3 / 58
エルフの国で超高待遇で働くことになる
しおりを挟む
エルフの国に着いた俺は、しばらく待たされる事となった。城の中での出来事だ。
なんでもユースは俺がこうしてこのエルフの国を訪れることになった経緯を父親。
つまりはエルフ王に説明したかったそうだ。
「フェイ様、整いましたので王室までお越しください」
「い、いいのか? 俺はこんな格好だけど」
俺の恰好はただの布の服を着た粗野なものだった。典型的な旅人のような恰好である。とてもエルフ王の前に行く恰好とは思えない。
「……そうですね。使用人に召し物を用意させます」
そう言って、エルフメイドをユースは連れてきた。エルフのメイドは服を持っていた。
「お手伝いさせて頂きます」
エルフメイドは俺の服を脱がそうとしてきた。すごい美人だった。エルフは皆美人だなのだろう。
そんな美人に服を脱がされるのは気恥ずかしかった。
「だ、大丈夫です! 自分で脱げますから」
「……そうですか」
ユースとメイドは俺をじっと見守る。
「あまり見ないでくれると助かります」
「そうですか……でしたら私は先に父のところへ行っています。準備ができ次第王室まできてください」
そう言って、ユースは俺を残して先へと向かった。そして礼服に着替えた俺は王室へと向かう。
「これはこれは、鍛冶師のフェイ殿と申しましたか。私はエルフの国王です」
国王が俺にそう挨拶をしてくる。エルフの国王は同年代と思うほどに若かった。ただ威厳を保つためか、髭を生やしている。エルフのため、年を取らないのであろう。
「なんでも娘、ユースティアがあなた様に命を助けられたそうで。その事に対して大変感謝をしております」
「いえ。それほどの事をしたつもりは」
「それ程の事ですよ。父にとっては娘というのは自分の命よりも大切に思っているほどであります」
「ええ。そうですわ。母にとっても娘は自分の命より大切なものであります。鍛冶師様、あなたの来国を我々はエルフの民を代表して歓迎しております」
そうして隣にいる王妃も言う。王妃もすごい美人で若かった。やはりエルフは年を取らない種族なのだろう。ユースの姉と言われても普通に信じられそうだった。
「そう言ってもらえてありがたいです」
「それで鍛冶師殿は今、どこの国にも仕えていないそうで」
「は、はい。そうなります」
「是非、私どもの国で武器を鍛造してはくれませぬか? 私どもの国に鍛冶師はいないのです。あなたにはこの国の鍛冶師になって欲しいのです」
「ええ。是非お願いしたいのです」
「ですが……」
俺は言葉を濁らせる。
「フェイ殿のお気持ちはよくわかります。あなた様程の逸材であれば引く手数多だ。そのため、待遇も気にしていらっしゃるのでしょう」
待遇。確かに気にはなる。前の職場みたいなひどい扱いを受けないかは気になるところではあった。
「まず賃金ですが、月金貨100枚」
「金貨100枚!?」
「なに、不足ですか!? ならば金貨200枚で」
す、少なくて声をあげたんじゃない。俺は宮廷で月金貨1枚で働かされていたんだぞ。100倍じゃないか。それどころか、声を張り上げただけで200倍になった。
増えすぎて驚いただけなのに。
具体的にいえば金貨1枚で一般家庭が一カ月暮らせるくらいだ。もう一か月働くだけで数年は遊んで暮らせそうだ。
「労働時間はあなた様の好きな時に、好きなように鍛錬をしていただければいいです。休みたい時は好きに休んでください」
エルフの王妃はそう告げる。
「住まいはこの王城を好きに使って頂いて構いません。使用人にも我々王族と同じように扱うように言っておきます。使用人を好きにお使いください。さらには、あなた様専用の鍛錬場も新設します。いかがでしょうか? 何かご不満が」
「ふ、不満は特にないです」
「左様ですか。では正式に合意という事で。あとで必要な書面にサインをお願いします」
「は、はい! これからよろしくお願いします!」
「これから是非、我が国のためにあなた様のお力をふるってください。期待していますよ、鍛冶師のフェイ様」
「ええ。娘のユースティア共々、我々は歓迎しております」
エルフ王及び王妃はそう言って、俺に深く頭を下げてきた。
「よろしくお願いします。フェイ様。あなた様の力に我が国の命運がかかっているのです。期待しております。私に協力できる事があればなんなりと申してください。できうる限りの事はさせて頂きます」
ユースは太陽のように暖かい笑みを浮かべた。
俺はこうしてエルフの国で超高待遇で働くことになったのである。
なんでもユースは俺がこうしてこのエルフの国を訪れることになった経緯を父親。
つまりはエルフ王に説明したかったそうだ。
「フェイ様、整いましたので王室までお越しください」
「い、いいのか? 俺はこんな格好だけど」
俺の恰好はただの布の服を着た粗野なものだった。典型的な旅人のような恰好である。とてもエルフ王の前に行く恰好とは思えない。
「……そうですね。使用人に召し物を用意させます」
そう言って、エルフメイドをユースは連れてきた。エルフのメイドは服を持っていた。
