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竜人にマンモスステーキを振る舞う

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「さて、次はこいつをどう料理するかだ」

 俺は躊躇った。竜人の国に運ばれたのは巨大マンモス一頭だ。

「生! 丸かじりにするっ!」

 フレイムは提案する。

「火竜なのに丸焼きにするという発想がないんですね」

 ユースは嘆いた。

「生肉は素材の本来の味が感じられておいしい!」

「せっかくだから料理をちゃんとした料理を作りたいよね。フレイムさん、竜人の国に厨房ってあるの?」

「ない!」

「けどフェイ様、この大量のマンモス肉を調理するにも限界があります」

「……そうだな。けどカットして。それからレーヴァテインの炎とフレイムさんにも協力して貰おう」

「わかったーーーーーーーーーーー! フレイム炙る!」

「わかりました。フェイ様より頂いたこの聖剣の炎、まさか調理に役立てる事になるとは思ってもみませんでした」

 こうして俺達はマンモス肉の調理を始めた。

 ◆◆◆◆◆

「……できた」

 マンモス肉のステーキが完成した。ただマンモス肉を切って焼いただけだ。

「よし! これを竜人王バハムート様に届けよう!」

「「はい!」」

「わかったーーーーーーーー。つまみ食いしていい?」

「どうぞ。今まで手伝ってもらったので」

「ありがとうーーーーーーーーーーーーーーー! うわっ! なんておいしいお肉! フレイムこんなおいしいお肉食べた事ない! お肉を火で焼くって発想がなかったーーーーーーーーーーー!」

 フレイムは大喜びをしていた。

「え?」

「もしかして、竜人……いえ、フレイムさんが」

 ユースは口を閉じた。沈黙は金だ。

「ともかく、バハムートさんのところにこの肉を運ぼう」

 俺達はマンモスステーキを運ぶ。

 ◆◆◆

「なんや? うちに何の用や?」

「竜人王バハムート様。料理ができました。是非、ご賞味ください」

「料理? 言っとくけど、うちは料理にはうるさいで。舐めてかからんどいて」

 やっぱりか。フレイムさんが特別だったのか。特別何だったかは言わないでおこう。沈黙は金だ。

「こちら、マンモスステーキになります」

 巨大な肉塊を炙っただけのステーキを差し出す。

「じゅるり……な、なかなかいけてるやないの」

(今、じゅるりって……?)
(こんな原始的な料理で?)
(もしかして竜人って……いえ、何でもありません)

 俺達は密談していた。

「では、食べさせてもらうで」

 バハムートはマンモスステーキを食べ始めた。大口で肉に食らいつく。

「な、なんとおいしい肉や! うち肉を火で炙るって発想がなかったわ! これは革命的やっ!」

 バハムートの反応はフレイムの時と同じだった。

「これは国民皆喜ぶでっ!」

 えーーーーー。こんな事でいいのか。肉を炙っただけなのに。

「なんかちょっと、この肉がピリっとしてるのが良い味出してるな。隠し味なん?」

「は、はい。隠し味に辛みを少々」

 毒だ。それは麻痺とか毒とかの薬が回っているだけだ。毒を食べて「ピリッとしている」という感想しかないのか。竜人はすごいな。毒に対する強い耐性を持っているようだ。

「ふう。堪能したわ」

「ええ! もう食べ終わったんですか!」

 成人男性数日分の量があったのに。それを一瞬で。

「旨すぎて一瞬で食べてしまったわ。ペロリや」

「そうですか。それは良かったです」

「それにしても、竜人が肉を火で炙るって発想がなかったって。なんでなんでしょう?」

「生肉を食べてもお腹壊さないからじゃないの? 調理っておいしくするためっていうのは勿論あるけど、その前に安全に食べれるようにするって目的があるから。何を食べても安全だから竜人は料理が発達しなかったんだと思うよ」

「は、はあ。こんな料理で喜んでもらえるとは、恐縮です」

「それと同時になんだか肩の力が抜けましたね」

 ユースとシャロは溜息を吐いた。

 ◆◆◆

 竜人達によりマンモスステーキは完食された。

「それでなんやったっけ? うちらに力貸して欲しいんやっけ?」

「はい。そうです。是非お願いしたいです」

「ええよ」

「ええっ! そんなあっさりといいんですかっ!」

「だって人間捻りつぶすだけやろ。うちらにとって蟻潰すみたいなもんやし。こんなおいしい料理食べさせてくれたんやから。ちったぁ恩を返したくなるやん」

「いいんでしょうか? フェイ様。こんな事で」

「とにかくいいんだ。こうして竜人の助力も得られる事になったんだ! 勝てる! これで大帝国フィンを退けられる! 大きな戦力を得たんだ!」

「そうですね。それを喜びましょう!」

「ええ!」

「それで、いつどこに向かえばいいん?」

「今から一週間後です。場所はエルフの国に来てくれればいいかと」

 既にマンモス狩りや色々で一週間の時間を費やしていた。もう開戦まで一週間しかない。

「そうか。わかったわ。ここまでは徒歩できたんやろ。フレイム、竜になってエルフの国まで送ってやり」

「はーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!」

 フレイムは元気に答えた。そして竜に変化する。

「人間! エルフ! 乗る!」

「ええ。ではまたお邪魔しましょう」

「はい」

 俺達はフレイムの背中に乗った。

「じゃあ、行く! エルフの国までひとっとびーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」

 こうして、できうる限りの事をした俺達はフレイム


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