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吸血鬼の姫を助けめちゃくちゃ感謝される
「くそっ!」
王国を追放された俺は手ぶらで彷徨っていた。金もなければ服すら持取ってくる時間もなかったのだ。国王暗殺の濡れ衣を着せられた俺は王国ハルギニアから逃げ出さざるを得なくなった。
「これからどうすればいいんだ、俺は」
宮廷ネクロマンサーという恵まれた安定した立場を突如として失った俺は途方に暮れていた。何せ突然ただの無職になってしまったのだ。無職どころではない。国王暗殺の大罪を犯した犯罪者として今王国では俺の事を躍起になって探している事だろう。
「ちくしょう! なんだってんだよ! なんで俺が、俺が何をしたっていうんだ! 俺が使役するアンデッド達は確かに不気味だったけど、誰一人として人間を傷つけたりはしなかった! それどころかアンデッド達のおかげで国がどれだけ栄えたと思ったんだ! 人間なんて食わなきゃいけないし、寝なけりゃいけない! 金もかかるし、その上に自分の都合で動く信用ならねぇ存在じゃねぇか!」
俺は元々人間が嫌いだった。従順で言うことを良く聞く、俺を裏切らないアンデッド達を子供のように可愛がっていた。聖女アリシアの裏切りによって、俺は人間不信をより強めていた。アリシアがアンデッドの事を嫌いなように、俺も人間をより嫌いになっていた。憎悪すら抱くようになった。
「ちくしょう!」
近くにあった大木を蹴る。ただの八つ当たりだ。衝撃で葉っぱが数枚落ちてきた。
「ん?」
そんな事をしているうちだった。
「はぁ! ……はぁ! ……はぁ!」
一人の少女が走ってくるではないか。
「そっちに逃げたぞ! 捕まえろ!」
「ああ! わかっている!」
「逃がさないぞ! こんちくしょう!」
少女を三人の男が追い回す。
「なんだ? あれは?」
「きゃあ!」
必死に逃げた少女は石に躓いて転んだ。見れば全身から血が流れているではないか。何とも痛々しい姿であった。
「へへっ! 捕まえたぜ! もう逃げられねぇ!」
「鬼ごっこはここで終わりだ!」
「ちょっと待てよあんた等。婦女暴行を見過ごせないぜ」
俺は声をかける。
「ん? なんだ、てめぇは?」
「元宮廷ネクロマンサー、今はただの無職だ」
それどころか国王暗殺の大罪人として指名手配されている事だが。その事は言わない方がいいので黙っておいた。
「けっ! 無職か! 無職が俺達の仕事の邪魔すんなっ! どっか行けよおらっ!」
「何か、勘違いしているな? てめぇは。この女は人間の女じゃねぇ」
「い、いやっ!」
顔を持ち上げる。血に染まったような深紅の髪。そして目。白蝋のような肌。人間離れした美貌も持った少女。
「こいつは吸血鬼(ヴァンパイア)なんだよ! 人間を害する、悪しき怪物(モンスター)なんだ」
「ふーん。吸血鬼(ヴァンパイア)ねー」
吸血鬼(ヴァンパイア)。不死者(アンデッド)の王とも言われる種族だ。人間のような見た目をしているが、人の血を吸い、場合によっては化け物に変化する事もあるし、魔法を使う事も可能だ。
その圧倒的な強さ、存在感から不死者(アンデッド)の中でも一目置かれている存在でもあった。
「俺達はヴァンパイアハンターでよ。こうして吸血鬼(ヴァンパイア)を討伐する事を仕事にしてるんだよ」
「だから俺達は婦女暴行をしているわけじゃねぇんだ。悪い怪物(モンスター)を懲らしめているだけさ」
「で、こいつはどうする?」
「吸血鬼はレアなモンスターだからな。それにこいつは見た目は美しいだろう。だから抵抗できないように拘束して、それから売りはらおうぜ」
「へへっ。そうだな。がっぽりと大金ゲットだぜ。っと、その前にお楽しみといこうぜ」
「……ああ。そうだな」
カチャカチャとして音がする。
男達はとズボンを下ろそうとしていた。俺が近くにいてもお構いなしだった。
「売り飛ばすより前に、楽しませて貰うぜ。きっきっき」
「い、いやぁっ! だ、誰かっ! 助けてっ! いやぁ! やだ! やだよ!」
吸血鬼(ヴァンパイア)の少女は涙ながらに俺に助けを求めている。
どっちが悪いか? 人間かそうでないかなんて関係ない。正しいか間違っているかなんて所詮は強者の理屈でしかない。吸血鬼の少女はヴァンパイアハンターより弱かった。それが正しいって事だろう。だが、ヴァンパイアハンターであるこいつ等が俺より弱かったら詰られる。それもまた正しいって事だろう。だってこいつ等は吸血鬼の少女に同じ事をしているんだから。
