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本編
不満《ソフィア side》
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半ば逃げるようにロバーツ公爵家を後にした私は家に帰る気にもなれず、近くのカフェで時間を潰していた。
生クリームたっぷりのショートケーキを頬張りながら、クッと眉間に皺を寄せる。
ケーキの味は絶品だが、それとは対照的に私の機嫌は最悪だった。
はぁ……私の人生、何でこうも上手くいかないのよ……!
浮気のでっち上げがバレた挙句、『氷の貴公子』と呼ばれるニックを怒らせるなんて……。
当初の予定では、お姉様とニックを別れさせて、私が後妻として公爵家に嫁ぐ筈だったのに……!そうすれば、口うるさいジェフ────ジェフリー・サミュエル・クライン第二王子と、おさらば出来るもの!
私があのような行動に走ったのにはある一つの理由があった。
それは────第二王子ジェフとの婚約を解消することだ。
ジェフから婚約を申し込まれた当初は、顔も家柄も良いし、王家に嫁入りするのも悪くないかなと思い、承諾した。
本当はニックと結婚したかったが、お姫様になれるならとジェフで妥協したのだ。
でも、私の期待は見事打ち砕かれることになる。
何故なら────私がクライン王家に嫁入りするのではなく、ジェフがフローレンス侯爵家に婿入りする予定だったからだ。
つまり、将来的にはジェフがフローレンス侯爵家の当主となり、私はその妻の侯爵夫人になるという訳。
『お姫様になれる』と信じていた私からすれば、これは予想外の事態。
まだ正式な婚約を交わしていなかったため、この縁談を蹴ろうとも思ったが……『王子を婿に迎えられるのは名誉なこと』と両親に教えられ、とりあえず我慢した。
私にとって、重要なのは周りにチヤホヤされることだから……。
なのに……!ジェフったら、婚約式を終えるなり、急に口うるさくなって……!
花嫁修業と題して色んな勉強をやらされたり、淑女の嗜みだとか言って女しか居ないお茶会に行かされたり……!挙句の果てには『このままじゃ、侯爵家が没落する』とか言って、お小遣いを制限したのよ!?
婚約者とはいえ、家の財政事情に首を突っ込むなんて言語道断よ!と抗議しても、取り合ってくれないの!両親もジェフの言いなりになっちゃって、全然私の言うことを聞いてくれないし……!
ジェフと婚約してから、全てが狂ったの!
だから、何とか婚約を解消出来ないか考えたけど……第二王子との婚約を一方的に破棄することは出来ないって、両親に言われちゃって……。
もうジェフの言いなりになるしかないのかなって思ってたら────あるお茶会で、『ロバーツ公爵家は王家と同等の権力を持っている』って聞いたの!
ロバーツ公爵家の現当主はニックだし、美しい私とも釣り合いが取れる。
何より、ニックと私が結婚するとなれば、王家側も婚約解消に同意するしかない!我ながら完璧な作戦だわ!
でも、この作戦にはある問題点があった。
それは────私の姉であり、ニックの妻である、ジュリア・ロバーツ公爵夫人の存在。
彼女を蹴落とし、ニックの心を掴まなければ、私の作戦はまず成功しない。
だから、お姉様の浮気をでっち上げて、別れさせようとしたんだけど……見事失敗に終わった。大失敗と言ってもいい。
『はぁ……』と深い溜め息を零した私はフォークを皿の上に置いた。
半分ほど残ってしまったショートケーキを見つめ、人差し指でコツコツとテーブルを叩く。
これから、どうしよう……?
ニックを怒らせてしまった以上、ロバーツ公爵家を味方につけるのは難しいわ。
いっそのこと家出して、行方をくらます方法もあるけど……贅沢三昧の日々を送れないのは嫌。
でも、だからといって、口うるさいジェフと結婚するのは……。
「はぁ……難しいことは後で考えましょう。頭が痛くなるわ」
思考が行き詰まった私はフルフルと頭を左右に振り、早々に思考を放棄した。
ストレス発散ついでにアレックスとデートして、帰ろうかしら?
確か今日は非番だって言っていたわよね?
