異世界は召喚魔法が主流です

ユーキ

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第三話

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俺は昨日5歳になった。もう喋ることも歩くこともできるようになった。しかし、一人で外出することは禁止されている。家の中では本を読んでばかりだ。そのお陰で光魔法と闇魔法がなにかがようやくわかった。

光魔法は光をダメージにする魔法だ。太陽光のような光で攻撃する。聖なる力によって攻撃する。目眩ましにも使うことができる。他には魔物を寄せ付けなくすることもできる。

闇魔法は相手を弱体化させる魔法だ。ステータスを低下させたり、幻惑を見せつけたりする。身体に影響を及ぼすことも可能だ。攻撃に使われることはないらしい。

俺は立派な5歳児を演じている。だが、敬語などは幼い頃から勉強するため、敬語を喋る5歳児になっている。この世界の貴族では当たり前のことだが、地球では考えづらいな。

「アルトちゃん。ご飯よ」
「はい、お母様。今行きます」
5歳時が敬語を喋るという素晴らしくおかしな状況だな。

「「「いただきます」」」
今日のメニューはサンドイッチのようだ。
卵とレタスとモンスターの肉を挟めたサンドイッチだ。確か、モンスターの肉はニードルバードの肉を使っているはず。

「アルト、お前はもう5歳だ。だから今日はお父さんが魔法を教えてやる」
いきなりお父さんが俺に魔法を教えてやろうと提案してきた。

魔法は使えるかもしれないが、外出禁止のため、一度も使っていなかった。家の中で調節できずに魔法を使って大惨事とか洒落にならないからな。
「ありがとう、お父様」

「そうね。アルトちゃんはもう覚えてもいい時期ね。丁度今日は休日だし」 
そう言えば今日は休日だったな。

この世界は一週間が7日。火曜日、水曜日、風曜日、土曜日、雷曜日、光曜日、闇曜日である。そして光曜日と闇曜日が休日である。日にちのことは地球と変化がないため、すぐに順応できた。

ご飯を食べ終えた俺達は近くの広場に向かっている。
その広場は近くに家がないため、安心して魔法を使うことができるだろう、多分!

そういえば両親を鑑定したことはないな。
魔法を教わるし、鑑定しておいた方がいいだろう。
(鑑定!!)

名前    アルベルト・エルドラント   25歳
LV28   
種族    人間

【ステータス】
体力1400
魔力1200
力1500
俊敏1500
防御力800

【魔法】
火魔法LV5
風魔法LV2
土魔法LV2
回復魔法LV3
召喚魔法LV4
生活魔法LV6

【スキル】
剣術LV2
火魔法威力上昇LV3
狂戦士化LV1

【ユニークスキル】    

【称号】
伯爵
火魔法の達人

これがこの世界の普通なのか。弱いな、いや、俺が強いのか。ていうか25歳って若いな。ついでにお母さんのも見てみよう。
(鑑定!!)

名前    シュエリー・エルドラント   22歳
LV35   
種族    人間

【ステータス】
体力1950
魔力2080
力1200
俊敏1000
防御力700

【魔法】
火魔法LV5
水魔法LV4
風魔法LV4
雷魔法LV4
回復魔法LV5
召喚魔法LV5
生活魔法LV7

【スキル】
魔法威力上昇LV5
料理LV8

【ユニークスキル】    
同時発動

【称号】
魔女

お母さんの方が強いだと!?ステータスは魔力以外低いようだが魔法のLVが高いな。スキルも魔法用だし、さすがは魔女だな。そんなことをしているうちに広場に着いた。

「じゃあお父さんがお手本を見せるぞ」
「貴方、頑張って」
この世界でのはじめて見る魔法。いったいどんなのだろうな。ワクワクがとまんないぞ。

「燃え盛る火炎の玉よ敵を燃やせ!ファイヤーボール!」
その瞬間お父さんの手のひらに野球ボールサイズの火の玉が現れる。そして近くにあった岩に衝突し爆発する。

かっこいい!けれど、あの詠唱は恥ずかしすぎる。お父さんは意気揚々と詠唱していたが、俺には恥ずかしすぎる。詠唱は必要なのか?
『詠唱をすると、イメージしやすくなります。もちろん無詠唱で発動することもできます』
あ、良かった。

「アルト、やってみろ」
とりあえずお父さんと同じ魔法でいいだろう。サイズはお父さんと同じでいいだろうな。

俺は無詠唱でファイヤーボールを発動し、お父さんと同じように近くの岩に当てる。俺の狙った岩の方が大きいけど。

ドカーーーン!!
俺のファイヤーボールが岩に衝突したとき、お父さんの何倍もの爆発が起こる。やっちまった。爆発が起こったところは小さなクレーターができている。

お父さんもお母さんも青い顔をして固まっている。冷や汗も半端ない。イケメンと美人が台無しだな。

「あ、アルト、お前、まじか」
「アルトちゃん、何て魔法を」
舌があまり回っておらず驚愕の表情ばかりを浮かべている。今度は威力調節しないとだめだな。

「すごいなー!」
「アルトちゃんは天才よ!」
いきなり二人とも抱きついてくる。暑苦しいな。

「無詠唱で魔法を発動できるだけで天才なのに、あんな威力を出すなんて」
無詠唱で天才?まさかこの世界の人は皆詠唱をするのか。

「よ、よし他の魔法も教えるぞ」 
気を取り直して魔法の練習を再開する。お父さんの使った魔法を真似するたびに誉められる。嬉しいけど、うざいな。

俺は日が沈むまで魔法を教わっていた。どれも簡単に発動できたし、威力の調節もすることができた。けっこう楽しかったな。

家に帰ったらお母さんがご馳走を作ってくれた。俺が魔法を発動したお祝いらしい。

「アルトはすごいな。天才だよ」
「本当ね。学園に通わせるのが楽しみだわ」
そうか、学園があるのか。学園と言えば青春だし楽しみだな。地球ではろくな学校生活じゃなかったし。

「僕頑張るよ」
「ああ、お前の将来は立派だろうな。伯爵以上になれるかもしれない」
「そうね。アルトちゃんの将来はどんなのかしら」
将来は特に決めてないな。まぁモンスターがいるし、冒険者になろうと思っているけどね。冒険者っていうのは憧れるからな。

「お休みなさい」
「ああ、おやすみ」
「おやすみ、アルトちゃん」
今日は色々と頑張ったな。この世界のレベルも分かったし。はやく学園にいきたいな。
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