「サモン・アンデッド」
俺は死霊術(ネクロマンス)を発動する。
「デッド・ナイト!」
現れたのは不死者(アンデッド)の騎士だ。鎧を着ており、剣を持った不死者の騎士。それも複数達のデッド・ナイトを俺は同時召喚した。
男達の周囲をデッド・ナイトが囲い始める。
「なっ! なんだっ! てめぇは! やるっていうのか!」
「俺達は人間! こいつはアンデッドなんだぜ!」
ヴァンパイアハンター達がわめく。
「だからなんだ。人間だから尊くてアンデッドは尊くないのか。アンデッドは無条件で痛めつけてもいいのか。そんなの人間の理屈だ。俺はその子を助けたいと思った。だから助ける。それだけの事だ」
「ちくしょう! 獲物を横取りしようっていうのか!」
「お前達と同次元で語るな」
「くそっ! やっちまえ!」
ヴァンパイアハンター達はデッド・ナイトに挑んでいく。だが、明らかに多勢に無勢だった。その上俺は死霊術(ネクロマンス)で何体ものアンデッドを継続して召喚できるのだ。
相手になるはずもなかった。
「ち、ちくしょう! キリがねぇぜ!」
「命あっての物種だ! 逃げるぞ!」
「あ、ああっ!」
ヴァンパイアハンター達は旗色が悪いと見るや逃げ出した。俺は追いかける事はしない。
別に連中を殺したいとまで思ったわけではない。それに他にやるべき事があった。
「大丈夫か?」
「うっうう……」
消耗していた。アンデッドは死ぬ事はない。だがその肉体が消失すれば実質的には死ぬようなものだった。吸血鬼は高い再生能力を持つ事で知られている種族だ。
だから傷はすぐに回復するはずであるが、ヴァンパイアハンター達は聖属性の武器や聖水を使い、この子を追い詰めたのだろう。それ故にこの子は相当に弱っていた。
「今助けるからな」
俺は死霊術(ネクロマンス)を発動する。
「アンデッドヒール」
アンデッドには通常の回復魔法は効かない。それどころかダメージを負う場合すらあった。しかし死霊術(ネクロマンス)の中にはアンデッド専用の回復魔法がある。
それがアンデッドヒールだ。ネクロマンサーは唯一アンデッドの傷を癒やす事ができる。
「うっ……ううっ」
吸血鬼の少女の傷がみるみる塞がっていく。
「こ、これは……一体」
「よし。もう大丈夫だ」
「あ、ありがとうございます。私の名はエリザベートと申します。エリザとお呼びください。あなた様のお名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
「ジルだよ。ジル・ロードニクスだ」
「ジル様! 私の命を救って頂いて誠にありがとうございます!」
「いや、当然の事をしたまでだよ」
「当然な事なわけがありません! 人間は当然のように私達アンデッドを敵と見なし、危害を加えてきました! 私、生まれてから一度としてジル様のように助けて頂いた事はありません!」
エリザは目を輝かせる。
「そうか……まあ普通はそうだよな」
自分のような価値観は珍しく、聖女アリシアのような価値観が大多数なのだろう。世の中そういうものだ。
「ジル様は何をされていたのですか?」
吸血鬼相手に何を言っても問題ないだろう。こいつ等は人間サイドの存在ではないのだ。
ジルは聖女アリシアに濡れ衣を着せられ、国外追放となった事を告げた。
「まあ、そんなことがあったのですか」
「ああ。それで俺は尚更人間を信用できなくなった。お前達アンデッドの方が余程信用ができる。連中の方がアンデッドなどより余程信用できる存在だ」
「でしたらジル様、どうか私達の王国に来ませんか?」
「え? アンデッドの王国?」
「はい! 私はアンデッドの王国で姫という立場なのです! ですからきっと私を助けてくださいましたジル様を歓迎してくれます!」
吸血鬼の姫エリザは俺にそう言ってきた。もはや宮廷を追われ、国王暗殺の容疑者として追われている俺からすれば願ってもいない提案だった。行く場所もないのだ。
さらには俺はもはや人間を信用できない。アンデッド達の方が余程信用ができる。
俺は迷う事無くエリザの手を取った。
「よろしくな。エリザ。お邪魔するよ」
「はい! 歓迎ます! ジル様!」
