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第一章 神殺しと巫女
使徒との再戦(2)
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里見と戦闘に入る美哉。
街中でぶつかれば、被害が周辺に及ぶことを考慮し里見を雪平家の私有地の山の麓まで誘い込む。
里見は、美哉を追いかけ目論見通り人の気配もなく雪平の所有する場所まで来る。
(彼の能力はやはり、物質の軌道を意のままに操る力。ですが、どれだけの量の軌道を操り物だけではなく、人も可能なのかそれ以外のことがまだ分からない)
里見の能力は、何ができ何ができないのか分析するが情報が少なく今の現状ではこれが限界と思考する美哉。
「逃げ回るのはもうお終いかよ!」
そう叫び、接近戦が得意なのだろ美哉との距離を詰め得物を片手に襲い掛かる。右手に持つ得物は前回通り剣だ。
長剣を美哉に向かって振り回す。型も技術もお構いなしのただ乱暴に振り回すだけ。しかし、一振り一振りが重く放つ衝撃波が強く当たればただでは済まない。
が、剣先はヒュンッと音を鳴らすだけで空を切る。
(おそらく、悪神から与えられた身体強化の賜物でしょうね)
身体能力を引き上げ、肉体強化にも繋がりその結果、通常の人間より遥かに優れた体と限界をゆうに超えた威力を放つことができる。
躱した背後から、木々が薙ぎ倒され伐採されていく。
(だからこそ、使徒も厄介な存在なんですけどね)
頭の中でそんなことを思う美哉。
里見が放つ斬撃を幾度なく躱し続け、氷で形成した盾を身の回りに浮遊させ衝撃波を防ぐ。四方から何度も放ち襲うが、美哉の創り出す氷の盾は壊れることなく防ぎ一度も当てるどころか、掠り傷一つもつけるとが叶わない。
キンッ、と刀身が氷にぶつかり甲高い音とガンッ、と盾に弾かれ火花を散らす音が鳴り響く。
「くそったれ! 硬すぎんだよ!」
悪態をつく里見。
単調な攻撃を躱し防ぐことなど美哉にとって簡単なこと。
これでは埒が明かないと判断した里見は、悪神から授けられた神代文字が刻まれた魔法陣を左の手元に展開。そこから新たな剣を取り出し、一本ではなく数十本と増えていく。
(収納タイプの魔法陣ですか)
冷静に状況判断し、里見から距離を取った美哉。あの軌道を操る力を行使することは明白だろう。案の定、里見は美哉の予想通りに剣を空中へ放り投げた。
「いつまでも防ぎ切れると思うなよ、雪平の巫女!」
「芸のない攻撃ですね、前回と何も変わらない。夏目がいなくて良かった、こんな姿は見せたくありませんから」
――つまらない男。
と夏目の前では決して見せない冷たく蔑む目を向ける美哉。
こぼす言葉にも呆れと感情のない冷たさが込められる。
剣は重力に逆らい切っ先を美哉へ向けられる。
「条件と弱点が分かれば、どうとでもできます」
「ああ? 何を言っていやがる。この数をどうこうできる、とでも言いたいのかよ!」
美哉の言葉の意味を理解できていない里見は、勝ち誇った表情で剣の軌道を操り空中に浮く全て一直線に飛来させ襲う。
だが、美哉は焦ることなく腕を伸ばし氷の盾の次は壁を瞬時に創り出す。
「無駄だ! それは予想済みなんだよ!」
「そうですか」
どうでもよさそうに答える美哉。
美哉の次の行動を予見していた里見は、叫びながら一直線に飛来させていた剣の軌道を強引に変え、壁よりも高く上昇させて美哉の頭上から弧を描き降り注ぐ。
冷たい眼差しのまま、その場にしゃがみ込み地面に触れイメージを固める美哉。
頭の中に描くのは、咲く前の蕾だ。美哉のイメージ通り氷は雫型を瞬時に形成し己を護る。
ほんの数秒の出来事。切っ先は地面を抉り刺さり、護る術がなければ剣の雨で血飛沫が舞っていたことだろう。
土煙を巻き上げ未だに降り注ぎ、ドスドス、と音を立てる中にカンカンと氷に弾かれ周囲へ飛んで転がる剣が里見の視界に映った。
「あ? どういことだ?」
ようやく降り注ぐ剣の雨が止み里見の目に映る光景に驚愕する。
「な、なんだあれは⁉」
雫型、ひと一人を包み込むことができる大きさが鎮座。よく見てみれば、雫というより透き通る氷の蕾。
その蕾に一切の傷が見受けられない。
「あ、あの巫女はどこ行きやがった⁉ ま、まさかあの中にいるのか⁉ どうやって、一瞬の隙きに入ったんだよ!」
取り乱す里見。
雫型の蕾の中で美哉は静かに呟く。
「雪花、咲き誇りなさい」
言葉に呼応し、蕾は花開く。
周囲へ冷気を放ち気温を下げる。冷気は視界を覆い尽くし、白く染め上げていく。
「くそがっ! これじゃあ、目の前の女しか見えねだろ!」
舌打ちと共に剣を構え四方へ警戒する里見だが、視界は白く染まりそのせいで地面に刺さったもの、転がった剣を捉えることができない。
地面と草木に霜が降り、一帯は雪花が放つ冷気により体の芯から凍えさせる。
水色と白が入り交じる透き通った咲き誇る花の中央、そこに立ち上がり里見をこちらも冷え切った視線を送る美哉。
