20 / 58
呪術を破邪の鎖帷子で無効化
しおりを挟む
真夜中の事である。
「こっちだ」
エルフの国に潜入した呪術師集団『呪(ノロイ)』の姿があった。
「だ、誰だ! 貴様等!」
見回りをしていたエルフ兵に遭遇する。
「ふっ」
呪術師の女は薄い笑みを浮かべた。
「何がおかしい!」
エルフ兵は槍を構える。
「貴様はそこで大人しく突っ立っていろ!」
呪術師達は呪術を発動させる。唱えられるのは呪文の詠唱。
「なにっ! ぐわっ……はいっ。わかりました」
洗脳されたエルフ兵はその場に棒立ちしていた。
「教えろ。鍛冶師フェイの居所はどこだ!?」
「この先にいったところにある工房にいます」
「この先の工房だ! 急げ!」
「「「はい!」」」
呪術師集団はフェイのいる工房に行った。
◆◆◆
「ふうっ」
つい、作りすぎてしまった。自由労働制とはいえ、何もしないのも暇なものだ。これも前職での習慣の末かもしれない。働いていないのが手持ちぶたさである。
「大分疲れたな」
俺は一息入れようと立ち上がった。ソフィアは基本的に俺に付きっ切りではあるが彼女とて休息が必要だ。先に城に帰って貰って眠って貰っていた。
そんな時だった。入口の戸が開かれる。
「ん?」
俺はソフィアが来たのかと思った。
「ソフィア、寝るように言っておいたじゃないか」
しかし、目の前に現れたのは見たこともない怪しげな集団であった。
「だ、誰だ!? お前たちは!?」
「私達は呪術師集団『呪』!」
「呪術師集団だと!? 何をしにきた!?」
「国王陛下エドモンド様の命令により、貴様を呪術による洗脳にきた!」
「なんだと。あの国王。まだ俺を諦めていなかったのか」
「そうだ。なぜこうもべらべら喋るかわかるか?」
「おしゃべりな性格なんだろう!」
「馬鹿め! これから鍛冶師フェイ! 貴様は我々の命令をなんでも聞く人形になるからだ! くらえ! 我々の呪術を!」
呪術師集団は呪術を唱える。呪文の詠唱が行われる。
「くっはっはっ! どうだっ! 自分の意思では指一本動かせまい!」
「…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」
「「「……………………………………………………………………………………」」」
静寂が走る。
「洗脳にかかったのか? ……よし。跪いて私の足を舐めてごらんなさい」
呪術師の女は生足を出す。
「誰が舐めるか。俺は犬か!」
「なっ! 洗脳にかかっていないだと!」
「我々の呪術は完璧だったはず!」
「なぜこんな事が!」
「ああっ。これが原因かもしれないな」
俺は腹をぺろっとめくる。
「なんだそれは」
「これは破邪の鎖帷子って言って、状態異常を無効化するスキルがあるんだよ」
何となく誰も装備する人がいなかったので俺が装備していたのだ。
「なんだと! そんなものがあるなんて聞いていないぞ!」
「……どうする? まだやるか?」
俺は聞く。
「くそっ! 撤退だっ! 呪術が効かない時点で我々に勝ち目はない!」
「「「はい!」」」
呪術師集団は逃げかえっていった。
「なんだったんだ。あいつ等」
呪術師集団は結局何もせずにその場から立ち去っていたのだ。
「俺何もやってないんだけど」
俺は呟いた。
「こっちだ」
エルフの国に潜入した呪術師集団『呪(ノロイ)』の姿があった。
「だ、誰だ! 貴様等!」
見回りをしていたエルフ兵に遭遇する。
「ふっ」
呪術師の女は薄い笑みを浮かべた。
「何がおかしい!」
エルフ兵は槍を構える。
「貴様はそこで大人しく突っ立っていろ!」
呪術師達は呪術を発動させる。唱えられるのは呪文の詠唱。
「なにっ! ぐわっ……はいっ。わかりました」
洗脳されたエルフ兵はその場に棒立ちしていた。
「教えろ。鍛冶師フェイの居所はどこだ!?」
「この先にいったところにある工房にいます」
「この先の工房だ! 急げ!」
「「「はい!」」」
呪術師集団はフェイのいる工房に行った。
◆◆◆
「ふうっ」
つい、作りすぎてしまった。自由労働制とはいえ、何もしないのも暇なものだ。これも前職での習慣の末かもしれない。働いていないのが手持ちぶたさである。
