精霊に愛された錬金術師、チートすぎてもはや無敵!?

あーもんど

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◇◆◇◆

 ────スタンビートの発生から、数週間後。
プリシラと青騎士団は無事に遠征を終え、帰還を果たした。
その際、プリシラとレクスだけカルムより呼び出しを受ける。

「少し前にバーラン王国が代替わりして、新国王からお詫びの品・・・・・と正式な謝罪をもらったよ」

 世間話もそこそこに、カルムは本題を切り出した。
ちなみに『お詫びの品』とは、ヒュドールの首である。
あと、無礼千万な使者アネーロの首もおまけで。

「そうですか」

 精霊達から事前に報告を受けていたプリシラは、大して驚くことなく相槌を打った。
隣に座るレクスも、同じような反応を示す。

「こちらとしては和解する方向で進めたいのだけど、構わないかい?」

 カルムは丁寧にお伺いを立てた。
プリシラが本件の中心人物だからというのもあるが、単純に力関係の問題で。
もし、勝手に和解して彼女の機嫌を損ねたら一大事なのだ。

「ええ、もちろんです(精霊さん達のおかげで、個人的な制裁は済んでいるから。それに、無関係な人達のためにも早めに事態が終息してほしい)」

「プリシラがいいなら、俺も……いえ、レーヴェン公爵家も異存ありません(バーラン王国最大の膿は消えたみたいだし、下手に長引かせたらプリシラが責任を感じてしまう。ここで、手を引くべきだろう)」

 快諾するプリシラとレクスに、カルムは僅かに表情を和らげる。

「ありがとう。では、そのように(これでやっと、一息つけそうだ)」

 今回の騒動である意味一番苦労していたため、カルムはホッとしていた。
────その後、少しだけ世間話をして早々に解散する。

「ただいま、お父様、お母様」

 まだ後処理のあるレクスを皇城に残し、プリシラは一足早く帰宅した。
例の如く、転移系の魔道具を用いて。

「おかえり、プリシラ!怪我はないか!」

「大変だったわね、まさか魔の森でスタンビートを引き起こすなんて」

 心配という感情を前面に押し出すライアンと、少し申し訳なさそうなヘイゼル。
多分、青騎士団の遠征に送り出したことを少し後悔しているのだろう。

「うん、大丈夫。無傷だよ。スタンビートは私も驚いた。無事に終息して、本当に良かったよ」

 ニッコリ笑ってそう言い、プリシラは玄関ホールでライアンやヘイゼルと抱擁を交わす。
非常に和やかな雰囲気がこの場に流れる中、不意に雨音を耳にした。

「この時期に雨なんて、珍しいね」

 吹き抜けかつガラス張りの天井を見上げ、プリシラは僅かに目を剥く。
その傍で、ライアンやヘイゼルも少し驚いたような素振りを見せた。

「そうだな。精霊の気まぐれやイタズラだろうか?(これまでにも何度か、気分で天候を変えていたし)」

「う~ん……それにしては、ちょっと雨風が強すぎる気がするわね(もちろん、精霊の力を以てすれば暴風雨を巻き起こすことくらい簡単に出来るでしょうけど、プリシラの住む土地で行うというのが解せない)」

 思案顔のライアンと違和感を拭えないヘイゼルに対し、精霊達はフンッと鼻を鳴らす。

『だって、僕達の仕業じゃないもーん』

『もし、やるならもっと優しくて綺麗な雨を降らせるよー』

『こんな意地が悪くて、汚い雨じゃなくてさー』

『ていうか、そもそもこれ雨じゃない・・・・・よー』

「!」

 ピクッと僅かに反応を示し、プリシラは大きく目を瞬かせた。

(雨じゃないの?これ)

 改めてまじまじと雨を見つめ、プリシラは小首を傾げる。

「(色も透明度も形状も至って、普通だと思うけど……)ねぇ、雨じゃないってどういうこと?」

 小声で尋ねるプリシラに、精霊達は考えるような様子を見せる。

『うんとねー、すっごく簡単に言うとを降らせているだけなのー』

『ほらー、水やりのときたまに魔法を使って細かーい水を飛ばしている人が居るでしょー?』

『今回はそれの拡大版って感じー』

『大体、普通の雨なら僕達が止ませるなり勢いを弱めるなりしているよー』

(あっ、それもそうだね)

 精霊達の過保護っぷりを思い返し、プリシラは一人納得した。
かと思えば、

「お父様、お母様ちょっと」

 ライアンとヘイゼルに声を掛けて、私室(作業している部屋とは、別)に行く。
そこで、精霊達の話を報告した。

「なるほど。つまり、人為的にこの雨……のような現象を引き起こしている者が、居るんだな」

「うん、多分」

 小さく頷き、プリシラは向かい側のソファに座るライアンを見据えた。
と同時に、ヘイゼルがスッと目を細める。

「魔法の暴発でも、あったのかしらね。一先ず、術者を調査して対応しましょうか」

「ああ、さすがに放置は出来ないな。罰を与えるかどうかはさておき、把握はしておきたい」

「これほど大規模な魔法を扱える逸材は、そうそう居ないものね」

「もし、どこにも所属していないようならルーク・・・のところに送るのも一つの手だな。きちんと制御出来なければ、本人も周囲も危険だ」

 プリシラの双子の弟であるルーク・ツヴァイ・レーヴェンを話題に出し、ライアンは腕を組む。
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