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禍根未だ途切れず
対人外精鋭機関ゴルゴダ機関
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『……ようやく話が終わりそうだったってのになぁ……』
「うっ」
多分みんな嫌がってるだろうな、なんて考えをも退けて、僕が口にした質問。
それは、僕の———トゥルースの、真実の姿に繋がっている……かもしれないから。
「お願い……します。知りたいんです。敵のこと、自分のこと、それを知らないで戦うなんて———あっちも人がいるんだから、そんなの……嫌なんです」
『そんな目を向けられちゃあ……無下にはできねぇな……
ったく、憎たらしい顔だ。俺の一番嫌いなヒーローフェイス、気持ち悪いったらありゃしねえ』
「うぅ……」
「……いいや、僕も聞いておきたいです。敵を知るということは、その対処法をも知り得る可能性があるということ。
……おそらく生身で戦う役割を担うのも僕なので———誰も犠牲を出さない為にも」
「俺もだ。知り得る情報は全て知っておきたいんだ、頼む」
隊長とブランまで……!……ああ、リコとくいなは眠ったままだけど。
『———話しておいてやるか……ゴルゴダ機関、その構成員……果ては、その幹部の話についてもな。
何がお前をそこまで動かすのか、俺には分からん———が、話しておく価値はあるだろう』
やった……!
「ありがとう……ございます!」
『話せと言われたからな、今からまた長く続くが許せよ。
ゴルゴダ機関……さっきも言った通り、厳密には魔族に分類される、魔族や吸血族、鬼族などの、『神を除く人外』を殺すためだけに設立された機関だ。
ヤツらには人外に対する特効武器まで持ってやがる。俺やセンなどの鬼族———亜人に対してもより効きやすい武器なんて代物さ……
その正体は、エターナルの発動を阻止し得る、人よりも強力な者たちを先制して潰すための殺戮機関。だからこそ、数年前までは———ソイツらによって、亜人らの村々が襲撃されていたのさ』
「…………まさか、くいなの村も……」
セン隊長がボソッと呟いたが、とてもクラッシャーには聞こえないほど小さな声だった。
『構成員……ゴルゴダ機関の構成員は、それぞれが隊列を組んで独立している。
その中の『隊長』と呼ばれるヤツらのみは———人智を超えた化け物だらけだ。
ある者は卓越した身体能力を備え、またある者は岩をも容易に砕く剛力を有し、ある者は全てを見切る真眼と、ありとあらゆる物をこの世界より消滅に追いやる能力を持っている。
ある者は不死身にして、ある者は史上最高の人型機動兵器操縦者、華奢な身体でパイルバンカーを振り回す化け物や———』
(……パイルバンカーって何ですか?!?!
と聞きたくなったが、まだ話の途中だし、これは僕の始めた話だからな……)
『オネエ言葉を話しながら、ひたすら爆発する剣を投げ続ける悪魔、そしてどんな人間の姿にもなれる百面相———』
「ひっ」
『ああ?!……一体何だってんだよ急に!』
こ……声が出てしまった。
百面相———多分僕だ、トゥルースだ。
「い……いや、できればその百面相についてもっと聞きたくて……」
『これ以外の情報があるかよ、どんな人間の姿にもなれるから、もしかしたらスパイとして人界軍に侵入してる可能性もある……ってだけさ。……テメェが聞きたかったのはこの情報か?』
「その人についてもっと知りたかったんですけど……分かりました、ありがとうございます。話を続けてください」
『もうねえよ、今の百面相で情報は終わりだ、そもそもタダでこの俺が情報をやること自体感謝されるべきなんだがなぁ……
それじゃあ俺は戻るが———』
「戻るんですか?」
不思議そうに顔を傾けて質問したのは隊長だった。
『戻るに決まってんだろ、すぐそこまで来ているんだからな』
……すぐそこまで、来ている??
………………何が?
「うっ」
多分みんな嫌がってるだろうな、なんて考えをも退けて、僕が口にした質問。
それは、僕の———トゥルースの、真実の姿に繋がっている……かもしれないから。
「お願い……します。知りたいんです。敵のこと、自分のこと、それを知らないで戦うなんて———あっちも人がいるんだから、そんなの……嫌なんです」
『そんな目を向けられちゃあ……無下にはできねぇな……
ったく、憎たらしい顔だ。俺の一番嫌いなヒーローフェイス、気持ち悪いったらありゃしねえ』
「うぅ……」
「……いいや、僕も聞いておきたいです。敵を知るということは、その対処法をも知り得る可能性があるということ。
……おそらく生身で戦う役割を担うのも僕なので———誰も犠牲を出さない為にも」
「俺もだ。知り得る情報は全て知っておきたいんだ、頼む」
隊長とブランまで……!……ああ、リコとくいなは眠ったままだけど。
『———話しておいてやるか……ゴルゴダ機関、その構成員……果ては、その幹部の話についてもな。
何がお前をそこまで動かすのか、俺には分からん———が、話しておく価値はあるだろう』
やった……!
「ありがとう……ございます!」
『話せと言われたからな、今からまた長く続くが許せよ。
ゴルゴダ機関……さっきも言った通り、厳密には魔族に分類される、魔族や吸血族、鬼族などの、『神を除く人外』を殺すためだけに設立された機関だ。
ヤツらには人外に対する特効武器まで持ってやがる。俺やセンなどの鬼族———亜人に対してもより効きやすい武器なんて代物さ……
その正体は、エターナルの発動を阻止し得る、人よりも強力な者たちを先制して潰すための殺戮機関。だからこそ、数年前までは———ソイツらによって、亜人らの村々が襲撃されていたのさ』
「…………まさか、くいなの村も……」
セン隊長がボソッと呟いたが、とてもクラッシャーには聞こえないほど小さな声だった。
『構成員……ゴルゴダ機関の構成員は、それぞれが隊列を組んで独立している。
その中の『隊長』と呼ばれるヤツらのみは———人智を超えた化け物だらけだ。
ある者は卓越した身体能力を備え、またある者は岩をも容易に砕く剛力を有し、ある者は全てを見切る真眼と、ありとあらゆる物をこの世界より消滅に追いやる能力を持っている。
ある者は不死身にして、ある者は史上最高の人型機動兵器操縦者、華奢な身体でパイルバンカーを振り回す化け物や———』
(……パイルバンカーって何ですか?!?!
と聞きたくなったが、まだ話の途中だし、これは僕の始めた話だからな……)
『オネエ言葉を話しながら、ひたすら爆発する剣を投げ続ける悪魔、そしてどんな人間の姿にもなれる百面相———』
「ひっ」
『ああ?!……一体何だってんだよ急に!』
こ……声が出てしまった。
百面相———多分僕だ、トゥルースだ。
「い……いや、できればその百面相についてもっと聞きたくて……」
『これ以外の情報があるかよ、どんな人間の姿にもなれるから、もしかしたらスパイとして人界軍に侵入してる可能性もある……ってだけさ。……テメェが聞きたかったのはこの情報か?』
「その人についてもっと知りたかったんですけど……分かりました、ありがとうございます。話を続けてください」
『もうねえよ、今の百面相で情報は終わりだ、そもそもタダでこの俺が情報をやること自体感謝されるべきなんだがなぁ……
それじゃあ俺は戻るが———』
「戻るんですか?」
不思議そうに顔を傾けて質問したのは隊長だった。
『戻るに決まってんだろ、すぐそこまで来ているんだからな』
……すぐそこまで、来ている??
………………何が?
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