【竜騎士】が大ハズレ職業だと蔑まれ、実家を追われました。だけど古代書物の知識から俺だけは最強職だと知っていた。

つくも/九十九弐式

文字の大きさ
15 / 17

賭け試合の決着

しおりを挟む
「じゃあなっ! あばよっ! この大ハズレ野郎っ!」

「くっ!」
 
 俺は尻餅をついた。オリバーのナイフが襲い掛かってくる。必死にもがいた末、オリバーの足が俺の足に引っ掛かる。

「ちぃっ! 小細工しやがって!」

 オリバーは体勢を崩した。

「て、てめぇっ!」

「きたねぇぞっ! 姑息な真似しやがってっ!」

 手下達が俺を非難してくる。

「な、なにが汚いのよっ! あんた達の方がよっぽど汚い事をしてきたじゃないのっ!」

 カレンがそう主張する。往々にして、こういう連中は自分でする分にはいいが、人からされると文句を垂れるものだ。そういう生き物なのだ。

 おかげで距離が取れた。道具屋で購入した魔道具(アーティファクト)が役に立つ機会(チャンス)だ。

【消耗アイテム保有一覧】

ポーション回復量小×4※効果HPを小程度回復させる
ポーション〈回復中〉×10※効果HPを中程度回復させる
毒消し薬×10※毒状態を治す
聖水×10※アンデッドに対する特攻効果

フレアボム×10※中程度の爆裂系魔法が閉じ込められている
フロストボム×10※中程度の氷魔法が閉じ込められている
サンダーボム×10※中程度の雷魔法が閉じ込められている

「食らえっ!」

 俺はフレアボムを一個、取り出し、オリバーに投げつけた。オリバーの目の前で、爆発が起きる。

「うわっ!」

 オリバーが怯んだ。よし……聞いているようだ。俺自身に魔法は使えないが、魔道具(アーティファクト)を利用すれば、それなりの効果は得られる。オリバーの弱点は魔法だ。魔法攻撃で攻めるんだ。

「食らえっ! 今度はこいつだっ!」

 俺はフロストボムをオリバーに投げつけた。

「く、くそっ! きたねぇぞっ! こいつっ!」

「魔道具(アーティファクト)を使うなんて、なんて卑怯な奴だ!」

 オリバーの手下達が騒いでいる。身勝手な言いようだ。自分達の都合が悪くなると「汚い」とか、罵ってくる。まあいい、勝てればいいんだ。勝てれば。相手の弱点を突くのは闘いの基本だ。道具(アイテム)を使用するのも戦略の一つだ。

 俺はボムをいくつも投げる。大体、半分くらいに減った。使用したボムの数は計15個。そのどれもが命中したわけではないが、相手に相当なダメージを負わせる事ができた。

「ステータスオープン」

 俺はオリバーのステータスを確認する。

HP :50/200

 これだけ弱れば俺の剣でもトドメを刺せる。俺はSP(スキルポイント)の残量を確認する。俺の現在のLVは5だ。SPは50程溜まっていた。

 通常スキルの一つくらい、覚える事ができるだろう。俺は通常スキルを習得する。

【取得通常スキル】

 竜斬り※竜を倒せる程の大技。竜に対する特攻効果。

 俺は竜騎士としてのポピュラーな通常スキルを習得した。竜斬りだ。大技な攻撃ではあるが、当たればダメージが大きい。本来は竜相手に使用するものではあるが、人間が相手だったとしても、大きなダメージを与える事ができる。

 普通は当たらない攻撃だ。相手は素早い暗殺者(アサシン)なのだから。だが、魔道具(アーティファクト)で弱らせた今のオリバーが相手なのだから、十分に当たるはずだ。

「これで、終わりだ!」

 俺はスキル【竜斬り】を発動させる。俺は剣を大きく、振りかざす。

「く、くそっ! や、やめろっ! そんな攻撃食らったらっ!」

「リーダー!」

「竜斬り!」

 俺は竜斬りをお見舞いする。剣を振り落とす、大雑把な攻撃だ。

「う、うわあああああああああああああああああああああああああ!」

 オリバーが断末魔のような悲鳴を上げた。

「やったっ! お兄ちゃんっ!」

「リーダー!」

「う、嘘だっ! リーダーが負けるはずがねぇ! 俺達のリーダーが! しかも、こんな竜騎士なんて、大ハズレ職業に選ばれた奴にっ!」

「ありえねぇっ! こんなの夢だっ! 夢に決まってるっ!」

「負け惜しみはよしなさいよっ! 勝ったのよっ! お兄ちゃんはっ!」

「うっ……ううっ」

 悪運の強い奴だった。オリバーのHPは。

HP :1/200

 になっていた。僅かなところで、オリバーは踏みとどまったのだ。この状態だったら、死者すら復活させると言われる秘薬エリクサーで復活させるまでもない。普通にポーションをガブ飲みすれば、回復できる事だろう。

