聖女マヨネーズが世界を救う! 〜聖剣? 胸から出るのはマヨですが?

シナココ

文字の大きさ
10 / 24

10:二段ジャンプ攻撃だったよね?

しおりを挟む



 かなり泣いて、やっと泣き止んだおじいさんは、でも、膝を抱えたまま動かなくなった。
 頷いてもくれないし、顔を上げてもくれない。水を差し出しても、パンの実を出してもダメ。無反応。完全無視。
 まるでお地蔵さんだ。
 大木の根っこに座り込んでいるのもお地蔵さん度を爆上げしている。拝んでみようかと思うくらい。

「仕方ない。マイケル、これ持ってくれる?」
「ワカタ」
 大きな荷物袋を担いでいるマイケルに、わたしは抱えていた麻袋を渡した。これで両手は自由だ。ちなみに大事な瓢箪水筒は腰にぶらさげている。

「失礼しまーす」
 一声かけて、わたしはおじいさんの正面に膝をついた。両腕を伸ばしておじいさんの腰のあたりへ。

 わたしの手が触れると、おじいさんがビクっと震えた。
「触りますよー」
 遅いかもって思ったけど、言葉と同時にわたしはおじいさんの体を抱き寄せた。

 わたしの右肩を、相手の下腹あたりへ差しいれて、息を整えて、せーの!

「っどっせぇえぇいっ!」

と、肩に担ぎ上げた。

「暴れないでくださいねー」
 わたしの力では、おじいさんを抱っこするのは無理。
 でも、ぎりぎり肩に担ぐことはできる。
 本当はベッドから車椅子に移動させる程度の移動にしか使わないはずの持ち上げ方のはずだけど、コツを掴めば非力な女性でも成人男性を運べなくもない。いわゆるお米様抱っこというやつだ。

 これは聖杯からインストールされたものではなく、わたし自身が持っている記憶だ。何かの研修で、介護者体験をしたことがあった。たぶん、新人研修だな。介護職ではなかったと思うし。うん。

 やっぱり会社員経験がある成人だわ、わたし。
 この体はわたしの中身よりずっと若い。

 とりあえず使えるものは何でも使わなくてはいけない。マヨでも知識でも体力でも、生き残るために必要なら駆使するべし。
 こんなジクジクした森の中に長居したら、健康なひとでも病気になるし、具合が悪いひとは悪化する。

 おじいさんは動かなかった。硬直してるのかもしれない。
 今はそれがありがたいので、放っておく。

 担いでみてわかったのは、おじいさんが意外に背が高いことだ。あと、とんでもなく痩せていること。骨と内臓しかないんじゃないだろうか。
 とはいえ、わたしの体力は有限だ。さっさと道に出なくては。

「マイケル、行こう」
「ワカタ」
 マイケルは小さな体でふたり分の荷物と、おじいさんの杖も持ってくれた。ケウケゲンは相変わらずわたしの頭の上だ。平たいので邪魔にはならない。

 だ
 け
 ど

 重い。人間は重い。骨と内臓だけでも重い。
 奥歯を食いしばって足を出す。一歩、一歩。
 足を交互に出したら前に進めるんだ。簡単かんたん!

 ……いや、無理。

 というか、わたし、思ったより力無いな。
 もうちょっとイケるんじゃないかと思ってたけど、足は震えるし、腕は痺れてくるし、腰も背中も痛くなってきた。

 でも担ぎ上げた以上、投げ出すわけにはいかない。
 投げちゃダメだ投げちゃダメだ投げちゃダメだ投げちゃダメだ!

 ぶつぶつ唸っていると、控えめに腰のあたりを突かれた気がした。
 わたしはおじいさんを見た。
 まあ、担いでいるから腰のあたりしか見えないんだけども。

「……、……テ、」
 たぶん、おじいさんが何か言っている。
 お米様抱っこだから、おじいさんの頭は下になっている。マイケルのほうが顔が近い。

「なんですか? マイケル、聞き取れる?」
「シテ……オロシテ……?」
 何かのかがやき君のセリフみたいだ。けど、文脈と状況からして、「下ろして」だな。

「おじいさんが歩いてくれるんなら喜んで」
「ワカタ」
 マイケルが伝えてくれたので、わたしはゆっくりしゃがんでおじいさんを立たせた。

 あああああー、重たかったぁあああー!