この状況に能力が上手く発動しないことに苛立ち、殺気を垂れ流し睨みつける里見。
両者の視線が絡み合う。
街中でぶつかれば、被害が周辺に及ぶことを考慮し里見を雪平家の私有地の山の麓まで誘い込む。
里見は、美哉を追いかけ目論見通り人の気配もなく雪平の所有する場所まで来る。
(彼の能力はやはり、物質の軌道を意のままに操る力。ですが、どれだけの量の軌道を操り物だけではなく、人も可能なのかそれ以外のことがまだ分からない)
里見の能力は、何ができ何ができないのか分析するが情報が少なく今の現状ではこれが限界と思考する美哉。
「逃げ回るのはもうお終いかよ!」
そう叫び、接近戦が得意なのだろ美哉との距離を詰め得物を片手に襲い掛かる。右手に持つ得物は前回通り剣だ。
長剣を美哉に向かって振り回す。型も技術もお構いなしのただ乱暴に振り回すだけ。しかし、一振り一振りが重く放つ衝撃波が強く当たればただでは済まない。
が、剣先はヒュンッと音を鳴らすだけで空を切る。
(おそらく、悪神から与えられた身体強化の賜物でしょうね)
身体能力を引き上げ、肉体強化にも繋がりその結果、通常の人間より遥かに優れた体と限界をゆうに超えた威力を放つことができる。
躱した背後から、木々が薙ぎ倒され伐採されていく。
(だからこそ、使徒も厄介な存在なんですけどね)
頭の中でそんなことを思う美哉。
里見が放つ斬撃を幾度なく躱し続け、氷で形成した盾を身の回りに浮遊させ衝撃波を防ぐ。四方から何度も放ち襲うが、美哉の創り出す氷の盾は壊れることなく防ぎ一度も当てるどころか、掠り傷一つもつけるとが叶わない。
キンッ、と刀身が氷にぶつかり甲高い音とガンッ、と盾に弾かれ火花を散らす音が鳴り響く。
「くそったれ! 硬すぎんだよ!」
悪態をつく里見。
単調な攻撃を躱し防ぐことなど美哉にとって簡単なこと。
これでは埒が明かないと判断した里見は、悪神から授けられた神代文字が刻まれた魔法陣を左の手元に展開。そこから新たな剣を取り出し、一本ではなく数十本と増えていく。
(収納タイプの魔法陣ですか)
冷静に状況判断し、里見から距離を取った美哉。あの軌道を操る力を行使することは明白だろう。案の定、里見は美哉の予想通りに剣を空中へ放り投げた。
「いつまでも防ぎ切れると思うなよ、雪平の巫女!」
「芸のない攻撃ですね、前回と何も変わらない。夏目がいなくて良かった、こんな姿は見せたくありませんから」
――つまらない男。
と夏目の前では決して見せない冷たく蔑む目を向ける美哉。
こぼす言葉にも呆れと感情のない冷たさが込められる。
剣は重力に逆らい切っ先を美哉へ向けられる。
「条件と弱点が分かれば、どうとでもできます」
「ああ? 何を言っていやがる。この数をどうこうできる、とでも言いたいのかよ!」
美哉の言葉の意味を理解できていない里見は、勝ち誇った表情で剣の軌道を操り空中に浮く全て一直線に飛来させ襲う。
だが、美哉は焦ることなく腕を伸ばし氷の盾の次は壁を瞬時に創り出す。
「無駄だ! それは予想済みなんだよ!」
「そうですか」
どうでもよさそうに答える美哉。
美哉の次の行動を予見していた里見は、叫びながら一直線に飛来させていた剣の軌道を強引に変え、壁よりも高く上昇させて美哉の頭上から弧を描き降り注ぐ。
冷たい眼差しのまま、その場にしゃがみ込み地面に触れイメージを固める美哉。
頭の中に描くのは、咲く前の蕾だ。美哉のイメージ通り氷は雫型を瞬時に形成し己を護る。
ほんの数秒の出来事。切っ先は地面を抉り刺さり、護る術がなければ剣の雨で血飛沫が舞っていたことだろう。
土煙を巻き上げ未だに降り注ぎ、ドスドス、と音を立てる中にカンカンと氷に弾かれ周囲へ飛んで転がる剣が里見の視界に映った。
「あ? どういことだ?」
ようやく降り注ぐ剣の雨が止み里見の目に映る光景に驚愕する。
「な、なんだあれは⁉」
雫型、ひと一人を包み込むことができる大きさが鎮座。よく見てみれば、雫というより透き通る氷の蕾。
その蕾に一切の傷が見受けられない。
「あ、あの巫女はどこ行きやがった⁉ ま、まさかあの中にいるのか⁉ どうやって、一瞬の隙きに入ったんだよ!」
取り乱す里見。
雫型の蕾の中で美哉は静かに呟く。
「雪花、咲き誇りなさい」
言葉に呼応し、蕾は花開く。
周囲へ冷気を放ち気温を下げる。冷気は視界を覆い尽くし、白く染め上げていく。
「くそがっ! これじゃあ、目の前の女しか見えねだろ!」
舌打ちと共に剣を構え四方へ警戒する里見だが、視界は白く染まりそのせいで地面に刺さったもの、転がった剣を捉えることができない。
地面と草木に霜が降り、一帯は雪花が放つ冷気により体の芯から凍えさせる。
水色と白が入り交じる透き通った咲き誇る花の中央、そこに立ち上がり里見をこちらも冷え切った視線を送る美哉。
この状況に能力が上手く発動しないことに苛立ち、殺気を垂れ流し睨みつける里見。
両者の視線が絡み合う。
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