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断章Ⅱ〜最終兵器にアイの花を〜
作戦会議
「…………で、結局、アレを堕とすには何をすべきなんだ?……秘密の隠し玉でもあるんだったら、今のうちに出しとけ。戦力の把握は大切だからな」
「……隠し玉……だったら、『神爆』があります。それを、あの神力障壁を打ち破りつつどう撃ち込むか……それが課題だったんですが……そこの機神———アテナがいるんだったら、その課題も解決へと向かいそうです」
「神……爆?」
「……ええ、機神ヘスティアの神核の一部を抽出して製造された、対機神用究極殺傷兵器、たった1発のみの切り札———神爆です」
そう言いつつ、センが指を指したのは、先程までセンが乗り込んでいた巨体———ロボットがその手に持っている、大砲……のような、そんな図太い砲身を抱えた武器だった。
「…………ってことは、アテナに……あの上の機神の神力障壁をぶっ壊してもらって、その後にそれを撃ち込む、と?」
「そう……ですね、アテナ…………がいいと言うのなら」
センが顔を向けた先にいたアテナは、先程と同じく石を弄って……と言うより、それらを積みながら遊んでいるばかり。
「……あのぉ……アレって、本当に……アテナなんですか?…………僕ちょっと不安になってきたんですけど……」
そりゃそうだ。センが疑問を呈すのも間違ってはいない。
「まあそう思うかもしれんが……多分、俺がアイツと戦って勝てないくらいには、アイツは強い。……その強さこそ、機神たる証明だ」
「その強さを目の当たりにしていないんですが……」
「……で、アテナ」
一息の間を置いた後、アテナに対して質問する。
「………………機神、その……神力……障壁、を、こわす…………って、こと、でしょ……?」
「そうだ。…………こんなこと、俺が言えることでもないが……大丈夫なのか?……相手は同じ機神、一応仲間なんじゃ……」
「だい、じょうぶ…………アテナ、機神のなかでは……最強、だから……!」
親指を立てて、自信満々の笑みでそう発するアテナに、「そういうことじゃないだろ」と言いたくもなったが———おそらくそっちも大丈夫なんだろう。
……きっと、コイツにとって、同族殺し、仲間殺しなんてどうだっていいんだ。
アテナの頭にあるのは、俺のことと、『お父様』の事だけ。
……多分、そういう生き物なんだ。
俺といたいがために、わざわざ俺を連れ去って、記憶も奪って、ついでに自分自身も同じ羽目にするようなヤツなんだから。
「……ってことで、アテナの方はOKらしい。……他に作戦とか……指示とか……あるのか?」
「あるに決まってますよ、味方をどう動かすかを指示していないのに、これで終わりなんておかしいです」
「そーいう……もんなの……?」
「…………そうですね、白さんは白兵戦の経験しかない……対カーネイジ軍団でも、ひたすら敵陣に突っ走って、ひたすら斬り伏せるだけだった、としか聞いてなかったからなぁ……」
「そんな言うことないだろ?!……んで、俺は———俺たちはどう動けばいいんだ……?」
「分かりやすいように……ホワイトボードって言うんですけど、書き込めるモノを持ってきたんで、図で説明しますね」
「は、はあ……」
そう言ってセンが取り出したのは、文字通り白い———板。
その姿形は、アテナに植え付けられた偽りの記憶でも見たことがあるモノであった。
「あー、これか。これがホワイトボード……って言うのか……」
「白さんがいなかった間に、人界軍の技術は飛躍的革新を遂げました。
……まあ、これはトランスフィールドのものですが……これもその1つなんです。これに当作戦の図を書くので、少しばかり待っておいてください」
待つこと———体感では10分くらいか。
「……はい、できましたよ」
そう言ってセンが見せたのは、黒の塗料で描画された———地図のようなモノだった。
と言っても簡易的なモノであり、描画されているのは中央下部にある階段のようなマークと、右上、左上、左下にある四角形のマーク、そして左上のマークを囲む赤丸のみであった。
……これを書くために、10分もかかったと……?