俺はエリザと共に不死者の王国へと向かう。
王国を追放された俺は手ぶらで彷徨っていた。金もなければ服すら持取ってくる時間もなかったのだ。国王暗殺の濡れ衣を着せられた俺は王国ハルギニアから逃げ出さざるを得なくなった。
「これからどうすればいいんだ、俺は」
宮廷ネクロマンサーという恵まれた安定した立場を突如として失った俺は途方に暮れていた。何せ突然ただの無職になってしまったのだ。無職どころではない。国王暗殺の大罪を犯した犯罪者として今王国では俺の事を躍起になって探している事だろう。
「ちくしょう! なんだってんだよ! なんで俺が、俺が何をしたっていうんだ! 俺が使役するアンデッド達は確かに不気味だったけど、誰一人として人間を傷つけたりはしなかった! それどころかアンデッド達のおかげで国がどれだけ栄えたと思ったんだ! 人間なんて食わなきゃいけないし、寝なけりゃいけない! 金もかかるし、その上に自分の都合で動く信用ならねぇ存在じゃねぇか!」
俺は元々人間が嫌いだった。従順で言うことを良く聞く、俺を裏切らないアンデッド達を子供のように可愛がっていた。聖女アリシアの裏切りによって、俺は人間不信をより強めていた。アリシアがアンデッドの事を嫌いなように、俺も人間をより嫌いになっていた。憎悪すら抱くようになった。
「ちくしょう!」
近くにあった大木を蹴る。ただの八つ当たりだ。衝撃で葉っぱが数枚落ちてきた。
「ん?」
そんな事をしているうちだった。
「はぁ! ……はぁ! ……はぁ!」
一人の少女が走ってくるではないか。
「そっちに逃げたぞ! 捕まえろ!」
「ああ! わかっている!」
「逃がさないぞ! こんちくしょう!」
少女を三人の男が追い回す。
「なんだ? あれは?」
「きゃあ!」
必死に逃げた少女は石に躓いて転んだ。見れば全身から血が流れているではないか。何とも痛々しい姿であった。
「へへっ! 捕まえたぜ! もう逃げられねぇ!」
「鬼ごっこはここで終わりだ!」
「ちょっと待てよあんた等。婦女暴行を見過ごせないぜ」
俺は声をかける。
「ん? なんだ、てめぇは?」
「元宮廷ネクロマンサー、今はただの無職だ」
それどころか国王暗殺の大罪人として指名手配されている事だが。その事は言わない方がいいので黙っておいた。
「けっ! 無職か! 無職が俺達の仕事の邪魔すんなっ! どっか行けよおらっ!」
「何か、勘違いしているな? てめぇは。この女は人間の女じゃねぇ」
「い、いやっ!」
顔を持ち上げる。血に染まったような深紅の髪。そして目。白蝋のような肌。人間離れした美貌も持った少女。
「こいつは吸血鬼(ヴァンパイア)なんだよ! 人間を害する、悪しき怪物(モンスター)なんだ」
「ふーん。吸血鬼(ヴァンパイア)ねー」
吸血鬼(ヴァンパイア)。不死者(アンデッド)の王とも言われる種族だ。人間のような見た目をしているが、人の血を吸い、場合によっては化け物に変化する事もあるし、魔法を使う事も可能だ。
その圧倒的な強さ、存在感から不死者(アンデッド)の中でも一目置かれている存在でもあった。
「俺達はヴァンパイアハンターでよ。こうして吸血鬼(ヴァンパイア)を討伐する事を仕事にしてるんだよ」
「だから俺達は婦女暴行をしているわけじゃねぇんだ。悪い怪物(モンスター)を懲らしめているだけさ」
「で、こいつはどうする?」
「吸血鬼はレアなモンスターだからな。それにこいつは見た目は美しいだろう。だから抵抗できないように拘束して、それから売りはらおうぜ」
「へへっ。そうだな。がっぽりと大金ゲットだぜ。っと、その前にお楽しみといこうぜ」
「……ああ。そうだな」
カチャカチャとして音がする。
男達はとズボンを下ろそうとしていた。俺が近くにいてもお構いなしだった。
「売り飛ばすより前に、楽しませて貰うぜ。きっきっき」
「い、いやぁっ! だ、誰かっ! 助けてっ! いやぁ! やだ! やだよ!」
吸血鬼(ヴァンパイア)の少女は涙ながらに俺に助けを求めている。
どっちが悪いか? 人間かそうでないかなんて関係ない。正しいか間違っているかなんて所詮は強者の理屈でしかない。吸血鬼の少女はヴァンパイアハンターより弱かった。それが正しいって事だろう。だが、ヴァンパイアハンターであるこいつ等が俺より弱かったら詰られる。それもまた正しいって事だろう。だってこいつ等は吸血鬼の少女に同じ事をしているんだから。