「お手伝いさせて頂きます」
エルフメイドは俺の服を脱がそうとしてきた。すごい美人だった。エルフは皆美人だなのだろう。
そんな美人に服を脱がされるのは気恥ずかしかった。
「だ、大丈夫です! 自分で脱げますから」
「……そうですか」
ユースとメイドは俺をじっと見守る。
「あまり見ないでくれると助かります」
「そうですか……でしたら私は先に父のところへ行っています。準備ができ次第王室まできてください」
そう言って、ユースは俺を残して先へと向かった。そして礼服に着替えた俺は王室へと向かう。
「これはこれは、鍛冶師のフェイ殿と申しましたか。私はエルフの国王です」
国王が俺にそう挨拶をしてくる。エルフの国王は同年代と思うほどに若かった。ただ威厳を保つためか、髭を生やしている。エルフのため、年を取らないのであろう。
「なんでも娘、ユースティアがあなた様に命を助けられたそうで。その事に対して大変感謝をしております」
「いえ。それほどの事をしたつもりは」
「それ程の事ですよ。父にとっては娘というのは自分の命よりも大切に思っているほどであります」
「ええ。そうですわ。母にとっても娘は自分の命より大切なものであります。鍛冶師様、あなたの来国を我々はエルフの民を代表して歓迎しております」
そうして隣にいる王妃も言う。王妃もすごい美人で若かった。やはりエルフは年を取らない種族なのだろう。ユースの姉と言われても普通に信じられそうだった。
「そう言ってもらえてありがたいです」
「それで鍛冶師殿は今、どこの国にも仕えていないそうで」
「は、はい。そうなります」
「是非、私どもの国で武器を鍛造してはくれませぬか? 私どもの国に鍛冶師はいないのです。あなたにはこの国の鍛冶師になって欲しいのです」
「ええ。是非お願いしたいのです」
「ですが……」
俺は言葉を濁らせる。
「フェイ殿のお気持ちはよくわかります。あなた様程の逸材であれば引く手数多だ。そのため、待遇も気にしていらっしゃるのでしょう」
待遇。確かに気にはなる。前の職場みたいなひどい扱いを受けないかは気になるところではあった。
「まず賃金ですが、月金貨100枚」
「金貨100枚!?」
「なに、不足ですか!? ならば金貨200枚で」
す、少なくて声をあげたんじゃない。俺は宮廷で月金貨1枚で働かされていたんだぞ。100倍じゃないか。それどころか、声を張り上げただけで200倍になった。
増えすぎて驚いただけなのに。
具体的にいえば金貨1枚で一般家庭が一カ月暮らせるくらいだ。もう一か月働くだけで数年は遊んで暮らせそうだ。
「労働時間はあなた様の好きな時に、好きなように鍛錬をしていただければいいです。休みたい時は好きに休んでください」
エルフの王妃はそう告げる。
「住まいはこの王城を好きに使って頂いて構いません。使用人にも我々王族と同じように扱うように言っておきます。使用人を好きにお使いください。さらには、あなた様専用の鍛錬場も新設します。いかがでしょうか? 何かご不満が」
「ふ、不満は特にないです」
「左様ですか。では正式に合意という事で。あとで必要な書面にサインをお願いします」
「は、はい! これからよろしくお願いします!」
「これから是非、我が国のためにあなた様のお力をふるってください。期待していますよ、鍛冶師のフェイ様」
「ええ。娘のユースティア共々、我々は歓迎しております」
エルフ王及び王妃はそう言って、俺に深く頭を下げてきた。
「よろしくお願いします。フェイ様。あなた様の力に我が国の命運がかかっているのです。期待しております。私に協力できる事があればなんなりと申してください。できうる限りの事はさせて頂きます」
ユースは太陽のように暖かい笑みを浮かべた。
俺はこうしてエルフの国で超高待遇で働くことになったのである。
0
あなたにおすすめの小説
「餌代の無駄」と追放されたテイマー、家族(ペット)が装備に祝福を与えていた。辺境で美少女化する家族とスローライフ
天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:男性HOT18位】Sランクパーティ『紅蓮の剣』で、戦闘力のない「生産系テイマー」として雑用をこなす心優しい青年、レイン。
彼の育てる愛らしい魔物たちが、実はパーティの装備に【神の祝福】を与え、その強さの根源となっていることに誰も気づかず、仲間からは「餌代ばかりかかる寄生虫」と蔑まれていた。
「お前はもういらない」
ついに理不尽な追放宣告を受けるレイン。
だが、彼と魔物たちがパーティを去った瞬間、最強だったはずの勇者の聖剣はただの鉄クズに成り果てた。祝福を失った彼らは、格下のモンスターに惨敗を喫する。
――彼らはまだ、自分たちが捨てたものが、どれほど偉大な宝だったのかを知らない。
一方、レインは愛する魔物たち(スライム、ゴブリン、コカトリス、マンドラゴラ)との穏やかな生活を求め、人里離れた辺境の地で新たな暮らしを始める。
生活のためにギルドへ持ち込んだ素材は、実は大陸の歴史を塗り替えるほどの「神話級」のアイテムばかりだった!?
