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断章Ⅱ〜最終兵器にアイの花を〜
直接対決
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———大穴の島、直上。
機神ゼウスの巨体は、大穴を覆い尽くすように着陸していた。
◆◇◆◇◆◇◆◇
力を失い落下するゼウス真体に、押し潰されるようにして———、ヒノカグツチと呼ばれたものは押し潰され、ついには爆散する。
……オイ、嘘だろ……?!
『そん…………な、人界軍の最終兵器、ヒノカグツチが……』
「コック……オイ、コックは大丈夫なのかよ、オイ!」
『………………っ』
「コックーーーーーーーーッ!!!!
……っ! 無駄にするわけにはいかねえ、早く…………早く行くぞ、センッ!」
胸の奥から、やるせない気持ちが込み上げてくる。……だけど俺は———それを無駄にするわけにはいかないんだ。
その責任があることだって……わかってるから。
ヤツらが、コックが……その命を張って積み上げた時間を……無駄にはしない!
……すまん、コック……!
『白さん……このまま、あのアテナさんが開けた穴まで突っ込みます!……サイドツーは入れそうにないので、白さんは何とかあの穴に入ってください!』
「何とか……って、気合いか……っ!」
急発進するサイドツー。迫り来る風を身体で感じながら、降りるタイミングを見極め続ける。
向かうは———機神ゼウス、その真体に1箇所だけ空いた穴。アテナが開けた、今のところ唯一の戦果。
「……なあこれ、アテナの方はどうなってんだよ!」
『あの子は飛んでるので大丈夫として……白さん、チャンスは一瞬です……サイドツーの周りに、神話的生命体浮遊タイプ……数多く接近してきています!』
「ああ……そうだな、接近した一瞬で飛び移らないとお前が死ぬ!……やってやる、やってやるぜこのやろうっ!」
接近———刻一刻と近づくその緊張を前に、俺は堂々と立ってみせている。
この速さ———残り、5秒。
『っまずい、敵が———』
センの声を聞いて、後ろに目をやった時。そこには、こちらに猛接近を仕掛ける敵機が。
「邪魔……すんじゃねええええっ!」
すぐさま神威を投擲し、そして———すんでのところで、俺は機神ゼウスの、その鉄でできた足場に飛び移った。
『……白さん、神威が落ちるっ!』
「大丈夫だセン!……お前はここを離れろ、ここからは俺たちのターンだからなっ!」
敵機に見事命中した神威に向け、手を伸ばし念じる。瞬間、神威は俺の右腕の中に戻ってきてみせた。
『健闘を……祈ります、白さん!』
「ああ、任せろ!」
振り向いたそこは———既に機神ゼウスの腹の中。……とは言え、第一印象はオリュンポス内と変わらず……これと言っておかしな臭いとかもしなかった。
———ただ、その奥には。その奥の奥、球体の中心部には、あまりにも大きすぎる魔力、神力が渦巻いていたことは、いくら魔術に疎い俺にでも分かる事実だった。
恐怖している、この俺が。
あれほどまでに強大な敵を前にすると言う、最悪の事実に足がすくむ。
———と同時に、俺は相手をする気はほとんどなかった。……なぜならば、アテナを嫁にもらうために説得しなきゃならないからだ。
「…………しろ、いかない……の?」
「おっと……ああ、行くさ。……中央まで直行だ、壁とかあんなら……こう、力づくでぶっ壊してくれ」
「うい!……まかされた!」
はしゃいで、まるで肉体年齢相応の幼い小走りで、アテナは奥へ奥へと真っ先に進んでいく。
もちろん俺も走るまでだが———この球体、一体どれほどデカいのかは想像もつかない。
できるだけ早く、ゼウスの下に着いてほしいんだけども。
「出し惜しみはなしだ! ここまで来たら、全力を出してゼウスのところまで行くぞ!」
「あいっ!」
目の前にそびえ立つ鉄の壁。どこまで続いているか分からないその壁を見つめ———。
「第一層、しろ、きって!」
「やってやるっ!」
神威の斬撃により傷がついた壁に向かって、アテナは神力放出による砲撃を仕掛ける。
程なくして、瞬く間に壁は崩壊。
———そして。あまりにも早すぎるし呆気もなさすぎるが、その奥に見えた異質なモノを———俺たちは確実に捉えた。
「アテナ……見えるな、アイツが———」
「刹那———宗呪羅……そして、お父……様……!」
見据えた本当の敵。紫に光る正方形の物体の下に鎮座する、どこからどう見ても俺と同じ男。
……そして、その側にて跪く———刹那。
彼らのいた円状の足場は、下へ下へと向かい続けていたが———俺と瓜二つの男が俺に気付いた瞬間、その足場の動きは完全に停止した。
「……分かるのか、アレが」
「なんで……しろと、同じ姿かは……知らない、けど…………アレは、お父様!!」
『———ゼウス様。まさかこの期に及んで俗事などと———』
『戯れを許せ刹那。我々の計画に至れるまでの最後の未練だ。……コレが、親子最後の会話だろうからな、それに———、
用が終われば、始末するつもりなのだろう?』
『ええ。———決着をつけるのは、私も同じことですよ』
機神ゼウスの巨体は、大穴を覆い尽くすように着陸していた。
◆◇◆◇◆◇◆◇
力を失い落下するゼウス真体に、押し潰されるようにして———、ヒノカグツチと呼ばれたものは押し潰され、ついには爆散する。
……オイ、嘘だろ……?!
