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第七話「バケーションアワー~都市伝説甲殻譚~」
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次々と振り下ろされるゴーレムの腕を避け続け、蔓脚を伸ばしてくれば光線と刀で断ち切る。海に足をつけながらなので動きにくい。ギリギリでかわし続けるも、体力の限界は近い。
そこにゾンビ達の起こす地鳴りと共に、駆人が走りこんできた。
「持ってきましたよ!空子さん!バケツを投げますから、狐火ームで壊してください!」
そう叫ぶや否や、持ってきたという金属のバケツをゴーレムの頭上まで投げ飛ばした。
「あれですね!狐火ーム!」
見事に光線が命中し、バケツが爆発すると、中から黒い塊や白い粉が舞い上がり、ゴーレムの体に降りかかる。
「ああ!何か出てきましたよ。あれはなんですか?」
「さっきまでグリルで使っていた炭と着火剤です!ぽん吉さんあれに向かって風を!」
「おうよ!スピニング・ブレード!」
ぽん吉は駆人の声に応え、手に持った刀を扇風機のように回転させる。すると、嵐のような強風がゴーレムを叩きつけた。
その瞬間。炭のくすぶっていた火が風によって供給された酸素により大きく燃え上がった。ゴーレムを火がおおいつくし、ジュウジュウと音を立て、水分が蒸発していく。
みるみる間にゴーレムの体を覆うフジツボは白く、ボロボロになっていく。ゴーレム全体も動きが鈍くなってきたようだ。
「よし!今ならいけるぜ!空子さん!俺の体に狐火ームを!」
「分かりました!」
妖力をこめ、白く発光させた足を突き出し、ぽん吉はゴーレムの胸のあたりに向かって飛び蹴りをくりだした。更にその後ろから空子がぽん吉に光線を当てると、その勢いはグンと増す。
「くらえ!ライジング狸ック!」
飛び蹴りがゴーレムに直撃する。もろくなったゴーレムの体にそれを止める力はもう残っていない。勢いのままに貫通したぽん吉が背中側から飛び出した。
胴体に大穴を開けられたゴーレムは、力を失い、ばらばらと崩れていく。
「やった……、のか?」
「ええ。……、あ、姉さん!」
崩れて転がる岩の中に、天子が紛れて倒れている。空子はそれをひっくり返し、足の裏についているフジツボに向かって光線を放った。
フジツボは抵抗する力もなく、光の中に消えてゆく。それと同時に、フジツボゾンビ達の体についたフジツボが剥がれ、サラサラと砂のように分解され、風に散らされていった。
フジツボが消えるのと同時に、駆人を追いかけるをやめその場に立ち尽くすゾンビ達。追いかけられ続けていた駆人はその場に座り込んだ。
「た、助かった」
目を覚ました海水浴客達は、ゾンビにされていたことさえ憶えていないようで、何もなかったかのように海水浴に戻っていく。
時を同じくして天子も目を覚ました。
「ん?お。お。ここは……。うわ、なんじゃこれは!」
天子の周りには先ほど倒したフジツボゴーレムの残骸、フジツボや、その他の岩に潜んでいた生物が山のように散乱している。
「あ、姉さん、目を覚ましましたか」
「ああ、空子か。この磯の生物たちはなんじゃ。……、まさかお主らわしの知らん間に磯遊びを楽しんだのか!?」
「ハハハ……。ずいぶんハードな磯遊びだったがな」
「ぬぬぬ。知らん間にそんなことを……」
「ささ、姉さん。そろそろ夕方ですから、帰り支度をしましょう」
「なんでじゃ!わしはまだ帰りとうない!お主らだけで磯遊びするなんてずるいぞ!」
天子は波打ち際にあおむけに倒れこんで駄々をこねる。
「おい、わがまま言ってんじゃねえぞ」
「それもそうじゃな」
動きを止めスクッと立ち上がる。
「うわあいきなり立ち直るな」
「いいことを思いついた。ビニール袋をもらってくるから待っちょれ」
そう言い残し、天子は海の家の方へ駆けて行った。
「さて、おーい駆人。俺たちのバイトも夕方で終わりだ。後片付けして帰るぞ」
「はい。はあ、とんだ海水浴になっちゃいましたね」
夕日に染まる海で何かを拾い集める天子を尻目に、一行は帰りの準備をするのであった。
海水浴場を後にした四人は、再び電車に揺られ、四葉町の神社に帰ってきた。
「うひひひ。これじゃこれじゃ。これが磯遊びの醍醐味じゃ」
「天子様、ビニール袋を持ってると思ったらこれを持って帰ってきてたんですね」
七輪に乗せた網の上に並べられたフジツボの中身が美味しそうなにおいで焼けている。天子はあのゴーレムから剥がれ落ちたフジツボやその他の海産物を袋に入れて持ち帰っていたのだ。
「味噌汁もあるぞ!お主らも食うか?」
「いや、僕はちょっと」
「あいつにくっついてたと思うと……なあ」
「ええ。姉さんが全部食べていいですよ」
フジツボ達が焼けるにおいはなかなか魅力的であったが、アレに張り付いていたと思うとどうも食欲が出ない。そもそもの発生源が天子であれば、なおさらだ。
