の関都は自分のお弁当を突き出した。
「お礼に2人にも僕のお弁当やるよ!2人の好物はなんだ?」
「私はパイナップルだけれど…」
「パイナップルはないなぁ。残念ながら」
「わたくしの好物はさつまいもですわ!」
「おお!奇遇だな!僕と一緒だ!」
「もしかしたら運命もしれませんの!な~んて!」
城之内は嘘を付いた。本当はさつまいもなんて好物ではなかったが関都に合わせたのだ。関都は気が付いていなかったが、慈美子はその嘘に気が付き、「しまった」と思った。自分も関都に合わせればよかった。そう思ったのだ。
「残念だが、さつまいもも無いんだよなぁ。城之内も好物だったんなら悪いことしたなぁ」
「ほほほほほ!同じさつまいも好きならさつまいも好きに食べて貰いたいと思うのは当然ですの!お気になさらないで!」
城之内は有頂天になっていた。まるでエベレストの頂に仁王立ちでもしているかのようである。慈美子は今日は完全に城之内に完敗だと思っていた。
お弁当が終わるとお菓子タイムである。しかし、関都は1人で席を立った。
「ちょっと紅葉を見てくる」
そう言って散歩を始めた。関都は、宝石でも見るかのように目を輝かせて紅葉を見て回っていた。そんな関都を見て慈美子はある事を思い付いた。
しかし、ひとまずおやつを食べる事にした。
「おかしと言えばやっぱりブルボンですわよね~!」
「チョコあーんぱん!」
「エブリバーガー!」
「甘い物だけじゃ飽きるわよね!ピッカラ!」
三バカトリオと城之内は結託してブルボンの商品を持ちよせていた。一方、慈美子は手作りのクッキーを持て来ていた。
それを見た三バカトリオはすぐに口攻撃を開始した。
「手作りのお菓子だなんていや~ね~!」
「本当本当!そんなに自分の腕を自慢したいのかしら~!」
「遠足のお菓子と言えばやっぱりブルボンよね~!わざわざ手作りだなんて~。気取り過ぎ~」
「私はそんなつもりじゃ…」
「悪いですけれども、あなたには一切あげませんわよ!」
「結構よ!」
そうこうしている内に関都も戻ってきて、皆でおやつを食べ始めた。一足早くお菓子を食べ終えた慈美子も紅葉を見に散歩に行った。そうして、楽しい時間があっという間に過ぎていった。
帰りのバス。慈美子は関都の隣の席である。行きは城之内が隣だったが、帰りは慈美子が隣を確保していたのだ。
慈美子は、疲れて眠たそうにしている関都にそっと話しかける。
「関都くん!関都くん!」
「ん~?」
「これ!受け取って欲しいの!」
慈美子が渡したのは手作りクッキーを入れていた箱であった。もちろん、中身は別の物である。関都は早速蓋を開けようとするが、慈美子が静止する。
「後で開けてみて!」
慈美子からは玉手箱的なサプライズがある意図がひしひしと感じ取れた。関都は言われた通りに箱をしまった。
バスは学校に到着し、学生達は各々帰路に付いた。関都は早速はこの中身を確認する。気分は浦島太郎である。しかし、箱を空けても煙は出てこなかった。
中に入っていたのは紅葉のネックレスである。そのネックレスは慈美子の1本の長い髪の毛で結ってあった。
「真っ赤な紅葉を真っ赤な髪の毛で結った首飾りを作るなんてシャレているじゃないか!」
そう。慈美子は関都が真っ赤な紅葉に見とれている姿を見て、自分の真っ赤な髪の毛でネックレスを作る事を思いついたのであった。真っ赤な色が大好きな関都にはこれ以上ないプレゼントであった。
「関都くん喜んでくれてるかしら…?」
慈美子は自宅で日課の日記を書きながら、関都を想うのであった。
朝のホームルーム。先生が教室でクラスの皆に遠足についての質問をした。皆一斉に手を挙げた。学生たちはまるで謝罪会見でインタビューする記者の様である。
「はい!どうぞ」
「バナナはおやつに入りますか~?」