 けど、口には出さない。痩せ我慢だ。

 せっかく歩く気になってくれたんだから、そっち優先で。
 すかさずマイケルが杖をおじいさんに差し出してくれた。ほんとにデキる子だ。自分で考えて、動けている。すばらしい。

「疲れたら休みましょう。でも、こんな森の中から早く出て、人里に出たほうがいいと思うんです。魔物も出るし」
 そう言うと、おじいさんは俯いたまま視線だけ上げた。とても恨めしそうに見つめられてはさすがに怯む。

 え、わたし、何かしました?

 聞きたいけど、おじいさんはほとんど声が出ない。説明を求めるのはきっと負担になってしまう。
 どうしようかと思ったら、頭の上が急に涼しくなった。

 ポイン

 効果音みたいな軽やかな音とともに、ケウケゲンが跳ねたのだ。プクプクに膨らんだケウケゲンはポインポインと空中(!)でバウンドを繰り返して、おじいさんの頭にぶつかった。

「……っ!」
 たぶん、声なき悲鳴があがった。
 わたしは慌ててケウケゲンを取り戻した。
 おじいさんは自分の頭を抱えこんで、背中を丸くしている。防御姿勢だ。

 やっぱり、今のは攻撃だよね? 二段ジャンプ攻撃だったよね?
 なんでケウケゲンがおじいさんを攻撃するの?

「ごめんなさい、大丈夫ですか?」
 慌てておじいさんの背を撫でて、わたしはケウケゲンをがっちり左手でホールドした。

「ケーちゃん、弱ってるひとに意地悪しない!」

 わたしはケウケゲンを目の高さに持ち上げてそう言った。
 ピンクの口のちょっと上あたりを見たのは、なんとなくそのあたりが目かなって思ったからだ。
 ケウケゲンはプクっと膨らんでわたしの手から頭の上に跳ねた。
 拗ねた?
 ……今、拗ねたよね?

 ・呼んだらそばに来てくれる
 ・わたしに対して反抗的な態度をとった人への攻撃行動
 ・拗ねた態度
 ・頭の近く(というか上)で寝る

 これって、これって、懐いたネコちゃん仕草ではなくってっ?

 動揺のあまり、縁もゆかりもない自信のあるお嬢様口調になってしまった。
 落ち着こう、わたし。
 ビークール。深呼吸。

 わたしはケウケゲンを抱き直し、麻袋を肩に担ぎなおして視線をあげた。
「とにかく、道へ出よう! レッツゴー!」
「レツゴ!」

 わたしとマイケルは意気揚々と、おじいさんはトボトボと。
 とにかくドロドロの土と下草を踏み締めて前に進んだ。



 道。
 それはどこかへ通じるもの。
 わたしの前になくて、後ろに出来るもの。

 ではなくて、道に出た。道。これで人の住むところに行けるはずだ。
 わたしにとって道というのはアスファルト舗装された道路や石やタイルがきれいに敷き詰められたものなんだけど……。

 この国の道はかなり汚かった。汚れているというか、手入れがされていない。土の道そのものはかなり固くてしっかり『道』なんだけど、雑草まみれだし、あちこちヒビや亀裂がはいっている。雨が降っていないといってたから、乾き切ってもいる。
 オフロードカーならともかく、荷車にも馬にも向かなさそうな気がする。
 物流は国の血流だ。いくらお金があったとしても、物がなければ都市のくらしは成り立たない。すべての道がローマに通じていたのもそのせいだし、マチュピチュが放棄されたのも流通が阻害されたからだという説がある。

 空は暗澹とした雲。振り返れば鬱蒼とした森、反対側は荒れた野原だ。進むとしたら一本道をいくしかない。亀裂をまたいだり、飛び出した岩を避けたりして進むのはできる気がする。
 悩むのは方向だ。

