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断章Ⅱ〜最終兵器にアイの花を〜
決死の果て
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『実の弟子に、クソ野郎などと罵られる日が来るとは!』
「そりゃそうだよ……俺が最後まで信じた理想をも、踏み躙ってっ!」
一瞬、体勢が崩れる。その瞬間をヤツは狙って、槍を持ち直すが———その隙が俺のチャンスだった。
『っな!』
カウンターの一撃。崩れた体勢から、絶対に出ないであろう一撃をお見舞いする。
そう、コレこそ———無の軌道。
『っがあ……っ!』
「どうした、痛みには慣れてるんじゃねえのか———撃墜王さんよっ!」
『ふ…………ふふふ…………この体、人間のもの以外の、何物でもないっ!』
胸を貫いたヤツは、それでもなお立ち上がる。……むしろ、活きが良くなっている気さえする。
「テメェがクソ野郎じゃなくて何になる! 弟子を裏切り、神を裏切り、同胞を裏切り、部下を大勢死なせた! お前の判断で、何もかもっ!」
『元より、全て私のためでした———この計画を実行するのも、全て私のため……貴様らなぞ、はなから考えてなどいるものか!
私と同じ、永遠に苦しめ! 恒久に生き続ける地獄を、死んでも死にきれない地獄を味わい続けるがいい!』
「…………は、一気に、カッコ悪く見えてきたよ……テメェが」
『元から……他人に好かれるようなものじゃなか———っ、ああああああああああああっ!!!!』
———どうした。
俺は何もしていない。一度後退したのち、ただヤツを見守って、そして話し合っていただけだ。
なのになぜ、ヤツは苦しんでいる!
『ああああああっ、っぐあああ、ああああああああっ!』
「何がどうしたか知らねえ……けど、俺は———」
『隙だらけ』
「っな!」
気が付いた時にはもう遅い。ヤツの槍は、またもや俺の胴体を刺し貫いていた。
深々と突き刺さる刃。痛みに悶える脳を抑えきることなどできるはずもなく。
———だが、痛いだけだと言うのなら。
「…………へ、この……痛み、こそ……俺の生きてる証……!」
『ついに堕ちたか、その考えも———!』
「とことん堕ちてんのは、こんな騙し討ちなんぞ考えるテメェの方だよ、刹那っ!」
苦しむフリしてまで、俺を殺したいか!
『ははははは、元より堕ちていると何度言い聞かせれば済む! 貴様の前にいるのは宗呪羅ではない、ゴルゴダ機関総帥、この刹那なの———っぐぎ……っ、あああああああああああっ?!』
「…………いや、違う———騙し討ちなんぞじゃない……?!」
自らの体に突き刺さった槍を、強引にも横にスライドさせて引きずり出す。
もはやどこもかしこも血まみれだ、そろそろ滑って転んでもおかしくないほどに。
———しかし、コイツは———なんなんだ。
『ああああああああっ、貴さ、ま……っ! 邪魔を……するな…………っ、宗呪羅っ!』
「えっ———」
そう言いかけた瞬間。驚きを声に出す間もなく。
『またかかったぁっ!』
すかさず飛んでくるロンギヌス。……が、もうその手にはかからない!
「食らえええええっ!」
渾身の力で振り下ろす、が……その場に既に刹那はいなかった。
『…………っふう、はあ……来るがいいさ、雪斬白郎……!
貴様の……相手は……この、私………………』
既に遠くに移動していた刹那が、今度は床に倒れ込む。……いいや、あんな騙し討ち、回りくどいんだ。ここまでしてやるメリットがあるものじゃない。
もしや、本当に———何かが起きているのか……?
『………………っ、はあ……
ようやく———ようやく、です。
お久しぶり……ですね、白郎』
「そりゃそうだよ……俺が最後まで信じた理想をも、踏み躙ってっ!」
一瞬、体勢が崩れる。その瞬間をヤツは狙って、槍を持ち直すが———その隙が俺のチャンスだった。
『っな!』
カウンターの一撃。崩れた体勢から、絶対に出ないであろう一撃をお見舞いする。
そう、コレこそ———無の軌道。
『っがあ……っ!』
「どうした、痛みには慣れてるんじゃねえのか———撃墜王さんよっ!」
『ふ…………ふふふ…………この体、人間のもの以外の、何物でもないっ!』
胸を貫いたヤツは、それでもなお立ち上がる。……むしろ、活きが良くなっている気さえする。
「テメェがクソ野郎じゃなくて何になる! 弟子を裏切り、神を裏切り、同胞を裏切り、部下を大勢死なせた! お前の判断で、何もかもっ!」
『元より、全て私のためでした———この計画を実行するのも、全て私のため……貴様らなぞ、はなから考えてなどいるものか!
私と同じ、永遠に苦しめ! 恒久に生き続ける地獄を、死んでも死にきれない地獄を味わい続けるがいい!』
「…………は、一気に、カッコ悪く見えてきたよ……テメェが」
『元から……他人に好かれるようなものじゃなか———っ、ああああああああああああっ!!!!』
———どうした。
俺は何もしていない。一度後退したのち、ただヤツを見守って、そして話し合っていただけだ。
なのになぜ、ヤツは苦しんでいる!
『ああああああっ、っぐあああ、ああああああああっ!』
「何がどうしたか知らねえ……けど、俺は———」
『隙だらけ』
「っな!」
気が付いた時にはもう遅い。ヤツの槍は、またもや俺の胴体を刺し貫いていた。
深々と突き刺さる刃。痛みに悶える脳を抑えきることなどできるはずもなく。
———だが、痛いだけだと言うのなら。
「…………へ、この……痛み、こそ……俺の生きてる証……!」
『ついに堕ちたか、その考えも———!』
「とことん堕ちてんのは、こんな騙し討ちなんぞ考えるテメェの方だよ、刹那っ!」
苦しむフリしてまで、俺を殺したいか!
『ははははは、元より堕ちていると何度言い聞かせれば済む! 貴様の前にいるのは宗呪羅ではない、ゴルゴダ機関総帥、この刹那なの———っぐぎ……っ、あああああああああああっ?!』
「…………いや、違う———騙し討ちなんぞじゃない……?!」
自らの体に突き刺さった槍を、強引にも横にスライドさせて引きずり出す。
もはやどこもかしこも血まみれだ、そろそろ滑って転んでもおかしくないほどに。
———しかし、コイツは———なんなんだ。
『ああああああああっ、貴さ、ま……っ! 邪魔を……するな…………っ、宗呪羅っ!』
「えっ———」
そう言いかけた瞬間。驚きを声に出す間もなく。
『またかかったぁっ!』
すかさず飛んでくるロンギヌス。……が、もうその手にはかからない!
「食らえええええっ!」
渾身の力で振り下ろす、が……その場に既に刹那はいなかった。
『…………っふう、はあ……来るがいいさ、雪斬白郎……!
貴様の……相手は……この、私………………』
既に遠くに移動していた刹那が、今度は床に倒れ込む。……いいや、あんな騙し討ち、回りくどいんだ。ここまでしてやるメリットがあるものじゃない。
もしや、本当に———何かが起きているのか……?
『………………っ、はあ……
ようやく———ようやく、です。
お久しぶり……ですね、白郎』
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