異世界は召喚魔法が主流です

ユーキ

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第二十話

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臨時休校が終わり、学校に行くことになった。

一日遅れたが、今日は寮の解禁日だ。そもそも、寮がなければティナのように遠くから来た人には辛い。寮が解禁されるまでは宿屋に泊まるか、知り合いや親戚とかの家に泊まるらしい。

寮には強制的に入らないといけない。生活面をしっかりとさせるためだ。召喚獣の監視など、諸々含まれている。もちろん自宅に帰ることはいつでもできる。だから両親はわざわざビーニアスに来たのだ。とはいっても自宅とほとんど変わらない。

今日まで解禁されなかったのは掃除や手続きなどがあるためだ。使っていたのは卒業生の三年生である。一年用、二年用、三年用の女子寮と男子寮。さらに、クラス順に分かれている。毎年学年による場所はローテーションしている。

「準備は出来たの?」
「はい、出来ました」
持つものは着替えとか、日用品、契約石、黒龍刀だけである。家具とかは用意されているらしい。もちろん、アイテムボックスに全部入れてある。

「そっか。アルトがいなくなると寂しくなるな」
「いつでも帰れるので、大丈夫です」
お父さんは少し寂しそうだ。村での仕事は知り合いに任せていて、こっちでは別の仕事をしている。そのため、家にいることは少ないのだ。

「勉強ちゃんとやれよ」
「大丈夫です。いい成績を修めます」
「ならいい。・・・・・・たまには帰ってこいよ?」
「はい、わかりました。行ってきます」
「「行ってらっしゃい!」」

時空間魔法を発動し、近くの学園の近くに転移する。よし、人はいないな。

いや、いるはずもない。ナビゲーターにから進化した
イデアは時空間魔法で空間の情報を掴み取り、視界にも入らない場所を選ぶのだ。完璧に。
『当然です』

イデアは俺の使える魔法を自動で使うことができる。だから空間の情報を把握することができたのだ。俺は適当に転移使用とするだけでいい。勝手に位置を固定してくれる。

他には、戦闘中に一緒に戦ってくれる。俺が使う魔法に合わせて魔法を使ったりアドバイスしてくれる。

一緒に戦ってくれる。これは心強い。剣で戦ってるときに魔法を発動しようとすれば隙ができてしまうかもしれない。しかし、サポートするように的確に魔法を使ってくれる。これはもう、ありがたい。

「お、おい!あの女みたいな顔の赤い髪の奴、レッドドラゴンを倒したって言う・・・・・・!」
「ああ、アルトだろ。超美人のSSSランクのモンスターも召喚したって言う」
「お、俺あいつの戦い見たんだよ!一万を越えるぐらいの魔法を同時発動して一瞬で・・・・・・」
かなり目立ってるな。みんなこっちの方を見てくる。憧れや羨望の目線も多いが、嫉妬と怨念の目線を向けてくるやつもいる。

「あっ!アルト君。おはようございます」
「おはよう」
「ああ、おはよう」
ティナとシャロンが元気のいい声で挨拶してくれる。二人とも、結構な量の荷物を持っている。登山家が本気で登山するときぐらいの量を持ってる。力、強いな。

「昨日のやつ、凄かったね」
「とても、かっこよかったです」
「ありがとう」
「一体、どんな手品を使ったんだよ」
「努力・・・・・・かな?」
努力はしたようでしていない。同時発動をするのにはちょっとコツがいるが、割りと簡単にコツを掴んだし。

「ふぅん」
なんだか、シャロンは納得していないようだ。
「努力ですか・・・・・・すごいですね!」
「うん、まぁ」

その後は教室に着くまで、雑談をしていた。さっきより視線が厳しくなった気がするが、気のせいだろう。

「昨日の魔法は凄かったゼ!」
ドアを開けた瞬間にルークが大声で言う。びびった。心臓が止まるかと思った。

「まぁまぁって感じかしら」
リアは毒々しく言った。まさかの毒舌ですか。第一印象と違うな。

「はい、おはよう。昨日は凄かったな。人生で初めての体験だった。さて、知っていると思うが今日は寮の解禁日だ。寮の方に移動するぞ」
みんなは席を立ち、寮の方に向かうディマス先生に着いていく。

「移動ついでだ。寮の事を少し説明しておく。部屋はSクラスの特権で一人部屋だ。申請すれば二人部屋もできる。場所は校舎に一番近いところになったんだ。運が良かったな。部屋は基本的に好き使って構わない。だが、壊したりするなよ?弁償するのはお前たちの親だ。他には、男子は女子寮に、女子は男子寮に入ってはいけない。あれだ、やましい事があるだろ?後、寮には10時までに戻って置くルールだ。休日は構わないがな」

うん、なるほど。とりあえず、女子寮に行かないで、10時までに寮に戻ればいいか。

「着いたぞ、ここが寮だ」
寮はただただでかかった。こんなところに暮らすんですか。いや、慣れてるけど。今来たのは男子寮だが、女子寮と全く同じだ。

「中に入るぞ」
大きめの両開きの扉を開けて、中にはいる。

「あ、おはようございます」
「「「「「「おはようございます!」」」」」」
中にはカウンターにおばちゃんがいた。寮監だろうな。

「はい、おはようございます。今日からよろしくね」
笑顔が優しいおばちゃんだ。

「これが部屋だ。割り当て表は後で渡す」
部屋は、広かった。これを一人で使うのかって感じだ。まさかの、3LDKだ。これは高校入りたての俺らの年齢に合いませんわ~。

「うおお、なかなかいい部屋だゼ!」
「嬉しいです」
「まぁまぁって感じかしら」
本当に、この部屋はいい部屋だ。どこを何に使おうか。そもそも、これ、本当に寮かな?
『寮です。間違いありません』
ありがとう、イデア。

「はい、これが割り当て表だ。今日は各自荷物の整理をしとけ。本格的な授業は明日からだ。飯は校舎の食堂を使え」
受け取った部屋表を見て、自分の部屋を探す。どうやら入口の一番近くだ。入ってすぐ右の部屋だ。

まずは荷物の整理だな。

部屋は玄関のすぐ右にトイレが設置されている。左側が浴室だ。廊下をまっすぐ行けば、リビングと、ダイニングとキッチンがある。そこから三つの洋室に別れている。どの部屋にも押し入れとかはあるようだ。

まずは左の部屋を寝室にしよう。というよりも寝室だ。大きなシングルベッドがひとつおかれている。枕元にはランプがおいてある。飾り付けの無い質素な部屋だ。使ってたのは男子だろうから変な装飾されてたら気持ち悪いけどな。

隣の洋室はなにもない。ここは鍛冶場にでもするか。まぁ、材料もないし、金は食費とか、日用品を買う程度しか持ってきてないしな。稼ぐしかないようだ。

さらに隣の洋室はどうしようか。ここもなにもおいてないから、物置とかにしてもいいが、アイテムボックスに全部しまえるし。そうだ、エクスカリバーの部屋にするか。

俺は早速、契約石に魔力を込める。淡く光だし、エクスカリバーが現れる。

「お呼びですか。ご主人様」
相変わらず、ビシッとしている。顔も無表情で、ただ命令をこなす感じだな。部屋を与えたら、どんな風になるのだろうか。
「ああ。この部屋をエクスカリバーに使わせようと思ってな。好きに使っていいぞ」
「ありがとうございます」
思った以上に嬉しそうだ。家具とかを買うお金は、俺が稼いでから渡すとしよう。お父さんにもらってもいいが、こういうのは自分でやりたいからな。

これからは、俺の新生活が始まるんだ!
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