「マイケル、町がどっちだかわかる?」
「……まち?」
「ヒト族がたくさんいるところのことだよ」

 尋ねてみたけど、マイケルは首を横に振った。
 それもそうだなと思った。ゴブリンは人間から見れば討伐対象になる害獣みたいな扱いなのだ。わざわざ人間が集まっている場所に行くはずがない。

 道は基本的に集落と集落を結ぶから、どっちに行っても町はあるだろうけれど、できれば近いほうがいい。
 困ったな。

 と、おじいさんが、杖にすがりながら片方の腕を伸ばした。来た方を背中にして、左手。
 厚い雲のせいで視界が悪くて先に何があるかよくわからないけど、道はずっと続いているようではある。

「ありがとうございます」
 わたしはおじいさんにお礼を言って、指された方に向き直った。
 建物も通行人も見えないが、行くしかない。
 ここはおじいさんを信じよう。

「行こう、マイケル!」
「レツゴ!」

 わたしたちは歩きだした。
 杖を使うおじいさんに配慮した歩みはとても遅いけど、一歩ずつ進むしかないのだ。


 曇天でも日は暮れるし、また日は昇る。

 わたしたちは暗くなったら荒野側に少しずれて、野宿した。枯れ枝や枯れた草は豊富なので集められたので、マイケルが火を起こしてくれた。
 ふしぎな水筒のおかげで水には不自由がない。パンの実とマヨネーズで食事をした。
 夜は冷えるから、火を絶やさないように気をつけて、できるだけみんなでくっつきあった。おじいさんは少し嫌そうだったけど、冷え対策なんだから我慢してもらうしかない。
 そして明るくなったらまた歩き出した。

 おじいさんはあれから何も言わない。時々、恨めしそうな視線を感じたけれど実害はないから気にしないことにした。

 歩いている間、わたしはマイケルといろんな話をした。
 ゴブリンのことも訊いてみた。
 なんと、ゴブリンには性別がない。つまり生殖しない。彼らはパンの実みたいな殻付きの実から生まれて、力尽きたら萎んで枯れるんだって。
 ゴブリンの実を付ける木はあの森の奥の奥にあって、誰も近づいてはいけないのだと、マイケルは教えてくれた。へえー。ゴブリン、知られざる生態。

 ケウケゲンはずっとわたしの頭の上か肩にいて、マヨネーズをよく食べた。
 おじいさんに二度目の攻撃はしなかったけど、まるで無視しているみたいにも思える。嫌いなのかな。
 この子、ほんとに一体なんなんだろう。

 そうそう。
 道中、二回、ファンファーレを聞いた。どっちも食事をしていた時だった。

 入手アイテムはなし。アナウンスは浄化レベルが上がったと言ったけど、何がきっかけだったのかわからない。
 まあ、わからないことは考えないことにしているから放置だ。

 雨は降らなかった。晴れることもなかった。風は湿気が多くて生臭い。ただ気温は暑からず、寒からず。夜は冷えたけど、すてきなマントと焚き火があったからなんとかなった。

 そしてついに、ゴブリンの森を出てから五日目の昼。
 わたしたちは町らしいところにたどり着いた。

 緩やかな丘の上に向かって建物が立っている小さな集落は、町というより村というべきだろうか。登り坂の道沿いに、十軒ちょっとの家が建っている。

 石を積み上げてモルタルで埋めてある壁と細めの石で葺いてある屋根、ドアは木製だ。半分くらいの屋根に、細い煙突が見える。暖炉整備率が五〇パーセント程度なら、冬の厳しさはほどほどってことになるんじゃないかな。
 たぶんだけど。
 気になるのは、そこじゃない。