『そん…………な、人界軍の最終兵器、ヒノカグツチが……』
「コック……オイ、コックは大丈夫なのかよ、オイ!」
『………………っ』
「コックーーーーーーーーッ!!!!
……っ! 無駄にするわけにはいかねえ、早く…………早く行くぞ、センッ!」
胸の奥から、やるせない気持ちが込み上げてくる。……だけど俺は———それを無駄にするわけにはいかないんだ。
その責任があることだって……わかってるから。
ヤツらが、コックが……その命を張って積み上げた時間を……無駄にはしない!
……すまん、コック……!
『白さん……このまま、あのアテナさんが開けた穴まで突っ込みます!……サイドツーは入れそうにないので、白さんは何とかあの穴に入ってください!』
「何とか……って、気合いか……っ!」
急発進するサイドツー。迫り来る風を身体で感じながら、降りるタイミングを見極め続ける。
向かうは———機神ゼウス、その真体に1箇所だけ空いた穴。アテナが開けた、今のところ唯一の戦果。
「……なあこれ、アテナの方はどうなってんだよ!」
『あの子は飛んでるので大丈夫として……白さん、チャンスは一瞬です……サイドツーの周りに、神話的生命体浮遊タイプ……数多く接近してきています!』
「ああ……そうだな、接近した一瞬で飛び移らないとお前が死ぬ!……やってやる、やってやるぜこのやろうっ!」
接近———刻一刻と近づくその緊張を前に、俺は堂々と立ってみせている。
この速さ———残り、5秒。
『っまずい、敵が———』
センの声を聞いて、後ろに目をやった時。そこには、こちらに猛接近を仕掛ける敵機が。
「邪魔……すんじゃねええええっ!」
すぐさま神威を投擲し、そして———すんでのところで、俺は機神ゼウスの、その鉄でできた足場に飛び移った。
『……白さん、神威が落ちるっ!』
「大丈夫だセン!……お前はここを離れろ、ここからは俺たちのターンだからなっ!」
敵機に見事命中した神威に向け、手を伸ばし念じる。瞬間、神威は俺の右腕の中に戻ってきてみせた。
『健闘を……祈ります、白さん!』
「ああ、任せろ!」
振り向いたそこは———既に機神ゼウスの腹の中。……とは言え、第一印象はオリュンポス内と変わらず……これと言っておかしな臭いとかもしなかった。
———ただ、その奥には。その奥の奥、球体の中心部には、あまりにも大きすぎる魔力、神力が渦巻いていたことは、いくら魔術に疎い俺にでも分かる事実だった。
恐怖している、この俺が。
あれほどまでに強大な敵を前にすると言う、最悪の事実に足がすくむ。
———と同時に、俺は相手をする気はほとんどなかった。……なぜならば、アテナを嫁にもらうために説得しなきゃならないからだ。
「…………しろ、いかない……の?」
「おっと……ああ、行くさ。……中央まで直行だ、壁とかあんなら……こう、力づくでぶっ壊してくれ」
「うい!……まかされた!」
はしゃいで、まるで肉体年齢相応の幼い小走りで、アテナは奥へ奥へと真っ先に進んでいく。
もちろん俺も走るまでだが———この球体、一体どれほどデカいのかは想像もつかない。
できるだけ早く、ゼウスの下に着いてほしいんだけども。
「出し惜しみはなしだ! ここまで来たら、全力を出してゼウスのところまで行くぞ!」
「あいっ!」
目の前にそびえ立つ鉄の壁。どこまで続いているか分からないその壁を見つめ———。
「第一層、しろ、きって!」
「やってやるっ!」
神威の斬撃により傷がついた壁に向かって、アテナは神力放出による砲撃を仕掛ける。
程なくして、瞬く間に壁は崩壊。
———そして。あまりにも早すぎるし呆気もなさすぎるが、その奥に見えた異質なモノを———俺たちは確実に捉えた。
「アテナ……見えるな、アイツが———」
「刹那———宗呪羅……そして、お父……様……!」
見据えた本当の敵。紫に光る正方形の物体の下に鎮座する、どこからどう見ても俺と同じ男。
……そして、その側にて跪く———刹那。
彼らのいた円状の足場は、下へ下へと向かい続けていたが———俺と瓜二つの男が俺に気付いた瞬間、その足場の動きは完全に停止した。
「……分かるのか、アレが」
「なんで……しろと、同じ姿かは……知らない、けど…………アレは、お父様!!」
『———ゼウス様。まさかこの期に及んで俗事などと———』
『戯れを許せ刹那。我々の計画に至れるまでの最後の未練だ。……コレが、親子最後の会話だろうからな、それに———、
用が終われば、始末するつもりなのだろう?』
『ええ。———決着をつけるのは、私も同じことですよ』
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