彼の元にはエルフやドワーフが集い、静かな湖畔の廃屋は、いつしか世界が注目する「聖域」へと姿を変えていく。
そして、レインはまだ知らない。
夜な夜な、彼が寝静まった後、愛らしい魔物たちが【美少女】の姿となり、
「れーんは、きょーも優しかったの! だからぽるん、いーっぱいきらきらジェル、あげたんだよー!」
「わ、私、今日もちゃんと硬い石、置けました…! レイン様、これがあれば、きっともう危ない目に遭いませんよね…?」
と、彼を巡って秘密のお茶会を繰り広げていることを。
そして、彼が築く穏やかな理想郷が、やがて大国の巨大な陰謀に巻き込まれていく運命にあることを――。
理不尽に全てを奪われた心優しいテイマーが、健気な“家族”と共に、やがて世界を動かす主となる。
王道追放ざまぁ × 成り上がりスローライフ × 人外ハーモニー!
HOT男性49位(2025年9月3日0時47分)
→37位(2025年9月3日5時59分)→18位(2025年9月5日10時16分)
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばす 規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした
むらくも航
ファンタジー
旧題:ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~
Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。
配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。
誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。
そんなホシは、ぼそっと一言。
「うちのペット達の方が手応えあるかな」
それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
「お前は無能だ」と追放した勇者パーティ、俺が抜けた3秒後に全滅したらしい
夏見ナイ
ファンタジー
【荷物持ち】のアッシュは、勇者パーティで「無能」と罵られ、ダンジョン攻略の直前に追放されてしまう。だが彼がいなくなった3秒後、勇者パーティは罠と奇襲で一瞬にして全滅した。
彼らは知らなかったのだ。アッシュのスキル【運命肩代わり】が、パーティに降りかかる全ての不運や即死攻撃を、彼の些細なドジに変換して無効化していたことを。
そんなこととは露知らず、念願の自由を手にしたアッシュは辺境の村で穏やかなスローライフを開始。心優しいエルフやドワーフの仲間にも恵まれ、幸せな日々を送る。
しかし、勇者を失った王国に魔族と内通する宰相の陰謀が迫る。大切な居場所を守るため、無能と蔑まれた男は、その規格外の“幸運”で理不尽な運命に立ち向かう!
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
Sランクパーティを追放されたヒーラーの俺、禁忌スキル【完全蘇生】に覚醒する。俺を捨てたパーティがボスに全滅させられ泣きついてきたが、もう遅い
夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティ【熾天の剣】で《ヒール》しか使えないアレンは、「無能」と蔑まれ追放された。絶望の淵で彼が覚醒したのは、死者さえ完全に蘇らせる禁忌のユニークスキル【完全蘇生】だった。
故郷の辺境で、心に傷を負ったエルフの少女や元女騎士といった“真の仲間”と出会ったアレンは、新パーティ【黎明の翼】を結成。回復魔法の常識を覆す戦術で「死なないパーティ」として名を馳せていく。
一方、アレンを失った元パーティは急速に凋落し、高難易度ダンジョンで全滅。泣きながら戻ってきてくれと懇願する彼らに、アレンは冷たく言い放つ。
「もう遅い」と。
これは、無能と蔑まれたヒーラーが最強の英雄となる、痛快な逆転ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる