洗浄魔法って便利だね~風呂キャンしたい俺が異世界転移してみたら~

夏芽玉

文字の大きさ
10 / 11

10話 エネマ〇ラと、ローションだ!

しおりを挟む
 ものすごくイイ夢を見ていた気がする。
 肌に当たるシーツは今日も肌触りが良い。流石、王城で使われている寝具は質が違うな。
 俺はウトウトと微睡ながら、柔らかい枕に抱きついた。
 その時、コツンと何かが手に当たった。

 ん……なんだ……?

 手で触ってみると、なんだか奇妙な形をしている。
 スマホではなさそうだ。もっと複雑な形をしていて、固いとも柔らかいとも言い難い質感だ。

 うーん……こんなところに、何か置いたっけ……

 寝るときに枕元に置くようなものは、スマホ以外に心当たりはない。
 だけど、俺は素っ裸で異世界転移してきたので、今は手元にスマホがないんだった。
 それならこれは……いったい……?

 眠い目をなんとか開けて、俺は手にしたものを顔の前に持ってきた。
 ぼんやりとしていた視点が合ったとき、俺の目の前にあったのは……

 ……エネマグラだった。

 あー……
 うん。そうだった、そうだった。

 意識が完全に覚醒し、寝落ちる前のことを俺は完全に思い出した。


 暇すぎることと運動不足であることを一気に解消しようとして、俺はお尻の開発に勤しもうと思ったんだ。
 そしたら、お尻にエネマグラ相棒を突っ込んだ瞬間、クリスが俺の部屋に入ってきた。
 俺は慌ててお尻開発を中断しようと思ったんだけど、何故かクリスは俺のお尻に興味津々になって、それから……

 クリスにされたあれやこれやを思い出したら、身体が火照ってきた。


 俺がお尻開発をするようになったのは、アダルトグッズの口コミサイトを覗いていたら、たまたま目につく書き込みがあったからだ。

『前立腺とは、神が男にだけに与えた、快感を得るための隠しコマンドのスイッチです』

 こんなことが書かれていたのを見たら、押してみたくなるじゃん? その隠しスイッチを。

 それから俺は、他の口コミも調べた。

ウェットでイく射精するのとは比べものにならないくらい気持ちがいいです』
『ナカイキすると、世界が変わります』
『もう、これなしでのオナニーなんて考えられません』

 よし。
 俺も、世界を変えてやる!!

 そう決断するまで、さして時間はかからなかった。
 通販サイトで評判の良かった商品を購入し、俺は自己開発に勤しんだ。

 中で感じられるようになるまでには時間がかかると解説サイトには書かれていたが、俺は一か月くらいでコツを掴むことができるようになった。
 それから日々鍛錬をし、コツコツとレベルを上げ、最近ではプロのアナニストと言っても差し支えないくらいには、尻の感度も上がっていたはずなんだけど……

 だけど、俺がクリスによって与えられたのは、それを軽く凌駕するほどの快感だった。

 ……世界が……変わっちゃったかもしんないな……

 正直いって、どこをどうされたのか、あまりよく覚えていないのが悔やまれる。
 気持ち良すぎて、頭がちょっとバカになってしまっていたようだ。
 それでも、今のうちに、少しでも思い出せそうなことは思い出しておいて、次の自己鍛錬に向けて復習しておくことにしよう。

 ええっと……たしか、あの時クリスは俺が嫌だって言ってもしつこくグリグリしてきて。それで逃れられない快感に俺はイきまくってしまって……

 ……あ。勃っちゃった……

 脳内であのときのことを再現しようとしたら、早速チンコが反応してしまった。
 あんなにイったから、しばらくはスッキリ過ごせるのではないかと思っていたけれど、ムラムラが身体中に広がっていく。
 身体はあの時の快感を欲しているようだ。

 思い返せば、ナカイキしながらドライと同時に射精したウェットでイったのは初めてだった。
 意識を飛ばすほど感じたことも……

 ……って、もしかして。
 俺は重大な事実に気付いた。

 お尻で最高に気持ち良くなったまま寝落ちするという夢、叶っちゃったんじゃない!?

 そのことに気付いたら、とてつもなく興奮してきた。
 あの時の感覚を忘れたくない……!!

「……立て続けになっちゃうけれど、今から実戦で復習するか?」

 きっと、そのほうが身につくのは早いだろう。
 そうとなったら、善は急げだ。

 服を脱ごうと思ってシーツを捲ったけれど、俺はすでに全裸だった。

「あれ……?」

 クリスが脱がせてくれたのだろうか。

 えーっと、それじゃあ……
 どこからなにを始めたらいいだろうか。
 俺は首を傾げた。

 ていうか、クリスとやったアレを、一人でするにはどうしたらいいんだ?

 イヤだヤメてと言っても手を止めてくれないのは……
 イヤだヤメてと言いながら自分で手を動かせばいいだけだろう、きっと。

 いや、本当か?
 なんか違う気がするぞ。

 というか……
 もしかしたら、あの時の気持ち良さは、一人でしていたからではなく、二人で力を合わせたから得られたものではないだろうかという気がしてきた。
 もしも、あの気持ち良さを得ることができたのは、クリスの協力があったからだとしたら……
 ……俺がオナニーであの快感を得るためには、毎回クリスに手伝ってもらわなければならないということか?

「……それって、何か、違うくね?」

 オナニーというのは、基本的に一人でするものだと思うんだ。
 それを、手伝ってもらったら、それはいったいなんだ?

 ええっと、それは……

「……何が違うんだ?」
「うわぁっ!」

 てっきり部屋には俺一人だけだと思っていた。
 俺が与えられている部屋は、まるでスイートルームのような造りになっている。
 寝室の他には、リビングと書斎。
 それから、シャワールームがあるんだけど……

 どうやらクリスは、シャワーを浴びていたようだ。
 腰にタオルを巻いただけの姿でシャワールームから出てきたクリスの髪はしっとりと濡れている。

「えっ、ええ……えっ、なんでぇ!?」

 どうしてこんなところにクリスがいるの!?
 そしてなんで俺の部屋でシャワーを浴びてるの!?

 思わず後ずさったら、ベチョッとしたものが尻についた。

「ん……?」

 手で触ってみると、透明でぬめりけのある液体が指先についた。
 匂いを嗅いでみたけれど、これってもしかして……

「ローションだ……」

 いつも商店街で買っている、使い慣れたローションの匂いがした。
 そういえば、エネマグラにローションをぶっかけたとき、ベッドに結構沢山零しちゃったんだった。

 よく見てみると、俺の周りだけはシーツは綺麗になっているけれど、ちょっと離れた場所は汚れたままになっている。
 薄れゆく意識の中で使った洗浄魔法は、自分とそのごく周辺しか綺麗にすることができなかったのかもしれない。それで、洗浄魔法の効果範囲の外にいたクリスは、自力で身を清めるためにシャワーを浴びていたのだろう。

 窓の外を見るとまだ明るかったので、俺が寝落ちていたのはそれほど長い時間ではなかったようだ。

「洗浄魔法」

 俺がそう唱えると、ベッドと俺についたローションの汚れはきれいさっぱりと消えてなくなった。

「ところで、カイト。さっきは何についてぶつぶつと言っていたんだ?」
「わあぁ……!?」

 ベッドに腰掛けたクリスに詰め寄られて、俺はのけぞった。

「カイトの尻に入っていた、あの不思議な形をした道具はなんだ? 見たところ、尻に使う性具のようだったが……」
「は、はは……」

 俺は顔を引き攣らせた。
 ばっちり全部バレちゃってる……よね? これは……
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました

ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

魚人族のバーに行ってワンナイトラブしたら番いにされて種付けされました

ノルジャン
恋愛
人族のスーシャは人魚のルシュールカを助けたことで仲良くなり、魚人の集うバーへ連れて行ってもらう。そこでルシュールカの幼馴染で鮫魚人のアグーラと出会い、一夜を共にすることになって…。ちょっとオラついたサメ魚人に激しく求められちゃうお話。ムーンライトノベルズにも投稿中。

シナリオ回避失敗して投獄された悪役令息は隊長様に抱かれました

無味無臭(不定期更新)
BL
悪役令嬢の道連れで従兄弟だった僕まで投獄されることになった。 前世持ちだが結局役に立たなかった。 そもそもシナリオに抗うなど無理なことだったのだ。 そんなことを思いながら収監された牢屋で眠りについた。 目を覚ますと僕は見知らぬ人に抱かれていた。 …あれ? 僕に風俗墜ちシナリオありましたっけ?

執着騎士団長と、筋肉中毒の治癒師

マンスーン
BL
現代日本から異世界へ転生した治癒師のレオには、誰にも言えない秘密がある。 それは「定期的に極上の筋肉に触れて生命力を摂取しないと、魔力欠乏で死んでしまう」という特異体質であること! ​命をつなぐため、そして何より己のフェティシズムを満たすため、レオがターゲットに選んだのは「氷の騎士団長」と恐れられる英雄ガドリエル。 ​「あぁっ、すごい……硬いですガドリエル様ッ!(大胸筋が)」 「……っ、治療中にそんな熱っぽい声を出すなッ」 ​生きるために必死で揉みしだくレオを、ガドリエルは「これほど俺の身を案じてくれるとは」と都合よく勘違い 触られたいムッツリ攻め×触りたい変態受け

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜

レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」 魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。 彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。

処理中です...