最近知り合った騎士見習いのイケメンを思い浮かべながら、私はご機嫌で席を立った。
生クリームたっぷりのショートケーキを頬張りながら、クッと眉間に皺を寄せる。
ケーキの味は絶品だが、それとは対照的に私の機嫌は最悪だった。
はぁ……私の人生、何でこうも上手くいかないのよ……!
浮気のでっち上げがバレた挙句、『氷の貴公子』と呼ばれるニックを怒らせるなんて……。
当初の予定では、お姉様とニックを別れさせて、私が後妻として公爵家に嫁ぐ筈だったのに……!そうすれば、口うるさいジェフ────ジェフリー・サミュエル・クライン第二王子と、おさらば出来るもの!
私があのような行動に走ったのにはある一つの理由があった。
それは────第二王子ジェフとの婚約を解消することだ。
ジェフから婚約を申し込まれた当初は、顔も家柄も良いし、王家に嫁入りするのも悪くないかなと思い、承諾した。
本当はニックと結婚したかったが、お姫様になれるならとジェフで妥協したのだ。
でも、私の期待は見事打ち砕かれることになる。
何故なら────私がクライン王家に嫁入りするのではなく、ジェフがフローレンス侯爵家に婿入りする予定だったからだ。
つまり、将来的にはジェフがフローレンス侯爵家の当主となり、私はその妻の侯爵夫人になるという訳。
『お姫様になれる』と信じていた私からすれば、これは予想外の事態。
まだ正式な婚約を交わしていなかったため、この縁談を蹴ろうとも思ったが……『王子を婿に迎えられるのは名誉なこと』と両親に教えられ、とりあえず我慢した。
私にとって、重要なのは周りにチヤホヤされることだから……。
なのに……!ジェフったら、婚約式を終えるなり、急に口うるさくなって……!
花嫁修業と題して色んな勉強をやらされたり、淑女の嗜みだとか言って女しか居ないお茶会に行かされたり……!挙句の果てには『このままじゃ、侯爵家が没落する』とか言って、お小遣いを制限したのよ!?
婚約者とはいえ、家の財政事情に首を突っ込むなんて言語道断よ!と抗議しても、取り合ってくれないの!両親もジェフの言いなりになっちゃって、全然私の言うことを聞いてくれないし……!
ジェフと婚約してから、全てが狂ったの!
だから、何とか婚約を解消出来ないか考えたけど……第二王子との婚約を一方的に破棄することは出来ないって、両親に言われちゃって……。
もうジェフの言いなりになるしかないのかなって思ってたら────あるお茶会で、『ロバーツ公爵家は王家と同等の権力を持っている』って聞いたの!
ロバーツ公爵家の現当主はニックだし、美しい私とも釣り合いが取れる。
何より、ニックと私が結婚するとなれば、王家側も婚約解消に同意するしかない!我ながら完璧な作戦だわ!
でも、この作戦にはある問題点があった。
それは────私の姉であり、ニックの妻である、ジュリア・ロバーツ公爵夫人の存在。
彼女を蹴落とし、ニックの心を掴まなければ、私の作戦はまず成功しない。
だから、お姉様の浮気をでっち上げて、別れさせようとしたんだけど……見事失敗に終わった。大失敗と言ってもいい。
『はぁ……』と深い溜め息を零した私はフォークを皿の上に置いた。
半分ほど残ってしまったショートケーキを見つめ、人差し指でコツコツとテーブルを叩く。
これから、どうしよう……?
ニックを怒らせてしまった以上、ロバーツ公爵家を味方につけるのは難しいわ。
いっそのこと家出して、行方をくらます方法もあるけど……贅沢三昧の日々を送れないのは嫌。
でも、だからといって、口うるさいジェフと結婚するのは……。
「はぁ……難しいことは後で考えましょう。頭が痛くなるわ」
思考が行き詰まった私はフルフルと頭を左右に振り、早々に思考を放棄した。
ストレス発散ついでにアレックスとデートして、帰ろうかしら?
確か今日は非番だって言っていたわよね?
最近知り合った騎士見習いのイケメンを思い浮かべながら、私はご機嫌で席を立った。
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