「お弁当の中にいれればおやつに入りません。はい次」
「お菓子の300円以内は消費税も含みますか~?」
「そこはご両親とお話になって決めて下さって結構です。おやつに付いては後で説明が書かれたプリントを配りますので、おやつ以外の質問で」
シーン
そう言われるとさっきまでこぞって挙手していた学生たちは一斉に静まり返ってしまった。さっきとは打って変わって、図書室のような静寂さである。皆おやつ以外には特に興味が無い様だった。
先生は呆れた様子で含み笑いしながら話を締めた。
「では、みなさん。明日に備えて今日は早く寝るように。以上!」
そして翌日。一行は紅葉狩りの遠足に出発した。遠足と言っても目的の山まではバスで行き、山頂まで300mほどの山登りをするだけである。
一行はすぐに山頂に到着した。山頂は紅葉が一面に広がっていた。一同はお弁当タイムになった。
慈美子は関都と城之内・三バカトリオと一緒にシートを広げていた。関都は紅葉を見上げ、感嘆の声を発した。
「紅葉って本当に綺麗だよなぁ。真っ赤で。僕は赤い色大好きだ」
関都は紅葉に見とれていた。まるでスケベおやじが水着の美女に釘付けになるかのように、熱い視線を送っていた。そよ風が紅葉を揺らしている。そんな風に揺れ行く紅葉をただじっと見つめているのだ。
慈美子も関都に同感だった。じっくりと紅葉を鑑賞していた。
「関都さん!早くお弁当にしましょうよ!時間が勿体ないですわ!」
城之内は紅葉には全く興味がない様子だった。城之内は早くお弁当を見せたくてうずうずしていたのだ。
関都もそろそろお腹が空いていたのでお昼にする事にした。
「いただきまーす!」
6人はシートにお弁当を広げ、声をそろえて挨拶した。関都が真っ先にお弁当の蓋を開けると、ぺたん座りで座っている女子たちも手作りお弁当の蓋を開けた。城之内はこの時を待っていたと言わんばかりに重箱のお弁当の中身を自慢した。
「わたくしの手作り弁当をご覧になって!」
城之内のお弁当の中身は全て料亭で出てくるような和食であった。箸で具をつまみ上げ城之内は関都の口に差し出した。
「はい!あ~ん!」
「あ~ん」
関都は城之内に言われるがままに反射的に口を開けた。そしてそのままおかずを頬張った。凄く美味しそうな表情である。
「ん~!美味ぃ!」
それを見た慈美子も負けじと、フォークでおかずを突き刺し関都の口に向けた。
「はい!あ~んして!」
関都はまた口をパカーと開け、おかずを噛みしめた。やはり美味しそうな表情で食べている。
「んんっ!これも美味しい!」
「関都くんにも食べて貰おうと思っていっぱい作ってきたの!好きなおかずを選んで!」
「わたくしもですの!関都さんの為にいっぱい作ってきましたの!」
それを聞いた関都は品定めするようにおかずを見回した。そして、あるおかずに関都の目が止まった。関都は珍しい昆虫を発見した虫取り少年のように嬉しそうに指差した。
「さつまいもの天ぷら!僕、さつまいもが大好物なんだ!」
関都が指差したのは、城之内のお弁当であった。慈美子はしまったと思った。慈美子のお弁当にはさつまいもが入っていなかった。
城之内は官軍にでもなったかのように関都に猛アタックした。
「それなら全部差し上げますわ!はい!あ~ん!」
「いやいや全部食べるのは悪いよ~」
「いえいえ!ぜひ全部食べてちょうだい!」
「そういう訳には!」
「ご遠慮なさらず!」
2人は譲り合ってどっちも全く折れる気配がない。そんな譲り合いの押し問答を暫く続けた。まるでいつかのコミケの関都と慈美子の様である。
そんな2人を慈美子は羨ましそうに見ていた。割って入る隙がなかった。
「ではこうしましょう!半分ずつ食べましょう!」
「そうしよう!そうしよう!」
