王道じゃなくて悪かったな

夏休み編

3. 覚えてたのか…

　海に入ってしばらく、俺は朔蘭ちゃんと沖にでて浮き輪やバナナボートで遊んでた。

　そこに親衛隊の子や千佳とかもたまに加わってたんだけど、おかしい。

　何がって朔蘭ちゃんが。

　さっきからずっともじもじしてて、いや、まさか、ねぇ…？

　え、ないよね？あるわけないよね？


「き、響也くん… 少し、良いですか…？」

「え、あ、うん、いい、けど…」


　全然良くない！え、待って！やばいよ俺氏！なぜ朔蘭ちゃんに連れていかれている！？何故承諾した！？

　ダメだろ、ダメだよ！ね、みんな！ダメだよね！？

　誰だそこで「いいぞ、もっとやれ」って言ったの！！

　さてはあんた変態だな！？

　ちょ、朔蘭ちゃん！？どこまで行くの！？そっちは岩場だよ！みんなの事見えないよ！

　逆に言ってしまえば、俺らのことも周りから見えないって事なんだよ！？

　ちょぉっとー！？何しようとしてる？え、待って待って待って。


「さ、朔蘭ちゃぁ～ん？どこに行くのかにゃ～？」

「もう着きましたよ… あの、あの、私、もう限界で…
　お、おしっこ手伝っていただけませんか…っ！」

「……まじか。」

「大マジです！あっ、ちょっとでたじゃないですかぁ…！！
　早くっ、前みたいに、しーしー、お手伝い、して…？」


　どうする俺！ここで手伝って良いのか？！

　まあでもここなら誰もいないし…

　ってそうじゃないだろ俺！今ここで手伝って仕舞えば、約束(?)を覚えているだろう朔蘭ちゃんにセックスまで持ち込まれるぞ！！

　それは果たしてどうなんだ？朔蘭ちゃんと奏多、千佳とは関係を持たないって決めただろ…！


「あっ、響也くんの手、冷たぃ… きもちぃのぉ…
　うぅぅぅうぅ… おしっこ、おしっこ出る…！」

「…(何やってんだ俺の両手ぇえぇ！！！！)」





　　俺氏、死亡のお知らせ