「少し待ってくださいね……コマを用意しますから」
「コマ?」
「白さんたちの動きが分かりやすいように、コマを用いて動きを指示するんです。……最も、白さんとヤンスに関しては、場所なんて関係のない臨機応変な対応を求めるので、あまりコマに意味はないんですが」
「臨機応変な対応……って、俺に一体何させる気でヤンスか?!」
焦りながらも顔を出したその魔族は———前に、魔武道大会で見たことのあるドワーフだった。名前は……確かヤンス、とか言ったか。
「何……って、ヤンスは白さんと組んで、もう1つの機神の攻撃を引きつけてもらう……んだけど」
「なん……ですと……?!」
「え…………ええ……??」
と、いうことで、センより指示された俺たヤンスの動きはと言うと……
「……まず、白さんはヤンスの乗るサイドツーと共に行動してもらいます」
「サイドツーって……あの鉄の塊のことか……?」
「そうです、ヤンスの乗るサイドツーには、特別にジェットパック及びブースターが装備されているので、そのサイドツーを利用して、白さんとヤンスには空中戦を行ってもらいます」
「空中戦……?」
浮遊法……ならできないことはないが、やはり消費魔力量の多い技、そんなに多用できるようなモノでもないのだが……?
「……ジェットパックの装備されたサイドツーは……一言で言うと、魔力の消費なしに空を飛べます。……ああいや、ジェットパックにも厳密には結晶状態の魔力の推進剤を使ってますけど。
……あまり詳しく説明している暇はないのですが、とにかくヤンスが操縦するジェットパック付きサイドツーに乗って、魔力斬撃かなにかでもう1つの機神に対して攻撃をし続けてください」
「いやいや……俺たちつまり……囮ってコト……?」
「そうです」
「言い切らないでくれよ、こっちは世界を救った勇者だぞ?!」
「僕もそうですよ。ほら、ガイアコンソール亜種を防いだじゃないですか」
「そ……そりゃあそうだが……」
低い声で唸ってしまったが、センは冷静に、そして淡々と、その作戦を述べ続ける。
「…………白さんにも活躍してもらいたいところですが、今回は火力要員がちゃんといます。
……だからこそ、白さんたちの頑張りもなければ手にできない勝利なんです、だから……!」
「…………はいはい、やってやるよ。……俺は———そうだな、俺たちは『ワンダー・ショウタイム』だからな……!」
「そうですね、その意義です。…………だったら、僕だって———頑張らなくっちゃ。
起こしてみせますよ、奇跡を。」
「……隠し玉……だったら、『神爆』があります。それを、あの神力障壁を打ち破りつつどう撃ち込むか……それが課題だったんですが……そこの機神———アテナがいるんだったら、その課題も解決へと向かいそうです」
「神……爆?」
「……ええ、機神ヘスティアの神核の一部を抽出して製造された、対機神用究極殺傷兵器、たった1発のみの切り札———神爆です」
そう言いつつ、センが指を指したのは、先程までセンが乗り込んでいた巨体———ロボットがその手に持っている、大砲……のような、そんな図太い砲身を抱えた武器だった。
「…………ってことは、アテナに……あの上の機神の神力障壁をぶっ壊してもらって、その後にそれを撃ち込む、と?」
「そう……ですね、アテナ…………がいいと言うのなら」
センが顔を向けた先にいたアテナは、先程と同じく石を弄って……と言うより、それらを積みながら遊んでいるばかり。
「……あのぉ……アレって、本当に……アテナなんですか?…………僕ちょっと不安になってきたんですけど……」
そりゃそうだ。センが疑問を呈すのも間違ってはいない。
「まあそう思うかもしれんが……多分、俺がアイツと戦って勝てないくらいには、アイツは強い。……その強さこそ、機神たる証明だ」
「その強さを目の当たりにしていないんですが……」
「……で、アテナ」
一息の間を置いた後、アテナに対して質問する。
「………………機神、その……神力……障壁、を、こわす…………って、こと、でしょ……?」
「そうだ。…………こんなこと、俺が言えることでもないが……大丈夫なのか?……相手は同じ機神、一応仲間なんじゃ……」
「だい、じょうぶ…………アテナ、機神のなかでは……最強、だから……!」
親指を立てて、自信満々の笑みでそう発するアテナに、「そういうことじゃないだろ」と言いたくもなったが———おそらくそっちも大丈夫なんだろう。
……きっと、コイツにとって、同族殺し、仲間殺しなんてどうだっていいんだ。
アテナの頭にあるのは、俺のことと、『お父様』の事だけ。
……多分、そういう生き物なんだ。
