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第一章
スターリ国国立貴族学校 1
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その後、ダミアン陛下は『では、また後程謝罪に伺わせて頂きます』と言い残し、ブラウン王子を取り押さえている衛兵を連れてこの場を去っていった。
また後で謝罪しに来るんですか....ブラウン王子の尻拭いは大変ですね。
ブラウン王子の尻拭いに奔走するダミアン陛下を思い浮かべながら、眉根を下げた。
父親というものは大変なんですね。
ダミアン陛下やブラウン王子を乗せた馬車を見送り、大時計に目線を移した。
はぁ....初日から遅刻なんてついてない。
溜め息を溢しそうになるとを必死に我慢しながら、サラマンダーを引き連れて校舎へと足を向ける。
スターリ国国立貴族学校は世界的にも有名な超エリート校。初等部・中等部・高等部があるエスカレーター式の学校だ。通っているのは貴族がほとんどだが、天才的頭脳や魔法の実力を認められて入学を許可される平民も居るらしい。
私が通うのはもちろん高等部のSクラス。
この学校にはS・A・B・Cと4つのクラスがある。Sが一番上で優秀な生徒を集めたクラスとなる。
私はこれでもフェンガロフォス現No.1の魔導師だ。四大精霊や精霊王には劣るが、それ以外の精霊相手なら打ち負かすことが可能。精霊に勝てる人間などそうそう居ない。
だから、私はSクラスなのだ。
まあ、私が魔法を使うことなんて滅多にないけど...。何か起きても私が魔法を使う前に精霊達がなんとかしてくれるからね。
校舎内へ足を踏み入れると執事のような格好をした男性が出迎えてくれた。
「ようこそお越しくださいました。スターリ国国立貴族学校へようこそ、ディアナ様並びにサラマンダー様」
ニコニコと人の良さそうな笑みを浮かべる執事さん。けど....なんか胡散臭い。
くっと眉間に皺を寄せる私にサラマンダーがいち早く気がついた。
「おい」
「は、はい!何でしょうか?」
「下がれ」
「はいっ...?」
「ディアナが嫌がってるから、下がれ。ディアナが気に入らないものはいらない」
「えっ、と....?」
サラマンダーにいきなり『下がれ』と命じられた執事さんは動揺を隠せないでいる。
まあ、気に入らないからって理由だけで『下がれ』と命じられれば困惑するよね。
うん、これは私が悪い。
私が執事さんを嫌がるような表情を浮かべたのが間違いだった。
仕事用のスマイルが胡散臭く感じるのは当たり前だ。だって、それは作った笑みなんだから。それをいちいち気にしてたらキリがない。
「サラマンダー、大丈夫だよ。気にしてくれて、ありがとね?」
「......限界になったら言えよ。すぐに消し炭にしてやるから」
「分かった」
「ええ!?」
私とサラマンダーの物騒なやり取りに奇声を上げる執事さん。
おまけにガクガクと足が情けなく震えているし...。
大丈夫ですから、安心してください。貴方を消す炭にする気はありませんから。
だって、『分かった』って答えないとサラマンダーの機嫌が悪くなるんだもの。
『俺に頼ってくれないのか....』
って言って、しょぼんとして次の瞬間には
『もういい....こんな国滅ぼしてやる!』
って宣言して、炎の最上位魔法を国全体に展開させてるんだよ....。
前に一度そうなったときは全力で止めにかかったから、なんとかなったけど次も止められるとは限らない。
だから、サラマンダーの機嫌は損なわないように細心の注意を払っている。
また後で謝罪しに来るんですか....ブラウン王子の尻拭いは大変ですね。
ブラウン王子の尻拭いに奔走するダミアン陛下を思い浮かべながら、眉根を下げた。
父親というものは大変なんですね。
ダミアン陛下やブラウン王子を乗せた馬車を見送り、大時計に目線を移した。
はぁ....初日から遅刻なんてついてない。
溜め息を溢しそうになるとを必死に我慢しながら、サラマンダーを引き連れて校舎へと足を向ける。
スターリ国国立貴族学校は世界的にも有名な超エリート校。初等部・中等部・高等部があるエスカレーター式の学校だ。通っているのは貴族がほとんどだが、天才的頭脳や魔法の実力を認められて入学を許可される平民も居るらしい。
私が通うのはもちろん高等部のSクラス。
この学校にはS・A・B・Cと4つのクラスがある。Sが一番上で優秀な生徒を集めたクラスとなる。
私はこれでもフェンガロフォス現No.1の魔導師だ。四大精霊や精霊王には劣るが、それ以外の精霊相手なら打ち負かすことが可能。精霊に勝てる人間などそうそう居ない。
だから、私はSクラスなのだ。
まあ、私が魔法を使うことなんて滅多にないけど...。何か起きても私が魔法を使う前に精霊達がなんとかしてくれるからね。
校舎内へ足を踏み入れると執事のような格好をした男性が出迎えてくれた。
「ようこそお越しくださいました。スターリ国国立貴族学校へようこそ、ディアナ様並びにサラマンダー様」
ニコニコと人の良さそうな笑みを浮かべる執事さん。けど....なんか胡散臭い。
くっと眉間に皺を寄せる私にサラマンダーがいち早く気がついた。
「おい」
「は、はい!何でしょうか?」
「下がれ」
「はいっ...?」
「ディアナが嫌がってるから、下がれ。ディアナが気に入らないものはいらない」
「えっ、と....?」
サラマンダーにいきなり『下がれ』と命じられた執事さんは動揺を隠せないでいる。
まあ、気に入らないからって理由だけで『下がれ』と命じられれば困惑するよね。
うん、これは私が悪い。
私が執事さんを嫌がるような表情を浮かべたのが間違いだった。
仕事用のスマイルが胡散臭く感じるのは当たり前だ。だって、それは作った笑みなんだから。それをいちいち気にしてたらキリがない。
「サラマンダー、大丈夫だよ。気にしてくれて、ありがとね?」
「......限界になったら言えよ。すぐに消し炭にしてやるから」
「分かった」
「ええ!?」
私とサラマンダーの物騒なやり取りに奇声を上げる執事さん。
おまけにガクガクと足が情けなく震えているし...。
大丈夫ですから、安心してください。貴方を消す炭にする気はありませんから。
だって、『分かった』って答えないとサラマンダーの機嫌が悪くなるんだもの。
『俺に頼ってくれないのか....』
って言って、しょぼんとして次の瞬間には
『もういい....こんな国滅ぼしてやる!』
って宣言して、炎の最上位魔法を国全体に展開させてるんだよ....。
前に一度そうなったときは全力で止めにかかったから、なんとかなったけど次も止められるとは限らない。
だから、サラマンダーの機嫌は損なわないように細心の注意を払っている。
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