「ここ……静かすぎない?」
 つい、口に出た。
 村は静まり返っている。人の気配がしない。犬や猫、鳥の類も見当たらないし、家畜の気配もない。

 周辺に町らしいものがないのだから、この村の主産業は農業のはずだ。でも、農地も見当たらなかった。見渡す限りの荒野だったんだから間違いない。

 野宿続きでここまで歩いてきたのだ。わたしも、おじいさんも、たぶんマイケルも疲れている。ケウケゲンは元気そうだ。
 せめて休めるところが欲しい。

「マイケル、おじいさん、ここで待っててください」
「ワカタ」
「……」

 無言はイエスとみなす。
 麻袋はマイケルに預けて、ケウケゲンを胸に抱き、わたしは一番入り口に近い家の戸口に立った。
 勇気を出してノックする。

「こんにちは、旅のものなのですが」

 返事はない。
 もう一度声をかけたがやっぱり無音だ。

 わたしはその家の裏に回ってみた。
 枝を組み合わせた垣根と葉っぱの落ちた木がいくつかあった。裏口らしいところには樽やバケツ、農具らしいものが置いてある。やっぱり農家でいいような気がする。

「こんにちはー。お留守ですかー」
 閉ざされた板戸の下りた窓もノックして、声を掛けた。

 と。

「……早く、出ていけ。ここは、もう、ダメだ」
 板の向こうから、しわがれた小さな声がした。
 好意的な反応じゃないけど、人だ。
 人がいる!

「ダメって、どういうことですか?」
 わたしは板戸の窓に張り付いて、聞き返した。

「……黒の病、みん、な、死んだ……ア、タシも、」
「病? 黒の病って、まさか」

 思い浮かんだのはゾンビ状態だったマイケルだ。まさか、あのビョーキと同じものがこの村に?


 これ、どういうことなの。



【ここまでのひみつのパラメータ】(本人たちは知りません)
なまえ:マヨネーズ(仮)
しゅぞく:ヒト
せいべつ:おんな
ねんれい:10代後半(推定)
しょくぎょう:聖女(たぶん) 奇跡:lv14 浄化:lv8
そうび:すてきなローブ すてきなマント
もちもの:ふしぎな水筒 丈夫な麻袋(パンの実が詰まっている)
つよさ :2 きようさ:11 じょうぶさ:5
すばやさ:3 かしこさ:10 せいしん:800
うんのよさ:10 みりょく:20
とくしゅ:マヨネーズを胸から出す


なまえ:マイケル
しゅぞく:ゴブリン
せいべつ:なし
ねんれい:??
そうび:あさのチュニック
もちもの:だいじな荷物袋(いろんな道具が入っている)
つよさ :4 きようさ:10 じょうぶさ:8
すばやさ:11 かしこさ:15 せいしん:3
うんのよさ:4 みりょく:2
とくしゅ:とてもやさしい


なまえ:ケウケゲン(仮)
しゅぞく:??
せいべつ:??
ねんれい:??
そうび:なし
もちもの:なし
つよさ :? きようさ:? じょうぶさ:?
すばやさ:? かしこさ:? せいしん:?
うんのよさ:? みりょく:?
とくしゅ:跳ねる


なまえ:おじいさん(仮)
しゅぞく:ヒト
せいべつ:おとこ
ねんれい:ものすごいお年寄り
そうび:ボロボロのぬののふく ボロボロのくつ ボロボロのつえ
もちもの:なし
つよさ :? きようさ:? じょうぶさ:?
すばやさ:? かしこさ:? せいしん:?
うんのよさ:? みりょく:?
とくしゅ:?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。 ご都合主義のハッピーエンドのSSです。 でも周りは全くハッピーじゃないです。 小説家になろう様でも投稿しています。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。

樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。 ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。 国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。 「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」

追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?

タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。 白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。 しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。 王妃リディアの嫉妬。 王太子レオンの盲信。 そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。 「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」 そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。 彼女はただ一言だけ残した。 「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」 誰もそれを脅しとは受け取らなかった。 だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

私は逃げ出すことにした

頭フェアリータイプ
ファンタジー
天涯孤独の身の上の少女は嫌いな男から逃げ出した。

こうしてある日、村は滅んだ

東稔 雨紗霧
ファンタジー
地図の上からある村が一夜にして滅んだ。 これは如何にして村が滅ぶに至ったのかを語る話だ。

処理中です...