俺といたいがために、わざわざ俺を連れ去って、記憶も奪って、ついでに自分自身も同じ羽目にするようなヤツなんだから。
「……ってことで、アテナの方はOKらしい。……他に作戦とか……指示とか……あるのか?」
「あるに決まってますよ、味方をどう動かすかを指示していないのに、これで終わりなんておかしいです」
「そーいう……もんなの……?」
「…………そうですね、白さんは白兵戦の経験しかない……対カーネイジ軍団でも、ひたすら敵陣に突っ走って、ひたすら斬り伏せるだけだった、としか聞いてなかったからなぁ……」
「そんな言うことないだろ?!……んで、俺は———俺たちはどう動けばいいんだ……?」
「分かりやすいように……ホワイトボードって言うんですけど、書き込めるモノを持ってきたんで、図で説明しますね」
「は、はあ……」
そう言ってセンが取り出したのは、文字通り白い———板。
その姿形は、アテナに植え付けられた偽りの記憶でも見たことがあるモノであった。
「あー、これか。これがホワイトボード……って言うのか……」
「白さんがいなかった間に、人界軍の技術は飛躍的革新を遂げました。
……まあ、これはトランスフィールドのものですが……これもその1つなんです。これに当作戦の図を書くので、少しばかり待っておいてください」
待つこと———体感では10分くらいか。
「……はい、できましたよ」
そう言ってセンが見せたのは、黒の塗料で描画された———地図のようなモノだった。
と言っても簡易的なモノであり、描画されているのは中央下部にある階段のようなマークと、右上、左上、左下にある四角形のマーク、そして左上のマークを囲む赤丸のみであった。
……これを書くために、10分もかかったと……?
「少し待ってくださいね……コマを用意しますから」
「コマ?」
「白さんたちの動きが分かりやすいように、コマを用いて動きを指示するんです。……最も、白さんとヤンスに関しては、場所なんて関係のない臨機応変な対応を求めるので、あまりコマに意味はないんですが」
「臨機応変な対応……って、俺に一体何させる気でヤンスか?!」
焦りながらも顔を出したその魔族は———前に、魔武道大会で見たことのあるドワーフだった。名前は……確かヤンス、とか言ったか。
「何……って、ヤンスは白さんと組んで、もう1つの機神の攻撃を引きつけてもらう……んだけど」
「なん……ですと……?!」
「え…………ええ……??」
と、いうことで、センより指示された俺たヤンスの動きはと言うと……
「……まず、白さんはヤンスの乗るサイドツーと共に行動してもらいます」
「サイドツーって……あの鉄の塊のことか……?」
「そうです、ヤンスの乗るサイドツーには、特別にジェットパック及びブースターが装備されているので、そのサイドツーを利用して、白さんとヤンスには空中戦を行ってもらいます」
「空中戦……?」
浮遊法……ならできないことはないが、やはり消費魔力量の多い技、そんなに多用できるようなモノでもないのだが……?
「……ジェットパックの装備されたサイドツーは……一言で言うと、魔力の消費なしに空を飛べます。……ああいや、ジェットパックにも厳密には結晶状態の魔力の推進剤を使ってますけど。
……あまり詳しく説明している暇はないのですが、とにかくヤンスが操縦するジェットパック付きサイドツーに乗って、魔力斬撃かなにかでもう1つの機神に対して攻撃をし続けてください」
「いやいや……俺たちつまり……囮ってコト……?」
「そうです」
「言い切らないでくれよ、こっちは世界を救った勇者だぞ?!」
「僕もそうですよ。ほら、ガイアコンソール亜種を防いだじゃないですか」
「そ……そりゃあそうだが……」
低い声で唸ってしまったが、センは冷静に、そして淡々と、その作戦を述べ続ける。
「…………白さんにも活躍してもらいたいところですが、今回は火力要員がちゃんといます。
……だからこそ、白さんたちの頑張りもなければ手にできない勝利なんです、だから……!」
「…………はいはい、やってやるよ。……俺は———そうだな、俺たちは『ワンダー・ショウタイム』だからな……!」
「そうですね、その意義です。…………だったら、僕だって———頑張らなくっちゃ。
起こしてみせますよ、奇跡を。」
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※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
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