城之内が半分食べたカケラを関都が食べ、関都が半分食べたカケラを城之内が食べた。相互の間接キスである。慈美子は城之内がうらめしくてうらめしくて仕方がなかった。
大好物を食べて上機嫌の関都は自分のお弁当を突き出した。
「お礼に2人にも僕のお弁当やるよ!2人の好物はなんだ?」
「私はパイナップルだけれど…」
「パイナップルはないなぁ。残念ながら」
「わたくしの好物はさつまいもですわ!」
「おお!奇遇だな!僕と一緒だ!」
「もしかしたら運命もしれませんの!な~んて!」
城之内は嘘を付いた。本当はさつまいもなんて好物ではなかったが関都に合わせたのだ。関都は気が付いていなかったが、慈美子はその嘘に気が付き、「しまった」と思った。自分も関都に合わせればよかった。そう思ったのだ。
「残念だが、さつまいもも無いんだよなぁ。城之内も好物だったんなら悪いことしたなぁ」
「ほほほほほ!同じさつまいも好きならさつまいも好きに食べて貰いたいと思うのは当然ですの!お気になさらないで!」
城之内は有頂天になっていた。まるでエベレストの頂に仁王立ちでもしているかのようである。慈美子は今日は完全に城之内に完敗だと思っていた。
お弁当が終わるとお菓子タイムである。しかし、関都は1人で席を立った。
「ちょっと紅葉を見てくる」
そう言って散歩を始めた。関都は、宝石でも見るかのように目を輝かせて紅葉を見て回っていた。そんな関都を見て慈美子はある事を思い付いた。
しかし、ひとまずおやつを食べる事にした。
「おかしと言えばやっぱりブルボンですわよね~!」
「チョコあーんぱん!」
「エブリバーガー!」
「甘い物だけじゃ飽きるわよね!ピッカラ!」
三バカトリオと城之内は結託してブルボンの商品を持ちよせていた。一方、慈美子は手作りのクッキーを持て来ていた。
それを見た三バカトリオはすぐに口攻撃を開始した。
「手作りのお菓子だなんていや~ね~!」
「本当本当!そんなに自分の腕を自慢したいのかしら~!」
「遠足のお菓子と言えばやっぱりブルボンよね~!わざわざ手作りだなんて~。気取り過ぎ~」
「私はそんなつもりじゃ…」
「悪いですけれども、あなたには一切あげませんわよ!」
「結構よ!」
そうこうしている内に関都も戻ってきて、皆でおやつを食べ始めた。一足早くお菓子を食べ終えた慈美子も紅葉を見に散歩に行った。そうして、楽しい時間があっという間に過ぎていった。
帰りのバス。慈美子は関都の隣の席である。行きは城之内が隣だったが、帰りは慈美子が隣を確保していたのだ。
慈美子は、疲れて眠たそうにしている関都にそっと話しかける。
「関都くん!関都くん!」
「ん~?」
「これ!受け取って欲しいの!」
慈美子が渡したのは手作りクッキーを入れていた箱であった。もちろん、中身は別の物である。関都は早速蓋を開けようとするが、慈美子が静止する。
「後で開けてみて!」
慈美子からは玉手箱的なサプライズがある意図がひしひしと感じ取れた。関都は言われた通りに箱をしまった。
バスは学校に到着し、学生達は各々帰路に付いた。関都は早速はこの中身を確認する。気分は浦島太郎である。しかし、箱を空けても煙は出てこなかった。
中に入っていたのは紅葉のネックレスである。そのネックレスは慈美子の1本の長い髪の毛で結ってあった。
「真っ赤な紅葉を真っ赤な髪の毛で結った首飾りを作るなんてシャレているじゃないか!」
そう。慈美子は関都が真っ赤な紅葉に見とれている姿を見て、自分の真っ赤な髪の毛でネックレスを作る事を思いついたのであった。真っ赤な色が大好きな関都にはこれ以上ないプレゼントであった。
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