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第二章
神殿の調査《アルマン side》①
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◇◆◇◆
────同時刻、神殿の地下室にて。
私は天井に張り付くような体勢で身を潜め、眼下で行われている残虐行為に眉を顰めていた。
酷いなんてレベルじゃないな、これは……。
辺りに充満する血の香りと子供達の悲鳴に、私は少なからず精神を削られる。
一応、自分も暗部の人間なのでこういった荒事には慣れている筈なのに。
正直、エーデル公爵家の警備に当たっていた方がずっとマシだな。
ヴィンセント様の指示で一時的に護衛任務から外れたことを思い返し、私は嘆息する。
『適当に理由をつけて、任務続行していれば良かった』と思って。
己の判断を心の底から悔やむ中、研究者の一人が大きな舌打ちをした。
「また失敗だ!何故、守護精霊が剣に定着しない!?この前はこれで上手くいっただろう!?」
苛立たしげに髪を掻き回し、研究者の男性は目を吊り上げた。
すっかり息絶えてしまった子供には、一瞥もくれずに。
「一体、何がダメだと言うんだ!?」
トレイの上に剣を放り投げ、研究者の男性はガンッとベッドを蹴る。
そこには、子供の亡骸があるというのに。
幸い、ベルトで体を固定されているためベッドから落ちることはないものの……見ていて、あんまり気持ちのいい光景ではない。
本来、神殿の研究者は安くて効き目のいい薬を開発したり、暮らしに役立つ道具を作ったりするのが仕事なんだけどな……。
どうして、こんな下衆に成り下がってしまったのか。
『やはり、指導者の問題か』と思案していると────不意に地下室の扉が開いた。
と同時に、オレンジ髪の老人が姿を現す。幾人もの神官を連れて。
「こ、これはこれは教皇聖下!お久しぶりでございます!」
研究者の男性は慌てた様子で姿勢を正し、取って付けたような笑みを浮かべた。
先程までの不遜な態度が嘘のように畏まる彼の前で、オレンジ髪の老人────改め、カイル・サム・シモンズ教皇聖下は片手を上げる。
「ああ。それで、実験の方はどうなっている?」
────同時刻、神殿の地下室にて。
私は天井に張り付くような体勢で身を潜め、眼下で行われている残虐行為に眉を顰めていた。
酷いなんてレベルじゃないな、これは……。
辺りに充満する血の香りと子供達の悲鳴に、私は少なからず精神を削られる。
一応、自分も暗部の人間なのでこういった荒事には慣れている筈なのに。
正直、エーデル公爵家の警備に当たっていた方がずっとマシだな。
ヴィンセント様の指示で一時的に護衛任務から外れたことを思い返し、私は嘆息する。
『適当に理由をつけて、任務続行していれば良かった』と思って。
己の判断を心の底から悔やむ中、研究者の一人が大きな舌打ちをした。
「また失敗だ!何故、守護精霊が剣に定着しない!?この前はこれで上手くいっただろう!?」
苛立たしげに髪を掻き回し、研究者の男性は目を吊り上げた。
すっかり息絶えてしまった子供には、一瞥もくれずに。
「一体、何がダメだと言うんだ!?」
トレイの上に剣を放り投げ、研究者の男性はガンッとベッドを蹴る。
そこには、子供の亡骸があるというのに。
幸い、ベルトで体を固定されているためベッドから落ちることはないものの……見ていて、あんまり気持ちのいい光景ではない。
本来、神殿の研究者は安くて効き目のいい薬を開発したり、暮らしに役立つ道具を作ったりするのが仕事なんだけどな……。
どうして、こんな下衆に成り下がってしまったのか。
『やはり、指導者の問題か』と思案していると────不意に地下室の扉が開いた。
と同時に、オレンジ髪の老人が姿を現す。幾人もの神官を連れて。
「こ、これはこれは教皇聖下!お久しぶりでございます!」
研究者の男性は慌てた様子で姿勢を正し、取って付けたような笑みを浮かべた。
先程までの不遜な態度が嘘のように畏まる彼の前で、オレンジ髪の老人────改め、カイル・サム・シモンズ教皇聖下は片手を上げる。
「ああ。それで、実験の方はどうなっている?」
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