「サモン・アンデッド」
俺は死霊術(ネクロマンス)を発動する。
「デッド・ナイト!」
現れたのは不死者(アンデッド)の騎士だ。鎧を着ており、剣を持った不死者の騎士。それも複数達のデッド・ナイトを俺は同時召喚した。
男達の周囲をデッド・ナイトが囲い始める。
「なっ! なんだっ! てめぇは! やるっていうのか!」
「俺達は人間! こいつはアンデッドなんだぜ!」
ヴァンパイアハンター達がわめく。
「だからなんだ。人間だから尊くてアンデッドは尊くないのか。アンデッドは無条件で痛めつけてもいいのか。そんなの人間の理屈だ。俺はその子を助けたいと思った。だから助ける。それだけの事だ」
「ちくしょう! 獲物を横取りしようっていうのか!」
「お前達と同次元で語るな」
「くそっ! やっちまえ!」
ヴァンパイアハンター達はデッド・ナイトに挑んでいく。だが、明らかに多勢に無勢だった。その上俺は死霊術(ネクロマンス)で何体ものアンデッドを継続して召喚できるのだ。
相手になるはずもなかった。
「ち、ちくしょう! キリがねぇぜ!」
「命あっての物種だ! 逃げるぞ!」
「あ、ああっ!」
ヴァンパイアハンター達は旗色が悪いと見るや逃げ出した。俺は追いかける事はしない。
別に連中を殺したいとまで思ったわけではない。それに他にやるべき事があった。
「大丈夫か?」
「うっうう……」
消耗していた。アンデッドは死ぬ事はない。だがその肉体が消失すれば実質的には死ぬようなものだった。吸血鬼は高い再生能力を持つ事で知られている種族だ。
だから傷はすぐに回復するはずであるが、ヴァンパイアハンター達は聖属性の武器や聖水を使い、この子を追い詰めたのだろう。それ故にこの子は相当に弱っていた。
「今助けるからな」
俺は死霊術(ネクロマンス)を発動する。
「アンデッドヒール」
アンデッドには通常の回復魔法は効かない。それどころかダメージを負う場合すらあった。しかし死霊術(ネクロマンス)の中にはアンデッド専用の回復魔法がある。
それがアンデッドヒールだ。ネクロマンサーは唯一アンデッドの傷を癒やす事ができる。
「うっ……ううっ」
吸血鬼の少女の傷がみるみる塞がっていく。
「こ、これは……一体」
「よし。もう大丈夫だ」
「あ、ありがとうございます。私の名はエリザベートと申します。エリザとお呼びください。あなた様のお名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
「ジルだよ。ジル・ロードニクスだ」
「ジル様! 私の命を救って頂いて誠にありがとうございます!」
「いや、当然の事をしたまでだよ」
「当然な事なわけがありません! 人間は当然のように私達アンデッドを敵と見なし、危害を加えてきました! 私、生まれてから一度としてジル様のように助けて頂いた事はありません!」
エリザは目を輝かせる。
「そうか……まあ普通はそうだよな」
自分のような価値観は珍しく、聖女アリシアのような価値観が大多数なのだろう。世の中そういうものだ。
「ジル様は何をされていたのですか?」
吸血鬼相手に何を言っても問題ないだろう。こいつ等は人間サイドの存在ではないのだ。
ジルは聖女アリシアに濡れ衣を着せられ、国外追放となった事を告げた。
「まあ、そんなことがあったのですか」
「ああ。それで俺は尚更人間を信用できなくなった。お前達アンデッドの方が余程信用ができる。連中の方がアンデッドなどより余程信用できる存在だ」
「でしたらジル様、どうか私達の王国に来ませんか?」
「え? アンデッドの王国?」
「はい! 私はアンデッドの王国で姫という立場なのです! ですからきっと私を助けてくださいましたジル様を歓迎してくれます!」
吸血鬼の姫エリザは俺にそう言ってきた。もはや宮廷を追われ、国王暗殺の容疑者として追われている俺からすれば願ってもいない提案だった。行く場所もないのだ。
さらには俺はもはや人間を信用できない。アンデッド達の方が余程信用ができる。
俺は迷う事無くエリザの手を取った。
「よろしくな。エリザ。お邪魔するよ」
「はい! 歓迎ます! ジル様!」
俺はエリザと共に不死者の王国へと向かう。
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