 俺は剣を振りかざし、握りしめる。これだけ弱ったのなら、いくら暗殺者(アサシン)のこいつとはいえ、避けられはしない事だろう。

「とどめだっ!」
 
 俺は剣を振りかざす。もはやこいつ相手に技など必要ない。

「ま、待てっ! 待ってくれっ! 俺の負けだ! 降参だっ!」

 オリバーは降参した。

「ふう……勝ったのか……俺は」

 俺は胸を撫で下ろす。格上相手に勝つ為には手段を選んでいられなかった。形振り構わずに掴み取った勝利だ。

「やったっ! お兄ちゃんの勝利っ!」

 カレンは両手を上げて喜んでいた。

「立てますか? リーダー……」

「あっ……ああっ……あんな野郎、雑魚だと思って油断しちまったぜ」

 手下に肩を借りながら、オリバーは立ち上がる。

「……くそっ。汚い手使いやがって。あんなの、リーダーの負けのうちにも入らないですよ」

 連中は負け惜しみをしていた。

「ちょっと! どこ行くつもりなのよっ!」

 カレンは叫ぶ。

「何って? ……勝負は俺の負けだ。敗者は大人しくこの場を去らせて貰うぜ」

 オリバーはすっとぼけていた。

「この勝負を受けた、大前提を忘れたのっ! この勝負は賭け勝負なのっ! 賭け勝負っ! だからお兄ちゃんは勝負を受けたんじゃないっ! 私達は負けたらオリハルコンの装備を受け渡す危険を冒したのよっ! なんでそのままどこか行こうとしてるのよっ!」