「大分疲れたな」
俺は一息入れようと立ち上がった。ソフィアは基本的に俺に付きっ切りではあるが彼女とて休息が必要だ。先に城に帰って貰って眠って貰っていた。
そんな時だった。入口の戸が開かれる。
「ん?」
俺はソフィアが来たのかと思った。
「ソフィア、寝るように言っておいたじゃないか」
しかし、目の前に現れたのは見たこともない怪しげな集団であった。
「だ、誰だ!? お前たちは!?」
「私達は呪術師集団『呪』!」
「呪術師集団だと!? 何をしにきた!?」
「国王陛下エドモンド様の命令により、貴様を呪術による洗脳にきた!」
「なんだと。あの国王。まだ俺を諦めていなかったのか」
「そうだ。なぜこうもべらべら喋るかわかるか?」
「おしゃべりな性格なんだろう!」
「馬鹿め! これから鍛冶師フェイ! 貴様は我々の命令をなんでも聞く人形になるからだ! くらえ! 我々の呪術を!」
呪術師集団は呪術を唱える。呪文の詠唱が行われる。
「くっはっはっ! どうだっ! 自分の意思では指一本動かせまい!」
「…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」
「「「……………………………………………………………………………………」」」
静寂が走る。
「洗脳にかかったのか? ……よし。跪いて私の足を舐めてごらんなさい」
呪術師の女は生足を出す。
「誰が舐めるか。俺は犬か!」
「なっ! 洗脳にかかっていないだと!」
「我々の呪術は完璧だったはず!」
「なぜこんな事が!」
「ああっ。これが原因かもしれないな」
俺は腹をぺろっとめくる。
「なんだそれは」
「これは破邪の鎖帷子って言って、状態異常を無効化するスキルがあるんだよ」
何となく誰も装備する人がいなかったので俺が装備していたのだ。
「なんだと! そんなものがあるなんて聞いていないぞ!」
「……どうする? まだやるか?」
俺は聞く。
「くそっ! 撤退だっ! 呪術が効かない時点で我々に勝ち目はない!」
「「「はい!」」」
呪術師集団は逃げかえっていった。
「なんだったんだ。あいつ等」
呪術師集団は結局何もせずにその場から立ち去っていたのだ。
「俺何もやってないんだけど」
俺は呟いた。
0
あなたにおすすめの小説
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
《レベル∞》の万物創造スキルで追放された俺、辺境を開拓してたら気づけば神々の箱庭になっていた
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティーの雑用係だったカイは、魔王討伐後「無能」の烙印を押され追放される。全てを失い、死を覚悟して流れ着いた「忘れられた辺境」。そこで彼のハズレスキルは真の姿《万物創造》へと覚醒した。
無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。
やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。
「お前は無能だ」と追放した勇者パーティ、俺が抜けた3秒後に全滅したらしい
夏見ナイ
ファンタジー
【荷物持ち】のアッシュは、勇者パーティで「無能」と罵られ、ダンジョン攻略の直前に追放されてしまう。だが彼がいなくなった3秒後、勇者パーティは罠と奇襲で一瞬にして全滅した。
彼らは知らなかったのだ。アッシュのスキル【運命肩代わり】が、パーティに降りかかる全ての不運や即死攻撃を、彼の些細なドジに変換して無効化していたことを。
そんなこととは露知らず、念願の自由を手にしたアッシュは辺境の村で穏やかなスローライフを開始。心優しいエルフやドワーフの仲間にも恵まれ、幸せな日々を送る。
しかし、勇者を失った王国に魔族と内通する宰相の陰謀が迫る。大切な居場所を守るため、無能と蔑まれた男は、その規格外の“幸運”で理不尽な運命に立ち向かう!
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる