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国王と大臣戻ってきてくれと懇願するがもう遅い! ※ざまぁ回

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「なんと綺麗な国じゃ……緑や川、自然に囲まれた国。それがエルフの国なのか。わしは初めてエルフの国に来るが、こうまで美しい国とは」

「全くですな。空気がおいしいであります」

国王と大臣はエルフの国を訪れた。

「いかんいかん。わし等は観光にきたわけではないのだぞ」

「そうですな。フェイ殿とよりを戻す為に来たのであります」

「そうじゃったな」

 しばらくした時だった。一人のメイド服を着たエルフの少女が現れる。金髪をした美しい少女だ。

「な、なんと美しい少女じゃ。わしは数多の美姫を見てきたが、これほど美しい少女は見たことがない」

「わ、私もです。何とお美しい。ここまでの美女はあまり見た事がありませぬ」

「諦めるのはまだ早いぞっ! フェイはきっと薄暗い工房で家畜のように働かされている可能性はあるっ!」

「ええっ! こんな美しい少女達にとってはただの豚か牛のようにしか映っていないかもしれませぬ」

「フェイ様のご命令でお迎えに伺いました。名をソフィアと申します」

「今、なんと申した」

「ソフィアと申します」

「その前じゃ」

「フェイ様のご命令でお迎えに伺いました」

「フェイ様じゃと……これは一体どういう事じゃ?」

「私はフェイ様の専属メイドです。お仕えしている方を様付けして何の不思議があるのです?」

「なに!? 専属メイドじゃと!」

「こ、これは……まさか、フェイ殿の境遇は我々の想定よりもずっと良いのではないですかな」

「その可能性はあるの。それにしても専属メイドだと。ぐぬぬっ!」

 それなりに年を重ねてはいるが、それでも性欲旺盛な国王はゲスな妄想を膨らませていた。

「あのフェイの奴、こんな美しい娘にあんな事やこんな事をさせているのか」

(わしがそのような立場なら当然のようにさせておるわいっ! ぐぬぬっ! これは旗色が悪くなってきたのぉっ!)

「それでは皆様をフェイ様のところへ案内します」

 ソフィアに先導され、国王達はエルフ城へと向かう。

 ◆◆◆

 エルフ城の広間にはフェイがいた。

「……何をしにきたのですか? 国王陛下及び大臣様」

 フェイは聞いてきた。

「単刀直入に言って、戻ってきてはくれぬか? フェイ殿。この通りだ」

 国王は頭を下げる。

「報酬は2倍! いや! 3倍にするっ! それに労働時間も改善する! 休みも週に一回は必ず設けるようにする! もう貴様を贋作しか作れぬ贋作師など馬鹿にせぬっ! 頼むからどうか戻ってきてくれっ!」

「フェイ殿、私からもお頼み申し上げますぞっ! この通りでありますっ! どうか戻ってきてくださいませっ!」

 大臣も頭を下げる。

「ふうっ……いきなりなんなんですか? 何かあったんですか?」

「輸出していた武具の品質が劣化したと他国からクレームが入り、そこから改めて現場を見たんじゃ。その際にフェイ殿の存在の偉大さに気付いたのじゃ。頼むフェイ! わし等は困っているのじゃ! どうか戻ってきてはくれぬかっ!」

「今まで俺達鍛冶師をどれだけ雑に扱ってきたと思うんですか! 安い給料で長時間働かせてきて! しかも休みもなしで! そんな人間扱いされていない職場に今更戻りたいと思っているのですか!」

「その点は反省しておるっ! ちゃんとまともな環境に整えるつもりだっ! 頼むっ! この通りだっ!」

「残念ながら国王、俺はこのエルフの国での環境に全く不満はありません。この国の人達は皆優しい人ばかりです。そしてエルフの王も王妃も俺の技術を高く評価してくれています」

「参考までに聞いても良いか。フェイ殿はエルフの国から月にいかほどもらっている?」

「金貨200枚です」

「「金貨200枚じゃと!」」 

「驚きましたか。俺も最初驚きましたけど。使えなくて困っているくらいです。俺はそんなに物欲もないんで。国王達が驚くって事はそれだけ俺をまだ評価していないという事です」

「ぐぬぬっ。あの専属メイドも福利厚生のうちというわけかっ。エルフの王はそこまでフェイ殿を評価しているというわけか」

「国王陛下。あまりに旗色が悪くなってきましたな。これはもはや」

「……人間の国王様、それから大臣様」

「な、なんじゃ。あの美しい少女は」

「エルフの国は美人揃いでありますの。ううっ」

 大臣達の前にエルフの少女が姿を現す。煌びやかなドレスを着た少女。漂ってくる気品。一目見ただけで彼女がそこらへんの娘ではなく、高貴な立場である事を理解する事ができた。

「お初にお目にかかります。エルフの国の王女をしておりますユースティアと申します」

「ユースティア様ですか。これはこれは」

「お美しい。何とお美しい。眼福であります。ありがたや~」

「フェイ様は私の命を助けてくれた恩人であり、この国の大切な鍛冶師様です。こちらとしましてもフェイ様に出て行かれるのは大変困るのです。その為に我々は全力で引き留めさせて頂いているのです」

「そうですか……そんなことになっているのですか。くっくそっ。こんな事になるなんて。くそぅ! くそぅ!」

 国王は悔し涙を流した。

「そういうわけでして、お引き取り願えれば幸いです。よろしいでしょうか?」

「ぐうっ……無念ではあるが仕方ないの」

「フェイ様の方も、国王様や大臣様に言いたい事はありますか?」

「いや。ないよ別に。できればもうエルフの国の敷居を跨がないで欲しい事くらいかな。俺はもうどこにも行くつもりはない。エルフの国にはよくしてもらっているし。し過ぎてるくらいだけど。それに恩義も感じているんだ」

「だ、そうです。国王様、大臣様、お引き取りをお願いします」

「ううっ! ううっ! こんな事になるとは夢にも思っていなかったのぅ!」

「ううっ! ううっ! 国王! 仕方ないですぞ! こぼれたコップの水は元には戻らないのでありますっ!」

 国王と大臣は大泣きしつつエルフの国を去って行ったのだった。



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