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第二章 神喰い狼フェンリルと不死鳥フェニックス
プロローグ
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四月の終わり頃。
桜も散る最中、神山学園のグラウンドで対峙する二人。
一人は体中、傷だからけにボロボロな姿。もう一人は、小さな傷だけでまだ余裕が見て取れた。
傷まみれの少年のそばには灰色のくすんだ毛並みの狼が。もう一人の少年のそばには、火を纏う鳥が控える。
離れた位置から見守る三人の少女。
「夏目……、夏目……」
紫色のストレートの腰まで届く黒髪、切れ長の吊り目の青い瞳は今にも泣き出しそうに揺れていた。白い指は祈りを捧げるように握りしめられ、何度も傷まみれの少年の名を口にする。
「……っ!」
二人目の少女は、目を引くほど燃え上がる炎のように赤い髪をポニーテールに縛り、毛先が背中で揺れる。握り拳を作り険しい表情で飛び出し加勢したい気持ちを、必死に抑え込む強気な印象を与える碧眼の瞳には声援を送り続けていた。
「諦めなさいよっ……。逢真じゃ、お兄様には勝てないんだから……! これ以上、やったらあんたが死んじゃうわよ……」
と、三人目の少女は胸に手を当て傷だらけの少年に向かって悪態をつくがそれでも心配するセミロングの亜麻色の髪、一度も二人から視線を逸らさない茶目が見つめる。
火の鳥をそばに控えさせている茶髪の少年が言う。
「君でも駄目か……」
そう落胆した声で。
「もう……抗えない運命だと受け入れるしかないよ、逢真くん。もう諦めた方がいい、今の君では弱すぎるんだ。神殺しとして覚醒して間もないとしても、その程度の実力では彼女を護るなど不可能だ」
冷静かつ諭すように、ボロボロの少年こと逢真夏目を見下ろし告げる。
夏目は、息も上がり震える足と体のあちこちから痛み呼吸すら苦しく意識を繋げるのが精一杯。それでも、目の前に立ち塞がる茶髪の少年に何を言われようとも諦め切れず立ち上がる。
歯を食いしばり、右手の拳を突き出し叫ぶ。
「絶対に諦めない! 今はまだ弱くて頼りなくてみっともない姿ばかり晒しいる俺だけど。それでも俺は、美哉を護ると決めた! この先、何があっても俺の全てを懸けて必ず護ってみせる!」
力強く、目の前の男に向かって気持ちを吐露する。まだ、戦えると態度で示す。
学園を覆う結界が張られ、雪平家と東雲家と秋山家の御三家の関係者、そして美哉たちが見守る中、相棒のフェンリルと共に己の意地と諦めの悪さを見せつける夏目の姿がそこにはあった――。
桜も散る最中、神山学園のグラウンドで対峙する二人。
一人は体中、傷だからけにボロボロな姿。もう一人は、小さな傷だけでまだ余裕が見て取れた。
傷まみれの少年のそばには灰色のくすんだ毛並みの狼が。もう一人の少年のそばには、火を纏う鳥が控える。
離れた位置から見守る三人の少女。
「夏目……、夏目……」
紫色のストレートの腰まで届く黒髪、切れ長の吊り目の青い瞳は今にも泣き出しそうに揺れていた。白い指は祈りを捧げるように握りしめられ、何度も傷まみれの少年の名を口にする。
「……っ!」
二人目の少女は、目を引くほど燃え上がる炎のように赤い髪をポニーテールに縛り、毛先が背中で揺れる。握り拳を作り険しい表情で飛び出し加勢したい気持ちを、必死に抑え込む強気な印象を与える碧眼の瞳には声援を送り続けていた。
「諦めなさいよっ……。逢真じゃ、お兄様には勝てないんだから……! これ以上、やったらあんたが死んじゃうわよ……」
と、三人目の少女は胸に手を当て傷だらけの少年に向かって悪態をつくがそれでも心配するセミロングの亜麻色の髪、一度も二人から視線を逸らさない茶目が見つめる。
火の鳥をそばに控えさせている茶髪の少年が言う。
「君でも駄目か……」
そう落胆した声で。
「もう……抗えない運命だと受け入れるしかないよ、逢真くん。もう諦めた方がいい、今の君では弱すぎるんだ。神殺しとして覚醒して間もないとしても、その程度の実力では彼女を護るなど不可能だ」
冷静かつ諭すように、ボロボロの少年こと逢真夏目を見下ろし告げる。
夏目は、息も上がり震える足と体のあちこちから痛み呼吸すら苦しく意識を繋げるのが精一杯。それでも、目の前に立ち塞がる茶髪の少年に何を言われようとも諦め切れず立ち上がる。
歯を食いしばり、右手の拳を突き出し叫ぶ。
「絶対に諦めない! 今はまだ弱くて頼りなくてみっともない姿ばかり晒しいる俺だけど。それでも俺は、美哉を護ると決めた! この先、何があっても俺の全てを懸けて必ず護ってみせる!」
力強く、目の前の男に向かって気持ちを吐露する。まだ、戦えると態度で示す。
学園を覆う結界が張られ、雪平家と東雲家と秋山家の御三家の関係者、そして美哉たちが見守る中、相棒のフェンリルと共に己の意地と諦めの悪さを見せつける夏目の姿がそこにはあった――。
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