 カレンは至極真っ当な主張をしていた。

「ちっ……やるよ」

 オリバーはネックレスを投げた。

俺は『聖竜の涙』を手に入れた。

「これで文句ないだろ」

「最初から大人しく渡してればいいのよ」

「じゃあ、俺達は行かせて貰うぜ。あー、いてー……ポーションだ。宿戻ってポーション飲まないと傷が癒えないぜ」

 オリバー達はこの場を去っていった。

「良かったね……お兄ちゃん。珍しいアイテムもらえて」

「ああ……そうだな。思わぬ収穫だな」

 俺は『聖竜の涙』をアイテムポーチに入れる。いずれこのアイテムを使う機会がある事だろう。今すぐにではないが、いずれ。竜と出会う時に必要になってくるはずだ。

「冒険者ギルドへ向かうか」

「うんっ! そうしよう!」

 色々とあったが、俺達は冒険者ギルドへ向かう事になった。思わぬ寄り道ではあったが、それなりの成果があったのがせめてもの救いだった。時間の浪費にならずに済んだ。





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

「餌代の無駄」と追放されたテイマー、家族(ペット)が装備に祝福を与えていた。辺境で美少女化する家族とスローライフ

天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:男性HOT18位】Sランクパーティ『紅蓮の剣』で、戦闘力のない「生産系テイマー」として雑用をこなす心優しい青年、レイン。 彼の育てる愛らしい魔物たちが、実はパーティの装備に【神の祝福】を与え、その強さの根源となっていることに誰も気づかず、仲間からは「餌代ばかりかかる寄生虫」と蔑まれていた。 「お前はもういらない」 ついに理不尽な追放宣告を受けるレイン。 だが、彼と魔物たちがパーティを去った瞬間、最強だったはずの勇者の聖剣はただの鉄クズに成り果てた。祝福を失った彼らは、格下のモンスターに惨敗を喫する。 ――彼らはまだ、自分たちが捨てたものが、どれほど偉大な宝だったのかを知らない。 一方、レインは愛する魔物たち(スライム、ゴブリン、コカトリス、マンドラゴラ)との穏やかな生活を求め、人里離れた辺境の地で新たな暮らしを始める。 生活のためにギルドへ持ち込んだ素材は、実は大陸の歴史を塗り替えるほどの「神話級」のアイテムばかりだった!? 彼の元にはエルフやドワーフが集い、静かな湖畔の廃屋は、いつしか世界が注目する「聖域」へと姿を変えていく。 そして、レインはまだ知らない。 夜な夜な、彼が寝静まった後、愛らしい魔物たちが【美少女】の姿となり、 「れーんは、きょーも優しかったの! だからぽるん、いーっぱいきらきらジェル、あげたんだよー!」 「わ、私、今日もちゃんと硬い石、置けました…! レイン様、これがあれば、きっともう危ない目に遭いませんよね…?」 と、彼を巡って秘密のお茶会を繰り広げていることを。 そして、彼が築く穏やかな理想郷が、やがて大国の巨大な陰謀に巻き込まれていく運命にあることを――。 理不尽に全てを奪われた心優しいテイマーが、健気な“家族”と共に、やがて世界を動かす主となる。 王道追放ざまぁ × 成り上がりスローライフ × 人外ハーモニー! HOT男性49位(2025年9月3日0時47分) →37位(2025年9月3日5時59分)→18位(2025年9月5日10時16分)

外れスキル【アイテム錬成】でSランクパーティを追放された俺、実は神の素材で最強装備を創り放題だったので、辺境で気ままな工房を開きます

夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティで「外れスキル」と蔑まれ、雑用係としてこき使われていた錬金術師のアルト。ある日、リーダーの身勝手な失敗の責任を全て押し付けられ、無一文でパーティから追放されてしまう。 絶望の中、流れ着いた辺境の町で、彼は偶然にも伝説の素材【神の涙】を発見。これまで役立たずと言われたスキル【アイテム錬成】が、実は神の素材を扱える唯一無二のチート能力だと知る。 辺境で小さな工房を開いたアルトの元には、彼の作る規格外のアイテムを求めて、なぜか聖女や竜王(美少女の姿)まで訪れるようになり、賑やかで幸せな日々が始まる。 一方、アルトを失った元パーティは没落の一途を辿り、今更になって彼に復帰を懇願してくるが――。「もう、遅いんです」 これは、不遇だった青年が本当の居場所を見つける、ほのぼの工房ライフ&ときどき追放ざまぁファンタジー!

世界最弱と呼ばれた少年、気づけば伝説級勇者でした ~追放されたので気ままに旅してたら、全種族の姫たちに囲まれていました~

fuwamofu
ファンタジー
魔力量ゼロの落ちこぼれとして勇者パーティを追放された少年リアン。 絶望の果てに始めた自由な旅の中で、偶然助けた少女たちが次々と彼に惹かれていく。 だが誰も知らない。彼こそが古代勇者の血を継ぎ、世界を滅ぼす運命の「真なる勇者」だということを──。 無自覚最強の少年が、世界を変える奇跡を紡ぐ異世界ファンタジー!

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  お気に入り・感想、宜しくお願いします。

追放された無能鑑定士、実は世界最強の万物解析スキル持ち。パーティーと国が泣きついてももう遅い。辺境で美少女とスローライフ(?)を送る

夏見ナイ
ファンタジー
貴族の三男に転生したカイトは、【鑑定】スキルしか持てず家からも勇者パーティーからも無能扱いされ、ついには追放されてしまう。全てを失い辺境に流れ着いた彼だが、そこで自身のスキルが万物の情報を読み解く最強スキル【万物解析】だと覚醒する! 隠された才能を見抜いて助けた美少女エルフや獣人と共に、カイトは辺境の村を豊かにし、古代遺跡の謎を解き明かし、強力な魔物を従え、着実に力をつけていく。一方、カイトを切り捨てた元パーティーと王国は凋落の一途を辿り、彼の築いた豊かさに気づくが……もう遅い! 不遇から成り上がる、痛快な逆転劇と辺境スローライフ(?)が今、始まる!

《レベル∞》の万物創造スキルで追放された俺、辺境を開拓してたら気づけば神々の箱庭になっていた

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティーの雑用係だったカイは、魔王討伐後「無能」の烙印を押され追放される。全てを失い、死を覚悟して流れ着いた「忘れられた辺境」。そこで彼のハズレスキルは真の姿《万物創造》へと覚醒した。 無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。 やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~

大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」  唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。  そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。 「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」 「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」  一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。  これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。 ※小説家になろう様でも連載しております。 2021/02/12日、完結しました。

処理中です...