「お、よいのか?仕方ないのう。わしが全部たいらげちゃるか。……、美味しい!蟹の味じゃな!」
天子を乗っ取ろうとしたフジツボの末路は、果たして天子の腹の中だというのだから、因果応報というものだろうか。
そこにゾンビ達の起こす地鳴りと共に、駆人が走りこんできた。
「持ってきましたよ!空子さん!バケツを投げますから、狐火ームで壊してください!」
そう叫ぶや否や、持ってきたという金属のバケツをゴーレムの頭上まで投げ飛ばした。
「あれですね!狐火ーム!」
見事に光線が命中し、バケツが爆発すると、中から黒い塊や白い粉が舞い上がり、ゴーレムの体に降りかかる。
「ああ!何か出てきましたよ。あれはなんですか?」
「さっきまでグリルで使っていた炭と着火剤です!ぽん吉さんあれに向かって風を!」
「おうよ!スピニング・ブレード!」
ぽん吉は駆人の声に応え、手に持った刀を扇風機のように回転させる。すると、嵐のような強風がゴーレムを叩きつけた。
その瞬間。炭のくすぶっていた火が風によって供給された酸素により大きく燃え上がった。ゴーレムを火がおおいつくし、ジュウジュウと音を立て、水分が蒸発していく。
みるみる間にゴーレムの体を覆うフジツボは白く、ボロボロになっていく。ゴーレム全体も動きが鈍くなってきたようだ。
「よし!今ならいけるぜ!空子さん!俺の体に狐火ームを!」
「分かりました!」
妖力をこめ、白く発光させた足を突き出し、ぽん吉はゴーレムの胸のあたりに向かって飛び蹴りをくりだした。更にその後ろから空子がぽん吉に光線を当てると、その勢いはグンと増す。
「くらえ!ライジング狸ック!」
飛び蹴りがゴーレムに直撃する。もろくなったゴーレムの体にそれを止める力はもう残っていない。勢いのままに貫通したぽん吉が背中側から飛び出した。
胴体に大穴を開けられたゴーレムは、力を失い、ばらばらと崩れていく。
「やった……、のか?」
「ええ。……、あ、姉さん!」
崩れて転がる岩の中に、天子が紛れて倒れている。空子はそれをひっくり返し、足の裏についているフジツボに向かって光線を放った。
フジツボは抵抗する力もなく、光の中に消えてゆく。それと同時に、フジツボゾンビ達の体についたフジツボが剥がれ、サラサラと砂のように分解され、風に散らされていった。
フジツボが消えるのと同時に、駆人を追いかけるをやめその場に立ち尽くすゾンビ達。追いかけられ続けていた駆人はその場に座り込んだ。
「た、助かった」
目を覚ました海水浴客達は、ゾンビにされていたことさえ憶えていないようで、何もなかったかのように海水浴に戻っていく。
時を同じくして天子も目を覚ました。
「ん?お。お。ここは……。うわ、なんじゃこれは!」
天子の周りには先ほど倒したフジツボゴーレムの残骸、フジツボや、その他の岩に潜んでいた生物が山のように散乱している。
「あ、姉さん、目を覚ましましたか」
「ああ、空子か。この磯の生物たちはなんじゃ。……、まさかお主らわしの知らん間に磯遊びを楽しんだのか!?」
「ハハハ……。ずいぶんハードな磯遊びだったがな」
「ぬぬぬ。知らん間にそんなことを……」
「ささ、姉さん。そろそろ夕方ですから、帰り支度をしましょう」
「なんでじゃ!わしはまだ帰りとうない!お主らだけで磯遊びするなんてずるいぞ!」
天子は波打ち際にあおむけに倒れこんで駄々をこねる。
「おい、わがまま言ってんじゃねえぞ」
「それもそうじゃな」
動きを止めスクッと立ち上がる。
「うわあいきなり立ち直るな」
「いいことを思いついた。ビニール袋をもらってくるから待っちょれ」
そう言い残し、天子は海の家の方へ駆けて行った。
「さて、おーい駆人。俺たちのバイトも夕方で終わりだ。後片付けして帰るぞ」
「はい。はあ、とんだ海水浴になっちゃいましたね」
夕日に染まる海で何かを拾い集める天子を尻目に、一行は帰りの準備をするのであった。
海水浴場を後にした四人は、再び電車に揺られ、四葉町の神社に帰ってきた。
「うひひひ。これじゃこれじゃ。これが磯遊びの醍醐味じゃ」
「天子様、ビニール袋を持ってると思ったらこれを持って帰ってきてたんですね」
七輪に乗せた網の上に並べられたフジツボの中身が美味しそうなにおいで焼けている。天子はあのゴーレムから剥がれ落ちたフジツボやその他の海産物を袋に入れて持ち帰っていたのだ。
「味噌汁もあるぞ!お主らも食うか?」
「いや、僕はちょっと」
「あいつにくっついてたと思うと……なあ」
「ええ。姉さんが全部食べていいですよ」
フジツボ達が焼けるにおいはなかなか魅力的であったが、アレに張り付いていたと思うとどうも食欲が出ない。そもそもの発生源が天子であれば、なおさらだ。
「お、よいのか?仕方ないのう。わしが全部たいらげちゃるか。……、美味しい!蟹の味じゃな!」
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